選ばれた五音は夢のため 七音は褒め言葉のため 捨てた三音はわたしのなみだ
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快晴を切り取る灰の摩天楼 懐古はふるさと水平線まで
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偏差値と賞状のために中三の私に拾われた愛なき「冬銀河」
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夢を見る 原風景が そこにあり 目が覚めた朝 懐かしくなる
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焦げているさやを両手で引き裂くとふわふわのわた並ぶそら豆
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雪溶けて桜ちりたる四月尽。今年は残り三分の二か
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幻に 御仏ありて 生きるなり わが命とは 塵より軽し ( ※ されど尚 生きることには 意味があり )
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鉱脈に添いて残りし手掘り跡生野銀山濡れた足音
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笑うこと夢をみること起きること 全てひとりに全てひとりで
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つづら折り 峠越えるや 風光る 白雲走り 金の矢射して  向日葵浴びて ゆるゆる立ちて
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見終わった後の映画の半券は当時を思い返せる栞
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ベランダで 陣地争い オセロゲーム 黒のハシブト 白の干布団
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並び居る 凛々しき蔵王権現の忿怒ふんぬの形相 頼もしく見ゆ /奈良国立博物館『吉野・大峯』展
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悪役が 世に遺りたる 悪を問う 体はってる 玉川徹
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山の脊に 青葉茂れる 霧雨の  色濃き青葉 白銀の玉溢れ 春霞
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つまらない人生なのはつまらない人間だから ネコになりたい
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写真見て 君が好きだと 告白す 四十年前 初デートの日
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食べたいと 思った数だけ 我慢した わたしを(あなたを) 褒めて揚げたい
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雨粒が 景色ににじむ 寂しき夜 あの日の想い 涙こぼして 
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夜のカフェ 窓際席で 雨音に 寂しさ感じ 仕事が止まる
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議論なき 時代錯誤に 石を投げ 悪役演ず 玉川徹
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コツコツと シール集めて 皿もらう ヤマザキ春の パン祭りなう
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恩人の訃報届きし卯月尽 遠き地ゆえに空に祈りを
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夫婦ふたりきりの連休なれど 他愛ない会話で笑う時間ときの愛しき
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マニュアルに 載って無いこと ばかりだと あなたは言うけど わたしは女
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欲しかった優しさの代わりみたいに詰め込んで飲み込んだマシュマロ
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文庫本十冊売りて 原田ひ香 百円足して連れて帰りぬ
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こんにちは 「さよなら」を喜ぶ私 出会わないまま生きられたなら
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肌寒く 雨の降る夜の 寂しさは 明日への希望 少し包みて
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かたまりにさじいっぽんで立ち向かう一年振りに開けた砂糖と
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