きさらぎの 神に捧げる さかきには 新芽がのびて 雪のふる春
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独り夜に 炬燵に入りて 口遊くちずさむ 涙を誘ふ「♪ かあさんの歌」
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甘やかな愛情も義理も飛び越えたビターな惰性にリボンをかけて
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AIが 瞬時に提示 夕飯の レシピを頼り ピンチをしのぐ
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デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
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隙あらばガチャが出来てるストリート またかなんてはヤボな話ね
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「ですね」から 「だよね」になった 瞬間も 気付かないふり 気付かれぬよう
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元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
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桃いろのプリマのごとき梅の木の燃える想いを冷やし雪ふる
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うまいこと言えても 生きるの上手くなく 歌で息つぎして また明日へ
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仏頭にさき傷あり境内けいだいの庭の日陰に斑雪はだれ残れり
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坂道をのぼり終えつく溜息や流るる雲をしばし眺めん
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終日を静かな雪を窓に見て春はどこまで来てるだろうか
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診察で上着ぐのを考えて重ね着一枚減らす見え有り
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淋しさを隠して空を見上げてる 私の心この手で包む
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玄関を開けると無限のリビングであの日のきみがお茶を飲んでる
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八戸であがなひきたる八幡馬 男馬女馬を離して飾る
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やわらかな日射しが窓を温めてる 少し眩しく珈琲啜る
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青空に枝を広げる大木のそれぞれ抱く宿り木まろき
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雪の宵 休みの園に影ふたり だるまに捏ねる保育士の汗
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図書館であれこれ迷ふも手の 中に毎回似たよな健康本あり
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賑やかなる足跡語る姿見ぬ生き物たちの訪問経路/積雪
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笑わずに教えておくれチケットを買うところから離陸するまで
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スーパーに 百円の春 並びおり ピンクのスイートピー まずは仏壇
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贅沢と車所有を禁じられ移動手段がタクシーな矛盾
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右脚の弾痕示し戦争を 語りし父の享年を超え
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英雄が歴史のうえにいたならば覇道か王道どちらも英雄
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種を持たぬ白き侘助わびすけつぎつぎと寒き狭庭に首を垂れつつ
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鉄砲が運動会のピストルの音くらいだと舐めてしまった
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振る袖を羽根とぞ広ぐ青き君 舞ひ立つ時を今と知るらむ
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