晩年の母 慣れぬ手つきで嬰児ひまご抱き ひろがる笑顔最後の写真
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花や木々 空の蒼さや風さえも 短歌うた詠みめし日々変わりゆき
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夕暮れの薄青き空ひんやりと三日月浮かべさよならを言う
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永遠といふにはあまりに透きとほる陰を重ねてなほも翳らず
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夜の雨 種蒔き時に 慈雨となり お日様伸びて 大地たりなむ
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重き荷を ズシリと背負う村仕事 一年ひととせ無事にと神棚拝む
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ベテランの刑事でかも目逸らす現場げんじょうに立ち会った後飯五杯食う
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凍てつきて 碧く透くや  清流の 君旅立ちて 我春を待つ
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朝起きて裸眼で古い歌集読む我をカーテンの隙間から見ている あなただあれ?
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我が庭にムスカリ連翹 雪柳 桜吹雪きて彼岸の明ける
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雪解川 水際うずまく 白銀の 早瀬の飛沫 光り散るかな
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桜咲く国に生まれた我々は 生まれながらに ど幸せだな
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あの夜のキスの感触消したくてスプーンべたり舌に押し付け
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義弟おとうとは結婚したら千葉に住む マスオさんは次男だらうか
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制服で自転車漕いでどこまでも 不自由の中の自由を愛した
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靴底を張り替えてなお履き続け靴紐緩む夜の下駄箱
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「それでいい」と「それがいい」の間の大きさを君はまだ知らないと思う
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黒ずんだミゾレの足跡を遠い日の雪が隠してくれますように
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ほんとうにこれがあなたの骨ですかこんなにほそくしろくつめたい
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涙腺は切っておいたよ今のうち 下手すりゃ君に弱みを見せちゃう
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ピーラーを知らない君が淀みなく 剥く大根はナイアガラとなり
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変な人 他人のことなど 気にしない わが道を行く それでいいじゃん
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いいことを 強制すれば 悪いこと 道理に合わぬ 牢獄世界
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自らの 意思に従い 自らの 望み通りの 行く末となる
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諦めて 引き返しては なるものか 遠き頂き 目指して進め
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英米は 世界の富を 略奪し 資本主義とか ほんま呆れる
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戦争を 止めるためにも 孔子様 儒教を唱え 人権を無視
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永遠に ずっーと続く 幸せを 想像できる 人は少ない
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きっとある そういうものが きっとある そう思わんと やってられない
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働いて 働き続け 死ぬ後で ゆっくり眠れ 仕事もないぜ
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