コートからひらりと舞った花びらが 僕に小さく春を知らせた
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そのせなにちいさな羽のあることを知らない君はあの町を出ない
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水玉を勝手に傘に描き出す 花びら連れたあたたかい雨
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いつもより時の流れがゆっくりな 千鳥ヶ淵を花と歩こう
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美しいのは散るからと知りつつも 春以外にも見せたい桜
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ビデオにも戦争がありいくつかの戦後をくぐるこの部屋がある
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喫茶店トーストの上溶けるバター BGMはパブロ・カザルス
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「学校前」小学生はバス停を早押しクイズで駆け降りてゆく
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百億の花粉を載せて春風は鼻腔の奥に受精を目指す
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やどかりにとって浜辺は限りない事故物件が並び立つ街
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春霞華と同じ色の空美しいまま散りゆく桜
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春なのか?陽炎の立つ駅 独り 乗り遅れてた春色の汽車
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環八に舞い降りてきた天の河 僕も川面の光となりゆく
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お互いに通って過ぎた季節ときがある この季節へと捨ててく想い
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「久しぶり」その一言の裏側に僕が知らない 数多の別れ
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もちもちとしたやつ頬張りたいけど それがなんだか わからずぼんやり
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そのへんの言葉じゃサイズが合わなくて 裸の気持ちがくしゃみをひとつ
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長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
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朝食後 歯みがき洗濯洗い物 天気に尋ねる優先順位
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新しい友を得たよな気になって 歌詠み始めて間もない私
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辛い日も「置かれた場所で咲きなさい」の言葉を胸にスタートしてみる
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「はい、これ」と寡黙な息子さりげなく手渡すピンクのカーネーション
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久々にフルート吹けば思い出す仲間と演奏あのステージを
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歌詠みで他人ひとの生き方垣間見る改めて知る短歌の世界
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ポケットの奥底にある重力の 行き着く先が誘蛾灯でも
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マスク取る日常戻り薄化粧 日除けの帽子は深めに被り
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一人では気づいてくれない会う人が セットなんだね私と犬は
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君の手の触り心地を忘れないうちに会いたい。今はそれだけ。
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世界中飛び回っている息子でも 出発の朝の変わらぬ寂しさ
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キモオタで ごめんね常に この気持ち なんか毎日 まぶた重いし…
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