蝉の声聞いて 今日から夏になる サイダーみたいな予感 はじまれ
8
父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
24
人と会うたびに人相変えてるの? 精神世界のカメレオンみたい
5
ゴーグルをつけて 信号待ちの子ら  すれちがう人の表情ゆるみ
24
手のひらを太陽に透かしてみればCPU浮き出るアンドロイド
4
楽屋には必ず顔を出してくれるゼロ発屋のお笑い芸人
6
持て余す愛が両手を溢れては しゃくとりむしさえ愛おしいのに
4
家賃五万六畳風呂付きワンルーム 死ぬには十分な広さだ
5
友宅へ遊びに行ったとき他人の本棚覗く背徳感あり
4
お盆にはみんな帰ってきてたから黒く塗りつぶした絵日記
3
涙目にくすぐったいよ線香が 手を合わせてもそこにいないよ
9
眠たくて 首もげそうなこの人に 右肩を貸す 次の駅まで
36
結婚式場で半袖半ズボン 新婦の意向で勝俣スタイル
5
坂の街転がり落ちぬよう母は君の手つなぎ登ってみせる
13
やはり「また・・」 再燃病さいねんやまいに 悩まされ 岐路→岐路→岐路と 道は永遠
7
あおむしとダイコンの葉を分けあって 味噌汁の具は今日は少なめ
46
ブランコが高く上がれば上がるほど 美しくなる 重力の虹
38
残り柿ひよどりの宴にぎやかに 残り少なく厳しき冬の
18
大寒にきりりと立ちて八朔の かおりに満ちる春をいただく
20
「飲み行こう」「いいよ、いつ行く?」 それっきり返事が来ない 三年くらい
8
銀行辞めて脱サラをする決心に女房が泣いたから定年
7
若鯉の猛アピールにカープ女子楽しみビール飲み過ぎ注意
5
10秒で 返信しないで ポストから 片道3日が ちょうどいい距離
36
どうしても別れの多い冬だった さよなら さよなら 手を振る 届け
13
ときめきの在処を探し 泥水をまさぐるように心を潜る
4
シャリッと鳴る苺大福噛み締めて驚くほどの空の高さよ
20
亡き友が焼いた茶碗 温もりに 包まれて飲む 朝の一杯
18
ふるさとの氏神の祭り思い出す 今日の夕餉は たけのこご飯
17
クレヨンとハートのシールいっぱいに幼子作る母の日カード
15
地の上に ひとりで熟れていく果実 陽の温もりを蓄えて黄色
6