築30年 思い出だけが残されて  今はひとりで今日を重ねる
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住んだ街二十年ぶり訪れてとんがっていた我浮かび来る
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住んだ街二十年ぶり訪れてまだ在る本屋看板見入る
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沈丁花 花の香りを 全力で 主張する様 命短く
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お決まりの席で過去問にらんでた子の笑顔祈る 春の図書館
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AIは 人間よりも? 褒め上手 自ら手綱(たづな) 強く引き締め
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春色に染めたネイルの手の甲は幼き日に見た祖母と同じ手
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ここかしこ 羊一頭 解体する 犠牲祭の日を 村は賑わう /カンドヴァン村
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あと5キロ痩せて綺麗に春までに! …決意ゆるがす菓子の誘惑
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部屋咲きのハイビスカスに彩られ 冬のリビング早や夏模様
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落ち込むわ… 店のガラスに映りしは老いて太ったわが姿なり
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まぶしげに めをほそめたる ねこのてを そっと握って 気持ちを交わす
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国の長(おさ) 命が一つ 消えていく 巻き込まれたる 無辜の民あり
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ミサイルの 誤爆はなしや カンドヴァンの 土産の帽子 取りて撫でつつ /ダブリーズ近郊
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アイフォンを鞄に入れる 今日だけは迷い悩んで自分で決める
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闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
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寝てるとき 幸せなワケ 知りたくて 人の存在 失くす春先
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土温み 駅ロータリーに 下草を食む 鳩・雀 カラス横切り / 訂正しました
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赤と黄のポール折れたり曲がったり 君にも厳しい冬であったね
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テヘランの ハイヤームホテルの 戦禍など 知りたきことを 知る術もなく /2月28日米国・イスラエルのイラン攻撃
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「愛してた」「てた」ってなんだよ  逆光で顔が見えずに八重歯が光る
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温かい湯船に浸かる 泣きながら刺さった言葉を一個ずつ抜く
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猫が居る→破顔する君を思い出す→愛とはこういうものかと思う
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夢現 冬の想い香 燻って のぼる煙に 君をみる
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そよぐ風 青空座り 人はなく 新幹線の 通過音聞く
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いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで午睡ひるね
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二日ほど急ぎ足なる衣更着や 一枚外し弥生のあした
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青空にひときわ映ゆる白木蓮 気高く顔上げ春謳歌せし
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いつの間に 色とりどりの野辺の花 一斉に春たたえ歌うように咲く
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自伝本 集大成を 集約し 心掴める 自信ありかな
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