Utakata
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うすべに
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杖を見てさっと席立つ高校生 暑い電車に涼風が吹く
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小さな手 つたない文字のささやかなおさない願い星よかなえて
8
思い出は白い雲立つ夏休み 祖母が鳴らしたほおずきの音
9
草刈りのすんだあぜ道あざみ咲く 残した人のやさしさ揺れる
7
わすれ草 一夜の夢もなつかしく古びたきみの詩集を開く
6
たずねゆく心もよそにささゆりの 杉の木陰にゆれるうすべに
4
水無月の茅の輪くぐって見あげれば 三輪山の端に夏の雲立つ
6
友達じゃないつもりなのにはぐらかす 広い背中を見つめてた夏
5
あの人を待宵草のはかなさは ひとよ明かしてしぼむ花びら
3
人目もるむらさきの花閉づべきを 袖ふる人ぞなにごころなき
2
長雨に湿ったこころ乾かして 雲の切れ間にほととぎす鳴く
4
葉桜を形見にのこす春惜しみ 雲雀にきそううぐいすの声
5
咲きまどい来ぬ人を待つ夕化粧 青い風吹く初夏の夕暮れ
6
うつりゆく季節の色もうわのそら あやめも知らぬ恋におぼれて
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忍びつつながめ出だせばくちなしの 言はぬおもひを香にこめつるや
5
振り向けば去りゆく人の魂かとも 闇をうるおす蛍ただよう
6
ほたる火の淡い追憶うすれゆく やさしい声の祖父のおもかげ
7
雲切れて雨もひといき 笹の葉の露にとまどう月夜の蛍
4
にわか雨に駆け出すきみの白いシャツ 夏の香りが後追いかける
7
待ちぼうけ 街ゆく人は楽しげにふたりにひとつ傘の花咲く
10
灰色のうすいひざしに 水彩のあわい絵えがくあじさいの色
7
雨もよの曇りぞらでもにぎやかに 昇るうたごえ元気ふりまく
4
ラジオからあなたの歌としのびあし 海のかおりの夏がまた来る
4
九重に散ったさくらのあとしまつ うすべに甘く仔鹿がたべる
3
ささやきに振り向く髪のはなびらに やさしく触れるいじわるな指
6
木の陰のひとりしずかの花化粧 さくらの紅にひそかに染まる
1
笹鳴りの風はしずかに花散らす 夏のふりして春急きたてる
1
散り落ちたうすべにあつめるおさなごの 花化粧するやわらかい髪
6
そびえ立つ堤防ごしに春の海 まだ乾かないこころの涙
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夢うつつ夜明け早まる ぜいたくに寝床で聞いてるうぐいすの声
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