一歩ずつ踏み出す足にいのち載せ幼な子笑むや 春のきざはし
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さくら花儚き色の風が舞う幾年いくとせ過ぎて覚悟のせつな
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剣岳の天井空へゆうらりと我よ飛び立て味わう煙草 
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空近き 稜線へ立つ童子を照らす小鉢の碧い竜胆 「りんどう」
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テーブルに麦が生けらるランチ会 初にて噛みしむウクライナの味
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年かさね連れ合い頼り並み歩く陰の長さも重なりゆけり
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いにしえの醍醐の花見してみるも心の疼き癒されぬまま
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ひさびさに ちま猫ちゃんの「おきてニャーン」 起きるよ食べるよ チーズ蒸しケーキ/アップルパイ売り切れ
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困難な場所を選んで咲く故か線路内には目を引く緑
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仲立ちをしたカップルと写ってる 原作者って感じの顔で
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仕事での 桜の名所 視察には 誘惑多く 空腹続く
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足跡を波に消されて抱き寄せた君は海より深くはかなき
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適温のお湯に緑茶の蒸す待ちの束の間思う君への朝日   「今日は君と」
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青バナナ吊るし置くうち黄に熟し やがてあばたの天人五衰
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青い首輪 セーフティロック安全装置で 行方不明 キジシロちゃんには 青も似合うよ
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「この春にNHKラジオ変わります」 他は静かな早二日前/3局から2局へ
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満開や ソメイヨシノに 誘はれて 花つゐばみぬ 三羽のメジロ
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十年後の私に問はむ笑い方、進むべき道、その超え方を
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影さえも溶け合うほどの夫婦って花まんまるの人生だろな
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駅前のパン屋で食べるメロンパン心を奪う甘ーいザラメ
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一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
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吾子送る 夜風は春の匂いして 寂し思いもふと和らぎぬ
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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暴君は 因果律など 空っぽで 「君が好きだよ」⇔「良きに計らえ」
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戦とは 負けた方にも 正義あり 何故か白ける ホルムズ海峡
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次々と 後ろにまわす プリントが 俺の分だけ 1枚足りない
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桜咲く 心晴れやか 春日和 冬衣脱ぎ 春を身に纏いて 光の中へ
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三月は テレビの中も 入れ替わり 良く見る方も 番組を去る 
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真夜中にやけに明るく感じたら空を探して月を見つける
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