永遠にしたい一瞬なんかない お湯が冷めてく湯船に浸かって
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引き出しをひっくり返し散らかしたガラクタ一つ一つ捨ててく
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枯れていく花と目が合う 今週は一緒に年をとっていたんだ
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父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
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帰り道、雪に埋もれた路地裏は 何処とも知れぬ 白いまぼろし
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弟と拙き論をぶつけ合い仔犬二匹のじゃれ合うごとし
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春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
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たましひの酢たまひ楯てる磔像の柱 世にはひとをあふれたまはしむ
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白木蓮あはあはと滲みいづこより来しものぞ燕尾垂れをり
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霊柩の冬雷に冴ゆ喪家葬式の花だしおらばたづねびとあり
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春暁落雪図庇はばつらぬきとほるまで槍穂を著けと聖霊ふたつ 
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日時計に影 梶尾舟じりじりと炙れ陽炎階段へ靴躙る釘
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右廊・三菱油彩鉛筆風景画展 左廊・村上隆ファンアート展、の地獄
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もう少しお昼寝しよう 午前見た桜の丘の夢でも見よう
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八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
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保存水賞味期限が近づいて感謝して飲む事なき五年に
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川の辺でトランペットを吹く学生 澄んだ音色が空に溶け込む
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朝八時だあれもいない公園をひとりじめする小さな兄弟
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亡き友が焼いた茶碗 温もりに 包まれて飲む 朝の一杯
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このところ会わないご夫婦元気かな 知らず知らずに目が行くベランダ
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長旅はいかばかりか 「ただいま」のひと言残して眠りこける息子
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夏が来る 日課の散歩は老犬よ あなたと私の体力勝負
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長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
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芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
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葉も枝も切られてしまって丸坊主 桜の樹々は寒そうに立つ
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この国に欠けているもの教育ね 年々増えゆく朝拾うゴミ
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ああ今日も桜が一本伐られゆく 痛い痛いと泣いてるようで
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一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
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音も無く陽炎かげろうゆれる濃い桃の百日紅さるすべり咲く 誰も居ぬ午後
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