手習えばなんでも匠かの人に追ひつけぬまま秋のかたすみ
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秋を越え もはや冬支度 いそいそと 昼寝切り上げ 服に寝具に
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在庫過多 安さに負けて 買い足した 大根をまず ふろふきにして
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神の旗増えゆく駅傳の選手に振りつ國民の傲りたるも見ず
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大好きと 気まぐれにしか 言えぬから  初めて君に 会いし日想う
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歌の宿命とはおもふ有明の月蝕旅館から仇敵の余名出づ
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ナミビア沙漠われゆかねども紺靑の美靑年など泛べ塩湖に
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お行きよ、まばゆい記憶の白飛びはあたまの外ほかで知つてあるから
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のこされたスケッチの山を詰め込みて旅立つありしきみをはむと
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素粒子までほどけた「私」でもきつと同じ選択をするのだらう
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おい寒波、来る場所間違えていないか? 財布の中が極寒なんだが。
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九十年 重ねてもなお 溌剌と 自立素晴らし 理想の姿
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偶然に 信号待ちで ふれあって 交わす挨拶 「良い一日を」
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金魚妻 わたしの鉢はちいさくて 今は自由に游いでいるか
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ドライヤー 髪巻き込まれ 焼け焦げた 臭いが我の 火葬の香かも、と
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本にはさむ紙のきれはし 栞になったら大人
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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赤味噌の味噌汁味が決まらずに 四半世紀も過ぎてしまった💦
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シリウスは オルゴールのごと ティンコロと 優しき音色で またたきており
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世の中の ザクたち世界廻してる ガンダムよりも偉いよ僕ら
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同じとき重ねし友に会いにゆかんうすく紅ひき古希同窓会へ
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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ひっそりと埋もれる馬は軽やかに走るキャンター一口5
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今朝はまた妻が特別ご機嫌で 良い一日が待っているかな
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聞いたこと 言わずに留める 自尊心 ただ今全力育成中
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やや傷や汚れがついた人形をアプリで売った夜の三日月
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腹切れば同じ血と肉同士の恋 それでも百合と言えるか ヒトだ
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まったりと 猫と留守番 金曜日フライデー あえて音なき 部屋でUtakata
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病ゆえ四角き景色のみぞ見る人にススキが 知らせる爽籟そうらい (在宅療養)
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