「オシャレとは我慢!」と昔聞いたよな ちと寒いけどタイトスカートタイトで出勤
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そこここに開花す桜美しく それで十分お花見気分
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浮かれてた 1年後に来る どしゃ降りの 淋しさの雨 打たれるなんて
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お茶したい刺し子もしたい親友とも宛の手紙も書きたし明日の休日
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娘の誕生木ハナミズキが咲き誇る 遠くから見ても分かるキミん
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よく見るとツツジの蕾並んでる 順番待ちを楽しむように
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羨みにかまけて研鑽怠った 指を噛めどもやまない嫉妬 
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ホカホカと 太陽浴びる猫ちゃんよ あなたはずっと輝いている
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「化け物になれ」と手招く衝動が吹き込む加害 強張る身体
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陽を浴びた新緑きらきら目に映る桜前線逆走すれば
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文芸に選ぶ言葉が中二病臭い自分に恥ずかしくなる
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人間とルールは相性が悪いよう 勝手が好きな生き物だから
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消えたいと願えど消える勇気なく 生きる事からは逃げられない
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映画館 都会ばかりに密集す 高速乗らねば手が届かん
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娯楽すら不快蔓延はびこり嫌になり すがれるものはなくなっていた
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同じ生、生きるチャンスは一度だけ なのに命なぜこうももろ
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愛犬が長く生きると信じたい まだ共にしたい時間は多く
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「もう一度触れてください」切なげにだれかを呼び止める改札機
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己より僕を大事にしてくれる 老犬きみを愛さずにはいられない
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静けさや部屋に染み入るアホの声
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あなたとしか共有してないプレイリストの再生数が愛しい
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お笑いの賞レースを見たあとの重いニュースが流れる時間
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急病の娘の家に向かう道不穏な夜を照らす満月
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何も損は していないのに 言っただの 云われたなどと さるイヌたち
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「ねぇパパは保育園どこいってるの?」帰宅のパパへ素朴な疑問 /吾子二歳
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くらい部屋、夜更けに独り聴いている 雨音の色はあの子の瞳
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そんなこと 自分でできると 疎まれて いつまでも付かぬ 御膳の燃料
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紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
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君だけが応えてくれた献身に 涙の熱さを初めて知った
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田の景色知らずに育ちし吾なれど海馬に在りて水張田に鷺
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