Utakata
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感覚・空想・生活
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いくつかの聲を盗んで貪婪に視線を喰らいゾンビはあるく
4
指などは簡単に飛ぶこの羽を前に嘘など吐かないでよね
4
舶来の狼桃がイタリアを真っ赤に染めたあとのひとさら
3
信仰を違えた神は原罪の認否を明らかにしていない
3
ドラゴンとかつて呼ばれたおまえらの従兄のようになれそうになく
5
白黒をつけて明日のパーティーの天辺に立つひとりを決める
5
待たせる身のつらさを文字に置き換えて疾れ斜陽はまだ落ちぬので
5
文字列にならぬ語りのうるささにインスタからはやや距離を取り
4
この部屋を引き払うのがさびしくて無理に荷物を持ち上げる君
4
蟷螂のオスの最期を知ってから君を少しく遠ざけている
3
あともどりしない賭けから降りられぬきみもわたしも投げられた賽
6
いつからかせまい地球の夕空が機材繰りではひたすら遠い
2
長髪はやめたけれどもその熱はいまもときたま入り用になる
5
象限を分かつ分布の谷底に息づいているひとが見えるか
3
この文字も以上の以下のどの文字もいまではもはや短歌ではなく
4
このように撮られ方など考えていまだ魔境を越えられぬまま
4
「清掃のバイト」と聞いて始めたらもう八年も続いた世相
6
その
標
(
しるべ
)
は教えてくれるこの道に時代をつたう糸のあること
7
月輪を背負い古塔は宵闇にヨハネのごとく指をさしだす
3
幾たびも張り替えたけど西側のゆがんだ顔はまだ滲み出る
3
強すぎるGainをすこし割り引いてたしかめている歪みのありか
2
このガワでうまい芋煮の味がしてこっちに来てから夕食はコレ
2
10
分であなたの価値を羅列して明日を生きて良いか決めます
5
この頃は毎年浜に揚がるので異変の多い世間になった
2
数ミリの隙間だらけのひとなので揺れにはつよい だけど、それだけ
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南洋よりかえらぬひとはこの森で稲穂の海を夢にうつした
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唯一のおのれを照らす脚光を浴びてあまたの虚像をつくる
5
n機目のライフがあるか知らぬまま無謀に今日を進めた結果
6
生活にその千円を積み上げる意味をときどき考えて夜
3
ドアノブに触れる前からきみはもう框を降りて待っていたけど
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