君からの 『竹踏み』するたび 運動バカの君と共にいし 日々あたたかし
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思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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野花詠み妻偲ぶひと我に沁む はじめて知った「狐の剃刀」/キツネのカミソリ 
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卒業を見守る親の列長く親の歩みも一段落か
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混み混みの イオンで気づく 春休み 子らの笑声に 周り明るし
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菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
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約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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いつまでもプレスコードと闘った被爆作家はひまわりだった
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情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
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貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
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無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
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バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
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愛拗れ難儀なるかな かのひとは 麻婆豆腐憎や恋しや
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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ベランダのチューリップ今朝咲きそろい 孫は晴ればれ卒園式へ
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君逝きて がらんどうの身旅幾度 囃す友あり「メリーウィドウ」
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「反戦歌うたっても武器作るなよ」被爆二世が言ってもムダか
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朝の公園 あなぐらからかと 思うほど 人を連れてくる 春の魔法か
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甲子園 女子高生の 君が代 その歌声に  美しき曲と知る
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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また不意に 寄せて返すこの悲しみは われら家族を しばらく去らぬ
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長い冬 耐えて開きし野辺の花 なんと可憐で愛しき生命いのち
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初嵐 威勢良き名は 見目無垢の椿と知りぬ 詠う人いて
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これほどに 待ち望む花が 他にあらむ 古きより胸に 刻み込まれて
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嬉しきは鳥の囀ずり聞く朝と狭庭に開く花を見し午後
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一人背負しょい二人はバギーで「こんにちわ!」細い身体でたくまし 母は / 娘
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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花や木々 空の蒼さや風さえも 短歌うた詠みめし日々変わりゆき
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インフルBという春休み 五日間家族の声で満たす喜び
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月夜野つきよのは今はなき町 ただ歌を詠むためにあれ文字も響きも
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