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あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
22
木立打つ雨音枕辺に迫り 澱みたる悔いの念立ち現れたり
15
寄り添いて不味き牡丹餅分かち合う 笑う夫の手の節愛し
27
春宵に 月がきれいねと 伝えたい あの月にいる うさぎと君
14
通り道桜の有るたび確かめる開花宣言聞いた次の日
27
ちょっとした狂いで春は涙だけ流れ出胸で受ける術なし
21
杖を見て手を貸す人の住む街に小さな春の温もりの宵
40
内定も卒論もただの紙だけど 僕は震える
肉体
(
ひと
)
としている
33
傷が付き触れると落ちる背の
鱗
(
うろこ
)
一つ一つを拾いてあるく
20
ブラックに良いね押しちゃう私です真っ黒な意地をジョークで落とす
29
柵に干さるる
小
(
ち
)
さき白き上履き
二足
(
ふたそく
)
並び 春光浴びぬ
34
窓辺なる光にまぎれ名無き虫 命を震ふ春の訪れ
31
入浴をすれば色々捗るとわかっていても出来ぬ風呂キャン
25
墓前には無常を諭す親はなく必滅語る生家の更地
20
待ちまちて春が来たなら何しよう花見・野歩き・友のお見舞い
27
ぶら下がる父を見上げて震えても何も出来ない夫だった人
28
何年も 無限の愛を くれた母 このままずっと 笑顔でいてね
13
池の島松ヶ枝に立つ白鷺に 射竦まされて暫し動けず
25
西の窓 沈みゆく陽を
愛
(
め
)
でた夕刻 今家々の屋根が遮る佳景
18
残された夫の動画ひとつ 何度もスクロールし 声聴きに行く
19
猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
20
給食は残さず食べるべきなんだああそれなのにキノコが見てる
19
病院の待合室みな健康に前向きなひと治そうとしてるひと
10
駆け回る 子を先生が 追いかける その歓声よ 未来に続け
20
週一に 来る孫からの ハグ受けて たちまち我は 充電満タン
19
晩年の母 慣れぬ手つきで
嬰児
(
ひまご
)
抱き ひろがる笑顔最後の写真
23
花や木々 空の蒼さや風さえも
短歌
(
うた
)
詠み
初
(
そ
)
めし日々変わりゆき
26
新たなる
試練
(
やまい
)
に心ざわめいて
春風
(
かぜ
)
はこんなに暖かいのに /夫
33
夕暮れの薄青き空ひんやりと三日月浮かべさよならを言う
15
永遠といふにはあまりに透きとほる陰を重ねてなほも翳らず
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