朝起きて毛布に包まるうちの子が またしもやけと付き合う季節
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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だいだいの小さき花から漂う そのかぐわしさに胸膨らませ
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「意外とさ、嫌いじゃないねこの味は」 わたしゴーヤチャンプルでしたか
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死んだあと、きっと世界をこう見てる。屋上の景色。羽はまだない。
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茜雲あすも良き日になりそうな迫り来るなり燃ゆる黄昏
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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大病をせし弟よや健やかに暮らしておるか案じて祈る
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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秋空の 雲の切れ間に 差す夕陽 レンブラントが 大地を照らす
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合わせれば逸らす視線の動線で見えない壁を張る能力者
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秋空は 淡く哀れに 泡のな 今亡き夏の 君の半袖 
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切れるべくして切れてきた縁があり、空の財布と向き合っている。
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政策の詳しいことは分からんが とにもかくにも物価高市
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エアコンの作った空気が苦しくて冬の夜風に消えたくなった
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淹れたての コーヒーの香りは 時を止め 秋空の雲を しばし見送る
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山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
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恥ずかしい 誰もいない家 ハミングをやめる必要なんてないのに
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人の無い夜中の街で一人きり雪に残った靴跡を追う
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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なんということもない事なんとなく上手くできないそんな今日です
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この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
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いつの日かダイヤモンドとなることを今日も願っておやすみなさい
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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一晩中 雪の明かりに 照らされて 白夜なのかと 見紛みまごうほどの
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歌で知る 歌しか知らぬ あの人も 良い一年で ありますように
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初春の 明けの明星 はく息は 白く彼方へと 静かに消える 
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朝ごはん 富士山望むリビングに ちょっと優雅な気分に浸りて
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息子から 少し早目の 贈り物 幾つになれど やはり嬉しく
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あの日から変わらぬアイに侵されて もう3年か、凶器は絶えず
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