Utakata
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感覚・空想・生活
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銀輪は草原を過ぐ前かごにきみに見せたい花束を載せ
7
大縄に入れぬままに立ち尽くすこどものような就活をした
18
このうたがスワンソングになる前に急いでつぎの文字をつがえる
4
その像の瞳は既に喪はれ豊かな森に背を向けてゐる
6
百億の花粉を載せて春風は鼻腔の奥に受精を目指す
6
草花の舞台としてのうつわには咲かない花が落ち着いている
5
幾千の衝突を経て肉体は神へ捧げる一瞬を知る
4
ビデオにも戦争がありいくつかの戦後をくぐるこの部屋がある
5
懇情の
凝
(
こご
)
った杯に浮き上がるはかない花をゆっくりと吹く
6
その
背
(
せな
)
にちいさな羽のあることを知らない君はあの町を出ない
8
耳塚のように建てるか記念碑を恋人らから奪った釦
4
ぼってりとした膨らみを幾年か育てているがまだ生まれない
6
畳まれたまま開かれぬ手紙には始まりのない物語たち
7
米の死体+魚の死体 結ばれたふたりは幾度世界をめぐる
4
猛烈に長いワンライナーを書く途中入社の強気な彼女
4
ももづたふ翡翠の
嘴
(
はし
)
を八十ばかり連ねたかずら今ぞ盛りは
6
annualな喜びだけが幾たびの世紀を越えてこの場所に咲く
3
鉄骨のジャングルを縫い白黒の検非違使は追う咎人のかげ
4
無自覚に収奪されたものたちをこの手にもどす為の強盗
7
凍てついた組織にそっと潜らせてわずかな刻を確かめる刃
5
あの日へのワームホールの入り口は公園の隅、銅像のうら
7
八年後グラミーを獲るきみがこの場所から放つはじまりのうた
5
その猫はミス・リバティと戯れている海軍が着くまで持てよ
4
新刊の出ない隣のブースから伸びた行列ばかりが見える
6
MCを
火工
(
パイロ
)
が照らし伝説の四人が集う舞台を嘉す
3
今生を辞してあちらの歌会に持ち込むための詠草を編む
5
すりきれた
喉
(
のんど
)
がはなつうたごえがどこかに春を呼び寄せている
5
首輪ではあまりに犬でごまかしに左手首に輪をつけている
5
年度明けくらいはすこし豪勢な弁当にして立ち向かう春
10
このよ彁うな機械の中彁の幽霊もエクリチュー彁ルの歴史のひ彁とつ
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