Utakata
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ゆきみやこ
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はじめまして
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カメラ持つ人も絵を描く人もいて 横切る吾も秋の
一片
(
ひとひら
)
11
傷は未だ癒えず近くで見てみれば 月も心も歪なるもの
21
色盲の吾に赤きを教えたる友居て遂に秋を見つける
23
漱石が月にいたなら月面の愛を 地球が綺麗 と訳す
16
口籠る 今更月を探しても手遅れなほど君が綺麗で
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自販機の結露に指で匿名の「今日も がんばれ」 朝が明るい
34
人みたい 機械みたい のどちらもが賞賛であり罵倒でもある
11
では逆に 人の形をしていない悪に出会ったことがあるかい
10
砂浜で夏の化石を掘り出して 湿気た花火を手に泣いた夜
20
見たくない物は無数にあるけれど 幸い視野は有限である
20
傍にいる 例えば君が傷ついて啜るスープを作る役とか
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注がれし夜を飲み干すため星は23.4°傾く
15
照らされた形だけ見て欠けてると言われて 月は変わらないのに
21
繰り返す自分が嫌になることも自分を知らないよりはマシかな
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透明と聞いてはじめに思い出す色で塗られた空と祝日
11
鏡像が鮮明過ぎて着飾った己を振り落せずにいる夜
13
あの頃は街が今より少しだけ蒼く見えてた 笑っちゃうよね
13
安堵すらできないままでいる長い長い廊下の列に並んで
13
称賛を欲しがる世界 から自動生成されたハートのおばけ
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恋愛も花火みたいに音がして終わればきっと諦めもつく
26
人生を文字で表すことなんてできねど 君の詩を読んだよ
16
長命の蝉が仲間の亡骸を前に鳴くのを躊躇っている
21
足跡が途切れる 海が続いてく 君の故郷が遠くに見える
14
波間には明日の予定もなくてただ
浚
(
さら
)
いきれない過去があるのみ
16
悲しみが雨の強さを推し量るようで密かに膨らんだ雲
17
花火よりよっぽど恋は花らしい だって静かにそっと散るから
20
週末の天気予報の快晴も捨てて故郷の雲を見に行く
25
林檎飴 ぱっと夜空が煌めいて映す誰かと君の横顔
21
君を守る為に生まれた 世界には君より弱い人もいるけど
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締め切りを数多破った末にあるやる気よ 始めから湧いてこい
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