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喀血す母仔合はさば一羽の鶴となりなむおりがみのゆび
10
急ぎ旅なれどコスモス風に揺れ吾を迎える ふるさとは秋
34
里芋の葉っぱに転がる朝露で書いた短冊 七夕懐かし \羊の皮を被った山羊さまへ
18
ふんわりとお
陽
(
ひ
)
さまの匂いに
包
(
くる
)
まれる 布団を干して今日は幸せ
33
炭酸の抜けたジュースを飲み干した 輪郭のある終わりが欲しい
15
雪花ききづたへなる聖靈の耳霜灼けてなほ靑かりしかども
14
朝時雨 車両に向かい構え人 傘先で追う 紺碧の風
7
ブレーキをかけてしまった感情にもういいよってねぎらう夜更け
18
見た目より中身が大事と言う口で綺麗なパンを選んで食らう
21
幽遠に 妖しく灯る 枯淡の地 回帰したるは 或る日の位相
12
消えたとて 浮かんで在わす あいの果て 袂に花を 君がいるなら
10
扉閉じ 密かにもゆる 夜の折 火照る体感 肌に伝わる
8
祖母の手に見える干し柿焦茶色しわくちゃだけどそのぶん甘い
12
街灯が 仄かに灯る 寒夜時 顕に出でる 幽玄の相
14
情け無い 貴方がそこに いる事に 目を背けるは 恥じらい隠す
8
鮮やかな靴下を履く うつむいてしまった時の励ましとして
30
遠くからきみを見ている 届かない星に名前をつけるみたいに
15
また来よう 話した日から 五年たち また来れたねと 飛行機に乗る
15
コタツ点け 足先触れた 柔らかさ 我の牙城と 鎮座する猫
21
背比べ いつの間にやら 追いつかれ 父の威厳はもう無きものよ
20
繰返す 韋編三絶 道を征く 挑み結ぶは 或る日の想い
10
暗闇の中で煌めくシャンデリア五色をうそぶく悪魔の手招き
13
咲いたから急いで君を呼んだけど来ずじまいだね死んだミニバラ
7
小さな子コンクリートの道を蹴る巻いた尻尾は自信の証
8
立春の朝の日差しは透明で隣の家の屋根の雪落つ
31
ファミレスで
2
時間位もてばいいこれが笑顔のタイムリミット
31
陽の光、水もご飯も足りてない 私ってお花だったのかもね
13
なかなかに取れないのです服のシミ 会議の前につくと思わず
9
澄み切った空気が醸す冬銀河 あまねく星たち 幻想の夜
14
ホームランなんて狙えぬ性分で 人生いつも送りバントよ
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