風花と見紛ふばかりの白梅の 幽けきかほり鼻腔で捉へ
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太陽に 照らされ光る 彼女なら 私の呪いも 効かないだろう
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富士の山 今日のご機嫌 いかがかな 仰げる毎朝 清々し
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リメイクと 感じさせない この料理 料理が数段 上手くなったかな
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室外機凍ってしまい来ぬ温風かぜを吹き出し口の下で待つ猫/定位置なのですが⋯
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双方の言い分甲乙付け難し大義はひとつとは限るまい
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君に会う口実としておそろいのキーホルダーをまとめて買った
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タンスの上 おおきい麩菓子が おちている あれ違ったわ 茶色のチビ猫
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味噌汁の汁の旨味の疲れとれ落ち着きこころさといもあるか
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「お先に」と誕生日過ぐを報せくる友よ間もなく吾も追いかける
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尾びれに続く編み目をゆいと引けば口をパクパクする透明人間
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王将の守りの駒が逃げ道を塞いで負ける それも人生
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サイゼにて「ボンボンなんとかシール」とか言い合っている老夫婦ふたりのランチ
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さようなら手を振りその場過ぎ去ればぽつんと終わった速すぎだろう
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人間と道具の狭間の彼方かな 地に足つかず宙ぶらりんりん
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毎日は暮らしではなくただの作業 感じないまま機能するだけ/気づいちゃった
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安全が汚染されない空間に連れていってよ大人なんでしょ
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「ハレンチ」を聴きながらする皿洗い なんとしぶきの飛びやすいこと
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「歳上が 好きなの、だから」と笑うから 七年後また 会いに行きます
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掌で包む伊予柑ずっしりと持ち重りして食べきれないほど
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永遠の 命を知りて 眺めれば この世はほんの 瞬間のこと
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愛すれば 荒んだ世にも 花が咲き 苦しみの後 報われる時
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毎日が 飛ぶように去り 跡形も 残さず消える 命の雫
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「まいったね」笑いあいつつ雪を撥ね見知らぬ誰かと温もり交わす
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死んだ人 生まれた人は 数知れず 何をしている この世の世界
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暇だから 時間つぶしに 街散歩 歴史を感じ 人の生活
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あれもして これはしなくて 刻々と 残り時間は 釣瓶落としに
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冴ゆる朝 車窓越し 雪富士見ゆる 吊り革握り 揺るる通勤車
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「当然」と言わるる日々に削られてわが手はカサリと冬の音す
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試しの世 やりたいことを していれば つけが回って 帳尻合わせ
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