一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
35
朧月と寄り添うように山々は佇んでいる穏やかな夜
33
言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
57
落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
24
サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みるごとし
23
昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
27
駅降りて 人々は散る それぞれを 待つ暖かな 灯りを求めて
29
約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
27
水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
54
君逝きて がらんどうの身旅幾度 囃す友あり「メリーウィドウ」
17
嬉しきは鳥の囀ずり聞く朝と狭庭に開く花を見し午後
41
一人背負しょい二人はバギーで「こんにちわ!」細い身体でたくまし 母は / 娘
46
猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
23
夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
27
五分咲きの 桜の下の ベンチにて 缶コーヒーで 心をリセット
40
雨音が私を過去に引き戻す 現在いまを選んだ22の春
45
命日は春爛漫の花の頃笑顔の似合う君が決めた日
29
涙から笑顔に優美満開は2位発進の春色の自己
33
手につかみ 口に入れたい 孫三女 満面の笑み 見とれる時間
25
「ジャガイモの芽出た?」「三本な」楽しげな会話を聞きつエアロバイク漕ぐ
35
蕎麦屋まで道々芽吹く木々あれど 相方のなく ただ此処に春
17
「今ここ」の 感覚がなく なりそうな 優しく白む ワシントンの桜
46
勧誘に 問われて 光覇明宗です と真顔で答える 君に合わせる
34
神様よこの北海道を抱きいだきしめ叫びたいほど 春がまぶしい
41
五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
14
雑踏で老いにし君とすれ違い後ろ姿に面影重ぬ
24
生活は 日々のタスクの 繰り返し 手をかけるもよし 抜いてもいいよ
21
この世から逝ってしまった人達と桜の下でおしゃべりをする
13
逢いたさは時として胸を噛み 瞼裏まなうらに彼岸の桜愛でる君の映りぬ/友の命日に
14
何もない日が幸せと言えるほど 良い環境に置かれてみたい
22