ゆきみやこ
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雪の積もらぬ街にいました

君の眼に宿る光を知ったのも初めて声を聞いたのも夏
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さよならを云った冷たい舌のまま 未だアイスの棒弄ぶ
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真二つに割れた心は君を見てもう溶け出したアイスキャンデー
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ソーダ水 君が好きだと悟った日 静かに夏を告ぐる風鈴
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風薫る夏が来たなら真っ先に君に出会って聞かせたいうた
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音もなく溶ける海月のような夜 寂しくはない夏の孤独は
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燕(つばくらめ) 君の故郷に帰るなら三切れ切符が必要になる
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嘘をつく 解れないよう糸を吐く あなたの夢に包まれて寝る
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春が来て君は変わった 僕はもう昨日の君を思い出せない
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川沿いのあれも桜か尋ねれば ええそうですと蕾が笑う
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珈琲に溶けしミルクよ この傷も癒えて私の色を変えるか
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教室の隅に天使の絵があって 今日もどこかで人が撃たれて
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長年の恋が一つの結末を迎えた朝の君の味噌汁
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不発弾多き脳内 爆発と成れぬ芸術たちの墓原
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脳死まで動き続ける心臓と心停止まで思考する脳
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こんな詩すぐに忘れていいよでも忘れるまでは僕を愛して
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透明な花瓶は傷も透明で 割れる前なら触っていいよ
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これまでの自分をいくら赦しても今日の自分が罪を重ねる
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この街に雪は降らねど 積もったと君が囁く電話越し 冬
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意地悪な電話とぎこちない手紙 貴方の利き手さえ愛おしい
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白雪や 汚れつちまつた悲しみに汚してやつた喜び勝る
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