ゆきみやこ
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はじめまして

注がれし夜を飲み干すため星は23.4°傾く
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照らされた形だけ見て欠けてると言われて 月は変わらないのに
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繰り返す自分が嫌になることも自分を知らないよりはマシかな
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透明と聞いてはじめに思い出す色で塗られた空と祝日
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鏡像が鮮明過ぎて着飾った己を振り落せずにいる夜
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あの頃は街が今より少しだけ蒼く見えてた 笑っちゃうよね
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安堵すらできないままでいる長い長い廊下の列に並んで
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称賛を欲しがる世界 から自動生成されたハートのおばけ
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恋愛も花火みたいに音がして終わればきっと諦めもつく
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人生を文字で表すことなんてできねど 君の詩を読んだよ
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長命の蝉が仲間の亡骸を前に鳴くのを躊躇っている
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足跡が途切れる 海が続いてく 君の故郷が遠くに見える
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波間には夏の記憶は無くてたださらいきれない過去があるのみ
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悲しみが雨の強さを推し量るようで密かに膨らんだ雲
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花火よりよっぽど恋は花らしい だって静かにそっと散るから
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週末の天気予報の快晴も捨てて故郷の雲を見に行く
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林檎飴 ぱっと夜空が煌めいて映す誰かと君の横顔
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君を守る為に生まれた世界には君より弱い人もいるけど
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締め切りを数多破った末にあるやる気よ 始めから湧いてこい
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帰宅まで堪えきれない雨粒に どこか優しくすれ違う傘
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君にしか聞こえぬ声で波はまだ君の返事を待っているのか
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恒星でなくとも夜を埋める星 街を見下ろす黒になる夢
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サボり症日記はいつも続かずに過去は記憶と あとは詩だけ
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真逆だと思うものほど面影の裏にぴたりと張り付いている
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好き嫌い嫌い嫌いと言ったとて どうせ明日には枯れているのに
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嘘つきを卒業できると信じてた 全ての嘘がばれるその日に
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君を待つ世界はいつも冬だった そうだね僕は春を待ってた
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人間の化石をいつか人でないものが掘り当て燃料にする
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いつだって君の視線の先にいて君のことばの意味になりたい
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全員が敵だとマジで思ってた 踏み出すまでは自分さえ敵
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