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どことなく 憂いをおびた 秋空に 例大祭の 花火は上がる
27
持ち歩く手の平サイズのメモ帳に短歌
(
うた
)
読めそうな空の高き日
37
どうしたら 浄土へ着くか 今年あと
三月
(
みつき
)
と半分 ストーブ
点
(
つ
)
ける
29
曇天の雲の割れ目の青空よ 明日は秋日か草の穂遊ぶ
37
庭の木にヒヨドリ止まりて部屋覗く テレビのニュース気になる如く
31
命日や臍の緒眠る白箱を開けては耽る母の面影
37
風邪をひき眠るあなたにたくさんの幼き頃の寝顔が宿る
38
美しく咲いた桜の今はもう落ち葉となりて皆がゆく道
30
いつからか爪の甘皮剥くのやめ分厚くなりゆく面の皮かな
19
親指の深爪しくしく痛む先かすかに感じる冬の後先
24
納豆が糸引き合って寄り添って 私もこの地でそうして生きてく
25
落葉に紛れた蝉の抜け殻は夏の思い出と共に砕けて
20
正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
33
常識こそうたがはるるまへひとは鳥なりし うたがはば飛べざらむ
18
異国の字 刻まれし瓶は この浜で 安息を知り航海を終え
23
追い詰めて追い詰められて優しさを壊したくなる皿を割るよに
20
この歳になって気づいた夜の帰路 母の夕飯幸せの味
12
ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
38
土の中 空夢見ては なけずいる ヒトヨノユメに 空知らぬ雨
9
また恋をしてエレジーにする作詞家になっていた北国で泣く
14
年忘れ私の中のザワザワをステンレスの鍋で煮てみる
24
縁の下で目立たぬ場所で支えても 誰も気づかぬ我の汗には
25
あどけない寝顔を直ぐに起こしたい 聖夜零時にプレゼント置く
19
年の瀬に独り呟くありがとう心ある人言の葉優し
42
「バイオリンではなくビオラみたいだね」言われてみたい句を歌を詠む
10
風邪引きも動き出したる月曜日のど潤せと寒の雨降る
39
たれが歴史をくりかへすのか その文書の一ページ目は からはじまつてゐる 、
9
人の顔? 猫の顔にも 見えてくる 寒さに耐える パンジーの花
31
手の平で溶けて消えてく牡丹雪 生まれて直ぐに逝った
子
(
こ
)
の
如
(
ごと
)
23
哀
(
かな
)
しき
袖余
(
そであま
)
り
浮浪雲一
(
はぐれぐもひと
)
つ
彼
(
かれ
)
の
遺
(
のこ
)
した
香
(
か
)
もいつまでか
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