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葉も枝も切られてしまって丸坊主 桜の樹々は寒そうに立つ
12
ビルケナウにガザの髪触れ合ひ混じり死の後も死者なりき兄妹
12
半身不随のあには車椅子へくくりぬ両脚に雛罌粟の一輪 かれき
7
獣園に感傷姉妹うちなげくも錘鉛の槍かまへをりし闘牛士
5
喫水柩に降る雪柳をとめは蹄鉄を履かせをり 馬に
5
生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
54
油絵のような大雲黄金色 夏の夕暮れただ息を呑む
37
復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
5
どんなにか素敵だろうかあの人に〝ありがとう〟って伝えられたら
43
降る雨の雫の中に秋がある 清めの如く
轍
(
わだち
)
を染めて
33
茹でたての枝豆を噛む喜びよ 夏という名のご馳走がある
41
通勤の改札出れば天気雨 夏の終わりの香りが満ちて
48
子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
47
人生は神様が書いた物語 俺はページを日々めくるだけ
10
いつだってぼくらはきっと若すぎる 上手くできないことばっかりで
44
純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
35
波音に耳を澄ませば満ちてくる 人は何処かに
渞
(
みなもと
)
を持つ
38
解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
55
病床の猫にチョッキを編んだ日は独りぼっちの今日を知らない
44
悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
60
袴田さんに謝罪をしたら済むことか長過ぎる日々あまりに長い
11
粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
53
また明日遊ぼうねって今日の日の終わりを惜しみ吾子とつなぐ手
40
ハッとする店の鏡に映る我 何時からだろう見て見ぬふりは
42
寡黙な
息子
(
こ
)
居間でくつろぐ大晦日 久しぶりの家族のひととき
42
故郷の冬は寒くて冷たくて夜は暗くて星が綺麗で
48
祈るよに
抱
(
いだ
)
きよせるよ言葉にはならぬ気持ちに突き動かされ
37
吾に声 掛けし笑顔の 看護師は 「十五の春」の 面影残せり
15
お野菜は三食取りなと言った日から 確かに歳を取った気がする
17
もふもふの
愛犬
(
いぬ
)
の形の空洞を抱えて生きる ささ身を供える
15
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