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絵を描くのが好きです。短歌は始めたばかりですが、とても楽しいです。

空に向け小さく息を吐く時の形で咲いていく白木槿 

立葵刈られて露わになっている長方形の東京の土 

カラメルは苦手なままだと言う母の隣でいただく濃厚プリン 

平台の表紙を眺めているだけで広がっていく気がする世界 

泡立ってカバンの脇からあふれ出て日傘は夏を隠しきれない 

全開に蛇口をひねる今日からは汗をかいてもよいものとする 

ウエストを回り続けるファスナーの位置が正午をお知らせします 

できるだけ会社の椅子を低くして潜水をする 私はいません 

梅雨入りに備えて今日はとびきりの水玉模様のスカートを買う 

門だけになった木造アパートに供えられてるコーヒーの缶 

北向きの窓から入ってくる青い光で洗う染付の皿 

春の雨ニットベストをひとひらの分銅を足すように重ねる 

まだ夏になってはいないわたくしが黒いタイツを履いてるうちは 

枯れている紫陽花の色をパレットに薄く溶いてた中三の夏 

銀杏の木取り払われたその跡に墓標のような丸い止め石 

チョコレート色したニットの靴下をたくし上げては幹となる脚 

紐付けをされたくなくて現金で支払いをする3時のおやつ 

ぶり返す寒さに揺さぶられていて固まっている蜂蜜だって 

つまを待つ夜の欠片を縫い合わせパッチワークの星空となる 

スーパーにたどり着けずにコンビニで弁当買って帰る花冷え 

ちり紙を丸めたように咲いているようにしか見えない春もある 

この部屋でポトスの葉にも私にも等しく降り積もっていく埃 

洗濯機に履いてた靴下放り込み冷え始めてる春の指先 

た行その他のプレートの棚にいて輝いている最推しバンド 

一輪のユリの重さで落ちている腕明け方の床から拾う 

真昼間の住宅街を縦笛の音だけが行く『喜びの歌』 

つけすぎた鈴ガラガラと玄関で鍵を出すたび祓われている 

逃げまわる赤子のようだ掴めないお湯につやつや浮かぶ丸餅 

電柱に寄せられた雪 ゴミの日が過ぎたのにまだ残されたまま 

カーテンを大きく開けて雪を待つ 警報なにそれ聞いてないから