5類でも なんだかコロナ 後遺症 全身痛に 洟の流失
4
病み疲れ 買い物さえも ふらついて 不機嫌になる 面会謝絶
4
恐怖心 取り去るほどの いい人に 会ってみたいな ほんとにいれば
4
ダメージを 忘れることは 赦すこと 自分自身が 赦されるため
4
ここにいた なんでわかるの 一発で あなたはいつも 右端にいる
4
晩春に替えるズボンの色冴えて 麦藁色とか茅色だとか
4
チェスの後挑まれたるは花かるた種札引きし胸元に赤
4
かすれつつ経路を上書きするSuica  なんか恋愛みたいでいやだね
7
年の瀬の行人の顔見るたびに 己が孤独の現実を知る
11
愛犬の為と夫は仕方なく 冷え冷えの部屋で布団にくるまる
30
気の早い初夏の風吹く通学路夏服のよなミズキの白よ
48
あかり むせび泣くよな 虫のは 夏のおわりを 告げる絶唱
44
来客にすました高い声を出す米寿の母の現役感よ
19
原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
29
朧月と寄り添うように山々は佇んでいる穏やかな夜
33
言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
57
落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
25
サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みるごとし
23
携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
34
昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
28
老木の ひなたの桜 満開で パワーもらいし 五十二の春
33
幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
57
あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
25
夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
27
五分咲きの 桜の下の ベンチにて 缶コーヒーで 心をリセット
40
にぎにぎと はなのもとにて 宴持たむ 花も人世ひとよも はかなくあれば
31
命日は春爛漫の花の頃笑顔の似合う君が決めた日
29
手につかみ 口に入れたい 孫三女 満面の笑み 見とれる時間
25
菜の花に降りしきる雨車窓より眺めつ向かうデイケア施設
34
みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
25