Utakata
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うすべに
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鬼にらむ豆のとなりにひなあられ こわごわ手伸ばす幼女の視線
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にらみ鯛 骨だけになる三が日 出番はまだあるあすの雑炊
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ほろ酔いの頬のまねしてほのあかく みかさの山に弓月のぼる
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ただいまの声おいかける歓声に 無事をよろこぶ煮しめのかおり
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うららかなひだまりに寄る草もみじ 掃除日和とたたみ打つ音
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あたたかい明かりがつつむ歌声の 祈りはとどくクリスマスの樹
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変わりない平和な街にジョンの歌 海の向こうは今日も戦争
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一年の過ぎるはやさにしみじみと 柚子のかおりの湯気につつまれ
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手を貸してくれてもいいのに ひだまりの猫のひげにも第九のメロディ
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枯れ枝の風切るおとのきれぎれに 石焼いもの笛とどく夜
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散りかかる落ち葉が破った巣をなおす 大忙しの年の瀬の蜘蛛
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マフラーに氷のいろの薄ぐもり 寒さにちぢむさざんかの紅
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風にたえ雨にもたえて燃えた赤 油断したのか終のひとひら
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かがり火を恋ひわたり入る夏虫に知らずがほなるあきの虫の音
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夕立にべんがら格子の色も濃く うつろの蝉が水に流れる
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古きよき世界の終わり抱きしめて いけない女と呼ばれてみたい
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夏草のしげきひむろぞ悲しかる人のこころの冷えむと思へば
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八朔のだらりの帯もゆらゆらと 都大路にかげろう揺れる
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夏の夜の宴のあとに月見草 朝日にしぼむ夢の行くさき
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夏祭り おさない恋の跡たどる ノスタルジアのふり向く夜に
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京の夏 祇園囃子を追いかけるざわめきに聞く異国の言葉
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夕暮れにほっとひといき水を撒く 父の背中にまだ蝉しぐれ
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風澄んで秋立つ気配 さみしさは祭のあとの朝のちょうちん
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鹿はもう山に帰って風やんで 魂をむかえるろうそくゆらめく
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提灯のとぼしに競い 山鉾の影に顔出す立ち待ちの月
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はかなさは袖にかくしてひと殷賑り鞠のゆかたの線香花火
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夏祭り からんころんとはしゃいでは父の背中で目覚めた夜更け
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おりひめの願いもよそに 行く町の明かりが隠すかささぎの橋
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夏の陽に透きとおる白 うつむいて月も待たずに宵に散る沙羅
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いにしえのふたかみやまを朱に染めて 煙立ちたつ明日香の夕陽
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