しま かよ
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みぢかうた 31文字
https://kayo2012.hatenablog.com/

風邪をひく子供のわたしひざ小僧うわんうわんと泣きたくなるよ
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年忘れ私の中のザワザワをステンレスの鍋で煮てみる
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集まりて順番毎に開き切る蒼き桔梗の律儀な様よ
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AIにオススメされた桜見て「すごかったよ!」とAIに言う
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麗らかな日差しの中のうたた寝でやがて資産家になる予定だ
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難しい「なかなか」上手くいかないの「なかなか」がかなりの「なかなか」だ
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そんなつもりじゃなかったと言うなら言葉選び検定は六級
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付いて来るコラボの紙のエプロンが目当てで夜ご飯はバーガー
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賑やかな黄色帽子の一列を朝残る半月が見ている
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すでに無いプールの水で流された日は蒸発し夢となり降る
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重力の違う部屋では美しい人24のショパンを弾いて
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まだ何も出来ていないと思いつつ寝転ぶしかない夏が言い訳
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気持ちよくみんな一緒に暮らすんだよとウクライナの絵本は言う
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たちまちに壁の向こうは雨になり夜が来ていた寝転んでいた
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ここのとこ「今日は特別って事で」が週に6日はあるのに気付く
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脇目もふらず走り来たのに横に咲くのはありふれたヒメジョオン
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硝煙の臭いが消えぬ指先を持つ娘が語る命の重さ
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もうそんな季節かと問う飲み干した600ミリのペットボトルに
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並ばされ湯気出るバスに入れられた冷凍餃子になる白い朝
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診療所マスク患者が出ては入る開け放たれた玄関のドア
8
日々痩せる思いは少し遠くなり残る既読にならぬ安心
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オンライン帰省でいいと言えるのがありがたい気楽な年の暮れ
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一族の物語第八章は終わり叔母さんはぐずぐずしない
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幸せはたまに動物の形のビスケットになったりするよね
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次々とあなたの願い叶いますようにと銀杏きんの葉がいて降る
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鹿と樹がただ一類としてあればこの時神のそのは音無く
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平凡でありきたりだと捨てた日が懐かしき詩の一節となる
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ぴかぴかのサテンの空が穏やかに秋の岸辺にたどり着く時
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よろよろのつまらない午後運命の赤いドレスの女に出会う!
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気圧だか湿気か何か知らないがやたらめったら気が滅入ってね
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