やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
44
退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
29
われの政治に沈みゆく午後の選挙車へ冷たき瞥を送る
23
お年寄り黙々と雪掻き続く 豪雪画面言葉なく見ゆ
20
喧嘩して、仲直りして、ご飯食べ。家族という名の終わらない恋
27
生きること 喜びあえる山めざす 道の左右に 駒草咲いて
39
「親」という役を降りない母と飲むクラフトビールの苦い延長
41
カサついた くちびるから出る 言の葉よ 日が変わるまで 止まないように
12
目覚めれば窓に飛び込む雪景色 天が促す清き一票
17
「ただいま」と猫耳に触れ水洗の僕の心に灯がともる五時
31
一人勝ちサナエパワーの恐ろしさ 驕らず笑顔絶やさず前へ
12
雪国の春雪原せつげんの凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
13
昼の月 凍らせあおく 吹く風の ふくら雀の 胸毛返せり
37
流麗な詩文のような女性ヒトがいて微かに香る花の色香が
10
着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
30
ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
29
山茶花の花びら積もる坂道をのぼりつつ聞く鳥の囀り
36
りゅうこつ座 古き時代の 英雄に 想いを馳せる 深夜二十五時
9
花屋にも春の色合い並ぶ時期少しお洒落をして出かけよう
10
食欲が戻り口にすトーストの小麦の香りが幸せだったり
32
春色の陽射しに背中押され行くリハビリ散歩で気持ちもほぐ
28
独り占めしたい景色を長靴に詰めるみぞれが降る日のために
11
白湯啜り いっぱしの風邪 なりおれば 家の静寂が わたしを包む
23
おじいさんとおばあさんが手をつなぎゆっくりイオンを後にする。ほろっ
28
下敷きに推しの切り抜きはさみこみ昭和の子らは恋をしている
19
満開の山茶花並木はべに燦燦 冬のフィナーレ飾る如くに
33
ふるふると揺らされ具合いを伺ってカラメル伝う小皿にスプーン
37
つちの戸をたたき春告ぐきぬの雨 うんと伸びする草の子の朝
19
切りたての君がショートの襟足よ 春空仰ぎ吾頬赤め
18
鮮烈な 甘みは喉を 焼き焦がす わたしの恋は チョコより甘い
21