やっぱりねアナログがいい アルバムを開けばそこに家族の笑顔
38
夏野菜 仲良く作る老夫婦 姿が消えて淋しい菜園
30
昨日より少し綺麗な音がする吹き抜けてゆく風とオカリナ
29
大騒ぎしてもいい場所少なくて身体の中にムズムズが溜まる
10
大合唱 玄関開ければコオロギが 秋も近しか猛暑日の夜
33
空中に ふわりと浮かび 揺れもせで 時とどめたる コスモスの花
26
哀しきは 飛び立つ鳥の の音よ 暗き小部屋の窓に立つ我
30
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
59
紅葉こうようは 赤き金魚の形して 碧空あおぞらの池で 泳ぎ舞い散る
34
淹れたての コーヒーの香りは 時を止め 秋空の雲を しばし見送る
24
哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
48
右脳うのうには 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物つく
32
朝ごはん 富士山望むリビングに ちょっと優雅な気分に浸りて
49
見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
53
値札だけ静かに替はり昨日とは重さの違ふ買ひ物籠や
14
部屋干しで みるみる上昇 湿度計 洗濯日和に お日様ゴメン \ 関東はカラカラです
46
AIが 瞬時に提示 夕飯の レシピを頼り ピンチをしのぐ
21
寒みいから ひゃっけぇ水は 掛けねぇよ寒いから 冷たい水は 掛けないよ」母がつぶやき 墓石乾拭き /父月命日
42
元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
23
改めて実感したら「あっそうか」一夜の恋も初恋みたい
23
君のいる 朝まで少し バスを待つ ただ君想ふ 頬に春風
14
ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
59
婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
40
もう一度 始めよう それが別れの 春であっても
12
幾春いくはるを 越えれど 未だ芽吹かざる 蕾の秘める恋よ 何色
16
吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
10
処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
14
黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
16
それぞれの背負ふ荷物の重たさを触れずに終わる今日の女子会
72
羊羹の栗大き方きみに遣りふと手の触れし春炬燵かな
26