Utakata
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葉に残る春の名残りを洗い去り五月の雨は緑を濃くす
27
初孫の 我をもっこに ひょいと載せ 野良の仕事に 連れゆきし祖父
24
我ひとり温めるための紅茶淹れ ため息ついて孤独を嘆く
11
風
薫
(
かお
)
る
皐月
(
さつき
)
の空に遅桜人目もあらでひとり散り失す
11
もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
46
その昔三日遅れの島便り 今じゃはがきも普通も遅い
10
膝痛み あちらこちらに 通院す 仕方がないね 年頃だもの
18
勤め終え 今日の夕餉は 冷し麺 まだ風涼し 明日から皐月
9
明日には もういなくなる お別れに 思い出すのは いつもの笑顔
9
ひたむきに生きた証が散らばった服や文具の配置に宿る
14
涙ぐむ AIの組む推しからの 正しく重い正論受けて
8
ブックオフ買いたき本を見つけるもセールは明後日(から)嗚呼節約家
8
病みて知る 健常なる日の
傲慢
(
ごうまん
)
を 今なら添えし心病むひと
16
気がつけばもうすぐ五月 慌てつつ予定立てるもまた一人旅
8
花びらにほのかな霧の咲きなびく紫淡い胡蝶の蘭や
9
シャッターを開ければ燕風に乗りふわり飛び来るまた翻る
26
風冴えて水に煌めく日の光嵐畏れず花より凛と
8
生きるのは稀、大仏拝む800年
(
心あてに 折らばや折らむ 初霜の
)
置きまどはせる 白菊の花 /029/100/凡河内躬恒
7
ベランダで 陣地争い オセロゲーム 黒のハシブト 白の干布団
8
鉱脈に添いて残りし手掘り跡生野銀山濡れた足音
7
焦げているさやを両手で引き裂くとふわふわのわた並ぶそら豆
7
黄緑の朴葉をつたう春時雨 連休なんてないほうがいい
7
なんとなく死にたくなった僕がただ見上げる夜に君はいるかな
7
もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
8
レンギョウの明かりのともる通学路転ばぬように迷わぬように
9
火事花
(
カジバナ
)
と忌まれ手折れぬタニウツギ 謂れ知らずも
屋
(
や
)
には飾れぬ
16
そこどいて一般図書の915 立ち読みしてる背にかける圧
8
縮むのが母の歩みと知ったとて なにも返せず何も残せず
12
プリントを なくしちゃう君と 保護者会が 苦手な私 幸ふたり家族
7
閉めたのに途中で止まる実家の戸できた隙間は三年分で
6
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