臆するな誰もが他人に興味無し だから背筋を伸ばし歩けよ
19
未来あす思う いいことばかりじゃ ないけれど 続ける日々が 層になるまで
25
苦は楽に 痛みは鎮め 嘆きめ ただひとときは このひとときは
23
歌で知る 歌しか知らぬ あの人も 良い一年で ありますように
46
薄明かり 初日の出を待つ控え室 外で焚き火にふーと吹く音
10
昨年の暮れより引きずる動揺は急なる旅にて一時忘れて
26
ひなたにて読む新聞のインクの 邯鄲かんたんゆめ 遠き正月
22
神様がどこかにおりて松の内 星の光も一際清く
45
踊り場はそういう意味じゃないのだが そういう意味ならずっと素敵だ
11
御佛みほとけと 笑いあう夢 この年は 何があっても 乗り越えられる
29
覗かれるリンパの流れも心臓も 夫にも亡父母にもヒ・ミ・ツを持ちし
24
子どもらが それぞれ車で帰省する 送迎の手間も 一つ無くなり
21
風を受け飛砂ひさ積もる道ペダル漕ぎ 稀有なる千鳥に頬温まり
16
声弾む友の電話はすぐそこにいる気がしてる距離も時間も
29
「ご飯だよ」呼ぶ声さえもさえずりに聞こえる朝は奇跡と思う
28
言えますよ春の七草すらすらと秋の七草 はてススキとか
24
靴底の溝に嵌まって出てこない どれほど我をおもうかこいし小石/恋し 
22
咲くことの 無きクリスマスローズに 言葉かけ 三年みとせを経れば 今日つぼみ 持つ
23
深夜2時 子の胸の上下確かめる 母は強しと 聞いていたのに
9
三冊の図書を借り出しお年玉ちいさき包みを両手に受ける
30
間違えてばかりの地図をひらいてる私に「赦し」の雨が降る夜
26
雪の紋 貼りつけ走る 車窓から 大雪山だいせつざんの 気高き稜線
39
誕生を今か今かと待たれる児生まれる前に既に幸有り
17
公園の敷地半分削られて なんとか残った遊具のパンダ
28
母さんが土砂降りを君に降らせては晴れた後から虹が痛くて
25
読み違え一太歯ぎしり足元で小川ながれるせせら笑って
11
奇妙でもこの言葉たち紡がせて 伝わらなくてもいいからどうか
10
明けた空キラリ微笑ほほえむ月がいて 微笑み返す今日は記念日
37
積読の中に埋もれたあの頃のアイデンティティと出会い沈黙
33
初春も癌の治療の始まる日 枯れ野の径に白き水仙
41