散歩兼ね実家から帰るバス停までわれを見送りとなり歩く母
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幸不幸分け隔てなく思い知る翼もがれた鳥であること
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潤んでく夜は暗くて私ごと輪郭溶かしすべてを隠す
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薄明かり煙草の煙紫の色とたゆたうねっとりとして
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紅葉もみじ散り 木枯しを待つ 妙義山みょうぎさん 今日は山火事 不安なくれない
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気まぐれに君が落とした一筋のその光だけが僕の指針
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衆愚化の海に揉まれる人波を 眺める我も雫の一つか
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夕暮れに メタセコイアを 眺めつつ 空を舞う鳥 寂しさ感じ
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陽光の満ちた明るい通りまで冷たい日陰のこの道がある
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この電車は悲しみが丘で後続の特急列車の通過を待ちます
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ある人に 傷つけられて 復活と 前向き進み 夢叶えたり
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演奏家 微動だにせず 繊細に 響く音色は 天の彼方へ
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愛犬が ゴディバのチョコを つまみ食い 明日食べようと 置いてたせいで  
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もしかして もしかしてだけど カルディの チョコのテリーヌ 今年は無理か(日程が‥バーレルが‥)
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わけもなく 重い心と傍らの 綿抱きかかえ 見る白昼夢
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なにごとも ないこと願う 冬の夜 寝るに寝れずに ニュースをながめ
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死ぬ時は 意外とあっさり 死ぬんだと ストレッチャーに 寝ながら思う
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夜深くなゐに飛び開け非常口誰も出ぬとは思っていても
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困り顔、眠そうな顔、首傾げ。笑顔、泣き顔。どれもかわいい。
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生活に そこまで笑いは 要らないと 言ってたキミは いまどうしてる?
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ニイタカヤマノボレといふ暗号が真珠湾へと血潮たぎらす
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赤い実を食べずに鳴ける鳥あれば夢の共生ユートピアの庭 / マンリョウ四株
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みかんむき一房一房食べるのは めんだふくせへや面倒臭えや三房で三口
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背にけはい手持ちぶさたの店員と胡蝶蘭たつカウンターひとり
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「膝栗毛」三日読んだら伝染うつります おゑど江戸言葉にべらんめ調が
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死にかけのピアスホールにねじ込んだプラチナリングが風に揺れてる
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うりざねに長躯の女性大臣のメモなし答弁や涼やかなりける
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頑張りすぎ注意報は でていない? カフェオレが我に 注意喚起す
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金木犀モクセイの終わりて寂し 散歩道 椿の白の美しきかな
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垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
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