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水曜の美術館前バス停で春めく君の頬にひとひら
26
冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
43
草を引き 蟻が驚き 目を覚ます その身体にも 春の到来
37
頂
(
いただき
)
を 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
33
スカートのゆらぎを気づかれないようにそっと心の窓を閉じてる
26
諧謔
(
ユーモア
)
と
忠恕
(
おもいやり
)
さえ あればいい 世界平和は かくも易きに
20
落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
21
春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
50
若人
(
わこうど
)
よ
無闇矢鱈
(
むやみやたら
)
を 恐れるな
倫
(
みち
)
を守れば あとは自由だ
18
豚こまを 醤油と
葱
(
ねぎ
)
と
大蒜
(
にんにく
)
と 炒め
拵
(
こしら
)
う 即席の薬
15
携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
30
かすみたる山の端追へば川妬みわれ忘るなと水面ひかるや
16
ふんわりとロールサンドは春包み赤きリボンを誇らしく解く
25
娘から投函頼まれ必ずと愚直に手で持つ言われた通りに
20
悲哀とは 幸福たちの 存在を 証明し得る 唯一のもの
15
今日もまた足を踏まれることだけが世間とぽくのコミュニケーション
9
有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
23
歴史上生まれた人の総計は千百七十億人といふ
21
並ぶほど愛くるしいは雀なり後光を受けてわれにおはよう
23
満開のカワズ桜をLINE送 雪積む庭の写真が返る
27
病窓に朝を告げ来る鳥の声見上げる空に朝焼けの雲
31
駅降りて 人々は散る それぞれを 待つ暖かな 灯りを求めて
26
咲き
初
(
そ
)
めば 心乱せし
桜花
(
さくらばな
)
花吹雪
(
はなふぶ
)
く前に 胸に
留
(
とど
)
めむ
27
幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
54
春彼岸義父母の墓へ菊の花 我関せずの夫は誘わず
25
淡々と全てを置いて進むだけ黄色水仙咲く場所で咲く
26
情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
18
あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
22
寄り添いて不味き牡丹餅分かち合う 笑う夫の手の節愛し
27
杖を見て手を貸す人の住む街に小さな春の温もりの宵
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