本邦初 それだけでまずええじゃない鉄のなでしこサッチャン首相 (そしてお手並み拝見)
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銀杏いちょうの木 たんと実をつけ母の顔 凛とぬくもり漂わせ立つ
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友告げしあの街花火無いといふ愛でし処名ところな相生(の)橋「岡山市」
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海の街夜空に咲く花火はな年十七回あなた亡き街色あせし花火
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金木犀キンモクセイ今も香っているかしら海風はこぶのともる
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暗闇に提灯の灯り五つ六つ祭稽古の子の顔照らす
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境内に笛や太鼓の音は響き秋の祭の準備調う
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湯につかり背中の重荷おろそうか 電気を消して鼻歌うたって♨️
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秋麗ら 母の写真と 話す日の 多くなりけり 彼岸花萌ゆ
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子の無きを 悔やむ時あり ひととせに 二度瓜と栗を 食む季節なり
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うたげ終え 友飲み残したる 杯の 祭りの後に 似たる寂しさ
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夫婦茶碗サイズを変えて主張する飯のかさなど変わりはせぬに
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聴かせてよ 月夜の森の物語 梢で眠る鳥たちのこと ②
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斜めが 森のてっぺん金に染め 松葉の香り 鳥たちの声 ③
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肝臓に しこりのあると 医師の言う 悪夢か現か あぁ藍染めの空
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点滴の落つるは遅く 雲速し 窓はキャンヴァス 茜雲あかねぐも染め
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耳残る幼子たちの駆ける足 新幹線でノイキャン入れる
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大谷の芸術ごときホームラン響く快音耳に留め置く
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いつもならつと手を放すのに今日だけは別れ見越しておんぶをねだる
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言い過ぎて頭がおかしくなってくるポイントカードお持ちでしょうか
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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アルバムを開けば心過去へ飛ぶ秋の夜長は寂しさつのる
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貴方あなたへと贈るラストメッセージ 「来世でまたお逢いしましょう」
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まだココア買ってないんだ いきなりの冬の寒さはちょっと勘弁
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たった今地球が過ぎた軌道には君の笑った声が残った
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見上げれば遠い記憶が蘇る遥か彼方で呼吸する星々
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衣替え 去年のズボン 入るかの オーディションから 始まりはじまり
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幼日をさなびはたにあと追い赤とんぼ抱きとめし亡父ちち遠きにありて
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秋の陽に背を押されおりはた立てば晴耕雨読の亡父ちち訪れ
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暖求む愛猫は 胡座あぐらを借りて丸まりぬ 我がひざぬくもりぬ
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