Utakata
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うすべに
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うんざりだなんて言わないで ただでさえ心悲しい真夏の火鉢
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風澄んで秋立つ気配 さみしさは祭が済んだ朝の提灯
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昼下がり畳のへりに陽は伸びて 蝉の声止む暑さ残して
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虫の音の聞こえくる庭 蚊遣火の煙ながれて夏ひきもどす
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たそがれの琵琶の音嫋と晩い夏 紺のゆかたに夕顔の咲く
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夢つれてふたりで買った夏の夜 今日夕立に濡れるふうりん
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灯明に金魚持つ手を合わせてる幼い姉妹のゆかたゆらめく
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遠い夏 波にこわれたさくら貝 届かなかったうすべにの恋
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熱帯夜せめて耳だけ涼しくと 窓にもたれて秋の虫聴く
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軍服が窮屈そうな若い祖父 セピアに褪せて語り始める
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融けもせず真夏の雪はさるすべり 熱い風にもさらりと揺れる
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手の中のちいさな華をいつくしむ 散り菊までと揺らさぬように
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蚊遣火の煙ただよう盆帰り 忘れ物した鉛筆の先
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笹の葉をあわく透かせるほたる火に 笑顔の浮かぶなつかしい人
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白いシャツふざけたふりで抱きつけば肩のひろさに嫉妬する夏
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馬に乗るご先祖さまはどのあたり 迎え火ゆらす風にたずねる
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すいすいと秋のさきぶれ赤とんぼ サーファー真似て乗る青田波
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ゆふかげにあだにほのめく夕顔にとはず語りのむしのこゑかな
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打ち水の香りすずやか盆帰り 孫のあと追う日暮れのさんぽ
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雨降りに小さな傘がぴょんぴょんと はずんで踊る赤い長靴
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揺れながら けやき並木の木洩れ陽に夏の少女の白い足音
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言の葉のいとどはなやぎ茂れども春のえにしをきる夏衣
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試験前借りたノートの片隅に 消しゴムの跡あたしの名前
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こゑ聞けばなほ頼むかなほととぎす まだ待ちなれぬ夜半のちぎりを
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国境で 別れを告げる父親の背中見送る少年の肩
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思い出はきれいなうちが華なのと言ってた祖母がボケて暴れる
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灰色の瓦礫にのぞくぬいぐるみ 地震じゃないぞと告げ行く戦車
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銃を取る あなたの指は昨日まで孫の頭を撫でていた指
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大好きなビールの瓶で武器作る老人の背の悲しい怒り
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うぐいすの夏ひきよせる谷渡り 大忙しの恋する季節
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