サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みるごとし
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携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
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昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
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老木の ひなたの桜 満開で パワーもらいし 五十二の春
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幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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仏壇の蔭に身を寄す蜘蛛の子よ まわれ右する掃除機の先
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あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
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夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
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五分咲きの 桜の下の ベンチにて 缶コーヒーで 心をリセット
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にぎにぎと はなのもとにて 宴持たむ 花も人世ひとよも はかなくあれば
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命日は春爛漫の花の頃笑顔の似合う君が決めた日
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手につかみ 口に入れたい 孫三女 満面の笑み 見とれる時間
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菜の花に降りしきる雨車窓より眺めつ向かうデイケア施設
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みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
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この世から逝ってしまった人達と桜の下でおしゃべりをする
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普段なら歩きもしない堤防に我を誘ういざなう桜の力
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この世には限りがあると諭されて今満開で咲き誇る
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何もない日が幸せと言えるほど 良い環境に置かれてみたい
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私にも家庭と離れる日が来るの朝霧夕霧たつ北の街
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朝採れの 菜花、スナップエンドウの たっぷりパスタ 春きらめきて
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満開の 桜愛でつつ 一休み アイスティ―には 花びら浮かび
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三つ折りにかれ燃える線香も うちのひとつぞひとり尽くらめ
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小松菜の種をパラパラ庭の隅ほんのささやか我の菜園
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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
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あかつきに 寝覚めて 十首詠みて恋ふ 雲と見まごふ 白き花枝はなえだ
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トゲのない言葉を探す会話するへとへとになる今日も一日
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弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
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花冷えに夕焼け染まるロッカーの名札剥ぎとり卒業とせむ
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五00キロ 離れし友を訪ね行くプチ家出だと高一の孫
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