しま かよ  フォロー 36 フォロワー 34 投稿数 155

みぢかうた 31文字
https://kayo2012.hatenablog.com/

脇目もふらず走り来たのに横に咲くのはありふれたヒメジョオン 

硝煙の臭いが消えぬ指先を持つ娘が語る命の重さ 

もうそんな季節かと問う飲み干した600ミリのペットボトルに 

並ばされ湯気出るバスに入れられた冷凍餃子になる白い朝 

診療所マスク患者が出ては入る開け放たれた玄関のドア 

日々痩せる思いは少し遠くなり残る既読にならぬ安心 

オンライン帰省でいいと言えるのがありがたい気楽な年の暮れ 

一族の物語第八章は終わり叔母さんはぐずぐずしない 

幸せはたまに動物の形のビスケットになったりするよね 

次々とあなたの願い叶いますようにと銀杏きんの葉がいて降る 

鹿と樹がただ一類としてあればこの時神のそのは音無く 

平凡でありきたりだと捨てた日が懐かしき詩の一節となる 

ぴかぴかのサテンの空が穏やかに秋の岸辺にたどり着く時 

よろよろのつまらない午後運命の赤いドレスの女に出会う! 

気圧だか湿気か何か知らないがやたらめったら気が滅入ってね 

剥き出しの言葉は無くて果たされた義務深き沈黙の凄みよ 

容赦ない追い駆けっこのルールにはタッチ交代おしまいが無い 

今欲しい答えはこれやあれじゃなくその中間にあるものなんだ 

鉾が建ち静か祭りの技を継ぐ人の祈りに曳かれ吹く風 

カーテンを閉じてエアコン除湿にし雷雨届かぬ箱作る午後 

吹けば飛ぶような綿毛のココロでも次の世代の種守りたい 

秒で寝る昼の休みの隙間には軽量のハンモックが掛かる 

ラジオから流れる天気予報「雨」修行出るなら今しかないか 

「いい加減」季節のお湯をゆっくりと身体慣らしに背中に流す 

厚切りの休日加減よく焦がし少し溶かした甘えを乗せる 

贅沢な時間を過ごし来たものだ2020を超えての我等 

気がかりが耐え難くあるこの世でも光は不足なく流れ込む 

憂鬱を飛ばしたい風強く吹く忘れたい忘れたいと叫ぶ 

春雨に負ける桜は見たくない試合は始まったばかりだろ 

みしみしと成長痛の音がする若き桜の伸びていく様