ほお紅く染めて抱きつく妹が本当はいそうな雪の降る午後
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体調を気遣ふ義母に勧められ 毎朝プルーンを白湯で割り
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粉々のポテトチップは捨てられて講義終わりの教室静か
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「もろびと」を聴くとなぜだか思い出す シュワルツネッガー元気だろうか(しゅわあしゅわあ)
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爪研ぎの犠牲になった畳たち今朝毛羽立って足裏を搔く
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六時半明るくなれば見えてくる昨日から今日外のありさま
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払暁の東のそらに針の月 ほどなく消ゆる年の暮れかな
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真つ暗のファミレス横に熱心な作業者なのかどろぼうなのか
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冬の風邪 長引くきみの 横顔に 憂いのあとの またひとつふえ
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この頃はよく夢を見る大抵は回廊にいる地下牢だろか
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闇を抜け救急患者の呼ぶ声に仮眠の女医は夢を払いぬ
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またひとつ無秩序退治ゴミひとつ拾って捨てる抗っている
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病みあがりリハビリジムの笑顔にも立てば千鳥の震える枯野
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正月の しめ縄飾る南天も ムクドリ群がり丸裸なり 
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寝つかれぬ虎落笛もがりぶえをも聞こえぬ夜三十一の糸編んではほどく
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クラリネットの演奏会。 ドとレとミとファとソとラとシの音が・・・ 出てるじゃん。
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黒管の 笛が奏でし 讚美歌は 響きやはらか うたた寝に落つ
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あの夢の続きが すこし見たかった そんな気もする 午前四時半
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昼時を 少しズラして フードコート 逆に混んでる 昼より混んでる
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赤毛の少女が振り返る先には暗闇を切り裂く幕の音
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アドベントカレンダーを開ける音 チョコの鈴が鳴り舌先で溶ける
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加工した 方が早いと 写真撮り 三つ葉のヤツを 四つ葉に盛るキミ
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寝坊して 遅刻魔だった この俺が 朝活はじめて また遅刻する
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クリスマス ソングでいちばん 好きなのは? もろびとこぞりて 即答する俺
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自然薯を 折ってカバンに 入れる母 折らない様に 掘ったんだけど
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先輩は みなパンチ佐藤 の様な人 楽しいけれど 不安もつのる
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歯医者行き 歯石取るのは 気持ちいい 奥歯の裏を 磨くのヘタよ
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歯並びは ホントに大事 だと思う 前歯1本 ないだけでバカ
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エヴァ見ると自分を抱きしめつつ刺しているという感覚になる
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頭の中の心の奥の奥、そこに居る答えを探している
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