Utakata
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絵を描くのが好きです。短歌は始めたばかりですが、とても楽しいです。
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真昼間の住宅街を縦笛の音だけが行く『喜びの歌』
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つけすぎた鈴ガラガラと玄関で鍵を出すたび祓われている
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逃げまわる赤子のようだ掴めないお湯につやつや浮かぶ丸餅
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電柱に寄せられた雪 ゴミの日が過ぎたのにまだ残されたまま
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カーテンを大きく開けて雪を待つ 警報なにそれ聞いてないから
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ひとつだけシンクに残っているグラス 透明だから気づかなかった
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スチームで何でも解決できそうな気持ちになれる通販番組
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酎ハイの空缶潰して縫い合わせ鎧にしようか資源ごみの日
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二枚ほど使って後は湿気ている退職願を書いた便箋
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椿ならいいのに路地の生け垣の緑に冬の深まりを待つ
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午後2時のコンビニに並ぶサラリーマン達が手に持つ甘い菓子パン
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今までに住んだ街の名記憶するクリーニングのカラフルなタグ
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鉄パイプと一緒に立て掛けられている店先でよく洗われた竹
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ブランケット深めに羽織り震えてるプールサイドのようだオフィスは
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引き出物は漆の菓子器これでまたひとつ揃った茶の間の設備
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目の前に立つ人のウールジャケットにたくさんついてるたぶん猫の毛
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リクルートスーツにチェックのスリッポン合わせて風を切る学生街
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エコバッグの持ち手が裂けた この世には永遠なんてものは無かった
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一人でもパーティー開けをしたならばそこはパーティー会場なんだよ
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溢れ出る梨のしずくを受け止めるには半袖の肘でなければ
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できるだけ日陰を辿る道筋をナビゲートしてほしい炎昼
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長雨で育ったヘチマのカーテンが半分枯れてしまった酷暑
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待たされると思ってなかったレジ袋の中で溶けてくバニラのアイス
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垂れ下がる蔓草をくぐり風呂屋への細道を行く台風の後
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遊ぶ子もなく夏の日に晒されてオブジェとなったパイプの遊具
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七月は暑かったなぁとカレンダーめくると本気の夏が待ってた
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玄関の傘の隣に立ててある同じくらいに真っ直ぐな葱
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始まりか終わりなのかは分からないチャイムが聞こえる高校の前
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水張田のような静けさ床下の基礎に打たれた生コンクリート
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街路樹が歩道に落とす影ばかり目で追っている五月の真夏日
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