Utakata
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まったりと 猫と留守番
金曜日
(
フライデー
)
あえて音なき 部屋でUtakata
22
病ゆえ四角き景色のみぞ見る人にススキが 知らせる
爽籟
(
そうらい
)
(在宅療養)
21
モフモフの絨毯に変え炬燵出す なにもせぬ日の夫の居場所
35
気をつけろ焼き飯を慌てて食うとカッとレンゲが前歯に当たる
20
帰り際氷のくぼみのところにストロー当てて残りを吸った
27
FRIDAYスクープされたタレントの横でモザイクの俺と彼女
29
だれひとり 我のことなど見ていない 下は向かない 空みてるから
18
じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
45
使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な
夫婦喧嘩
(
バトル
)
22
ようやっと布団からぬるり頭出す 肌寒き朝にカタツムリとなる
23
かわいそう? 餌になっても言えんのか 生きるもの皆 必死なんだよ。
18
老眼
(
め
)
に優し 暦求めて 買ったのに サイズ間違え 途方にくれる
18
陽のひかり、きらめく流れ、雲が差す。輝きは去りて夜が来る
6
ちんちんの湯を注ぎたる湯たんぽにタオル巻きして母の寝床へ / 猫好き様へのオマージュ
16
鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
47
人里の轍踏み分け鳴く熊の声におののき窓を閉め切る
(
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき
)
/リライト
15
雪遊び手足の凍る帰り道母待つ家のありしあの日々
33
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
21
真夜中に するどく光る 二十三夜
17
才の 君に似ている
43
足早に変わる葉色をつらまえず腐りたなびく枯葉の鴉
9
さりげなく餅の話題をはさむ母そうきたかって話題をそらす/介護
33
米 毎回チョイかために炊く炊飯器 そこがお前の良いところだよな
7
この道がそのまま障害物になる そうじゃない人におんぶされたい
5
フライドポテトを揚げて盛るとき 誰かがめちゃくちゃ喜んでくれる
9
人として 生きる限りは 難儀あり
透明
(
クリア
)
な鎧 常に纏いて
19
雪女 ペットの名前は窒素ガス あなたが好きなの彼も私も
6
戯れに浅瀬に立てば止めどなく打ち寄す過去にさらわれゆきぬ
22
見送って送られてまた見送って「また明日ね!」で、真ん中バイバーイ
30
咳をした 君のとなりに居られるの かみしめながら 一人と 一人
37
七五三 ねがいぶみ書く 女の子 いつか会う人 まだ見ぬ人へ
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