寒さ返る 囲炉裏火弾け 茅葺きの   峠凍てつき 月影冴ゆる 独り酒酌み 山音やまね泣き濡れ
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起きぬけに  ラジオのあさこ  耳にして  休みの空気  コーヒーと共に
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歌を編む ゲームでもらった ハートの数 死を先延ばす 残機の数
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旬の味 実家から届く 晩白柚バンペイユ 無心で果汁 啜るヴァンパイア
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この道がまた交わると信じるよ君はあっちへ僕はこっちへ
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支持率が上がり選挙に勝てばいい 大義名分? 要らんイラン戦争
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枝先に 萌黄色のちさき若葉 心細げに 春風に震え
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木葉屑草壁若葉花いきれ 牛迷宮に学生帽は燃えつきにけり
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平凡でありきたりだと捨てた日が懐かしき詩の一節となる
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春風に揺れるカーテン眠る犬私は静かにオカリナを吹く
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朝一番テーブルの上にはバラの花 静かな善き日 古希を迎える
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しょっぱいのーその目玉焼き、君のさが。いっぺんここらで心にあまみを。
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さばさばさばこきくれなゐのはねごろもたててふるなむしらかみのゆき
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ころされたいのちをかへせいまのいまもころされてゆくいのちをかへせ
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来し方の出逢い全てが星となり瞬いている真冬の銀河
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闇迫る秋明菊の白魂しろたまが仄かに揺れるハロウィンの宵
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週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
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好きな人そうでない人同居する歌という名の楽曲の群れ
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そこにありて 草木の陰に 冴え冴えと なみだに映る 野菊のいろ
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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灯台の 灯火ともしびなれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
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暗幕あんまくに 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の いくつ 
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窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの低く 空に溶けゆく
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くたびれに拾ひ物あり届けなば探す人ゐて胸ほどけたり
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球速も球質も追う英明はエースなりたい引退間近
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そんな夜はひっくりかえったスリッパとお話するのさ。おもて向くまで
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屍の周りに花を添える手の数だけきっと愛されていた
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われの政治に沈みゆく午後の選挙車へ冷たき瞥を送る
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北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
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新しいケリケリ猫に渡したら猫喜んで蹴りに蹴りけり
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