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このところ会わないご夫婦元気かな 知らず知らずに目が行くベランダ
14
長旅はいかばかりか 「ただいま」のひと言残して眠りこける
息子
(
こ
)
16
夏が来る 日課の散歩は老犬よ あなたと私の体力勝負
16
長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
21
芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
40
葉も枝も切られてしまって丸坊主 桜の樹々は寒そうに立つ
14
この国に欠けているもの教育ね 年々増えゆく朝拾うゴミ
15
ああ今日も桜が一本伐られゆく 痛い痛いと泣いてるようで
21
一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
61
七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
54
音も無く
陽炎
(
かげろう
)
ゆれる濃い桃の
百日紅
(
さるすべり
)
咲く 誰も居ぬ午後
52
平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
11
「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
9
純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
37
朝夕に飯を求める野良猫のために生きてる健康的に
11
葬列も散り散りとなり午後三時金木犀の香りの西日
65
月という隣人がおりその人はそっけないけど美しい人
41
Googleが教えてくれた 去年の今日わが子が初めて歩いた日だと
58
止
(
とど
)
めさす 淋しい心の 急所とは。 人にはおわす のど仏なる
27
どんぐりを蹴ればカラカラ転がって笑って歩く小道は秋へ
55
いわし雲うろこ雲とか昔日の人々海を愛していたね
39
目覚めれば べつの天地が あらわれて 靴をはきかえ あさの白銀
/
立冬
37
何故なのか分からないけどわたし今ここでこうして元気でいます
36
歩きつかれ 夢中に寄りそう 人のいて 無理きかぬ脚と そっとなで説く
39
マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
51
雪景色 から車にて 参時間
土
(
つち
)
黒ぐろと オホーツクの丘
37
冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
51
透過した 下弦の月が はらはらと 風花をよぶ もはや根雪と
32
頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
33
魂の 重さでおちる 地球まで 青い空から ふわふわ淡雪
52
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