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山駅舎 待ち合い隅の招き猫 左手上げて人来るを待つ
27
若冲
(
じゃくちゅう
)
の
鶏
(
にわとり
)
は夜ぬけ出してとなりの
蝶
(
ちょう
)
を
啄
(
ついば
)
んでいる
17
誰だって誰かを失い生きていく 色んな後悔心に綴じて
52
折り鶴がカサリと落ちる音ひとつ引き戸の指を引き留める朝
18
芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
38
ガラス戸の夏の光が肌に染むフローリングに虹が映りぬ
21
あの時が 最後だったと思い出す 未来が見えて だきしめる今
25
熊避けの鈴の音聞こゆ緑道で 白き雲見し夏がまた来る
34
九州の醤油は甘いいっぱいの砂糖を入れるように彼女も
5
ひそやかに小さな本棚組み立てる 幼子眠る土曜日の午後
43
18
時半の夕空明るくて 人生全てを一瞬許す
57
「ゴキブリにはツィクロンb」資生堂にごきぶり色の髪の青年
6
珈琲の湯気ゆらゆらと 夜に溶け 遠くに灯りのともる日を待つ
31
リヤカーを引いて行商半世紀句を歌を詠みまた見せている
9
新月と満月ゆっくり行き来する あなたとわたしのこころの継ぎ目
39
切り株が そろそろ休めと声かける 疲れし人を労
(
ねぎら
)
ふがごと
31
蝦夷梅雨の季節でしょうかあの人のお名前忘れ紫陽花をみる
20
群青の 心と
宙
(
そら
)
は 比例して 淋しき
今宵
(
こよい
)
上弦の月
29
感覚と言葉がうまく結べないちょうちょ結びは斜めになって
21
気に入った傘はいつでも見失いビニール傘をさし続けてる
26
蝶のように舞い蜂のように刺すのつもりでくだるビルの階段
17
夕食の酒のあてには温しもの ふと思いたる雨の午後なり
21
鳥歌ひ魚は泳ぐ思ふまま我ら持ちたし自由と平和
33
滝落つる自然歩道下滝カフェのあじさいに降るしぶきや優し
25
山々の 隙間から湧く 白雲は
悲心
(
ひしん
)
を
綴
(
つづ
)
る
付箋
(
ふせん
)
の様で
16
勇気出し一人カラオケ行った友 小さな一歩に拍手送るよ
26
青蔦
(
あおつた
)
の茂る空き家に残されし白きボールに七月の雨
34
本堂の法要さぞかし暑かろと うちわ配りぬ住職も汗
39
売店で熊鈴買ひしハイカーが 木洩れ日揺るる上高地往く
34
星ならば 見えて届かぬ あたりまえ 君との間
30
光年
24
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