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パリの夜 歯車合わず無念でも 静かな焔 泪で揺らし
11
逃げ水が ゆれる歩道に 一人立つ 麦わら帽子の 丸い濃い影
31
親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
34
「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
7
父殴てる馴犬哀し。頸枷に「愛われを創れり」彫られて
6
歴史喪失そののち四月朔へと雪 長靴の裡入るけがれ
6
八月は虫の音色がかわりだす幾万年の星の夜の下
19
素人の文字の看板海の家斜めに落ちて夏も終わりつ
27
箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
22
寝ることが仕事の老犬昼時は しっかり目覚めてオヤツをねだる\体内時計?
24
悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
23
早々
(
はやばや
)
と鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
26
サルビアはまた恋をして散ったとて風に舞っても紅を忘れず
32
逃げたこと だめだったこと 並べたて 自分をきらいになっても 満月
15
二十年ここで寝たんだこのベッド 嫁ぐ日近し涙あふれる\思い出
22
秋風がかさりと揺らす
蟷螂
(
とうろう
)
の光なき目に映る青空
18
外国語 学び初めて知る 母語の 身近にあふれる月とお日さま
29
眠れない夜ひとり作るオムライス 丁寧に丁寧に慰める
11
今生の別れを経れば悲しみが永遠じゃないと思う日が来る
35
買い物は生きて帰って来れるかのチョモランマまで登る気で行く
15
ここで皆きらりきらりと歌を詠みそれぞれの人それぞれのうた
36
来年のカレンダー買い怖くなる一年後僕はこれを見てるか
20
朝起きて弁当作ってまた眠る。夢のつづき、
君
(
黄身
)
を頬張り
10
しょっぱいのーその目玉焼き、君の
性
(
さが
)
。いっぺんここらで心に
愛
(
あまみ
)
を。
12
悲しみで涙あふれて仕舞わぬようまつ毛美容液気休めに塗る
19
見た目とは違う私が居るらしい血液検査いつも正常
25
その味に飽きが来ないということは適当が良い母さんの味
29
ことばにも硬度はあって軟水のようなきみの短歌が好きだよ
12
人間を脱した様な言い方で生活保護を下に見ないで
24
走馬灯 八万年に一度だけ降る星を見るあなたのまつ毛/アトラス彗星
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