三月が好きです。雪解風もだし、みんなが少し素直になるの。
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何もかも主観に過ぎぬ世界なら此れでいいのと「僕は天才」
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短歌詠む、瞬間を又切り取りし此の頃の僕、永久機関
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茅葺きの 囲炉裏火弾け ともし影 峠凍てつき 去ぬ後ろ影
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おろし風 山冴え返り 静けしや 白銀の舞い 凍る月影
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踊り子がひとり回るオルゴール グランパドドゥの夢に囚われ
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三月が 来るというのに 言い知れず 心は寒し 君しあらねば
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雲海の 嶺のほこさき 神に届くや 踏み跡残し 若き命の その後ろ影
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時常に 動き変わって行くもので いじめっ子は今や友 やはり昔と変わったね
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ほどほどが 出来ぬ己れが 恨めしい グレーゾーン 耐えがたし
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春立てど体立だぬ午前五時真夜中の誘惑も役立たず
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ノーベル賞 受賞記念の 講演を 逸早く友に 知らせたらずや /3月8日坂口志文特別栄誉教授ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演会
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勝手に決めた君はこうから外れてく君に興味が失せていく
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君送り 帰りし駅の 道すがら 裸眼に溢れる  右の横顔
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サイゼにて待ち合わせしたいもと吾は互いに老けてしばし気付かず
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高機能紫外線加熱調理器具 ターンテーブルの上にいます
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何となくそこが海だというだけで 肋骨が開く心持ちする
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あなたには龍の雲ありしたたかに雨落とす影白々と立ち
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オオカゼガマチガイナシニチカヅクとまじない文様浮かぶ天気図
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名残なごりとは胸しぼられる重さなく道端の一葉ひとはさやれる音か
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巨大なるクマバチまん羽音はおとして窓うなるただただ恐ろしく
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継ぐ人の無き家清く飾られて裾先すそさきくぎ掛かる如く呼ぶ
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小太鼓のみて閉じる傘越しの空に龍神雨を吸い込む
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今はまだ背景でゐる稲の穂のすこやかに待つ静かなる午後
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たとふればとろめく絹の手触りか金木犀のかほりするりと
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休日が役割終えて穂薄ほすすきも熟れ白綿毛好ききに舞う
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はれて豊か山吹色の伸び伸びと今年の幸のほがらかなりて
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木塀よりのぞく柿ありさながらに昭和の磯野いその邸よと興じ
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道すがらふと列並び待ち並び並び並びて食べるコロッケ
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知らずとも踏みて気付けば歌うたふ口となりけり団栗どんぐりコロコ
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