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巷では人事異動に泣き笑ひ。そをみて我は悠々閑々
3
父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
26
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために
篝火
(
かがりび
)
を焚く
37
いつからかドアがきしんで声を出す度に知らせる家族の帰りを
16
額買って子どもの描いた絵を飾る 夏が始まる今日を祝って
/
立夏
42
老犬
(
キミ
)
はもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
29
追伸に 今でも好きと 本音書く 長い手紙は そのためのもの
26
追いかけてくれる優しさ期待してゆっくり歩く駅までの道
26
砂の城 潮が満ちれば 崩れると 気づいた吾子が 水際で泣く
23
ふんわりとお
陽
(
ひ
)
さまの匂いに
包
(
くる
)
まれる 布団を干して今日は幸せ
35
夕空はグラデーションに変化して波打つように星を迎える
26
さり気なく身支度何度も確認し 改札口で君を待つ夜
26
ドアの鍵 内から閉まる音響き 見送る愛のないことを知る
27
熱々の肉まんひとつ君と分け ぶらぶら歩く紅葉の街
25
ジャムの香のかすかに残る空き瓶にコスモス挿して秋を愉しむ
31
旅に出て過去のこだわり遠ざかる 車窓を流れる景色のように
25
耳澄まし森の鼓動に触れてみる木漏れ日の中ゆっくり一人で
24
夕焼けの冴えわたる空赤いほど切なさ募り家路を急ぐ
28
巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
19
忙
(
せわ
)
しさにコーンフレークを掻き込んで春
居丈高
(
いたけだか
)
に来たりと思う
17
杖をつき 前行く老人 カートには 花束一つ ゆっくり揺れる
49
大の字に寝っ転がって昼寝する 風鈴チリーン 涼風運ぶ
41
永久戰犯數長らへる政権の中枢一家に災禍はあら ず
18
朝イチの美しき声はキミだった! ひょいと現る小さなコオロギ
38
掬
(
すく
)
われて向こうに行けと流される小魚になり途方に暮れる
24
シャリシャリと月の形の梨を喰む夜暗がりに小さく泣いて
29
彼
(
か
)
の岸も
此
(
こ
)
の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
42
鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
55
笑いつつ 手を取り走れば 粉雪が
汝
(
なれ
)
が睫毛に 我の睫毛に
24
先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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