Utakata
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感覚・空想・生活
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定型は檻ではなくてゆいいつの言葉に出会うためのコンパス
6
おとしものが目じるし春の軒先にいつもつばめを待ちわびている
9
眼
(
まなこ
)
から涙をこぼす猿だけが生き延びられた訳を知りたい
12
ごめんねが言えなくなったいつからかふたりのバランスがとれなくて
4
01
(
ゼロイチ
)
が織りなす網の端末にかよわい窓を灯すぼくらは
6
アクリルを隔てた空に浮かぶ眼がなかったころの遠い水面
6
指さきを絡めたときの熱だけがひとりの床をあたためている
7
6DoF
(
ろくどふ
)
の諸手におはす観音が千の世界に伸ばすてのひら
5
その先が地獄であると知りながらあの人が待つとびらの向こう
7
もういちどひかりを胸にともすからあなたと夜をわかちあいたい
10
ゆっくりと
香
(
か
)
を聴くようにあなたから生じる歌を身体にとおす
6
窓枠の外でゆらいだ新緑に埋もれた夢に零すほほえみ
8
この空がつながる場所で報われるべきひとがまだ息をしている
4
頭蓋
(
とうがい
)
がひとつのまんであるならばわたしは餡のすきまで暮らす
4
星を喰いだんだんなんか簡単になったんだから触らないでよ
5
いくつもの黒い予感が過ぎてゆき視界の端をちらりと蛇が
4
枕頭に置いた歌集よわずかでもミューズの影を引き寄せてくれ
7
君も僕もこの世に出でた日の初夜を繰り返してはこの
閨
(
ねや
)
の
裡
(
うち
)
5
情も景も三十一文字に積み込んでとどいた先の奇跡をねがう
6
月面の永久影に住み着いたきょうだいたちは元気でいるか
4
駆けだしてゆくこどもたち公園にたわわに実る可能性たち
11
西にゆくことしか知らぬ隊列にいつしか僕の日々があること
8
流星の軌跡が告げるこの空にきみが遺した路のあること
9
本宮を終へてしづかにさとびとが
褻
(
ケ
)
にかへるころ冬がはじまる
5
薄羽を
透
(
とほ
)
る陽射しに刻まれるひかりの振れをめじるしにして
8
不可思議をかなえてくれた日々を経ていまはあなたのかみさまになる
5
つばくらめ飛び交ふ軒にわづかずつ光と熱がしみとほりゆく
4
もろびとは産み落とされたその日から引き延ばされた臨終にある
6
たへまなくなゐふるほしでみづどりにいのるうきよにながらへばやと
7
不可算の地層のようにかさなったことばを絶えずめくるゆびさき
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