からまった イヤホン解(ほど)くも もどかしく 繰り返し聞く 留守電の聲
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ころしても それで仕舞いだ つまらない 地獄をみせて 死ぬまで愛す。
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流行はやり事 ポンポコポンと かじり付く  平和な世界 貴方包んで
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目を背けたくなる世界を直視する 君を ヘヨカと呼んで見つめる
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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薔薇の名に天津乙女とあり少女天翔る雲こそをうとみをれ
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犬がゆく弟の腕のなかでゆく私がいない日にとおくゆく
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マヨコーンピザのコーンが転がってどこかへ消えた金曜の夜
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やかましい小さな点の集まりの ひとつだ僕もプラネタリウム
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音楽になりたい 何もしなくても美しいまま存在できる
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永遠にしたい一瞬なんかない お湯が冷めてく湯船に浸かって
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引き出しをひっくり返し散らかしたガラクタ一つ一つ捨ててく
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枯れていく花と目が合う 今週は一緒に年をとっていたんだ
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帰り道、雪に埋もれた路地裏は 何処とも知れぬ 白いまぼろし
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弟と拙き論をぶつけ合い仔犬二匹のじゃれ合うごとし
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春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
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漆月海遊館につづき辺獄牢をさす白蜉蝣帷子より躑躅
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たましひの酢たまひ楯てる磔像の柱 世にはひとをあふれたまはしむ
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白木蓮あはあはと滲みいづこより来しものぞ燕尾垂れをり
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霊柩の冬雷に冴ゆ喪家葬式の花だしおらばたづねびとあり
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春暁落雪図庇はばつらぬきとほるまで槍穂を著けと聖霊ふたつ 
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右廊・三菱油彩鉛筆風景画展 左廊・村上隆ファンアート展、の地獄
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もう少しお昼寝しよう 午前見た桜の丘の夢でも見よう
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八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
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保存水賞味期限が近づいて感謝して飲む事なき五年に
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日焼け顔麦わら帽子がよく似合う亡き父想う命日の春
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川の辺でトランペットを吹く学生 澄んだ音色が空に溶け込む
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朝八時だあれもいない公園をひとりじめする小さな兄弟
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亡き友が焼いた茶碗 温もりに 包まれて飲む 朝の一杯
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このところ会わないご夫婦元気かな 知らず知らずに目が行くベランダ
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