どんななメロディだろか春風に揺れるネモフィラ奏でる音は
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私はソメイヨシノと声上げる高速道路の雑木ぞうきの中で
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「ただいま!」と母に抱きつく一年生 登校三日目 桜満開
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山吹の枝垂れる様の美しさ丸く刈り込むいもいまいまし
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新緑に皐月の花の咲きめて青空仰ぐ紅ぞあざやか
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オメラスを 去りて彷徨う道半ば 自由という字の 檻に似ており
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信号が青と気付けど膝痛でダッシュ出来ない吾は老人おいびと
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星淡き夜ジャスミンの香り立ち 見知らぬ世から誘う声のして
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雨音に 耳を傾け 筆を執る 疲れた日には 雨は優しく
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風通るなだりに群れるカタクリの俯く角度君と確かむ
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夜風よかぜ香る 春の星粒 すくい取り 新しき星座 空にえがかむ
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たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
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慣れるまで三年かかりし尾張弁 今では我もその一員に
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逃げ逃げて此処まで来たり桜樹のもと 涙拭いし桜花はなの褥に
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ワッハッハッハッハ楽しげな声こだまして山は微笑み久々の晴れ
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青のとき一番星が瞬いてもうじき夜のとばりが下りる
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星空にぶつかりもせず飛んでゆく飛行機の音夜にこだます
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花言葉「純潔」と言う白き花 足を止め見るスノーフレーク
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黒焦げの鍋並べ嫁の粗相と訴うる 記憶に抗うその声哀し
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カスミソウ優しく包み彩りの華々映ゆる春の晴れの日
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今日くらい早めに寝ろ、と愛犬の 気遣い受けて布団に入る /介助のために昨晩徹夜
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心まで見詰め返して来るギリア愛する人に思い届けて
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故郷ふるさとに向かふ列車に身を預けに戻りゆく旅始まりし
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寝返りを打つたび揺れる胸の内 もう辞めてやる ここは我慢だ
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春秋も知らぬ常盤ときはの山隠れ花も紅葉も見ずは長閑のどけし
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足曳きの花の追っかけ四日間 恵みの春は深き眠りへ
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持ち主の元へ戻れたのか 枝に掛けられていた ユニフォームは無く
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いにしえの願いを捧ぐ甘き香の清楚たゆたうカモミールかな
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風薫る薔薇の棘まで緑濃しふんはり咲きて紅色に染む
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「おやすみ」と夜の静寂に届く音は雫落ちるにかき消されゆく
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