Utakata
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うすべに
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むめがえに咲きぬとみえし花のいろ なごりの雪の烏帽子なりけり
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たんぽぽを見つけ指さすおさなごの頬はうすべに 歌が聞こえる
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たがさとに鳴きわたるらむ わがさとは桃の花咲く春の夜の夢
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やさしさは本気にしてていいのかな 子供のころの遠い約束
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気をつけて 旅立つあたしを見送った父の背中に冬の落日
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コンビニの彼女の指に触れたくてカードしまってコイン差し出す
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帰れない故郷からの宅配便ひとりみかんを食べる冬の日
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張り替えたさくら模様に春おもう 白さまぶしい和室のひだまり
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いしだたみ 下駄の素足が照れくさいうすく紅さす湯あがりの肌
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イヴの夜の子供の夢をこわさぬよう寝付くのを待つ若い両親
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もう出るよ そう言ったのに待たされてふわりと雪の夜空見あげる
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秋過ぎて燃え残る夢 木枯らしにまだ鳴りやまぬ冬のふうりん
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遠い日に忘れ物した物語 流れる霧にぼんやり浮かぶ
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はかなくて 夏のなごりのさくら貝こわれるものと知りつつ拾う
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写メが来る 離れていても同じ目を 十円玉の浮かぶ夜空に
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夏の日の返せなかった落し物 まだ間に合うさと秋の風鈴
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覚悟して 夜のとびらを押しあけて夢にみたこと教えてあげる
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いわ走る垂水もかわく秋は来て きみがふもとに咲くほととぎす
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野分だつそなたになびく荻の穂ぞ思ひみだれてやがて伏しける
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露ごとに色をふかめる吾亦紅 季節知らせる 常ならぬ世に
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せつなさに陽焼けのあとを抱きしめる金木犀の香のかよう頃
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メモ帳とペンを出したら 不審者を見る目に変わる役所の窓口
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月見草 だいだい色にしぼんでも逢えた夕べの夢まだ見てる
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傾いた秋の陽ざしのひまわりの 稲穂にならいこうべを垂れる
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線香の煙が沁みただけなのに いい娘だと涙をさそう
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すがる杖 目を細めてる彼岸花 浄土に続く道のいろどり
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畦道を駆ける少女の曼珠沙華 まつり囃子の遠い笛の音
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いにしえに心はこべば甍波 平城の明日香に萩のこぼれる
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さみしさは空の高さと絹の雲 きんもくせいが歌い始める
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さみしくて 広がった空見上げれば羊の雲の何食わぬ顔
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