Utakata
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砂生
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ゾウの王様、ゾウキング
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幸せで散らかった部屋に春の風 ぬるい麦茶と午睡見学
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書き損じ気に食わぬ紙飛行機よ 十七機目もあえなく落ちる
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スカートがたなびく旗に見えたから あなたを目指してやって来ました
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シャワーからタッと滴る水の粒 舌っ足らずな五月雨のまね
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恋人の遺したビデオとお手紙と払い切れない延滞金と
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幸せで散らかった部屋に春風 午睡見ながら麦茶を呷る
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凍てついた空気で満ちて変わらない二番線 コンコース ゆらゆら
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学友になり損なった想い人 耳を立てる若竹の空寝
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小綺麗な砂のお城が攫われる バイバイと言う子供らしさも
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初めてのレイトショーは貸切で やっと握ったエンドロールの手
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青光の中たゆたう赤海月 血は赤く 耳鳴と潮の音
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ゴミ箱の外側に充つ夕惑ひ このままおれを焼却しろよ
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春風が誰かの匂いを運ぶからもう全部捨ててしまおうかな
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あなたから貰った物のいちばんはこの傷ですよ。失くせないから
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長風呂で半身だけを浸ける日々 これで人魚になればいいけど
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時計だけ動き続けるこの机 積もる灰色に書く名前は
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ボツにした歌詞が好きだと口ずさむ君がいまだに完成しない
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層雲が隠す灰色の教室 黒鉛延びて空と繋がる
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水槽のガラス越しには想いビト 煮ても焼いても食えぬがコイよ
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いつまでも小学校の夢を見る 僕の心はいまでもそこに
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読み終えた本とスピンを戻す癖 あなたが置いていったものたち
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当て所ない子犬の歩みとんとんと 暮らしが跳ねて春が渦巻く
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恋人と呼ぶには低すぎる湿度 それでも僕ら、繋がれている
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人間にならない代わりに僕はまだ割れた卵とメソメソしてる
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明日には一緒に行けると言ったよね 点滴ふたつ 涙はひとつ
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消えた子を見つけられずにはや一年 探してないのは仏壇の中
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バス停の桜花は誇り高き顔 いつかお前もみなに踏まれる
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幸せが作る波紋で揺らぐから満ちて溢れてわたしを溶かす
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薄衣が春風漉してサラサラと音を立てたる朝焼けの辻
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真夜中の幽籟はもう怖くない。あなたが死んでからというもの
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