蝌蚪かと逃げろやばいぞ逃げろ消防団放水訓練ほら始めるぞ/蝌蚪かと―おたまじゃくし
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鶯も桜もちゃんと春やってる 吾は怠惰を恥じつつ愛でる
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せいくらべ 孫はつまより 十センチ 高くなりけり アスパラの如く
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空仰ぐ落花の上に傘の花見え隠れする枝の恋しき
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百均の百円以上を買えぬ時貧乏なんだと身に突き刺さる
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愛おしむ 我が子の肌の ミルク臭 同志を求め 漁り見る句集
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無邪気にはしゃぐ幼きまごが今 時折目を伏せ もの想うようになり
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命から 剥がれた軽さ ひとひらの 旅は水面か 輪廻の大地か
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約束の 前日に送る 楽しみと あなたもきっと 待っててくれる
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どこからか宅配された髪の毛の束の根元に血がべっとりと
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予定なき日々が待ち受け猫伸びしカラッポの心跳ねてころがる
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母の愛 うざがる君が お風呂場で 口ずさむのは はなみずき
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本当の恋に別れを告げた後 月が初めて満ち欠けをする
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夜桜が映える灯りも消えた街灯りを点けた会社も消えた
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八十歳 大国の長トランプさんの 反抗期 拳振り上げ 銭むしり取る
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戦前は 金に頼らぬ 分かち合い どっちもどっち お互い様で
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桃色の 絨毯踏むを 忍びなく 風に頼みて 道をつくらむ
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見上げれば 朝陽に照らされ綿の雲 萌黄もえぎの葉のにふんわり浮かび
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青空に残雪きわだつ岩木山おやま見てつい掌をあわす吾は津軽衆
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米国に 加担はしない 抗議する 絶対見ない メジャーリーグ
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人知れず初冬に開花 暖春にいだかれ実りはじむ 枇杷の木
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備蓄品 ガサゴソしてる 猫たちに  娘の名前で 声荒げてた
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たまたまに被るテーマのおもしろき誰かと誰かのコラボレーション
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いくつもの 空をくぐりて 咲く花に 身悶えるよな 手の中の種
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池掃除おこぼれなんて思うのか間近まぢか見守るカラスは二羽なり
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先輩の 人形みたいな その瞳 丁寧にくり抜き喰らいたくなる
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ぼんやりと空に浮かぶは淡色の吹きゆく春の夢にみた雲
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笑ってる 健康のため 人のため 泣いているのも明日のために
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庭先に 鳩訪れて クルポッポ 幸先よろし そんな気がする
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「順繰りや」祖母の口ぐせ思い出す人も季節も巡りてめぐる
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