曇り夜に湿る草はら隣の君が見えない星に心を凝らす
6
「かぐや姫」検索したらこうせつと伊勢とパンダが笑っていたわ
12
どことなく 憂いをおびた 秋空に 例大祭の 花火は上がる
27
健康に良いとテレビで見た品はスーパーの棚にはすでに品切れ
14
暑いから 理由にしては歩かない ぐうたらしてたら腰痛悪化
12
たわいない出来事つづるLINE文字寄り添うほどのそばにいたらと
6
送られた水茄子一つ手に取れば 貴方を愛したあの夏思う
16
どちらさま?と尋ねる祖母の手を握る いつかの私を感じてほしくて
18
大きめの浮き輪を見つけてはしゃぐ君 今年の夏が来たなって思う
8
異常無し 検診終えて安堵する急に空腹 デパ地下めぐり
18
東北の秋歌う貴方キミ 離れても お題を合わせ歌う楽しさ
11
遠回りしたけど夢に辿り着く 丸い石ころ 波のゆく先
7
原点の本懐かしく開いたら指這いのぼる馴染みの赤虫
10
「次こそは次こそ君に勝つために」目逸らす恐れ無限の「次」を
6
旅終えて ただいま言わずに抱きしめる 忘れちゃったよ 僕の充電器
8
「おかえり」と線香、おやつをあげた途端 猫毛が一本 リビングに舞う
11
このまま眠って化石になって燃えて誰かを温めたいね
9
誠実に生きても誰かに嫌われる だったら今のままでレッツゴー
12
寂しさは夜に連れられやってきて夜が帰っても知らん顔で居る
11
あなたとは普通な恋がしたかった 卒業証書がやけに重たい
10
雷鳴 刹那のワイパー潜り抜け 目が合い落ちる 雨粒ふたつ
5
ありがとう 私とあなたとの不和をSNSに書いてくれなくて
7
今ならば 溺れ死んでも構わない 君を縁取るシーツの波間
10
どうしたら 浄土へ着くか 今年あと 三月みつきと半分 ストーブける
29
扇風機 プロペラ軋ませ 揺り動き 幼い風で涙干す
8
支えられている私から伸びる背中をそっと支える右手
5
向こうから手を繋ぐ君が来てるから曲がりたくない路地を曲がるね
9
眠っておくれよ 僕のそばで 羊雲を枕にするくらいなら
5
賢治忌がすぎて星負うあらし雲 ゆうべに紅く灼け露落とす
9
運命 この暗がりに居てたまるか 揺れるスマホの光を消して
7