つち振れば割れてひらける石のなか祖父の面影化石に映り
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ことさらに人恋しくてこの夜は朔の月さえ空になくらし
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選手らの背を追うドローンは戦場で 兵士を襲う恐怖ともなり
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ふた七日なぬかゆきくれてゆく梅の香に弄されて満つ夜半の月かも
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茜雲広がる風景君からの1枚今でも待ち受け画面で
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涙星 泣きたいときは鳴けばいい いつかは渇れて 忘れてくから 
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悪寒あり 妻が作りし玉子酒 晩酌代わりにおかわり却下!
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お汁粉は美味しいけれど飽きもくる 口が整う塩昆布欲し
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降車ドアひらかば 眠気覚むるほど 冷へ込みぬ宵風 目的駅
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人は皆こころに憂うこと有れど 面(おもて)に見せず笑いで隠す
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羊羹の栗大き方きみに遣りふと手の触れし春炬燵かな
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まどんなと呼ばれし蜜柑いくかして萎むを見れば萬の元に
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幼き子キュンやグズるや竹の子や少子しょうしに笑み咲く歌に癒され
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唇を 重ねし折の 温もりに 君が鼓動の いたづらを知る
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明日から 期末テストの 筈だった インフルBで 自宅療養
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計画が上手くいかない金盞花きんせんか 最善尽くし自分を生きる
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ほとりわき 香る萌芽の 眼差しに 君が季節の 来るをぞ知る
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風の音に合わせてダンスをこの町であの怪獣と踊ってしまえ
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それとなく それとなく立つ それとなく 立ちたくなって それとなく立つ
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ゆっくりと握りしめてく薔薇の棘わたしの皮膚とどっちが強い?
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風渡り  揺るる水面と  玉しぶき 陽炎のなか  消ゆ後ろ影
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指揮棒に追いつけぬまま怒鳴られる夕日にかなづユーファニアムよ
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陸橋に揺れるスカート西陽差し冬の終わりは風の音に知る
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ゆきどけに水面はあり冬舗道ひかりを受けていずこにも空
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ゆび先の 当たるつよさは 不安定 だけど気持ちは ショパンかリスト
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球体の破壊あるいはたんぽぽの綿毛をとばす 遠くへ あるいは
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簡単な人でありたい薄い雲ばかり行き交う夏空のもと
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この町の駅舎えきのライトに照らされてひとりにひとつずつ影はある
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逆光のなかにある街 清水の舞台の傾斜たしかめながら
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みみうしろ やわらか猫毛 もふもふし 思い出すのは 子猫の時代
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