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万葉集 栞のページに 遠距離の我が身重ねし相聞歌有り
16
遠き日に読み耽りたる 万葉の みたまに橋を架ける言の葉
14
ふれあふれあ爆発したら影響を及ぼすくらいすごいふれあ
4
人草絶ゑて弔鐘へ祷る慰霊碑へ霙 皇帝とは誰なるか
5
敗戦忌 すめらみことへゆくすゑをしめし若き柩工は死せり
5
戰犯とは不肖の綽名われいくさに倚らざれども死なず
3
國民総戦犯ゆゑに絶たれたる昨年の忠魂碑はたれのはか
6
われ義しき國民なれば崇拝すクリスティアーノならず 墓を暴かむ
5
知らせ受け
義兄
(
あに
)
の葬儀の準備する 近づく台風 不穏な朝に
26
蝉の声 嵐の前の静けさか 手持ちぶさたにシフォンケーキ焼く
21
ぎっくり腰これも気圧のイタズラか 台風一過そろりと散歩
23
期せずして三度帰省のこの夏に 悲しみの中にも故郷は嬉し
33
ハッとした 能面のよう母の顔 もう一度見たいよ昔の笑顔
21
歩けぬが可哀想とは言わないで
老犬
(
キミ
)
は大事な我が家の希望
28
眠れない夜ひとり作るオムライス 丁寧に丁寧に慰める
10
ふみしめた冷たい土が呼んでいる わたしはいつかあの中にゆく
9
ああ犬よ毛玉散らしていた柴よ 瞳曇っても愛しかったきみ
15
ガチャピンよおまえはどこを目指すのか己が極地の地平線行く
13
人生を達観したかのそんな
風
(
ふう
)
まるであなたはみつをのようだ
19
高い空飛行機ゆっくり交差して西と南に見えなくなった
16
独りでに望まぬ道を行く思考 自分も自分の敵なのだと知る
14
自我の
舵
(
かじ
)
乗っ取り企む復讐鬼 憎しみ消せる消しゴムが欲しい
14
柚子の木に柚子の実のなる庭ありて売却物件なるぞわびしき
21
一月の日射し明るき林間を母と歩けば冴ゆる
阿夫利嶺
(
あふりね
)
16
ファミレスで
2
時間位もてばいいこれが笑顔のタイムリミット
32
年を経し杉の根元は影差して朝日に映える梢の緑
18
手挽きミルゆっくり回す日曜日眠る我が子を起こさぬ様に
59
冬七に春三分程日の光 少し切なくなる白い色
38
満月に誘われるよに南から一等競い春風は吹く
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ぼたもちを 自分で作って 棚にのせ 偶然じゃない けれど幸せ
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