約束の時まで待つと告げたを 忘れたように君を思い出す
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桜蕊落ちて踏まるる暖春のかの人の早や詠み殻となり
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トランプの事を頭に掠めつつそれでも暖房こころおきなく
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桜散る影 葉桜映える 新緑に 風吹き抜けて 麦茶冷ゆ
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工事場の重機の下に微睡まどろむ猫 ぐっすりおやすみ 今日は日曜
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桜散る 心静けし つつじ咲く 陽射しあたたか 夏来にけらし つばめ飛び交い 心うきうき
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あと10年 この勢いでいけるのか 気持ちあっても 先行き不安
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夜勤明け ビールに焼きそば 食べちゃうぞ 一人暮らしの自由満喫
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豆を挽き 珈琲淹れて 始まりぬ 新芽が光る 日曜の朝
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放っといた庭木柿の木紅葉の木枝放埒すぎる枝のやんちゃよ
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愛想ないきみが笑顔を向けている奴を地獄に突き落としたい
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ここにいた なんでわかるの 一発で あなたはいつも 右端にいる
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思ひでは焼いてしまおう馬なめし武蔵野原とかへりゆくまで
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卯の花が咲く月としてそう呼ばれ 爛漫春に芽吹けよ卯月
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なんかこう わからんものを 背負しょわされて 踏ん張ってきた 長子事情
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うれしい「春」 枯れ盆栽も一斉芽吹く若葉ながらに花添える
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散りぎわの枝をめぐりて熊蜂は春のなごりをあらためてゆく
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朝食のテーブルには「これ観てよ」と言わんばかりのリモコンがおり
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いとはじと  鼻の頭の粉さへも 羽根は黄金と君の焼きあぐ
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どこかにて 袂を分かつ 風なれど またいつの日か ひとつの世界
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久々に つくったリース もろそうな ドライフラワーに 小技仕掛けた 
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わたしからあなたの全てよ出てゆけと角質を落とすぽろぽろぽろと
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おかしいよ おなかいっぱい 食べたのに おなかがへるの ぜったいおかしい
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公園の砂地 小枝でえがかれし アンパンマンの落書きの跡
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春がきて ハートも芽吹き おしゃべりに 文字は口ほどに ものをいうもの
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足元に花のひとひらくるくると吾と遊べり風のになる
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短歌うたを詠む普通の我等も ものがたり それぞれあると思う夜なり
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すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
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山椒のぴりりと香る木の芽添え 蕎麦をすすりて ゆく春惜しむ
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風となり卯月の君へ捧ぐのは散り急く白き菫の香こそ
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