動かざる思ひ知りたる雨の歌ひとり受けたしあゆみ静かに
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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集まり後いまだ一人の反省会 損だと思ふこんな性格
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縄跳びで大波小波夕暮れを削り取ってたとも気付かずに
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便りあり支えなき父歩けぬと冬柿の枝さぞ細かろう
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独り身の寂しさ煮詰めたかのようなレトルトカレー食む寝正月
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止まらずに まわり続ける 暴れ駒 張り手一発 作法はそこから
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寒風に負けるもんかと下向きの椿の花が一輪二輪
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初雪が名残りの柿を白く染めめぐりそこねた季節を隠す
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見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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一筋の祈りみたいな名前やね「のぞみ」私は東京へ発つ
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
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行った店 歩いた道に観た映画 記憶の花が咲き誇ってゐる
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嵩高に積まれる雪を眺めては大きイチゴをひと口に食む
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木の枝の何処に潜みし寒すずめ一斉飛び立ち空色変へし
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晴れ空に老若男女集う日の美よ美のままであれ航空祭
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来世とか あるとしたらば 犬かネコ 木とか花とか クジラがいいな
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悲しみの 雨にうつむき 泣いてては 空に昇った 虹に気づけぬ
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アルバムをめくりて若き吾に問ふ 夢見た未来獲得出来たか
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きさらぎの 神に捧げる さかきには 新芽がのびて 雪のふる春
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カサついた くちびる見つめ 今夜だけ 映画のような 君を信じる
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退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
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弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
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部屋干しで みるみる上昇 湿度計 洗濯日和に お日様ゴメン \ 関東はカラカラです
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独り夜に 炬燵に入りて 口遊くちずさむ 涙を誘ふ「♪ かあさんの歌」
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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隙あらばガチャが出来てるストリート またかなんてはヤボな話ね
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喧嘩して、仲直りして、ご飯食べ。家族という名の終わらない恋
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幼かった私に贈る指定席「大丈夫」という切符握らせ
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