Utakata
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感覚・空想・生活
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客電が点かないままに僕らごとエンドロールに巻き取ってくれ
6
捨てられないかばんの底で錆びついたもう帰れないあの部屋の鍵
10
夕闇は加速をつづけひたすらに熱を南に追いやっている
6
細やかにわかれた道とその外に歩んでいったともがらはいま
5
蝉すらも焼き殺されて沈黙と炎熱だけがのこされた秋
6
譬喩のない痛みのなかで生き物はただまっすぐに赦しに縋る
5
ひと夏の堕落のあとに咲く花はまだ誰からも赦されてない
8
「竹笹も花実は咲いてから死んだ」めざめるたびに何度でもいう
7
ゆびさきをにぎるあえかなもみぢ葉の温度にぼくが分かたれている
9
パーティーが終わればひとりまたひとりしずかな影の一片になる
7
引き潮が戻らぬままに荒磯の蟹は遠くの汀をおもう
11
心臓が刻むリズムに棲みついた魔にゆるされたうただけがうた?
6
降りたいものから降りて、登りたいものに登り、東へ
6
もうみんな沈んでいったぼくだけがつめたい海の浮標になった
7
汚れてもいい服装で来たのならあとはおとなをぬぎ捨てるだけ
17
趣の一字にぜんぶ託せたら三十一文字も苦しんでない
9
∅
(
この前とこの後にあるいっさいのうたはここから定義されうる
)
9
あの空を見つめるきみもぼくたちもおなじひとつの残響だから
6
ゆるやかに密度を増した幽闇にどこかの一番星がうまれる
6
平らかな
黄金
(
こがね
)
の海がこの嶋に満ち満ちるまであとすこし待つ
11
独り寝の夜はかすかに思い出すもう歌詞はないやさしいひびき
9
陰暦のうえでは秋と知らされた地獄のような八月七日
6
甘藍
(
かんらん
)
が
十重
(
とえ
)
に
二十重
(
はたえ
)
に押し隠す秘密はもはや裁断されて
8
逃げのびた先のしずかな朝焼けが告げる新たな章のはじまり
11
ひとつぶの雲のかけらがこの傘を選んで落ちるように出会った
11
エンジンは無限にNullを参照しきょうは8月3̵2҉日
4
朝焼けを独立峰が切り裂いて剥き出しになる昼夜のあわい
8
やどかりはいつも背中にささやかな宮殿を負い浦々を
治
(
し
)
る
14
アトリエの塑像に影を落とすのはもうはじめから完璧な月
7
見つめ合うふたりを分かつ狭間にはふたりを結ぶいっさいがある
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