いざ集積場 ゴミ袋ゴミと箱乗り トップギア イカした単車さ シニアカー
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嫌がるな冬には冬のよさがある炬燵こたつに入り蜜柑みかんが食える
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崩れてたライバル会社の段ボール積み直す朝より丁寧に
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夫婦とは長い会話とニーチェ云う時にはツッコミ時にはボケて
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苦労して言われたとおり作つても結局兄と同じがいいと
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取り込みが遅れ暗闇で洗濯物取り入れた手がかじかむ師走
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すりすりとかじかむ手を温める君 自転車またがり信号待ちで
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柚子仕事かりん仕事に金柑も果実実る家幸いなれ
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冬枯れのバスを降り来てちりぢりに向かう先あり無き人もおり
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日が暮れて雨戸を閉めるとき気付くサッシの外には真冬が来ていた
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哀しみのレンズ通して不可思議な光を放つ羞じらいの人
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幸福なクラス級友絆ありあれが最後の冬物語
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守秘義務が吾の心を悩ませる王の耳見た床屋の気分よ
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ねんいっかい 窓用ワイパー 霧吹きも ガラスきれいに あらゃキズめだち
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傍らに男のあるを聞きめて乙女と知りぬ姉といふもの
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ふる雪とつめたい空気をあなただと思うくらいに愛してんのさ
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一斉にテンジクネズミ鳴き出すとまるでスマホの地震速報
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淀川も激しい方が好きなのでサーフィンなんてすなよ怖いし
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3日前人参やったしんどさを今朝の冷え込みまだ腰が言う
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電線の烏の下を通るよう安らぎのない日々はここまで
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アドヴェント蝋燭二つついたまま大礼拝堂ひとけもなくて
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冬は好き冬服ぜんぶ可愛いしつけすぎチークも許されるしね
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「次の授業聖書だってよ」「え〜寝そう」プロテスタント高校の日々
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この店は学生時代好きだつた人と来た店夕暮れの窓
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下腹に力を込めて見開いてまばたきをせずこれが最後と
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幼子の泣き声こそはかなしくて締め付けられる師走のロビー
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腕組んで今年一年振り返るいろいろあつて足元の冷え
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唐突に補強のためとレーザーを打つて左目卒業となり
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唐揚げと天ぷら蕎麦とミニカレー食べ納めする大学病院
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雨降らず二十日も続けて雨降らず散歩をさぼる口実もなく
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