ゆきみやこ
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雪の積もらぬ街にいました

素っ気ない顔で眺める橋脚に砕け散る波 胸に渦潮
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遠き地の花を束ねてうたかたの文字が織りなす桜並木よ
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本当はすべて綺麗だ 狭量な僕の認めぬ歌があるだけ
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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幻肢痛 中途半端に片付けた部屋にかつてのギターの在り処
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替えの効く生を受けても 代替のそいつは僕を詠えないだろ
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痛くない傷に限って誰からも見つかりやすい場所についてる
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天高し ノートみたいに端っこに明日の献立書いてあるかも
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鉛筆画 黒で引かれた輪郭の確かささえも羨んでいる
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はみ出さず真っすぐ踏めた足跡を集めて僕を作りたいのに
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馴染めずにはみ出していく人生のそのどこまでが個性だったか
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埋め方がわからないから散らかしたままで寝ている 部屋も心も
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天井を眺めて嘘を数えてる 羽もないので仰向けで寝る
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冷たさに慣れた心を置いていくように色づく街を見ていた
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特別に見えて何度も期待する あなたみたいな人の言葉は
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痛むのは 誰かに好きって言われたら癒えちゃうような浅い傷なの
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まだ何を言うか覚悟もしていないけれどあなたを呼び止めている
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秘密 今笑って話す過去一つ抱え眠った夜があること
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空も地も白に染まった 悲しみを見つけられずに鳥が彷徨う
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謝った後に犯した罪までは きっとあなたも許さないよね
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自転車をガシャンガシャンと倒しても 風はふわりと運ぶ初雪
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派手やかな街が伸ばした影ひとつ 白くなれない溜め息をつく
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君が過去詠んだあらゆる葛藤がどうしようもなく私でもある
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住宅街 愛が欲しくて眺めてたカーテン越しのツリーの灯り
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一人には広い机の埋め方を忘れて焦げたトーストを噛む
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カメラ持つ人も絵を描く人もいて 横切る吾も秋のひとひら
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傷は未だ癒えず近くで見たならば 月も心も歪なるもの
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色盲の吾に赤きを教えたる友居て遂に秋を見つける
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漱石が月にいたなら月面の愛を 地球が綺麗 と訳す
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口籠る 今更月を探しても手遅れなほど君が綺麗で
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