風強し 散歩帰りに 空見上げ 飛び来る枝が 顔面落下
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間違えてお行きなさいね間違わないと学べないから
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冴えない日胸で密かに唱えてねルック・アット・ザ・ブライト・サイド
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針穴が従来よりも四倍と触れこむ裁縫セット吾も欲し
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如何さまに思ほしめせか日向ぼこ邪魔していじるわれの肉球 /猫短歌 本歌取り
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久方の光のどけき縁側に恋猫思い返り血を舐む /猫短歌
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ささくれたこころに沁みる知らぬ子が「こんにちはー」と云つて去る午後
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隣席は 誕生日ケーキ 受け取りて はしゃぐシニアの声春届く
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人気者 負ける時には 笑われて 成功すれば 妬まれかねん
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3時半おやつ食べたら病みつきにでもゲームはねすぐに飽きぬる
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ゆきどけに水面はあり冬舗道ひかりを受けていずこにも空
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ゆび先の 当たるつよさは 不安定 だけど気持ちは ショパンかリスト
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球体の破壊あるいはたんぽぽの綿毛をとばす 遠くへ あるいは
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簡単な人でありたい薄い雲ばかり行き交う夏空のもと
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この町の駅舎えきのライトに照らされてひとりにひとつずつ影はある
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逆光のなかにある街 清水の舞台の傾斜たしかめながら
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みみうしろ やわらか猫毛 もふもふし 思い出すのは 子猫の時代
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綿毛の塔に風やわらかく吹き込んで崩れ去るにはまだ早いから
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芥子の花ひとすじ伸びて吹きわたる風つよければ折れそうなほど
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揚羽蝶の翅おだやかに振動し何かが始まろうとしている
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しじみ蝶は絡みあい離れあいながら草々のさきにふれてはなれて
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とことこと身体の軸をみださずに扉のしたへきえてゆく ねこ
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新緑のどよめく道をゆきながら小さく礼をしてすれ違う
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しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている
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アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所にもどって
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池の面に蓮の花びらとどまって静かに夏が終わろうとする
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努力ができないなら死になさいよと 全世界の美人に言われる
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吐き気がするのよあんたの顔見ると さっさとわたしを殺してちょうだい
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お金を払って初めて許される わたしがここにいてもいいということ
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ささやかな色をのこして紫陽花の花 夏の陽に乾きゆくころ
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