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少しずつ君の背中を触ること慣れてきたのに必要ないね
5
一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
59
「駆け抜けてみれば一瞬だったよね」笑える僕らは歴史を紡ぐ
44
生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
55
あせも止め 吾子の体に塗る薬 小さな小さな背中を撫でる
46
ポロネーズ第六番の律動は波蘭の舞踊と言ひし母かな
10
「7月に家族で旅行に行くんだよ」片麻痺の
朋
(
とも
)
笑って泣いて
38
十四の少年こそが血と柘榴について語れ神話の如く
6
濡るるごと深くなりける
早緑
(
さみどり
)
に縁どられゐし役所の灯
5
「バイバイ」とトイレに流す
ちっちー
(
おしっこ
)
に いつも手を振るもうすぐ2歳
41
人の和に入るも入らぬも人の
儘
(
まま
)
椋鳥もよし百舌もまたよし
10
自らの糞を喰らいて回り生くユープケッチャの夢見ゆる
黎
(
あさ
)
6
思い出す 本音隠して君のこと「嫌い」と言った十四の夏
8
この夏の流行りならむと胸張るも 男の日傘顔隠しゆく
14
おっさんよ「納豆記念日」よく詠んだ 歯の浮く本歌に一石投ず
7
豆の香の木綿豆腐は堅くあれ もさり武骨な
益荒男
(
ますらを
)
の味
8
それぞれの星の形は違うけどみんな揃えば一つに輝く
9
麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
46
気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
39
おびただしい 数のセミ鳴く 森の中 狂おしいほど 救い求めて
42
防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
29
盆の時期とんぼや虫が近付けば もしやと思ふ少し本気で
54
気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
39
六時半 希望の朝が 流れきて 青空にのぶ 子らの手のひら
31
わたしヒトラー。わたしロベスピエール。もしもし。ユダヤ人を――
5
揺さぶられ倒れし墓を撫でる人 ニュースに映る被災地の盆
41
神神に主神のあらば 靑藍の仔を降しまづ人間を亡ぼす
6
戰乱の臭ふ 澁谷交差点群衆も靴鳴らしかへらず
6
呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
7
下駄の音と徹夜躍りの夜は明けし 風の盆待ち夏は過ぎ往く
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