Utakata
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絵を描くのが好きです。短歌は始めたばかりですが、とても楽しいです。
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石段に散らばっている秋の花 紫という色思い出す
2
平穏である前提で立てている吹き飛びそうな軽さの予定
3
だだちゃ豆山盛りにして貪って明日の分も一皿追加
1
夏帽子目深にかぶり見上げると低く感じる快晴の空
2
目の前を横切る蝶を大袈裟に
避
(
よ
)
ける触れても痛くはないのに
7
ガーネットは持ってないけどキッチンの戸棚で煌めくラー油の小瓶
7
ベランダの洗濯槽でほっとかれ乾き始めているバスタオル
6
帰宅して脱いで揃えた革靴に
37
度の外気が残る
3
灼熱の砂浜を歩く足取りで洗濯物を干してるベランダ
1
手に届く場所にあるからいつまでも弄ってしまうニキビと悔恨
2
どんな味するんだろうと摘まんでは戻す固形絵の具の包み
2
いつか描く予定ばかりを買っていて白く積まれてゆく水彩紙
2
押し込んだ鞄の中で膨らんで溢れ出してるレースの日傘
3
方眼紙みたいで涼しげ大きめの格子模様の夏用スーツ
2
アスファルト照り返す日の熱ささえ感じぬ冷やされ切った内臓
1
冷蔵庫から取り出した梨の実は水道水よりずっと冷たい
2
遠くから近づいてくる夕立を感じるタイムラインの「雷」
6
帰宅して麦茶ポットをこじ開けて一杯分を残して戻す
3
炎天下信号機から伸びている影の形に合わせる体
9
梨の実に刃を入れていく感触でまずは味わう旬の歯応え
1
宇宙船通勤風景思わせる大江戸線の乗換通路
2
宙を見詰め
頻
(
しき
)
りに指を折る人は短歌を作る人かもしれない
6
ピンヒールで階段登る足首を飾るアンクルベルトの余裕
2
後れ毛を垂らす案配わからずに襟足にあてる生真面目な櫛
2
「有休」と打ち込んだ文字「悠久」と変換されて
揺蕩
(
たゆた
)
う指先
12
小さくて大事なものが集まってこんなに重いショルダーバッグ
2
布団からはみ出た
踵
(
かかと
)
を戻してやるレコードに針を落とす仕草で
3
二八そば並んで啜る勢いで夏を始める覚悟を決める
6
高層ビルの間に沸き立つ夏雲を崖から見下ろすこの街で生きる
2
太陽に当ててあげようベランダで息するように並ぶ革靴
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