冬日差す畑の隅に枇杷の花甘き香りを風が運びぬ
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ため息をつきて曲がれば白き富士雲を払いて満天の青
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「生きている しくみがわかる 生理学」 タイトルに惚れ買った医学書
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これからが これまで決める 苦しみを 御恩に変えて 滅度に至る
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明日は多分、教授に詰められる予感。膝のあたりで鳴る成長痛
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甘酒の作り置き切れちと寂し風邪予防にと朝から仕込む
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野辺のべの梅 冴える空気に さらされて  あかきがして 鮮やかとなる
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好きな人 追わずにいれば この想い 恨みにならず 好きでいられる (GPTが手直し)
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「髪の毛を自分で切れるものですか?」「無敵のダイソーすきカミソリで」
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例えれば雪に倒れて死のうとも見つけてくれたらそれでいいから
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睡眠を導入してくれなくなった 薬も鬱になったのだろか
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大寒を過ぎらば直に春の立つ暦めくりて早に春待つ
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日暮後に 微笑ほほえむ月は 足早で 冬の星座に 席を譲りて
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ひだまりで 夢見心地の きみを見て 伸ばしたい手を ぐっと堪える
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足るを知る 削ぎ落とすのも 心地よき でも無駄という 余白もいと
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庭のに黒く汚れど溶け残る あの雪みたく私れたら
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穢された記憶は消えず白かった 過去の光が私を殺す
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婆ちゃんが娘の背中を叩いてる「孫の手さだボールが効ぐがら」
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晦日の夜 踵の減った父の靴 磨きあげたし 除夜の鐘聞く
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池を出て木の実ついばむ鴨親子 寒の合間のまろやかな朝
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ねこゴハン皿に 白いおひげあり そっと拾って 天日干しする
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寒波にてこごえる日々も春兆はるきざし花粉症薬数をかぞえる
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さざんかの花弁ひとひら宙に舞い 北風の纏うまとう衣となれり
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「ご自由に」と柚子と橙並べ置く今夜だれかのおふろに浮かべ
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平日を 泳ぎきるため 休日に 息継ぎだけして また人の波へ
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好きだなと あなたがぽつり言ったから 私のまわりに 赤が増えてく
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早朝の三時にやっと眠くなるホットワインの催眠術師
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我が猫を 腑と見失ひ 物陰を覗けばそこに 日々かくれんぼ
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寒い朝石油ストーブ石油切れ石油ポンプの電池切れ嗚呼
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「10分だけ」思って ひざに乗せている ひとより高き ねこの体温
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