どうしても別れの多い冬だった さよなら さよなら 手を振る 届け
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シャリッと鳴る苺大福噛み締めて驚くほどの空の高さよ
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亡き友が焼いた茶碗 温もりに 包まれて飲む 朝の一杯
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ふるさとの氏神の祭り思い出す 今日の夕餉は たけのこご飯
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脳のシワ増やすと良いと言うけれど増えて行くのは顔のシワだけ
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眠るの耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
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アンジェラという名の薔薇を挿木する未来が少し明るくなりぬ
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思春期の 中学68年生 卒業試験に苦戦しており
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雨音に眠い目こすり窓開けば ほのかに香る土と草花
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身を寄せて傘に入ればここだけが宇宙みたいで もっと降れ降れ
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青虫がひょっこり現わるレタスから キミは野菜の安心マーク
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真夜中に愛犬鳴いて我起こす まんじりともせず朝を迎える😣\老犬介護
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母よりも子育て上手にやっている 娘を見ながら懐かしむ日々
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ソーメンがマジックのように消えていく 食欲旺盛一歳男子
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「もうだめだ」 言っては山越え 生きてきた 老いの山脈 まだ続きあり
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愛かもな 自分ではなく君のため賽銭箱に小銭を投げる
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苔の生すへ、軍は果てて死ににけり。夏虫の絶ゑしかそけさ
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夏草へうづもれゐたる兵數多。骨晒れて芥子色の帽垂は
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日焼け止め、潮の香りの手のひらを君と重ねて夏を見送る
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自らを好きになれない君だから 代わりに2倍の愛を伝える
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旬だから二百五十円秋刀魚焼き全て昔を懐かしむ夜
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台風一過備蓄のはずのカップ麺とやたら目が合うこっち見ないで!
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君いわく憂いではない泪なら海へ帰るか僕に沁みるか
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目指すのはピンピンコロリその日まで地域の女性ははらは通う百歳体操
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日焼け止めチューブもこんなにやせ細り さんさんまぶしい夏も過ぎゆく
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空っぽの こころを山に 捨てに行く 高き空には いわし雲湧く 
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歌碑の立つ墓前にひとり詣で来て我なき後に思いを馳せる
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終わるのも始まるもよし秋の日に私はひとり点景となる
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今宵また 眠れる夜に 想うこと ごくごく普通 夢のまた夢
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正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
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