鉄骨のジャングルを縫い白黒の検非違使は追う咎人のかげ
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ゆめ知らず智慧の階段踏みしめて錬金化学に塩基無水・素
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そのせなにちいさな羽のあることを知らない君はあの町を出ない
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ビデオにも戦争がありいくつかの戦後をくぐるこの部屋がある
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百億の花粉を載せて春風は鼻腔の奥に受精を目指す
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口もとの ブルーラインが お気に入り 白いマグカップ 珈琲たっぷり
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やどかりにとって浜辺は限りない事故物件が並び立つ街
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幼子は狭き我が家を駆け抜ける まだまだ寝ないと親から逃げて
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ラジオからゆったり流れるピアノ聴き気分は高級ホテルの朝食
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地下鉄の席取り合戦負けた日はこっそり筋トレお尻と脚の
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八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
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千の風 愛しき人の元に吹き 涙乾くが一番嬉し事らしき
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そぞろ行く のぼりはためく城下町 つがいの鳩も食べ歩き楽しと
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ゴーカート 君の最初のドライブは、僕の〝人生最高〟になる
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夏が来る 日課の散歩は老犬よ あなたと私の体力勝負
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長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
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朝食後 歯みがき洗濯洗い物 天気に尋ねる優先順位
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新しい友を得たよな気になって 歌詠み始めて間もない私
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辛い日も「置かれた場所で咲きなさい」の言葉を胸にスタートしてみる
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「はい、これ」と寡黙な息子さりげなく手渡すピンクのカーネーション
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久々にフルート吹けば思い出す仲間と演奏あのステージを
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ポケットの奥底にある重力の 行き着く先が誘蛾灯でも
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染みついた タールのような 悲しみが 不意に顔だす 皐月さつきの青空
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UNIQLOの鏡で見れば私でも何処かにいそうな誰かになって
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うんちっち まんこちんぽこ 食べたいな しねしねこうせん うるせーな死ね!
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芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
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思わない 方に転がる 一輪車 クリもナナカマドも 花は真っ白
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うっすらと透けて見えたる人間味 貴方の中に宿った命
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静寂な ひなたの庭に カッコウが 今時いまときを告げ 草を引くわれ
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夢の中だけでも誰かに好かれてたい 月を見上げる狼くらいに
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