ポケットの奥底にある重力の 行き着く先が誘蛾灯でも
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ぽっかりと駅の方だけ晴れていて用はないけど靴紐を結う
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染みついた タールのような 悲しみが 不意に顔だす 皐月さつきの青空
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UNIQLOの鏡で見れば私でも何処かにいそうな誰かになって
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うんちっち まんこちんぽこ 食べたいな しねしねこうせん うるせーな死ね!
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芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
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脳味噌の長らく使ってない箇所を鍛えられている猫と暮らして
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思わない 方に転がる 一輪車 クリもナナカマドも 花は真っ白
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うっすらと透けて見えたる人間味 貴方の中に宿った命
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40歳の知的障害いい子です撮りまくっては写真を義母に
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静寂な ひなたの庭に カッコウが 今時いまときを告げ 草を引くわれ
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夢の中だけでも誰かに好かれてたい 月を見上げる狼くらいに
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少しずつ君の背中を触ること慣れてきたのに必要ないね
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一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
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「駆け抜けてみれば一瞬だったよね」笑える僕らは歴史を紡ぐ
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生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
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あせも止め 吾子の体に塗る薬 小さな小さな背中を撫でる
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寂しさはカラスの目の色空の色打ち捨てられた空瓶の色
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人の和に入るも入らぬも人のまま 椋鳥もよし百舌もまたよし
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自らの糞を喰らいて回り生くユープケッチャの夢見ゆるあさ
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思い出す 本音隠して君のこと「嫌い」と言った十四の夏
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この夏の流行りならむと胸張るも 男の日傘顔隠しゆく
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おっさんよ「納豆記念日」よく詠んだ 歯の浮く本歌に一石投ず
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豆の香の木綿豆腐は堅くあれ もさり武骨な益荒男ますらをの味
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それぞれの星の形は違うけどみんな揃えば一つに輝く
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麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
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気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
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おびただしい 数のセミ鳴く 森の中 狂おしいほど 救い求めて
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防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
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空爆で殺戮さつりくされる子ども達 チャンネル変えれば五輪の歓喜
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