春風が 戦ぐ川岸 桜道 ビール片手に 夫婦微笑む
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よたよたと 丸ひ体を 揺さぶりて 犬はおきなと 春のお散歩
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一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
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みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
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待ち侘びし桜チラホラ咲き初むる徒歩三分のさき公園
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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川辺りの桜水面みなもに枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
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象徴 北極星=ポラリスは 如何なる時も そこにある 場を失えば ただの風船
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春先は カイロと湿布の重ね貼り 腰のご機嫌伺うゴルフ
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お手播きの美智子妃想い辛夷こぶし咲く白のオーラは青空へ抜け
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明日から 君と離れて過ごす日々 きょうは一日くっついて居よ /入院前日 愛猫へ
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地に落つぬ 紅き椿は 天仰ぎ 道を飾りぬ コサージュの如
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いつからか満開よりも咲き初めと散りゆく頃が愛しと思う
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公園に 桜のいろの風ひかる 言の葉むすぶ 人の輪ひらく
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今はもうコロナ禍思うはまれとなり定点報告いまだ「0」無し/都道府県 新聞にて
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うっすらと紅粉べにをぼかして微笑めば枝垂桜の妖艶なるかな
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ひかり降る覚悟を決めて卯月へとヴァニラが溶けるように進まむ
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この世から逝ってしまった人達と桜の下でおしゃべりをする
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普段なら歩きもしない堤防に我を誘ういざなう桜の力
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この世には限りがあると諭されて今満開で咲き誇る
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着付け後の 合わせ鏡に 映り込み いつもとちがう 君の横顔
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弱者かつ女ひとりの生活は堀埋められた城も同然
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整頓の手を止め 近場にて花見 よどみぬ心をほぐす桜
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満開の桜の宵は仄冷えて桜の珈琲おとすひとあり
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花前線 桜前線 恋前線 開花の時は 待つ恋に似て
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すっかりと花壇の雪の消えたこと夫と話して夕餉の支度
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在りし日の 君が遺せし 言の葉に 生きるよすがを 見出で安らぐ
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誘われてFMラジオ聞きながら深夜のドライブ夜明けの海へ
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食べ切れるはずと茹でたるソーメンが明日の昼まで庫内で待てり
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思うよう 動かぬ子らに 怒号投げ ガキは己と 胸刺す理想
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