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左手に電話を持って謝罪をし右手はペンでお花書く癖
35
白い傘張り付いた花びら見つけ「いつからいたの」愛し美し
35
干し鰈ふわふわの身を食むときに海の気配が二、三分なり
32
轟音のいつものくしゃみに遮られ 歌にならない母よ 元気で
43
効くよって一匙くれたマヌカハニーときめきだけがさらりと溶ける
20
延々と推しの見切れる画面観て梅雨明けの報せの濃浅葱
14
ばあばン
家
(
ち
)
いっつもあると思ってる ゼリーを作る わんぱく来るぞ
35
暑い夏あの日も今も去って行く 私は今も待っているのに
13
思い出すあなたの優しさ思い出と共に これが愛だと気がついたんだ
15
いつだって通知も瞳も見続ける ずっとずっと待っているから
9
思い出喰い 夢と思い出 再生産 全てを美化して 苦しいままで
10
移りゆく 車窓の景色を 眺めつつ そこで暮らして居る民思ふ
12
寝ちゃったし トイレに行くの めんどくさい 誰か代わりに 行ってきてほしい
14
抱きしめた夢をこぼして五十路なる甘き桃の香包まれ眠る
24
室生寺にて緑濁の池に数匹の金魚よ眼に鮮やかな朱
12
猫を見て 「かわいい!!」などと さけぶ
娘
(
こ
)
よ、 実はおまえが 一番かわいい
10
君がふと 「可愛いね」なんて 言った日にゃ 腹筋だって しちゃうんだからっ!!!
12
反戦と平和に みんなが飽きるのを リニューアルした 戦前が待つ
65
鳥の名を読めぬし知らぬ吾がいて調べて夏の研究のごと
21
本、食器、洋服、夏の大掃除 休みの成果に満足の夜
25
夏雲の濃い影は行くゆっくりと山から山へ涼しさ配る
25
懐かしさ覚えるものは多々あれど皺の数だけ幸福もある
14
世に逃げる 十五,十七 ひとときを おめめにパンダ 頭に
山葵
(
わさび
)
10
そういえば空を見上げていなかった 塞ぐ気持ちよ明るくな〜れ
28
「髪の毛を洗わなくてもいいからね😊」(別れ際) さすが我が
親友
(
とも
)
深い言葉だ
23
床に落つ白髪一本つまみ上げ抱きしめましょう我の人生
31
気遣いを しようと意識 しなければ 出来ぬ
性
(
さが
)
だから 頑張ってみる
16
朱が夜に 染まる境は ビル群の狭間 ちょうど僕の真上に
18
日々を詠む うたの しずくの 集まりて 渇く心に 慈雨のじんわり
62
夢にみし母は吾の手離さじと 握るちからぞ胸貫ける
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