恐ろしく 涙をこぼす 余裕なく 厳しかったな この世の命
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恐い人 苦手な人が 来ないよう 距離を測りて 逃げ回るのみ
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このうえは 悪を罰して 怒鳴るほど 生き残れるか 地獄のお沙汰
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取り締まれ 監視を強め 不祥事を 起こさぬように 地獄のお沙汰
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真面目だね 草一本も 落ち度なし うわべはきれい 地獄のお沙汰
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夜揺られ 欠伸あくびが増えて よい酔いか
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ハラショー あらしょー あら井くん
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寒くても 帽子マフラー していれば 暖かいよと 自分に諭す
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ぼっとして 突っ立ってないで 働けと 命じる人は ただの先輩
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あっちいけ 座っているな うろうろと 見回りしろと 先輩が言う
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自分が生まれ変わったなら相合い傘で使われなかった方になるかなあ
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お祭りも 子供のために はけりけり
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かたまりが心のどこにもなくなって 体を分厚くすることにした
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きびだんご だの口でひとつほおばって んとごで飲みこむ 危険だね
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2年前 リストラされた 退職金 馬で獲られて トラウマになり
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何かしたいしてあげたいと 今日もひとりよがりなエゴを振りかざす
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イカれてる 夏とうに去に 足早に秋通り過ぎ 冬はやり来たり
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ギター弾く人のうしろを通るとき振り向かないでくれと願った
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‪シーソーが僕に傾くそれだけのことで恋だと思うから春
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‪種無しの西瓜みたいなさみしさがずっと襲ってくるから困る
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お風呂っていつも仄かに死の匂い
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相応な人になれとは年齢に?見た目に?それは逃げの言葉だ
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バイバイと手を振ったあとドア越しの 発車する前長い一瞬
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父だった人から届く売り言葉 買わずにおいてよかった日よ来い
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言の刃で 刺しかけてやめ 絵はがきとペンを選んで 刃を葉に変える
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障子窓 やぶれた三角からのぞく 野良猫の目のこちら見る丸
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紙芝居 ぼんたん飴と 散歩道 あの日から来た 今日のやさしさ
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行き場ない 迷子の気持ちと 手をつなぎ 耳を澄まして 道場の朝
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台本を 繰り返し詠み さあ開演 実家劇場 ムスメその1
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王様へ 裸です風邪ひきますよ  無礼者 だまれ へックション
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