約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
27
無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
27
水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
52
五分咲きの 桜の下の ベンチにて 缶コーヒーで 心をリセット
37
心臓よ、 高鳴らないで 今だけは 鼓動が彼に 聞こえちゃうでしょ
27
ほほつたひ 涙を隠す 春雨は 在りし日思ふ 弥生のしらべ
40
目をやれば地味に咲きたるタンポポの綿毛は揺れて季節移ろふ
51
木瓜の花 塀の陰から顔出して「おは」とささやく青空の朝
42
一歩ずつ踏み出す足にいのち載せ幼な子笑むや 春のきざはし
26
ため池の堤防で詠む春の歌「鳥はさえずりたんぽぽ笑う」
19
さくら花儚き色の風が舞う幾年いくとせ過ぎて覚悟のせつな
20
種こぼれ 花を咲かせた ビオラにも 蝶が舞い降り 得意気な顔
38
トランプジョーカーの脚に重りを括り付けホルムズ海峡沈めてみよう
36
空近き 稜線へ立つ童子を照らす小鉢の碧い竜胆 「りんどう」
14
テーブルに麦が生けらるランチ会 初にて噛みしむウクライナの味
43
年かさね連れ合い頼り並み歩く陰の長さも重なりゆけり
42
ひさびさに ちま猫ちゃんの「おきてニャーン」 起きるよ食べるよ チーズ蒸しケーキ/アップルパイ売り切れ
23
青い首輪 セーフティロック安全装置で 行方不明 キジシロちゃんには 青も似合うよ
21
「この春にNHKラジオ変わります」 他は静かな早二日前/3局から2局へ
17
一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
23
突然に春の季節の底が抜け咲くや咲くやの祭りとなった
27
みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
23
満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
27
五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
14
川辺りの桜水面みなもに枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
23
暴君は 因果律など 空っぽで 「君が好きだよ」⇔「良きに計らえ」
11
十五夜の下「もと」の桜と頬染める君待ち恋し上弦の月
19
象徴 北極星=ポラリスは 如何なる時も そこにある 場を失えば ただの風船
15
AI エーアイさん 君は賢い 賢すぎ 時に大ボケ 君ギフテッド?
11
春風に花酔い人の波よせて『焼きビール』てふ幟はためく
15