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香箱で陽光迎へ猫二匹 背中は任せろ薄目でチラリ
14
曇天と 墨汁なぞる アスファルト 雪衣着て 緑待ちわぶ
11
目覚めてゐる 目は閉ぢたまま 土曜の朝
3
留守電の長々しゃべる候補者に入れませんよとつぶやいてみる
20
『あきらめたらどう?』背中を押す声にあらがうための下手なクロール
5
通学の自転車の群れ見送ってはるか昔を思い出す朝
18
いつか来る別れを知らぬ顔をして みそ汁の湯気に家族は和む
32
足早に前を横切るキジ猫の耳にひとひら桜刻まれ
9
雪にさす
朝陽
(
あさひ
)
の色は 生成り色 忘却の
彼方
(
かなた
)
竹を編む人
25
何度でも思い出すから消えたって構わないとか言えないけどさ
2
今もなお
長々
(
ながなが
)
し夜に一人寝る
仮庵
(
かりほ
)
の上に雪はふりつつ
7
あー懐かし 幼き息子と 雪の原 転げ回ったり 笑い転げたり
6
終電を逃す友連れ 山茶花の散りぬ小径を
夜半
(
よわ
)
家路に就く
21
赤子皆生まれる
日時
(
とき
)
を選ぶのかならば選ぶは生きるそのもの
3
ひとり暮らし とっくに慣れた はずなのに あなたとの場所 ふと帰りたくなる
7
帰りたい施設の
義姉
(
あね
)
のこころ旅 まぼろしの地に毎日帰る
25
赤子皆生まれる日時選ぶのか人生初の選択なのか
12
わかるけど 辞めた会社の そばだから そんな理由で いい店なくす?
2
寒風の沁みるあかぎれ耐えてみよ 桜の便り今ここに届かむ
6
老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
17
早朝の コンビニ灯り 太陽の ごとく輝く 飴ひとつ買う
14
願いごと叶えず吹雪に佇みて涙の地蔵に雪はふりつむ
26
冬の夜は甘酒ミルクに和みたり良く眠れるの魔法信じつ
28
白米の 湯気に鰹節舞い踊る 鼻腔に満る醤油の香り
25
ありえない逆光で鳴る心拍が 愛とかの根拠になればいい
7
抱きあふはなくなりしこの年月を越えて息子の目はあたたかし
28
「だめな僕」という付箋を貼りすぎて心は糊でベタついている
29
守りたい、の「い」で拳を握りしめ 駄目な僕ごと未来へ放つ
18
僕たちの未来が朝を連れてくる落第点でも明日はくるよ
23
教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
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