惜別か ブラームス四番シンフォニー 小さき窓越し鳥の声あり
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「義理チョコを今年もあげる」と手渡され そうか今年も 味はビターか
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指先を砂糖まみれにして食べるシナモンシュガートーストがいい
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スピードで死に損なった翌日のなんと優しい窓の光よ
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さよならの 言葉吸い込む 皐月の空 また多分君の 夢を見ていた
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雨天無き早春 草木も素肌も乾燥す 雨の有難み知る
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金利差のコンマ一位に幸求め一時間待つソファの固さ
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手離せば歌はふた世の始まりぬ 道標しるべなき野に骨晒すごと
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吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
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紅をさし手鏡うつるおのが顔 口にはさせど頬はおぼえず
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3時間並んで買ったチョコレート三口で食われる、これも愛なの?
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「幸せの形は仔犬」と言うあなた 「仔猫」の私じゃふさわしくない
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ゆっくりと 後ろに下がり 手をたたく ごきげんさんが よちよちあるく
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酒片手にネイルケアーのリール見て時を弄する幸せが在る
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弟は確かな手つきで淀みなく描く弟みたいな図形を
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後輩に 可愛いだけじゃ ダメですと 言われたけれど 我可愛いの?
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パソコンの天寿を確認せしあとのハードディスクとメモリは形見
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ゆっくりと 二十数えて 温まる 気づけば二十 超えて幾年
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あそこだよ河を渡ってみんなにも話し続ける成河見せるね
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目の前を ずぶ濡れの人が 歩いてく 晴れるのを待つ 僕らの前を
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そこかしこ 光あふれる この街は にぎやかすぎて 星が見えない
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ただ人が我慢しているそのことを 美徳と呼ぶな我慢と読んで
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マスコミと 民の狭間が 深くなり 声なき声を 叫びたりけり
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こんな夜酒で流せばいいのかな そうはしないよ持っていくから
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空き缶が 根があるように 佇んで 壁に寄り添い 今日此処ねぐら
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木々が泣き 唸り叫びて 揺れ動く 声交わりて 寒戻りたり
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生活は 夢と夢との幕間に 一息つける 小喜劇かな
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「ウィンウィン」 よく分からぬが それもあり 彼 「我」を知り 我 「彼」を知る
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沈黙の中に響いたアイコスの終わりを告げるバイブレーション
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目の前の 不幸を厄と 思うなら 永遠無限の 世界ありなむ
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