Utakata
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レンギョウの明かりのともる通学路転ばぬように迷わぬように
18
もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
21
ボイジャーが宇宙の果てを目指すころ私は部屋の灯りを点ける
13
銃口を 向ける仇は 幼き日 我と遊びし パン屋の息子
14
夜明け道 足もと照らす水たまり 夜中の雨の匂いを残す
12
飛行機に乗ってどちらへゆき女婚活のためちょいとヒマラヤ
12
往来の絶えた通りをからっぽの郵便箱が否認している
11
街灯にユスリカの群れ 東京にまだ居場所のない四月の僕ら
11
白雲をまばらに隠す鳥たちは天国なんて目指していない。
12
リクルートスーツの彼女の哀しみが伝わらずとも沁み込んでくる
11
花びらにほのかな霧の咲きなびく紫淡い胡蝶の蘭や
17
「水の色は水色ですか」と問うている 朝日を弾く水面を見ている
9
あったかい日のあとにまた寒い夜酒蒸し作り昆布茶を飲み
9
さようなら 最期の別れ 休んでね 記憶とともに 涙が溢れ
9
逆風で腹一杯の鯉のぼり。吾にはなきその強きメンタル
9
風
薫
(
かお
)
る
皐月
(
さつき
)
の空に遅桜人目もあらでひとり散り失す
18
命尽く ラストページは静寂の すでに届かぬ 我知らぬ父
11
暁に 勤めに向かい 横見れば 宵闇に居た 猫が見送る
8
幼き日の孫動画見る かたはらの眼差し見れば 子も親なりぬ
21
月めくり世界遺産のカレンダー行きたい国が毎月変わり
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三時頃雨は止んでて陽は照ってだが散歩する気力はなくて
7
ドア横の手すりとあなたの空間に収まり揺れて眺める市ヶ谷
7
神楽面すぐ隠してねとささやかれ 背向けたつ孫 8歳の春
11
柔らかな愛だけ信じていたいからシフォンケーキにホイップ添えた
7
沈黙の長さを別の感情にすり替えられてしまう雨の日
7
治らないわけじゃなくって治したくないから抉った もう別の傷
7
あなたにも わたしのために 人知れず 涙する夜 あればいいのに
7
季違いのもがり笛熄む丑三つに 蛙の鳴き音ふいに戻りぬ
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大阪に
筋
(
すぢ
)
ぞ多かる御堂筋牛筋煮込みその筋の人
7
新緑の清しき風を吸い込みて五臓六腑が青に染まりし
10
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