背伸びして日常飾るその先でホントの自分行方知れずに
9
透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
16
君の声聞きたくなるとカボチャ炊く褒められた事思い出すから
12
三色ペン ふと見りゃ赤が 減り早く ノートを見ると 間違いばかり
25
終端が近づく。茄子を育てたい。区民農園申し込みする
13
飼われてるつもりもなくて水槽の小さな自由を金魚は泳ぐ
17
良き父の 姿になりし 君の人生とき 喜び吾も 母の道ゆく
16
朝の陽を あったかいなと思うほど 山の空気は冷たくなって
21
肌寒くなりましたねと交わす仲通勤電車名も知らぬ人
15
歌割りが少ないあの子 一瞬の輝き待ってしまうなら恋
6
ぽっかりと空く穴に吹く涼風を 寂しいと言うならば、いつでも
7
家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
55
探しまくる 行方不明のスマートフォン 所定の位置に鎮座ましまし
21
ぬるい湯に全身ほどけて溶け出しぬ今日一日の心の痛みも
25
展開が強引過ぎて感情が置き去りのまま終わった映画
19
テーブルの下に射し込む朝の陽が 炬燵の様に足元温ぬくめて
24
冷凍のミックスベリーを添えたげて 朝から機嫌が良いヨーグルト
19
同窓会散り際またねと手を振ればふと吹き抜ける放課後の風
24
今我の手に触れた風は止まらずにどこの誰かの頬を撫でる
11
言はば彼女薄荷煙草の香まとひ清涼漂いて鎮静を誘ふ
12
「秋」なんて本当に来るの?「暑い」「寒い」極端な2択しか無いと言うのに
10
見つめ合う君と私の行間を・・・てんてんてん点は繋いで道を作るよ
15
ギリギリで のぞみで向かいし アポ先へ 資料作りは アイディア勝負
21
元部下を ヘルプで商談 成約も 話が弾み 最終逃す /明日朝8時30分名古屋のアポあるのにヤバい😓
18
隣家から異国の言語飛び交えば漂う香り出汁の香を消す
9
ツンデレを使いこなせぬ猫もいる私はただの不器用なひと
35
昨夜から ドタバタ続きも 落ち着いて 始発に乗って 日常時間に
18
情報は得られるけれどスマホでは野菜もゴミも包めやしない
17
跳ね上がる枝を見入りたり初紅葉水晶体も瑞々しく燃ゆ
11
月は満ち桜も満ちて思い満ち悲しい結末つゆほどもなし
8