砂生
0
0
投稿数
32

ゾウの王様、ゾウキング

名も知らぬ愛する誰か夢に見た 枕に染みる輪郭のひと
7
幸せで散らかった部屋に春の風 ぬるい麦茶と午睡見学
6
書き損じ気に食わぬ紙飛行機よ 十七機目もあえなく落ちる
8
スカートがたなびく旗に見えたから あなたを目指してやって来ました
4
シャワーからタッと滴る水の粒 舌っ足らずな五月雨のまね
7
恋人の遺したビデオとお手紙と払い切れない延滞金と
3
幸せで散らかった部屋に春風 午睡見ながら麦茶を呷る
4
凍てついた空気で満ちて変わらない二番線 コンコース ゆらゆら
5
学友になり損なった想い人 耳を立てる若竹の空寝
2
小綺麗な砂のお城が攫われる バイバイと言う子供らしさも
8
初めてのレイトショーは貸切で やっと握ったエンドロールの手
6
青光の中たゆたう赤海月 血は赤く 耳鳴と潮の音
6
ゴミ箱の外側に充つ夕惑ひ このままおれを焼却しろよ
5
春風が誰かの匂いを運ぶからもう全部捨ててしまおうかな
5
あなたから貰った物のいちばんはこの傷ですよ。失くせないから
5
長風呂で半身だけを浸ける日々 これで人魚になればいいけど
5
時計だけ動き続けるこの机 積もる灰色に書く名前は
10
ボツにした歌詞が好きだと口ずさむ君がいまだに完成しない
5
層雲が隠す灰色の教室 黒鉛延びて空と繋がる
4
水槽のガラス越しには想いビト 煮ても焼いても食えぬがコイよ
6
いつまでも小学校の夢を見る 僕の心はいまでもそこに
6
読み終えた本とスピンを戻す癖 あなたが置いていったものたち
4
当て所ない子犬の歩みとんとんと 暮らしが跳ねて春が渦巻く
11
恋人と呼ぶには低すぎる湿度 それでも僕ら、繋がれている
8
人間にならない代わりに僕はまだ割れた卵とメソメソしてる
4
明日には一緒に行けると言ったよね 点滴ふたつ 涙はひとつ
3
消えた子を見つけられずにはや一年 探してないのは仏壇の中
4
バス停の桜花は誇り高き顔 いつかお前もみなに踏まれる
4
幸せが作る波紋で揺らぐから満ちて溢れてわたしを溶かす
6
薄衣が春風漉してサラサラと音を立てたる朝焼けの辻
6