約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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光含み 魔物のごと咲く 白き花 桜よ今年も 我は惑えり
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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「反戦歌うたっても武器作るなよ」被爆二世が言ってもムダか
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これほどに 待ち望む花が 他にあらむ 古きより胸に 刻み込まれて
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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春風が 戦ぐ川岸 桜道 ビール片手に 夫婦微笑む
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蕾には期待と希望 咲く花にチカラ貰えて人は優しい
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林檎の真ん中射抜くごと詰られて わかってる恥じているよと胸の内で/其の二     
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よたよたと 丸ひ体を 揺さぶりて 犬はおきなと 春のお散歩
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一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
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みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
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待ち侘びし桜チラホラ咲き初むる徒歩三分のさき公園
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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川辺りの桜水面みなもに枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
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年寄りは 大事にされず 子は大事 山は崩れて 川は遡上す
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他人ひとのこと心が小さい人と言う君の大きな口だけ見える
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素直です私はあなたの素直よりおでこに正直だと書いてある
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春先は カイロと湿布の重ね貼り 腰のご機嫌伺うゴルフ
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山の端の 真ん丸太陽 鮮やかに 白い息して 朝のお散歩
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明日から 君と離れて過ごす日々 きょうは一日くっついて居よ /入院前日 愛猫へ
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地に落つぬ 紅き椿は 天仰ぎ 道を飾りぬ コサージュの如
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生活は 日々のタスクの 繰り返し 手をかけるもよし 抜いてもいいよ
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うっすらと紅粉べにをぼかして微笑めば枝垂桜の妖艶なるかな
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ひかり降る覚悟を決めて卯月へとヴァニラが溶けるように進まむ
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普段なら歩きもしない堤防に我を誘ういざなう桜の力
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この世には限りがあると諭されて今満開で咲き誇る
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着付け後の 合わせ鏡に 映り込み いつもとちがう 君の横顔
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