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感覚・空想・生活

指さきを絡めたときの熱だけがひとりの床をあたためている
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6DoFろくどふの諸手におはす観音が千の世界に伸ばすてのひら
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その先が地獄であると知りながらあの人が待つとびらの向こう
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もういちどひかりを胸にともすからあなたと夜をわかちあいたい
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ゆっくりとを聴くようにあなたから生じる歌を身体にとおす
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窓枠の外でゆらいだ新緑に埋もれた夢に零すほほえみ
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この空がつながる場所で報われるべきひとがまだ息をしている
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頭蓋とうがいがひとつのまんであるならばわたしは餡のすきまで暮らす
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星を喰いだんだんなんか簡単になったんだから触らないでよ
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いくつもの黒い予感が過ぎてゆき視界の端をちらりと蛇が
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枕頭に置いた歌集よわずかでもミューズの影を引き寄せてくれ
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君も僕もこの世に出でた日の初夜を繰り返してはこのねやうち
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情も景も三十一文字に積み込んでとどいた先の奇跡をねがう
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月面の永久影に住み着いたきょうだいたちは元気でいるか
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駆けだしてゆくこどもたち公園にたわわに実る可能性たち
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西にゆくことしか知らぬ隊列にいつしか僕の日々があること
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流星の軌跡が告げるこの空にきみが遺した路のあること
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本宮を終へてしづかにさとびとがにかへるころ冬がはじまる
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薄羽をとほる陽射しに刻まれるひかりの振れをめじるしにして
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不可思議をかなえてくれた日々を経ていまはあなたのかみさまになる
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つばくらめ飛び交ふ軒にわづかずつ光と熱がしみとほりゆく
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もろびとは産み落とされたその日から引き延ばされた臨終にある
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たへまなくなゐふるほしでみづどりにいのるうきよにながらへばやと
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不可算の地層のようにかさなったことばを絶えずめくるゆびさき
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満月のうらがわにいるきみだけが届く星座で描くものがたり
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とじてゆくひとつのみちをあきらめてふたたび空に前途を託す
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生きのびた先の見慣れた青空にいつでも朝がやってくること
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人はパンのみにて生きる肉叢ししむらはかくも炭水化物を喰らう
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連休の青空に干すTシャツに味見をさせる今年の風を
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いくつかのことばの糸の絡まりを抱き留めたままページをひらく
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