幸せはたまに動物の形のビスケットになったりするよね
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一族の物語第八章は終わり叔母さんはぐずぐずしない
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オンライン帰省でいいと言えるのがありがたい気楽な年の暮れ
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日々痩せる思いは少し遠くなり残る既読にならぬ安心
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診療所マスク患者が出ては入る開け放たれた玄関のドア
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並ばされ湯気出るバスに入れられた冷凍餃子になる白い朝
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纏ひ附く百合の喩へのいみじからば雁の図形はくづれかへりぬ
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もうそんな季節かと問う飲み干した600ミリのペットボトルに
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硝煙の臭いが消えぬ指先を持つ娘が語る命の重さ
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脇目もふらず走り来たのに横に咲くのはありふれたヒメジョオン
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新しきはなべて旧りゆくもの敢て町に出で行くひとへ 口語とその後
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ここのとこ「今日は特別って事で」が週に6日はあるのに気付く
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たちまちに壁の向こうは雨になり夜が来ていた寝転んでいた
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気持ちよくみんな一緒に暮らすんだよとウクライナの絵本は言う
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ぼく達の敵基地ってどこ 夏がきて「告ぐ、直ちに投降せよ」虐殺前夜通達
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夏のオルガン 戦争賛美に燃えて以降憎しみはジェラートの融点と同じ?
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液化した市街電車にはことごとく だって正当防衛だったんだから
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戦争は呼吸みたいでひとごろしはどの少年漫画でもかっこいいじゃん。 
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ぼく達がなぜ その問いだってわからないのだから絶滅収容所なんてしらない
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歴史より個我を貴ぶ 岩のうへ蒔かれて終ぞ実らざる種子
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敢ていふ祖国喪失せる測量器になに誇るも無き落日、自死さへ
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虜囚の貌 労働と銭貨の正しきを未明死の企図に充てて悼むも
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富満てて虚栄の名残今は唯うちひしがるるべし 群衆無く静もれる謝肉祭
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邦と邦を何隔てるか稔るともたれ収穫するものなき熟麦、やがては
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まだ何も出来ていないと思いつつ寝転ぶしかない夏が言い訳
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みさげ果て思うは自己愛と我執に塗れたるわれ、われらが闇 
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事実のみを遺せ賛美翼賛のはたて 正当防衛は軍靴を揃へて
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こころには名残さへなき浦上天主堂に且つて割鐘落ちぬ 時は過ぎ遣れども
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みせてあげよう きみたちがなかったものとした呪いが世界を破壊し尽くすところを
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穂村弘と従順な羊たち なにも考えなかったのは明日には戦争へ行くために
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