君想う 気持ちを出せず 時が過ぎ  いつか出せると 今もおもえり
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左手に北斗七星のほくろ 怪我した所に濃い目の毛 流れてゆく
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都会で透明な家具になっても愛された旋律が微かに聴こえるから
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書きかけの、メール下書き見返して 今日も一通、ゴミ箱に増える。
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来週は秋のお彼岸らしいけど積乱雲は山盛りのまま
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今日できないことも 明日はできるから 疲れたら眠れ ご飯は食べてね
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君は今我の心に住んでいる 家賃はいらぬ優良物件
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叶わないことをなぞった夏が暮れつめたいだけの自販機の青
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銀杏が足もと悪くしてますが 秋なんですかまだ夏ですか/35度!
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やわらかく ぬくもり重ねた あの日の手 焦がれる思い 遠く離れて
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腹いっぱい食ったら働くテキパキと俺も世界を回しているから
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穏やかに 他人のさちを 願う時 吾の心も 幸を感じる
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工事現場のイルミネーション 想われニキビふた粒あっても合わない周波数
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夜勤へと向かうあなたに力水つけるつもりで麦茶を渡す
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まなこから ひかりを入れて 生を知り  言葉をまなび 死を知ってゆく
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風花かざはなの 磐梯山ばんだいさんに 別れ告げ  積もらぬ雪に 会津あいづおも
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幸せは天日にあてたカーペット 秋のはじめの乾いた空気
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例えれば山水世界の桃源郷イリュージュンのアートの世界
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あぁ広い 解放あふれ威圧なく 見事に整いあぁ広い
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花生けて 太子の御姿想いつつ ただ円かれと心の活花
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大納言 ご威光の庭を粛々と 華麗なる道ゆとり豊かに
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老松や にょろにょろにょろと にょろにょろと 龍と玉輿愉快に遊ぶ
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小学校で 白いうさぎを飼っていた あの娘が今日は白い花嫁
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亀石の 窪みをめがけ玉10個 投げても入らず「いつものことだよ」
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梅の花 いつ咲きましょう黄門さま 風に歌のせ尋ねましたか?
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何てこと! まるで登山の祈り道 行き交う人に励まされつつ
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入眠にボレロがよいといったのはだれだ宇宙が爆ぜとびおきた
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山寺に だるまダルマまたダルマ 勝て勝て勝て勝て菩薩微笑む
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読書するいとますら無く ルーティンの断捨離を 意識し始む秋
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黒揚羽 吾の目の前 つと舞ひて それは一瞬の 魂の交感
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