愛犬が長く生きると信じたい まだ共にしたい時間は多く
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静けさや部屋に染み入るアホの声
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あなたとしか共有してないプレイリストの再生数が愛しい
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お笑いの賞レースを見たあとの重いニュースが流れる時間
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急病の娘の家に向かう道不穏な夜を照らす満月
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何も損は していないのに 言っただの 云われたなどと さるイヌたち
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そんなこと 自分でできると 疎まれて いつまでも付かぬ 御膳の燃料
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紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
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何気ない 「好きな人とも 喧嘩する?」 子の問いにまた 育ちを感ず
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田の景色知らずに育ちし吾なれど海馬に在りて水張田に鷺
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窓を打つ雨粒見つむの胸の日々の煩ひ洗い流せよ
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やられたね! 鳥も知ってる美味うまいもの 今朝は食べよう完熟ビワを
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君とでも、楽しめぬものあるならば それを知るのは楽しいでしょう
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片付け中、カゴと見るなり入る猫。私あなたをずっと愛すよ
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水無月の晴れ間に夏の熱気沸き脱皮するごと衣脱ぎ捨て
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雨が降り 晴れの日よりも嬉しそう そんな紫陽花 元気をくれる
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紫陽花は色とりどりに咲き誇り、深き思いで散らず枯れゆく
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十六年キミと続けたごみ拾い キミのおかげよ もう立てぬ老犬キミ
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一度でもした過ちと罪消えぬ やり直しても一生背負う
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辛い時 すがれるものが見つからず 楽しめるもの減ったと気づく
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アオダモに掛けた巣箱に耳すませ漏れ来る音に生命知るらむ
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愛犬の病が少し悪くなり 長生き、元気、切に信じる
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「ごめんな」と言われても、もう 何度もなん度もなんども何度も
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フル・ムーン 「もう赦して」と 願っても 御仕置つづく 変われぬ私
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地味ながら 今日一日を 書き出せば 充実と見ゆ 母と子の時
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あるじなき庭に咲きおる紫陽花の凛々しき青に故人偲びて
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備蓄米 未だ届かぬ 我田舎 空回りする 「地方創生」
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経験を したのに同じ 傘の下  護られるはずの いのち 時雨て
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久しぶり 星がまたたく そらとなり 静かな闇と 清き空気よ
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のこす 手縫い雑巾 握りしめ 温もり感じ 大事に使う
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