Utakata
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感覚・空想・生活
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降りたいものから降りて、登りたいものに登り、東へ
6
もうみんな沈んでいったぼくだけがつめたい海の浮標になった
7
汚れてもいい服装で来たのならあとはおとなをぬぎ捨てるだけ
17
趣の一字にぜんぶ託せたら三十一文字も苦しんでない
9
∅
(
この前とこの後にあるいっさいのうたはここから定義されうる
)
9
あの空を見つめるきみもぼくたちもおなじひとつの残響だから
6
ゆるやかに密度を増した幽闇にどこかの一番星がうまれる
6
平らかな
黄金
(
こがね
)
の海がこの嶋に満ち満ちるまであとすこし待つ
11
独り寝の夜はかすかに思い出すもう歌詞はないやさしいひびき
9
陰暦のうえでは秋と知らされた地獄のような八月七日
6
甘藍
(
かんらん
)
が
十重
(
とえ
)
に
二十重
(
はたえ
)
に押し隠す秘密はもはや裁断されて
8
逃げのびた先のしずかな朝焼けが告げる新たな章のはじまり
11
ひとつぶの雲のかけらがこの傘を選んで落ちるように出会った
11
エンジンは無限にNullを参照しきょうは8月3̵2҉日
4
朝焼けを独立峰が切り裂いて剥き出しになる昼夜のあわい
8
やどかりはいつも背中にささやかな宮殿を負い浦々を
治
(
し
)
る
14
アトリエの塑像に影を落とすのはもうはじめから完璧な月
8
見つめ合うふたりを分かつ狭間にはふたりを結ぶいっさいがある
5
胸底のつめたく重い炉はすでになにかを燃やすすべを忘れた
5
救われていたいこころと同数の墓標が落とす平行な影
8
リビングのない新居にも慣れてきたけれど毎日「ただいま」という
12
いっさいは無常だなんて説くきみとわたしはなにも変われないまま
7
炎天の夕焼けを負ふ入道はつめたい風を平野におろす
12
あのときは好きだったよと言われても思い出せない色のない春
5
助けられなかったひとの笑みばかり繰り返される当直の夜
8
テクストとタグの溢れた
浩瀚
(
こうかん
)
の海に隠れた怪物を喚ぶ
6
いくたびも夢と現を違えたら知らない星座ばかりが空に
6
白骨
(
しらほね
)
の眼窩にこぼつ涙から
朝
(
あした
)
にあげた
呱呱
(
ここ
)
の隔たり
9
対称がやぶれてからはもう誰もじふんのツパを思い出せない
2
耂覇へと歩めばひとはすこしずつ頭足類のきもちがわかる
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