不運から愛されている女あり男の裏が見える眼を持つ
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葉桜や川辺をゆけば陽を浴びて水面みなもを飾る花筏かな
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満天の星になれずに真っ黒な池の水面に浮かぶ花びら
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近頃はラジオも流すユーチューブ人気な歌は何故か早口
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ちま猫ちゃん しょっきだなにも のれるのよ 「シニア」だけども げんきげんきよ
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鳥の歌いつしかやみて花寒に空の涙の音のみぞする
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玄関を出るたびひらく花がある「がんばれよ!」 と隣のじいちゃん
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山椒の新芽の相違 尋ぬれば 犬山椒いぬざんしょうなる憎めぬ騙し
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風呂上がり鏡を見れば小太りの新大学生 かなり厳しい
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門口に座布団積みて哄笑わらひと ズレた軸に手添えなきを悔ゆ
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悠久の歴史桜は吉野山薫り今でもみんなの故郷
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花のふる風情を犬も知るやらん木の下に伏し花を浴びをり
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書くことも 読むことすらも 遠ざかり 私の文字は 未だ汚い
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いつの間に肝っ玉母さんになったよ 三児の母は我が目にまぶしく
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春雷の空に幹割れ雨に沁む 凛と芽吹く葉 若菜色して
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パンツルック 流行はやりて街に 活気あり そむきて揺らげ スカートの花
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むさぼった ハッピーエンドの 動画たち ずいぶん手軽な 快楽ですこと
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風となり卯月の君へ捧ぐのは散り急く白き菫の香こそ
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核見えず 通せんぼする海と陸、意地悪捨てて和ぎ給えよ
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さすがもう平気なんだとまだ有った冬の名残りを仕舞う暑さかな
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小鳥遊たかなしさへづりと南風はゑ 開け放つ窓をすり抜け 頬撫ぜる朝
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流れてく川に放すは軽き舟 四季の花びら乗せる折り紙
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新緑に皐月の花の咲きめて青空仰ぐ紅ぞあざやか
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カンガルー 厳しき自然 母子ともに 乗り切ってなお まだまだ続く
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パソコン台百均縛りで作りぬく使い心地は明日試そう
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混じりなき 静寂しじまの中の 賢きに 頭を預け また身を預け
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怠慢な仕事が有名M君はなぜかサインを太く目立たせ
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盲目の世界に一人彷徨いし病と別れ愛猫は逝く
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水温み駆け足でゆく白き砂 遠く人かげ予感の走る
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心配だ 母にも重い ランドセル 知らぬ子らとの 初の登校
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