誕生を今か今かと待たれる児生まれる前に既に幸有り
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公園の敷地半分削られて なんとか残った遊具のパンダ
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母さんが土砂降りを君に降らせては晴れた後から虹が痛くて
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読み違え一太歯ぎしり足元で小川ながれるせせら笑って
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奇妙でもこの言葉たち紡がせて 伝わらなくてもいいからどうか
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明けた空キラリ微笑ほほえむ月がいて 微笑み返す今日は記念日
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積読の中に埋もれたあの頃のアイデンティティと出会い沈黙
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初春も癌の治療の始まる日 枯れ野の径に白き水仙
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あの人に一票入れて一年ですこうなるだろうと思ってましたか?
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膝で寝て 口チュパチュパしニヤリ笑う  夢でも君の 母ちゃんでいたい 
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白い空をじいっと眺めている猫のうしろ頭をにんまり眺め
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年始から 残業続く 吾の身にも 福は来たりと 半月の言ふ
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口開けて良かつた歌を思ひだしこそぎ落され歯垢とともに
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丁寧に愛情込めて育てても伸びぬ実らぬ咲かぬ子もある
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「当たり前!」若い頃の 生意気が 今は懐かし 言霊ことだま覇気はき
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『この世なの?』 『あの世なの?』 言葉遊びで けてゆく夜
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お年賀の 焼酎の栓 開ける夜 芋の薫りが 気持ちを癒す
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時雨来る予感のあたる冬夕焼け 着膨れて行く五分のポスト
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静かなる炎を抱きて闘いし タイ緩むるを背中で感ず
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削れゆく鉛筆走る音さえも染みゆかむかな 雪の白さに
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叫んでた「ここにいるぞ!」と実在を 遊芽ゆめ公園の遊具の上で
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食道を熱して下る大根を ビールで追わん寒夜の夕餉ゆうげ
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嬉しくて少しさみしい コミックの全巻セット大人買いして
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「わたしのお母さんはおばあちゃんです」ちょっと恥ずかし次女の作文
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日々追われ中途半端な子育てもははの愛にて子等健やかに
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寒けれど 寒さの中に 風情あり  ため息一つ 気霜きじもに変わる
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花そよぐ ふとした先に 君がいる この街ごと好きに なっちゃったかも
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髪を梳く髪を洗って髪を干す落ちた私の一部だった髪
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子や婿の仕事始めに残された 我に今日から初場所来たり
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羽たちがみんな巣立っていきましてペラペラになるダウンジャケット
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