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感覚・空想・生活

暗がりを抜ける径(こみち)にきざまれた階段を降りあの日へ帰る
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年明けてはじめの朝に交わされたもうひととせを生きる約束
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一身に春野の風をまとわせて駆けゆく夢を抱く冬ごもり
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透明なしじまの夜の焦点をそのふくろうは射すくめている
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この場所にすべての歌を置き去りにしてさよならの向こう側へと
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風待ちの朝に均しく張りつめた予感のさきに続く航路は
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いくとせも天地は繁く擦れ合って星空を視る巌をきざむ
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もし蛇が輪廻をすべて呑み込めば不生不滅のむこうできみと
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タン塩をうまく焼けたらそれでいい今年の功はそれだけでいい
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ゆっくりと帳をおろすきみという朝がひらきに来るとしんじて
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にんげんが好きになれずに腰かけたプールサイドの冬はほがらか
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北の果て、終着駅のむこうには連絡船と平らかな海
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アレに沸くひっかけ橋の往来でいつでもきみはゴールインした
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6本目の灯りをそっと携えてYan-gant-y-tanと夜をさまよう
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ひとつずつくすりが増えて肉体はあまりにもまだ物質のまま
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木星にたどりつく日の人類はひしめく渦に艀(はしけ)をおろす
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網膜をパレットにしてカンバスは光、空気をわたしにえがく
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二値的(デジタル)に進む季節がもてあそぶ適応域のせまい人間
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星辰にうずもれているきみの名は可視光外の色でかがやく
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せめぎあう大気が描く前線は焼き上げられた陸地をなぞる
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磐座(いはくら)もさざれにほどく伏水の出で来る世には酒(ささ)のあるらむ
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ひと漕ぎを重ねるたびに遠ざかる無可有(むかう)の郷のほそい桟橋
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ふかぶかと泥炭層が吸いこんだアイラの風が喉奥に吹く
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運ばれていればいつしかたどり着く浜辺の色を夢む椰子の実
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はじまりの朝にいだいた熱量のいくらかは散り速度になった
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まんまんちゃんあんをしてから食べなはれワイは浪速のアンパンマンや
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悩むのはわたしばかりで遠浅の渚のさきで笑うあなたは
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重力にあらがうぼくがあらがわぬきみに満たしたかりそめの海
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公転をやめてボイドに踏み出したちいさな星はもう惑わない
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客電が点かないままに僕らごとエンドロールに巻き取ってくれ
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