別れ際 半身になって手を振った 私ばかりが好きな気がして
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茅葺きの 囲炉裏火弾け ともし影 峠凍てつき 去ぬ後ろ影
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おろし風 山冴え返り 静けしや 白銀の舞い 凍る月影
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昼休み 音楽室で ギター弾きと 夏色歌い ギャラリー賑わう
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国益の ためと言へども 二枚舌 三枚舌ぞ 国を損なふ
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世界中つなぐ画面の指先に声なき声が平和を祈る ・お題「スマホ」
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「最高」を上書き続ける夜のなか 平和だなんて僕らが決める
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歌をもて 我を殴るも 諌めるも 知りてなお堕つ 我が影の常
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自由とか民主主義とか対話とか 無くなったのか 元から無いか
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吾の奥の 影を認めて 撫でてやる 筆を手となし そっと書きおり
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コイン精米の明かりを恃みつつ消えたいくらいただ帰り途
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集まり後いまだ一人の反省会 損だと思ふこんな性格
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噴水が落ちる間際に映し出す街は眩しく崩れていたり
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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ひよどりは声高高と飛び上がり凍れる空に朝の月見ゆ
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AIが 瞬時に提示 夕飯の レシピを頼り ピンチをしのぐ
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一年の辛苦に耐えし老い梅の蕾つけしがヒヨドリの
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山茶花の花びら積もる坂道をのぼりつつ聞く鳥の囀り
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掃除機をかけてないこと黙ってる旦那には黒は決して着せない
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婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
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ひまわりのような恋なら古希だって「あのね」「介護じゃないよ」「うふふよ」
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プランタを 花咲か婆ちゃんから もらい 花より野菜のタネ 選ぶ 孫
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夫逝きて三年みとせ目の春紅梅の咲きて嬉しや命の満ちる
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バス停のおじいちゃんの笑顔こそこの街に咲いた 最初のさくら
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歌詠まぬ日々を重ねて帰りつく「ただいま」という一番の歌
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「楽しかった」と 昨日に告げる ばいばいは 未来を走る コースの合図
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まだ暗い 部屋にひとりの呼吸音 宇宙そらとわたしの 秘密の時間
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浅瀬ゆく小石の光り掬わむと水に透くる手幼き紅葉
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「安全」と「必要」と有った震災まえ古き広告よぎる朝かな/柏崎原発試験的発電開始に
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浮き雲に寝ている心地 ごめんねと言えてすべてが軽くなりけり
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