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絵を描くのが好きです。短歌は始めたばかりですが、とても楽しいです。

帰宅して脱いで揃えた革靴に37度の外気が残る
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灼熱の砂浜を歩く足取りで洗濯物を干してるベランダ
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手に届く場所にあるからいつまでも弄ってしまうニキビと悔恨
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どんな味するんだろうと摘まんでは戻す固形絵の具の包み
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いつか描く予定ばかりを買っていて白く積まれてゆく水彩紙
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押し込んだ鞄の中で膨らんで溢れ出してるレースの日傘
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方眼紙みたいで涼しげ大きめの格子模様の夏用スーツ
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アスファルト照り返す日の熱ささえ感じぬ冷やされ切った内臓
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冷蔵庫から取り出した梨の実は水道水よりずっと冷たい
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遠くから近づいてくる夕立を感じるタイムラインの「雷」
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帰宅して麦茶ポットをこじ開けて一杯分を残して戻す
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炎天下信号機から伸びている影の形に合わせる体
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梨の実に刃を入れていく感触でまずは味わう旬の歯応え
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宇宙船通勤風景思わせる大江戸線の乗換通路
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宙を見詰めしきりに指を折る人は短歌を作る人かもしれない
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ピンヒールで階段登る足首を飾るアンクルベルトの余裕
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後れ毛を垂らす案配わからずに襟足にあてる生真面目な櫛
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「有休」と打ち込んだ文字「悠久」と変換されて揺蕩たゆたう指先
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小さくて大事なものが集まってこんなに重いショルダーバッグ
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布団からはみ出たかかとを戻してやるレコードに針を落とす仕草で
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二八そば並んで啜る勢いで夏を始める覚悟を決める
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高層ビルの間に沸き立つ夏雲を崖から見下ろすこの街で生きる
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太陽に当ててあげようベランダで息するように並ぶ革靴
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桃はまだ高くて買えない目の前の白くて丸い膝裏を見る
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怨霊となって貴方の無防備な耳殻みみがらを噛む七日目の夜
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唇を求めるように傾ける石膏像の冷えた鼻筋
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耳の水ぬるりと抜けてまだ熱い君が好きだと気付いてしまった
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