あかり むせび泣くよな 虫のは 夏のおわりを 告げる絶唱
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いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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朧月と寄り添うように山々は佇んでいる穏やかな夜
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言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
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昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
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約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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君逝きて がらんどうの身旅幾度 囃す友あり「メリーウィドウ」
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嬉しきは鳥の囀ずり聞く朝と狭庭に開く花を見し午後
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一人背負しょい二人はバギーで「こんにちわ!」細い身体でたくまし 母は / 娘
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
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五分咲きの 桜の下の ベンチにて 缶コーヒーで 心をリセット
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雨音が私を過去に引き戻す 現在いまを選んだ22の春
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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テーブルに麦が生けらるランチ会 初にて噛みしむウクライナの味
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のどかなる 春の空にも 鋭角が ポラリスを射て 白鳥の矢よ
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涙から笑顔に優美満開は2位発進の春色の自己
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手につかみ 口に入れたい 孫三女 満面の笑み 見とれる時間
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「ジャガイモの芽出た?」「三本な」楽しげな会話を聞きつエアロバイク漕ぐ
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蕎麦屋まで道々芽吹く木々あれど 相方のなく ただ此処に春
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よたよたと 丸ひ体を 揺さぶりて 犬はおきなと 春のお散歩
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勧誘に 問われて 光覇明宗です と真顔で答える 君に合わせる
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あなたへと、この春すべて書き留めるペンが折れても書き足りぬほど
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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雑踏で老いにし君とすれ違い後ろ姿に面影重ぬ
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生活は 日々のタスクの 繰り返し 手をかけるもよし 抜いてもいいよ
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この世から逝ってしまった人達と桜の下でおしゃべりをする
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逢いたさは時として胸を噛み 瞼裏まなうらに彼岸の桜愛でる君の映りぬ/友の命日に
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