朝日浴び吊るした柿は耀けりさびしき家にときめきの色
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南国は 都会まちで疲れし 吾癒やす 果てなく続く とうきび畑 
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上野路を包む彩葉に歩を休め 絵に向かひゆく人波を追う
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あなたこそ太陽であり月であり宇宙とおなじ愛なのだぴょん
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週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
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枯れ葉踏む感触と 心地き音 ポテトチップス咀嚼そしゃくす如し
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「愛という言葉は軽い」と言った君 なら縛り付けて重くしようか
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仕事終え遅い昼餉は有りもので ゆうべの豚汁沁み渡るなり
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ただ寝てるだけではぼけてしまいそう 今日見た空は格別だった
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歯車はギリギリ攻めてフル回転 キチキチ回る昭和のさが
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旧道の トンネル抜けて カーブする 右手に紅葉モミジ 燃え盛る秋
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「あと、映画!」ビジネスついでに誘ってくれる粋なベーシスト現る/ニヤリの日
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塞翁が馬というのはこのことか マイナススタートプラス終わり
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泣きながら笑える人に惹かれます終わり良ければすべて善しかな
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仕事終え カフェ出る我に お疲れと 呟くマスター 感謝し会釈
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「デートかな?」「です!人妻を。」なんて言い 笑える友がいる嬉しさよ
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小腹すきカップ豚汁のむ3時 眠りをさそうこの温かさ
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ベランダに 五つ連なる紅き実の 寒風の中干し柿を干す 
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砂浜で 沈む夕陽を 見るだけで 明日への希望 形になりぬ
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無人駅のようにさびれたわたくしのプラットホームに冬降り立ちぬ
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横になり疲れたふりし指図さしずする チョロいよ息子キッチンに立つ
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日の暮れて窓辺に立てば街灯りさざめき揺れて空に金星
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今少し 眺めたきかな 遠き日の 夕雲に似て 山のに沈む
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陽だまりの窓ガラス越しに止まりて 翅休めをる秋 シジミチョウ
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愛猫は二十年はたとせを生き秋の日にニャンと一声そと旅立ちぬ/五年前幾匹も居た最後のこ
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思考の海 波揺られ僕 沈んでいく 僕にエラなんて ないのにね
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午前から仕込むおでんの香りたち真冬日初日の夕餉もふたり
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君の手に触れられるたび疼き出す私のからだ蜜にまみれて
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喪失はひとつずつ違う形で私の心に穴を開ける
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「分からないきみの気持ちが分からない」芭蕉風味で別れたカレシ
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