そういえば授乳の頃も思ってた せめて一晩ぐっすり寝させて
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父母ちちははと弟たちと住んだ家ドアを開ければみんないるよで…
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すれちがう受験の子らにガンバレと心の中でエールを送る
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ナチスから逃れ「命のビザ」持ちて日本上陸敦賀港なり
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一筋の祈りみたいな名前やね「のぞみ」私は東京へ発つ
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お金では私の傷は治らないこのトラウマも脳障害も
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怨み節直球投げても良いのなら数多飛び出す堪忍袋
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その努力復興なんて言葉ではあらわせるまい三十余年
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忘れまいテレビの中の惨状にただふるえてたあの日の朝を
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母さんも昔は子どもだったからうざいと思う気持ちもわかる
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親なんて自分を棚に上げないとできないものとつくづく思う
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このドリア 不味まずかったっけと 僕が言い クスッと笑う 君は陽炎かげろう
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ゆく道に 小石一つも 落とさぬと 北風さえも 息をひそめる
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石なくし 命を絶った あの彼は 金の卵を 生む鳥だった
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石なくし 肩を落とした 君の船 ご覧、船内 光る宝石
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首を取り 宝石を得た 武将さえ 先を思えば 盛者必衰
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静寂せいじゃく水面みなもで割れた 氷さえ 花開かせる かてとなりけり
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挨拶は 大事と言うが それよりも もっと大事な ひと言がある
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千切れゆく毛糸の端のそれぞれを私みたいな夫婦と思う
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混む屯所とんしょ 同志達の 血の匂い ただよ最中さなか 己はもらす
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歌一首 女の歌と 怒る君 わが身は我の 君のものなり
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春節を 前に渋滞 するダンプ 除雪の雪を 山盛りに積み
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日が昇り今日も行き交う人の群れ階下に降りて吾も歩まむ
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次々とコロナインフル花粉症マスクの下で皺を重ねる
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「今や癌は二人に一人」その一人自分だなんて思いもせずに
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川べりを人が行くたび鴨が鳴く「気をつけろ、警戒せよ」と鴨が鳴く
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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目を覚ますことなき母の髪けば庭の梅には鶯が鳴く
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桜咲く 清く正しく 君堕ちる いずれ散るよと 想いこぼれる
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報われぬ思いを抱え帰る日は鯛焼き買っていちごも買って
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