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感覚・空想・生活

二十九万二千二百五十六年後、元日朝九時前に逢おうよ(UNIX時間の果ての果ての果て、すべてのうたのおわりがそこに?)
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朝露をしろく纏ひて彼岸花(リコリス)は誰がためむすぶ祝ぎの水引
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蓮華座をわづかに緩め暮れ方の迷いの岸に影ひとつ浮く
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汝が声は大気を超えてVoyagerの黄金盤を追い越して飛ぶ
7
あきに来むと言ひしばかりに炎天の盆灯籠はあざやかに待つ
7
梅雨闇の奥でしずかに紫陽花は知らない毒をたくわえている
15
眼(まな)うらにうつろふ花を抱きとめて過ぎ去るものはいつまでも美(は)し
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往来の絶えた通りをからっぽの郵便箱が否認している
11
散りぎわの枝をめぐりて熊蜂は春のなごりをあらためてゆく
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ゆふぐれの波打ち際にくづれゆくちいさな城のひとかけのゆめ
9
煮ゆるジャムことに誰もが焦げ付いてあまりに昏いフィルターバブル
7
いっぴきのlinterとして本だったものを閲する如月の夜半
8
ねえルンバ、おしえてくれよカンプチアの野原を拓く英雄のこと
6
めし碗のわずかな欠けにくちびるが刺さればそこが日々の聖域
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涸れ果てた向日葵たちの亡骸を弔うように嫋(そよ)ぐ秋風
22
ほんとうを十重(とえ)に二十重(はたえ)に押し匿すまあるい嘘の博覧会で
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幾億の時間をへだて星辰はきみの眼(まなこ)に叙事詩をしるす
8
条約に隔てられてもなほ海は絶へず微分可能な球面
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語り得ぬものに見(まみ)えるその朝に到れるまでの距離を知るため
6
ちょっとした地雷原だね其処此処に戻れはしない入り口がある
7
潜性の因子ばかりが吹き溜まる第八連鎖群の短腕
5
日輪が地平のしたに落ちてから這い出た夜は焼け跡のよう
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いくつもの〓(ゲタ)がならんだ三世代ほど未来から来たラブレター
4
潮騒は陸地の意味を問い続けぬるい汀(みぎわ)はまだ薫らない
8
1/6の重さで駆け抜けて東の海に兎を探す
8
音声(おんじょう)と文字(もんじ)を深くかきわけてまだここにないことばを捜す
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悪性の痼(しこり)を胸に焼き棄てて少し明るい海に漕ぎ出す
7
変わらない悲しみだけをたずさえて二重のまちをわたる西風
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終わらない闇夜は宝庫そのなかで紡ぐことばにわたしが生きる
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なんどでも間違えていいそのたびにきみが時間にきざまれてゆく
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