道端で 白いマスクが 日向ぼっこ 青いお空と そら、睨めっこ
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冬過ぎて 卯月につくし 土つつき 春の足取り 描く澪標みおつくし
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補聴器で 互いの波長を 感じ取り 歩調を合わし 行く散歩道
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平静を 装う君に 詮索はよそう 代わりにご飯 大盛り粧う
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布団から 顔だけ出して 窓を見る まどろみの中 ふと浮かぶ顔
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井戸の中 蛙移動せず 相変わらず 既に足るを知る 心無意識イドの中
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空を指し 「あ、オリオン座」と 君がいう どこで覚えたの?うちのおりこうさん
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花びらが 焼けた肌みたく 剥がれてく 白く輝く 初夏が覗く
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追い追われ 想い想われ 手を取って このまま共に老い終われたら
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子の目方 三千グラムに 胸膨らむ 期待と乳に 膨れをるらむ
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公園の便所の床を這い回る雀蜂を見て僕だと思う
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生きていて"ごめんなさい"と"よかった"を反復横跳びしてる僕たち
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ただ会って話して食べてまた話す また会う日まで生きるとしよう
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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もう誰も「よき倫理を!」とは言わないし 神は死んだと嗤う声も無し
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君の瞳が 開く 右手が息を吸う ここが世界のまんなかになる
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悲しみを悲しみとして受け入れる シンデレラにはなれない私
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連日の熱気 はらりと夢になり 9ここのか過ぎれば ここも秋です
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病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
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ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
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「分かるよ」と絶対容易く言わないで でも君だけは きっと分かって
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鳥籠の中で産まれた鳥は皆 飛び立つことを病気ビョーキと思う
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アスファルト 押し上げ根っこが背のびして 立って春待つ 桜の並木
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そこにある 風じゃない声 耳澄ます 人差し指で評する前に
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亡くなりし犬のにほひの残る家 庭の白梅シラウメ今年も咲いて
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短歌うたを読み思い起こすは故郷の一家総出の田植えの五月
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眠るの耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
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カーネーション長持ちさせるって難しい 日に当て水やり大事な花たち
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スピードに今さら驚く遠い国旅する息子と瞬時のやりとり
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手抜きでも「美味しい」と言ってくれるひと それで上がらぬ私の腕が
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