ゆきみやこ
94
81
投稿数
93

はじめまして

天井を眺めて嘘を数えてる 羽もないので仰向けで寝る
13
冷たさに慣れた心を置いていくように色づく街を見ていた
18
特別に見えて何度も期待する あなたみたいな人の言葉は
13
痛むのは 誰かに好きって言われたら癒えちゃうような浅い傷なの
15
まだ何を言うか覚悟もしていないけれどあなたを呼び止めている
20
秘密 今笑って明かす過去一つ抱え眠った夜があること
15
空も地も白に染まった 悲しみを見つけられずに鳥が彷徨う
18
謝った後に犯した罪までは きっとあなたも許さないよね
10
自転車をガシャンガシャンと倒しても 風はふわりと運ぶ初雪
18
派手やかな街が伸ばした吾の影も白くなれない溜め息をつく
15
君が過去詠んだあらゆる葛藤がどうしようもなく私でもある
23
住宅街 愛が欲しくて眺めてたカーテン越しのツリーの灯り
19
一人には広い机の埋め方を忘れて焦げたトーストを噛む
20
カメラ持つ人も絵を描く人もいて 横切る吾も秋のひとひら
18
傷は未だ癒えず近くで見たならば 月も心も歪なるもの
24
色盲の吾に赤きを教えたる友居て遂に秋を見つける
25
漱石が月にいたなら月面の愛を 地球が綺麗 と訳す
18
口籠る 今更君を探しても手遅れなほど月が綺麗で
16
自販機の結露に指で匿名の「今日もガンバレ」 朝が明るい
39
人みたい 機械みたい のどちらもが賞賛であり罵倒でもある
13
では逆に 人の形をしていない悪に出会ったことがあるかい
11
砂浜で夏の化石を掘り出して 湿気た花火を手に泣いた夜
22
見たくない物は無数にあるけれど 幸い視野は有限である
23
傍にいる 例えば君が傷ついて啜るスープを混ぜる役とか
17
注がれし夜を飲み干すため星は23.4°傾く
18
照らされた形だけ見て欠けてると言われて 月は変わらないのに
22
繰り返す自分が嫌になることも自分を知らないよりはマシかな
18
透明と聞いてはじめに思い出す色で塗られた空と祝日
11
鏡像が鮮明過ぎて着飾った己を振り落せずにいる夜
14
あの頃は街が今より少しだけ蒼く見えてた 笑っちゃうよね
12