地響きと 怒号のような 雷鳴に 部屋の真ん中 縮こまりおり
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川べりの桜を愛でに集いてし友の笑顔はあたい千金
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北目指す白鳥の旅いく日ぞロシアの空も自由に越すか
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誰彼の 人生に立つ 波風と その行く末に 気持ちが動き
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ほんとうの別れはきっと「忘却」だ覚えてる限りずうっと一緒
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歩きつも急に聞こゆる雷鳴に空青きまま速歩で帰る
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布団から 手や足を出し 背伸びする 寒くない朝 春が来たんだ
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新職場 図らず出会った先輩と 気持ちの距離が近くなったり
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木瓜ぼけの花 紅差べにさし花嫁 おちょぼ口 門出の春に 芝桜の路
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解釈は自由ですよといふほどにまばゆき星の海に溺れて
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後ろから狙う賢さトンビかな 花見の弁当一瞬で消え
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車窓しゃそう抜く空の青さと菜の花と目もと化粧のひよどりはべに
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美しい夕暮れの空グラデーション青と紫しばし見惚れる
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散り際の いさぎよさまで 美しく 悠然と立つ 桜の雄姿
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柔らかな風の似合ひしラベンダー部屋にも同じ風ふわり入る
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ぼくときみ同じようには書けなくてひとつになれない個性の孤独
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とりあえずなんて無礼じゃないですかそんな覚悟でビールを飲むな
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セルフレジ慣れたはいいが店員のお喋り見るとなにか解せない
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明けの空ぐぐんと両手エアな春掴んで深呼吸する
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桜花一目散で駆けて行く緩く夜風にくしけずられて
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散り際の花の脇から鮮やかな新芽が覗く春第二弾
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また明日  もう会うこともない キミの背中に  言ってみようか 聞かれぬように
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明日から田植えはじまる水田に白く揺れるは春の夜の月
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夢はなに?問えば戸惑う生徒らに実は私も同じと思う
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紛れなく北へ旅立つ白鳥かV字乱さずオホーツクへと
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姉ちゃんとケンカ中母の下の世話3回こなし決着つかず
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神様の気まぐれのごと片頭痛われを孤独に部屋の片隅
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ひとりでに口からこぼれる「帰りたい」どこにも居場所はないはずなのに
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桜にはつらい雨ゆえ何故なにゆえに散る花びらの愛おしきこと
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感情の共有生まれしこの場所に繋がる人の心柔らか
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