カフェインとインスリンに溺れながらも指先だけはシラフであった
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Hook youホック ユー と君が言ったから 素直に外した19の冬
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紅葉を「かわいい」と言う眼差しが濁らぬようにばあばは願う
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心配を すんな全部 上手くいく 心配しろ全て 上手くいかへん
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ボス猫に ケンカ吹っかけ 冷ややかに  スルーされれば フテるしかない
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おはようと 言ったところで 俺ひとり 机の上の 千円が親
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ムーミンの スクラッチアート した夜に ニョロニョロたちの 襲撃にあった
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お湯いらん ラーメン濃すぎて 食べられん ガリガリくんで しんどいの取れた
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窓越しに秋雨気配感ずるがボール追う子の声も賑やか
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大変なことをした絶世の美女を産んだの国揺らいじゃうかも
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行く前は  荷物の多さに  呆れられ  はよ解きぃや  朝から怒られた
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十五歳あの三叉路を渡ってた高校デビューしくじっちゃって
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ポイントを使い切るのに腐心して 買い物数点忘れて帰る
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窓ガラス断熱シート貼り終へし様悪しされど為む方無しよ
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神様の命令はもう聞こえない 麗らかな陽と私がいるだけ
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さようなら  大人になつた  ホールデン  また会えるかな  ライ麦畑
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『解散』を そっと切り出す ゴルフ会 あっさり頷く 『後期』の面々
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自転車で墓参りする境内にカメラを向ける観光客
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もし恋がおわるとしたら ぱちん そんな音がなるのかな
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人は言う「止まない雨はない」それはそうとして傘は必要だろ
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雪を見て夏待ち侘びて夏が来て日照りの強さに冬待ち侘びる
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4のうち3が頭を隠してる恥ずかしげもなく勝ち進んでる
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冷凍食品れいしょくをチンして食べる気力すら 奪い取るのだ鬱のやまひは /鬱短歌
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忘れてたわけではなくて見て見ないつもりもなくてしなくてごめん
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朝起きて 出て行くつもりが 起こされて その置き手紙 見ないで欲しい
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夜半には雨に紛れた星が降る蛍光灯がパチパチしたので
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批判することは簡単トゲトゲをもて余してはスマホをさわる
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定型詩 詠う未来の定形死 待ってらんねぇエンジン吹かし
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明日何着ようかなって 考える 黒は着たくない ほんとそれだけ
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外干しは 昼までだったと 思い出し 浴室乾燥に移動グッジョブ
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