「あなたには無理」の呪文を噛み砕く 塩味強め母のおにぎり
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おさしみや半額のシール越しにみる朝はまぶしいからカーテン閉めるね
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大家らの寝静まる朝ひとときの 安寧求めジャズなど流す
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ストーブに一番遠い季節呼ぶ窓の雪見つガリガリ君を
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喜寿の吾を「若くていいね」と米寿の姉が そうは言っても歳のみのこと
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風呂上がり背中にクリーム塗りながら 岡野大嗣から目が離せない
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針金をねぶったときの味がする 牡蠣の亜鉛で舌をしびらせ
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楽しいと思えるうちが華ですね 爪の手入れや日々のお化粧
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ぽっかりと 心の内を からにして 海見ていたき 日がな一日
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推しがく また裏切るの?糞女が いいよ。シェリルは永遠だから
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「いいね」より温かいのは三十一文字スマホの中に咲く花の雨
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「半世紀、何もないわ」と独り言そこから始まる記念日がある
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ふつふつとキンカンの実を煮含めるパンチの効いた香りの中に
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風に乗り空より落つる風花を飽きずに掴む子は小さき手で
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健診の三日前からしおらしく過ごしてみてもほぼ意味がない
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日は過ぎるものではなくて送るもの今日を大事に送れますよう
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放課後の音とにおいが好きだった心パンパンだったあの頃
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棺桶に花敷き詰めて春のよな人だったから私の祖母は
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雪の上をスノーボートと共に行く 昔吾子乗せ 今ゴミ出しへ
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安心は見慣れた景色感動は見知らぬ景色 靴ひも結ぼう
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人の世の 如何なる言葉 より君の たつた二文字ぞ いかに嬉しき
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この道を選ばなければ…なんてまだ言ってる私しっかりしろよ
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ヒイッヒイッと名残りの柿にひよどりが飛んで帰ってまた大騒ぎ
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初雪が名残りの柿を白く染めめぐりそこねた季節を隠す
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選択し洗濯してのくりかえし心のシミは落ちにくいから
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カ―テンを開けても外はまだ暗く月と星との時間の最中さなか
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そういえば授乳の頃も思ってた せめて一晩ぐっすり寝させて
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父母ちちははと弟たちと住んだ家ドアを開ければみんないるよで…
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小寒に黄砂が春を連れて来る ダウンを脱ぎて散歩に出るか
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すれちがう受験の子らにガンバレと心の中でエールを送る
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