Utakata
登録
Login
ef ⍨
フォロー
149
フォロワー
113
投稿数
1315
感覚・空想・生活
« 最初
‹ 前
…
2
3
4
5
6
7
8
9
10
…
次 ›
最後 »
西にゆくことしか知らぬ隊列にいつしか僕の日々があること
8
流星の軌跡が告げるこの空にきみが遺した路のあること
9
本宮を終へてしづかにさとびとが
褻
(
ケ
)
にかへるころ冬がはじまる
5
薄羽を
透
(
とほ
)
る陽射しに刻まれるひかりの振れをめじるしにして
8
不可思議をかなえてくれた日々を経ていまはあなたのかみさまになる
5
つばくらめ飛び交ふ軒にわづかずつ光と熱がしみとほりゆく
4
もろびとは産み落とされたその日から引き延ばされた臨終にある
6
たへまなくなゐふるほしでみづどりにいのるうきよにながらへばやと
7
不可算の地層のようにかさなったことばを絶えずめくるゆびさき
9
満月のうらがわにいるきみだけが届く星座で描くものがたり
8
とじてゆくひとつの
路
(
みち
)
をあきらめてふたたび空に前途を託す
7
生きのびた先の見慣れた青空にいつでも朝がやってくること
11
人はパンのみにて生きる
肉叢
(
ししむら
)
はかくも炭水化物を喰らう
4
連休の青空に干すTシャツに味見をさせる今年の風を
8
いくつかのことばの糸の絡まりを抱き留めたまま
頁
(
ページ
)
をひらく
9
「たうかいね?」「うん、たうたう」と交わされたことばにすこし「たう」ようになる
8
埋まらない一語にいつも焦らされてうたのこころは
熱
(
あつ
)
かひなやむ
9
手に取った本の重さで綴じられたことばの海の深さをさぐる
8
ゆれている大気をあびる新緑がやがて灼かれるまえの輝き
9
逆だったかもしれないねこの朝を見つめるぼくと目覚めないきみ
5
最大の創造のためかけがえのないものすべて壊してしまう
4
海底の傷に
海鼠
(
なまこ
)
は息づいてふうわりと降る雪を蒐める
4
千万の狂騒を背に西方の空へと還るつばさを借りる
5
新宿の血脈をゆくものたちをその眼はけさも品定めする
4
縦横に行き交うひとも観客も射すくめている燃える骸骨
4
雲頂の波間を越えて蒼天をまどろみながら運ばれてゆく
8
いくつかのゴールテープを切りながら今見えている場所とその先
8
やどかりにとって浜辺は限りない事故物件が並び立つ街
7
なにひとつ法に触れずに縦横に理非曲直を弁えぬひと
5
目を閉じて夜雨の奥にかくされた顧みられぬ悲鳴をさがす
5
« 最初
‹ 前
…
2
3
4
5
6
7
8
9
10
…
次 ›
最後 »