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感覚・空想・生活

二十九万二千二百五十六年後、元日朝九時前に逢おうよUNIX時間の果ての果ての果て、すべてのうたのおわりがそこに?
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往来の絶えた通りをからっぽの郵便箱が否認している
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散りぎわの枝をめぐりて熊蜂は春のなごりをあらためてゆく
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ゆふぐれの波打ち際にくづれゆくちいさな城のひとかけのゆめ
9
煮ゆるジャムことに誰もが焦げ付いてあまりに昏いフィルターバブル
7
いっぴきのlinterとして本だったものを閲する如月の夜半
8
ねえルンバ、おしえてくれよカンプチアの野原を拓く英雄のこと
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めし碗のわずかな欠けにくちびるが刺さればそこが日々の聖域
9
涸れ果てた向日葵たちの亡骸を弔うようにそよぐ秋風
23
ほんとうを十重とえ二十重はたえに押し匿すまあるい嘘の博覧会で
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幾億の時間をへだて星辰はきみのまなこに叙事詩をしるす
9
条約に隔てられてもなほ海は絶へず微分可能な球面
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語り得ぬものにまみえるその朝に到れるまでの距離を知るため
6
ちょっとした地雷原だね其処此処に戻れはしない入り口がある
8
潜性の因子ばかりが吹き溜まる第八連鎖群の短腕
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日輪が地平のしたに落ちてから這い出た夜は焼け跡のよう
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いくつものゲタがならんだ三世代ほど未来から来たラブレター
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潮騒は陸地の意味を問い続けぬるいみぎわはまだ薫らない
9
1/6の重さで駆け抜けて東の海に兎を探す
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音声おんじょう文字もんじを深くかきわけてまだここにないことばを捜す
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悪性のしこりを胸に焼き棄てて少し明るい海に漕ぎ出す
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変わらない悲しみだけをたずさえて二重のまちをわたる西風
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終わらない闇夜は宝庫そのなかで紡ぐことばにわたしが生きる
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なんどでも間違えていいそのたびにきみが時間にきざまれてゆく
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暗がりを抜けるこみちにきざまれた階段を降りあの日へ帰る
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年明けてはじめの朝に交わされたもうひととせを生きる約束
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一身に春野の風をまとわせて駆けゆく夢を抱く冬ごもり
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透明なしじまの夜の焦点をそのふくろうは射すくめている
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この場所にすべての歌を置き去りにしてさよならの向こう側へと
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風待ちの朝に均しく張りつめた予感のさきに続く航路は
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