五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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雑踏で老いにし君とすれ違い後ろ姿に面影重ぬ
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車座で何を語るや若き人 花ぼんぼりに明かりを取りて
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逢いたさは時として胸を噛み 瞼裏まなうらに彼岸の桜愛でる君の映りぬ/友の命日に
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何もない日が幸せと言えるほど 良い環境に置かれてみたい
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聞こへ来るエンジン音さへ春の音 冷気ほどけし朝の向こふの
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君が代も無くふつり閉ずさまを聴き今朝は閉じたと案内も聴く/ラジオR2終了に
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朝採れの 菜花、スナップエンドウの たっぷりパスタ 春きらめきて
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駆け込みで のぞみ飛び乗り 東京へ 桜の車窓 しばし見とれて 
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父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
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あかつきに 寝覚めて 十首詠みて恋ふ 雲と見まごふ 白き花枝はなえだ
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弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
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五00キロ 離れし友を訪ね行くプチ家出だと高一の孫
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叙勲いさおしの記章を磨く術もなく 認知わすれの父は私を呼ぶなり
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満開の 桜便りは届けども 我がふるさとの蕾は硬く 
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花冷えに ちま猫ちゃんは さんかくの おにぎりになる おててはのばして
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三年前僕もあんなに「ふきのとう」だっただろうか泥を跳ねつつ
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今月に入って「すき」と告白を数えきれぬはエイプリルフール
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テレビから無意味なギャグが流れおる無言で食す夫婦の夕餉
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繰り返し たづぬ春にも 年毎としごとに 異なりぬ風 異なりぬ匂ひ
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窓枠に切り取られた空の青 雨に洗われ 何と清々し
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萎るるを知らず散りたき桜花散り敷くものは涙なりけり
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病院へハート舞う風 並木道 帰りにケーキ春のご褒美
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期待せぬときに雨は降るものと 納得をしてはなは散りゆく
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陸橋を渡る列車の窓うつす川瀬つつみぬ蒼き夕暮れ
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ゆっくりとバイク走らせトンネルを抜けては眩む目に在りき母
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何かこう 口さみしくて キッチンと 居間行き来する 花の雨の日
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エアでいい両腕曲げて開閉だ器具はいらない妄想の志士
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目に星と月照る首相のニュース見て寝チャイなそっと告げるララバイ
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「ミスター」長嶋茂雄と 「爆発おじさん」岡本太郎 似ているね 仕草言動 やっぱ天才
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