狭山茶
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待ち切れぬ信号の紅向う岸 君の背中はもう第三者
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人は皆散るものだとは知り乍ら 麗しくあれ葉桜のごと
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モノクロの雑踏掻き分け上野口 デッキの雪さえ心ぬく
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ひび割れのモルタル寂し公団前 人は変われど街も変われど
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軒の下明けてくれるな松の内 友の年賀はたった四枚
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茜空彫るは富士のみねの黒 じきに消えようあおに交じりて
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ふじの色見えぬ澄空結露越し センチメンタルだけの残月
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滲みゆくロングコートの主はき 抱けど話せど片道切符
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神宮前 待ち人にけり初詣り 隣に居たならさぞ楽しかろ
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この頃はまだあったのだと云う父の つむじ寂しや儺追風なおいかぜ
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留まらぬおくと面影おもいつつ 君の口癖さえ忘らりょか
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月命日 長き通い路耐えかねん 泣かせてくれるな待宵の君
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雪の木戸まだ起きぬ街微睡まどろみの中で燻らす煙草の寂しさ
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学友がくゆうひつぎ百合ゆりごとしろはだ せめてはなやげせめてはなやげ
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かなしき袖余そであま浮浪雲一はぐれぐもひとつ かれのこしたもいつまでか
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ファインダー ふちからあふるる 向日葵ひまわり現像出来げんぞうできひろがりを
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