Utakata
登録
Login
吹
フォロー
3
フォロワー
9
投稿数
148
絵を描くのが好きです。短歌は始めたばかりですが、とても楽しいです。
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
次 ›
最後 »
立葵刈られて露わになっている長方形の東京の土
2
カラメルは苦手なままだと言う母の隣でいただく濃厚プリン
1
平台の表紙を眺めているだけで広がっていく気がする世界
1
泡立ってカバンの脇からあふれ出て日傘は夏を隠しきれない
4
全開に蛇口をひねる今日からは汗をかいてもよいものとする
6
ウエストを回り続けるファスナーの位置が正午をお知らせします
2
できるだけ会社の椅子を低くして潜水をする 私はいません
6
梅雨入りに備えて今日はとびきりの水玉模様のスカートを買う
1
門だけになった木造アパートに供えられてるコーヒーの缶
2
北向きの窓から入ってくる青い光で洗う染付の皿
0
春の雨ニットベストをひとひらの分銅を足すように重ねる
2
まだ夏になってはいない
私
(
わたくし
)
が黒いタイツを履いてるうちは
7
枯れている紫陽花の色をパレットに薄く溶いてた中三の夏
3
銀杏の木取り払われたその跡に墓標のような丸い止め石
0
チョコレート色したニットの靴下をたくし上げては幹となる脚
0
紐付けをされたくなくて現金で支払いをする
3
時のおやつ
0
ぶり返す寒さに揺さぶられていて固まっている蜂蜜だって
0
夫
(
つま
)
を待つ夜の欠片を縫い合わせパッチワークの星空となる
1
スーパーにたどり着けずにコンビニで弁当買って帰る花冷え
0
ちり紙を丸めたように咲いているようにしか見えない春もある
2
この部屋でポトスの葉にも私にも等しく降り積もっていく埃
1
洗濯機に履いてた靴下放り込み冷え始めてる春の指先
0
た行その他のプレートの棚にいて輝いている最推しバンド
0
一輪のユリの重さで落ちている腕明け方の床から拾う
5
真昼間の住宅街を縦笛の音だけが行く『喜びの歌』
3
つけすぎた鈴ガラガラと玄関で鍵を出すたび祓われている
0
逃げまわる赤子のようだ掴めないお湯につやつや浮かぶ丸餅
2
電柱に寄せられた雪 ゴミの日が過ぎたのにまだ残されたまま
0
カーテンを大きく開けて雪を待つ 警報なにそれ聞いてないから
1
ひとつだけシンクに残っているグラス 透明だから気づかなかった
0
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
次 ›
最後 »