死の間際 笑っているか 苦しむか 後悔はなし おいらは爺
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甘い目へ  六〇センチと  白い息  「君が好きです」  夢想かさなむ
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好き勝手キャリア六年おじさんが模様替え魔で職場めちゃくちゃ
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何ひとつ決断できぬ殿ならばやむを得まいとつばに手をかけ
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クリスマス煌びやかなる街にいて古アパートで聖母子の如
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数時間前詠んだのも忘れてる 無意味の声は何istですか?
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簡単な人でありたい薄い雲ばかり行き交う夏空のもと
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雲の色をたしかめたくて 水平線ホライズン 大きな海のはじまりに着く
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本棚は古本の香り十五年積み重なった私とあなた
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変わり身の 変わり映え無き 変わらずを 変えてしまうは 変わらず君か
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教会に いそいそと足を 運びゆく 人々の耳に 響くアヴェ・マリア
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ふわふわり 浮かんで消える シャボン玉 舞台の上の 幼い少女
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いつだって僕を励まし慰めた歌のようには生きれないけど
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素直だと言われることもあるけれど素直は人を傷つけるから
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目の前のピンクの薔薇が枯れるころ私は新しい道をゆく
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叶わぬと 知り願えども 足りぬ手を 降ろす勇気も 伸ばす努力も
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あと少し 答え掴めぬ小テスト 蝉のせいよと ひとりごちする
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ソーダ水潜らせボクの恋心ほんの少しでも弾けてくれたら
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石膏像 見つめる先に いわし雲 校舎で独り 哲学をする
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出たはずの息子が慌てて戸を開ける マスク忘れた! 嗚呼そういえば
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あと少し君の指まで3センチ 触れてしまえば終わるのだけど
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ざばざばと雨水垂らす憎き空 部活がしたいの引退目前
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お疲れさん 去りゆく君のテールランプ おんなじ家に帰れりゃいいのに
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じゃあまたね 遺品整理し祖母の家 気をつけてな の言葉もう無し
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好きですと 言わずも漏れた恋心 それなのになぜ 聞き流せるの
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塩対応 キミの気まぐれ慣れっこさ 拗ねたフリして微笑み待つから
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体裁を整えた解 用意する 母の欲しがる良い子になって
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ぬいぐるみ 幾つも並べて何とする 川の字 真ん中 母陣地狭し
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ぶらんこに揺らされたまま恋心 もうちょっといてと言えないせいで
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窓叩く 暴力的な梅の雨 洗濯物と途方に暮れる
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