Utakata
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狭山茶
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22
赤本に向かひ向かはれ三日四日 月月火水木金金と
6
涼し
夜
(
よ
)
と高を括っていたものを 凍てつく肌に羽毛取り出し
7
白き手の 角帯結べぬ愛しさよ 「合っていますか」「合っていますか」
4
盆は二周
燻
(
くゆ
)
る沈香 独寝の
寡夫
(
やもお
)
の呟き 置いていくなと
11
寝台に独り
揺蕩
(
たゆた
)
う夜涼し 彼岸のアポは白檀の香
9
彼
(
か
)
の往ぬる季節が二回巡り来た ただそれだけで、ただそれだけで。
6
春過ぎて夏来るらし 初瀬川 此処に伸びける 青む若葉ぞ
4
何
(
な
)
ぞはるなる
霞
(
かすみ
)
有
(
あ
)
らまし
月頃
(
つきごろ
)
に
語
(
かた
)
らひに
止
(
や
)
めむ
然
(
さ
)
らばをかしき
3
病床に見せぬ蒼空 カーテンの裏に出づるは初春の日かな
9
「あの
頃
(
ころ
)
」と
済
(
す
)
ませてくれるな 学ランの
皺
(
しわ
)
懐
(
おも
)
いたる
卯
(
う
)
の
月
(
つき
)
の
末
(
すえ
)
7
待ち切れぬ信号の紅向う岸 君の背中はもう第三者
10
モノクロの雑踏掻き分け上野口 デッキの雪さえ心
温
(
ぬく
)
く
7
ひび割れのモルタル寂し公団前 人は変われど街も変われど
9
軒の下明けてくれるな松の内 友の年賀はたった四枚
10
茜空彫るは富士の
嶺
(
みね
)
の黒
直
(
じき
)
に消えよう
蒼
(
あお
)
に交じりて
10
ふじの色見えぬ澄空結露越し センチメンタルだけの残月
8
滲みゆくロングコートの主は
亡
(
な
)
き 抱けど話せど片道切符
13
留まらぬ
憶
(
おく
)
と面影
懐
(
おも
)
いつつ 君の口癖さえ忘らりょか
6
月命日 長き通い路耐えかねん 泣かせてくれるな待宵の君
8
雪の木戸まだ起きぬ街
微睡
(
まどろ
)
みの中で燻らす煙草の寂しさ
12
哀
(
かな
)
しき
袖余
(
そであま
)
り
浮浪雲一
(
はぐれぐもひと
)
つ
彼
(
かれ
)
の
遺
(
のこ
)
した
香
(
か
)
もいつまでか
9
ファインダー
縁
(
ふち
)
から
溢
(
あふ
)
るる
向日葵
(
ひまわり
)
ら
現像出来
(
げんぞうでき
)
ぬ
広
(
ひろ
)
がりを
見
(
み
)
せ
5