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散歩兼ね実家から帰るバス停までわれを見送りとなり歩く母
17
幸不幸分け隔てなく思い知る翼もがれた鳥であること
14
潤んでく夜は暗くて私ごと輪郭溶かしすべてを隠す
7
薄明かり煙草の煙紫の色とたゆたうねっとりとして
8
紅葉
(
もみじ
)
散り 木枯しを待つ
妙義山
(
みょうぎさん
)
今日は山火事 不安な
紅
(
くれない
)
28
気まぐれに君が落とした一筋のその光だけが僕の指針
11
衆愚化の海に揉まれる人波を 眺める我も雫の一つか
14
夕暮れに メタセコイアを 眺めつつ 空を舞う鳥 寂しさ感じ
24
陽光の満ちた明るい通りまで冷たい日陰のこの道がある
14
この電車は悲しみが丘で後続の特急列車の通過を待ちます
7
ある人に 傷つけられて 復活と 前向き進み 夢叶えたり
7
演奏家 微動だにせず 繊細に 響く音色は 天の彼方へ
7
愛犬が ゴディバのチョコを つまみ食い 明日食べようと 置いてたせいで
5
もしかして もしかしてだけど カルディの チョコのテリーヌ 今年は無理か(日程が‥バーレルが‥)
12
わけもなく 重い心と傍らの 綿抱きかかえ 見る白昼夢
7
なにごとも ないこと願う 冬の夜 寝るに寝れずに ニュースをながめ
15
死ぬ時は 意外とあっさり 死ぬんだと ストレッチャーに 寝ながら思う
11
夜深くなゐに飛び開け非常口誰も出ぬとは思っていても
26
困り顔、眠そうな顔、首傾げ。笑顔、泣き顔。どれもかわいい。
10
生活に そこまで笑いは 要らないと 言ってたキミは いまどうしてる?
6
ニイタカヤマノボレといふ暗号が真珠湾へと血潮たぎらす
18
赤い実を食べずに鳴ける鳥あれば夢の共生ユートピアの庭 / マンリョウ四株
28
みかんむき一房一房食べるのは
めんだふくせへや
(
面倒臭えや
)
三房で三口
19
背にけはい手持ちぶさたの店員と胡蝶蘭たつカウンターひとり
13
「膝栗毛」三日読んだら
伝染
(
うつ
)
ります お
ゑど
(
江戸
)
言葉にべらんめ調が
20
死にかけのピアスホールにねじ込んだプラチナリングが風に揺れてる
10
うりざねに長躯の女性大臣のメモなし答弁や涼やかなりける
8
頑張りすぎ注意報は でていない? カフェオレが我に 注意喚起す
17
金木犀
(
モクセイ
)
の終わりて寂し 散歩道 椿の白の美しきかな
28
垣根越え
山茶花
(
さざんか
)
の花
紅
(
べに
)
さして
含羞
(
はにか
)
むごとく 路地にこぼれおち
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