幾千も寄せては返す波たちよ ひとつのこらず違う顔して
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喉痛い 悪寒もあるし 嫌な予感 検査陰性 ほっと一息
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金色の銀杏背にして君を待つ遠い秋の日十七歳じゅうしちの吾
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話す時 何度も「めっちゃ」 をつけるから 信用のない 私の「めっちゃ」
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気にかける親のもう居ぬ故郷ふるさとの天気予報をついまた見てる
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愛し君ずっと幸せでいてくれと 願ったその夜わがままを言う
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百均のセルフレジ終えホッとする 家に到着品物がない😩
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親も子も 毒も薬も 喰らいつつ お腹くだして うたかた処方
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朝の度植物たちに霧を吹くこれも一つの祈りの形
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通行人Aにも帰る場所がある 皆足速みな あしばやな初冬のビル街
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人生を信用するほど人生は我を信ぜず、のべつ幕なし。
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短針が 5さし長針 2をさせば 母帰りきて ともる電灯
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藤村の終の棲家にたゆたへる「椰子の実」よぎる大正硝子 / #短歌写真部、お題「レトロ」
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「本日中にお召し上がり下さい」仕方ないなあ寝る前のケーキ
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痛みに色がついたらさぞ彩るでしょうね
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杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
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彼岸花 萩、ほととぎす 秋深く いのち名残りを 惜しみつつ咲き
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息子のとこ 行くはずだった しょうがない 今日はおうちで いい子にしてる
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寒いのは 弱く勝ち目は ないけれど キライじゃないよ この冬支度
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きしのふたおやの声おもはする こはるひよりのやはらかな朝
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縁語とか 枕詞とか入れたくて。 なかなかハマらぬ 「旅」と「足袋」の字
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原宿にクレープ食べに行くようにおやきを食べに信濃へ行くか
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朝餉まえ香煙たちてりんひびき心ととのふ位牌の前に
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推し観戦 楽しんでねと吾を送る夫へ感謝のうなぎパイ買う /お土産
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子供部屋 壁紙お魚 幼稚だと 出世魚かな 任期満了
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清らかな空気に包まれ癒される 小春日和の出雲大社で
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偉くなど 成らなくて良いわ 風を浴び ぬくい光に くるまれてたいの
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透明な砂がこぼれていくようなまだあたたかい夢をみている
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まだ音が無かった頃の言葉みたいイチョウと夕日の光に包まれ
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怖かった⋯でっかい蜘蛛と格闘し震えながらも張り手一撃
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