気晴らしになればと図鑑なども入れ恩師を見舞う雨の茂吉忌
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好きだった同性からの手紙読む タイムマシンがあればいいのに
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きみがぼくにくれるえねるぎー ぼくがきみにあげるえねるぎー きろくした ぴぽぱ
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退社あと ひたすら待つ 遅延すバス 上弦の月を隠す冷雨
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吾がしゃがみ 名前を呼べば 蒼瞳羊駱きみと目があう 何年も続く 二人の合図
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枯渇した土に恵みの雨が降り 萠えいづる春へ 拍車をかける
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ジャガイモもトマトもタバコも唐辛子もナス科 親戚多くて良いね
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あたらしい 詩うまれてく春らしく 老木朽ちても 生を刻みて
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晴れ間なく ずっと雨降り続いてる だあれもいない わたしのまわり
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「背中向け寝ているのはね後から愛して欲しいのよ」はもう過去
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まだ君と さよならできそうにないから すこしさ 春泥棒になってしまおうか
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雨垂れと脈が合ってしまう 鈍色の底でひび割れる光 こめかみを刻みつづける秒針
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三日月を紫のクレヨンで描く 長男だから我慢している
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崖の縁走る兄弟見守りて大犬と行く父の子育て
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ドクターヘリ つまの生還 時を経て まさかの坂を 幾つ登れり
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昨日の雨で地上が顔洗い 潤う朝の晴れやかさかな
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揺るる車両 母に身を預け眠る子 命を運ぶ 安全運転
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らしさって縛られちゃうと自滅するものなんですよほどほどがいい
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避けられぬ日露の戦に血を流し 我らの祖先は悪を斃せし(ウクライナ思ふ)
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燻炭の雪土混じり消えかけの雪曇り空白鳥の声/景色
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刃なる言の葉のみで事足りぬ吾を消すには策は要せず
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アスファルト化粧直しの雨上がり北風戻る通院の朝
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言の葉を 紡ぎながらペダル漕ぎ ふと気がつくと見知らぬ小路
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待合いの温き眠りに聞き逃す眼科呼ぶ声、耳鼻科もありや
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電線の 下に連なる 烏の糞 何求めてか 定時巡回
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コロナ禍で マスクと帽子で 逢う蒼瞳羊駝きみが 吾れと分かりて 嬉しく思ふ 
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「若者よ、君の未来は明るい」と 笑って送り出してやりたい
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故郷への切符で温む手のひらを往復切符で常温にする
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春風が抜ける荷台に桃の肌 ピンク色した豚運ばれてゆく
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若き日の取るに足りない出来事を気にもせぬのに夢に見るとは
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