この街の郵便局の片隅に宛先のないパフェがひとつ 

国道に赤いブラジャー舞い降りて軽自動車が器用に避ける 

誰ひとり傷つけないで生きていた人だけ行ける天国はから 

飲みかけのラムネを揺らし聴いている少年だった日の夏のおと 

悲しみの果てには小さな駅があり帰りの汽車が待っててくれる 

静かすぎてからだの中のいろいろな言葉が透けて見えそうな夜 

僕をかき抱く腕の深すぎる冷たさよまるで海みたいなひと 

いつまでも黙っていると彼女にはすぐに彼氏ができてしまうよ 

切り替えて 昨日のことは 忘れろと 地平線から のぞく太陽 

夏過ぎて 見慣れたはずの 教室の  誰かが違う 秘められた事 

月に二度 結婚祝いを贈る身の 周回遅れ 何周遅れ 

ふるさとの百葉箱の神様へ。 風がそちらへ向かうようです。 

遠い日を たぐり寄せる その午後 金木犀の 魔法にかかって 

百年に 1度の夏を とおりぬけ 夕風まとう 香は金木犀 

こんなにも 君との別れ 辛いから 取り憑いちゃお お化けになって 

かちゃかちゃと鳴る化粧品の音でふと母にじゃれてたあの日へ帰る 

謹んで承り申し上げ申し上げ申し上げてやってもよいぞ 

現世うつしよに生まれ来る子はめでたきや、彼らのべき苦労くろう思へば 

火柱に恐れて肉を取りこぼす 金網の上に残る焼死体 

大粒の ひょうが空から 降ってきて あたり一面 夏雪景色 

建ち並ぶ 高層ビルの その中に レトロな店が 軒を連ねる 

曖昧な 君の態度が 気になって 僕は今夜も 寝れそうにない 

持たされたスイッチがなにをこわすのか知らないままで押した水曜 

アンケート『あなたは文字が読めますか?』 渡された紙を眺めるおとな 

語らひを持つべき方のありめやも独りに馴れにしわれ醜人しこびと 

詠む度に見る人多く称賛ほめもあらば名は立たずとも嬉しく思はむ 

考える頭を持って考えず。これがホントの考労無コロナウイルス。 

どうしようもないほどには欲しかった 君のたったの45 

テーブルに置かれたままのキウイ三つ 沈む日を差し込めば食べ頃 

釈然としないのだけど君の絵がコンクールで二位だったようだよ