Utakata
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絵を描くのが好きです。短歌は始めたばかりですが、とても楽しいです。
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夏過ぎてストッキングを脱ぎ捨てた脚甘やかす黒タイツはく
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寝る前にブレックファーストブレンドの紅茶をいれる程度の悪女
4
雨の日に細い階段すれ違う 旅人算を使う間もなく
3
端っこにケチャップのあと残ってる在宅勤務で使った書類
3
坂の上一眼レフをアスファルトに向けて構えている画学生
3
帰宅して充電コード突っ込まれ血が通ってくスマホと私
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店先に張られた迷い猫のビラみんなじっくり見ていく土曜日
2
闊歩するオフィス金髪縦ロールもう見られないギャルの退職
9
玄関に寄せ植えされた花の苗まだよそよそしく距離を保って
2
石段に散らばっている秋の花 紫という色思い出す
2
平穏である前提で立てている吹き飛びそうな軽さの予定
3
だだちゃ豆山盛りにして貪って明日の分も一皿追加
2
夏帽子目深にかぶり見上げると低く感じる快晴の空
2
目の前を横切る蝶を大袈裟に
避
(
よ
)
ける触れても痛くはないのに
8
ガーネットは持ってないけどキッチンの戸棚で煌めくラー油の小瓶
8
ベランダの洗濯槽でほっとかれ乾き始めているバスタオル
7
帰宅して脱いで揃えた革靴に
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度の外気が残る
4
灼熱の砂浜を歩く足取りで洗濯物を干してるベランダ
2
手に届く場所にあるからいつまでも弄ってしまうニキビと悔恨
3
どんな味するんだろうと摘まんでは戻す固形絵の具の包み
2
いつか描く予定ばかりを買っていて白く積まれてゆく水彩紙
2
押し込んだ鞄の中で膨らんで溢れ出してるレースの日傘
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方眼紙みたいで涼しげ大きめの格子模様の夏用スーツ
2
アスファルト照り返す日の熱ささえ感じぬ冷やされ切った内臓
1
冷蔵庫から取り出した梨の実は水道水よりずっと冷たい
3
遠くから近づいてくる夕立を感じるタイムラインの「雷」
7
帰宅して麦茶ポットをこじ開けて一杯分を残して戻す
3
炎天下信号機から伸びている影の形に合わせる体
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梨の実に刃を入れていく感触でまずは味わう旬の歯応え
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宇宙船通勤風景思わせる大江戸線の乗換通路
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