その人の語ることには想ひ出を手放すにはまず深いものから
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咲く花のちりぬる前の静けさや我らの前に杭は立たずや
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部屋用のフレグランスを机に置けばあっという間に脳は喜び
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愛してください 愛してください 嘘でもいいです。貴方に愛されてみたかった。
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白コーデの日のハヤシライスの緊張感 獅子座の1位が試されるとき
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早朝の買ったつもりのツナマヨは わかめおにぎりだったもう厭だ
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ゴミ袋のセット、靴下裏返し、タオル取り替え、いちにちがおわる
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サイコロを 振ってゾロ目が 出たならば 結婚しよう 毎朝振る俺
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替えかけた 衣やっぱり 寒いから 冬の格好 再び袖を 
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君のこと、好きな人など居なくなれ。世界は「二人」が丁度いい。
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川のなかにただ煙追いつくように桜とともに流れてく
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葉桜の言葉に余る気持ちさえ紫煙たちが解いてく
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スーパーは隣町まで行ってます会ってもどうせ目をそらすんで
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もう父に 届かぬ歌を 詠む夜道 去年の桜は今年もそこに
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愛してる つぶやいてみても 叫んでも 抱きしめるほうが あったかかったよ
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あかり むせび泣くよな 虫のは 夏のおわりを 告げる絶唱
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いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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朧月と寄り添うように山々は佇んでいる穏やかな夜
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言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
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老木の ひなたの桜 満開で パワーもらいし 五十二の春
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死ななくていいんだよって理解わからせて機械になりきってきた身体に
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卒業を見守る親の列長く親の歩みも一段落か
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「うたかた」の色取り取りの生活を眺めておれば今日も安穏
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約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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「反戦歌うたっても武器作るなよ」被爆二世が言ってもムダか
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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