冬椿花の色さえぼやけてしまう絞り開放焦点は君
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南風はえ吹きて予報は伝ふ五月並み ベランダに出て確かめてみる
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除雪目印めじるしの棒のテープははためいて曇り空行く白鳥幾多
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春来たり 水の冷たさ 和らいで 朝の空気も 私に優しい
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押し入れの闇に目をあく雛人形 光の日々を遥かに見つむ
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暮れ六つの公園 春一番吹く 北に見ゆるは 北斗七星
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パソコンの画面を泳ぐ222。しばし考え日付と気づく
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ちょっと前 雑草魂 はて今は 個性と防御 サボテン魂
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忘れてた 窓うつ雨音あまおと 目がさめて 凍土をとかす 歓喜の水の
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収集のヴィンテージデニムに一億円芸能人らしぶっ飛ぶ価値観
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ようやくにカフェインハイの醒めたれば静寂しじまに疼く消去デリート念慮
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推敲の堂々巡りの木阿弥に螺子とは知らず一歩進みぬ
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おもひよりはやきながれの事の端をすくわむとあむ言の葉のあみ
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もう蒼瞳きみは ご長寿羊駝 元気でも 変わりはないか 毎日心配
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日野にある 鬼の資料館 行きたいが あおり運転怖し 二の足を踏む
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薄紅の 霞たなびく山裾の 眠れる森も目を覚ましゆく
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誰しもが 訪う歳を意識せず 気付けば大人 どころか夫なう
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牛タンをたんと頬張り短歌詠み 静かな夜と交わす鍛高譚
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いち聞けばこの子の百が解るのは離れていても母さんだもの
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辛かった苦しかったね母さんに打ち明けてくれて嬉しかったよ
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若さには傷付くことは多けれど堪えるよりも泣いていいんだ
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言えなくて誰にも相談できなくて辛かっただろう苦しんだだろう
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手違いで神につくられたガガンボのかろやかさ、それは天使に似て。
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泣きながら震える声で「お母さん、今行っていい?」察するに余る
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甘党な人だった天気を心配するような人だった何も言わず去っていったあなた
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真名仮名を綴り織り成す物語 誰を温めし布となりけむ
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幾年いくとせぞ詩歌管弦をおさむれど うつつに与へし名残は知らぬ
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芸術は慰めか、あるいは麻酔か
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湿り気を帯びた道にも花咲くと思えば春を時計は刻む
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手に取ればシール貼られたモンブラン産声上げた日の母の顔
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