Utakata
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澪標
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終わらない夜を夢に見て眠り続けよう
受験生から浪人生になりました。理系にしか読めないような歌を詠みたい
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若い母の 苦労をこめた 英和辞典 慈しむように 表紙を捲る
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ありふれた 愛の言葉じゃ ないけれど 死ぬ迄おそろいの 空気吸っていて
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雨止めど 終わらぬ晴れも ないからさ お気に入りの傘 またねと仕舞う
10
単調な 七小節を 過ごしても たまに雨降り 季節は移り
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卒業前 閑散とした 教室に はじめて響く 換気扇の音
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明けぬ夜 ないと大人は 言うけれど 終わらぬ夜を 夢見て眠る
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窓の外 わたしを魅せた 黄金色 白銀に変わり いつしか消えて
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我儘な 幸福に縋る わたしとは ここでお別れ だいすきでした
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女子高生 最後の季節 訪れて 蝶々結びで マフラーデビュー
10
駿台の 二日の気遣い 無下にして 共テ模試後に 通常授業
7
一期一会 バスで出会った おばあちゃんの くれた
ぬくもり
(
コーヒー
)
手に握りしめ
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片恋を 始めたときから 伸ばしてる 黒髪ついに 貴女に追いつき
9
幸福を 追うばっかりに 過去に手を 伸ばしてしまうの 未練はないのに
7
業火より 人肌ずっと あたたかい わたしの骨は 体温で焼いて
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朝が来て お別れするの 辛いから 布団もろとも ふっとんでいくね
6
時代かな 夏が終われば 秋は
柿
(
欠き
)
季節も来ねば 鐘も鳴らぬが
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行事行かず 一番好きな子 連れてって 二人だけの 校外学習
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帰り道 まだお日様の 顔見えて 明るいはずなのに 何だか寂しい
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落陽が 濡れた石段 降り注ぎ 神社に誘う 赤絨毯ね
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月曜日 朝の先頭 車両では 赤シートの死体が 転がっている
7
夕立に 黒髪濡らされ 俯いた ぺトリコールは 嘲笑っている
6
勤勉な あの子の挨拶 一番乗り 眠い目擦って 苦手な早起き
6
朝の私 綺麗に染めてた 頬紅は 吸収されたか 蒸発したか
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これやこの
輓近
(
ばんきん
)
も言います 蝉丸さん 知るも知らぬも 駅の改札
3
化学でね 先生が訊く 「これなに
酸
(
さん
)
?」 敬称みたいで ちょっとかわいい
7
五月晴れ 飛行機雲が 切り裂いて 手術跡だけ 残していった
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天井に 映した星を 掴んだの 届かないからこそ 輝いて見えた
7
日の出前 写したような 縹色 朝だけ会おうよ おやすみツユクサ
12
高校を サボって一人 喫茶店 誕生日なのを 免罪符にして
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五月七日 少し誕生 遅刻かも 憂鬱な世間 浮かれる私
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