タッパーの器とふたの大きさがいちいち合わぬわたしの運命
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紫陽花は雨を愛する花だから包み込んでよ雲も涙も
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わたくしに夢があったか忘れたが夏に向かってひまわり植える
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まだ青きトマト湯がいて皮剥けば香り顔出す小さき夏は
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君の手が蛍をそっと包んでる世界で一番優しい灯り
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幾千の巨大な鮫がグルグルと上空泳ぐ街にすむ神
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揺れそよぐすすき穂とまる赤とんぼ飛べ空よりもまだ空の上
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雨垂れがキン・コン・カンと打ち鳴らす観音びらきのおれの肋骨
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ラムネよりあの日の泡が溢れだす目にも指にも甘い想い出
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立ち上がれ転んでもいい走り出せ向かい風ゆく君はまぶしい
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進める日進めない日があって良い 右脳と左脳寄り添いあって
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今の夢、最悪だった、サメも出た。それでもグッドモーニングジャパン。
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人類で 薄めてあおる なさけなさ 主語自分 では 濃くて飲めない
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シンデレラの靴みたいな救いが欲しい 合わないヒールで踏みしめる帰途
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台本を 繰り返し詠み さあ開演 実家劇場 ムスメその1
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王様へ 裸です風邪ひきますよ  無礼者 だまれ へックション
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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貧困は望まないこと清貧は自らのこと律すると見る
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蝉の声聞いて 今日から夏になる サイダーみたいな予感 はじまれ
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父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
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人と会うたびに人相変えてるの? 精神世界のカメレオンみたい
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ゴーグルをつけて 信号待ちの子ら  すれちがう人の表情ゆるみ
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手のひらを太陽に透かしてみればCPU浮き出るアンドロイド
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楽屋には必ず顔を出してくれるゼロ発屋のお笑い芸人
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持て余す愛が両手を溢れては しゃくとりむしさえ愛おしいのに
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家賃五万六畳風呂付きワンルーム 死ぬには十分な広さだ
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友宅へ遊びに行ったとき他人の本棚覗く背徳感あり
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お盆にはみんな帰ってきてたから黒く塗りつぶした絵日記
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涙目にくすぐったいよ線香が 手を合わせてもそこにいないよ
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結婚式場で半袖半ズボン 新婦の意向で勝俣スタイル
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