『今日が一番若い日』と 言い聞かせ 朝をはじめる 心身整しんしんととのう
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デイサービス車見送る玄関に母の買ひたる紫陽花の鉢
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けふよりは俄を超えて応援す五タコ甘んず球史の宝
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公園に真紅の薔薇が仁王立ち脚もと見ればおびただしき棘
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ことばだけ多くてもたださびしくてさびしくなって編むシロツメクサ
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外が置く  散りばめられた  四角形  錆びていようと  一瞬を待つ
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今の世に誠意など存在しない悪人だけが狡猾に生きる
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鈍色の空の隙間に薄き青すこし広がる水たまりの道
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「じゃあね、家こっちだから」とそのひとは天文台へと歩いていった
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苦味を失った発泡酒  飲み干せるのはきっと僕だけ
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さようなら 要る物あれば 送るから 行き先言わぬ キミに向かって
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アメリカと イランのダンス 振付は パキスタンでも 何とかならん?
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戦争が 作られている 国会の 傍聴席へ 今 出来ること
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「つらい日は 悲しい曲を 聴いて泣く」 友の言葉を 思ひ返す夜
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飼育箱きみの世界でゆっくりとレタスの芯を食むかたつむり
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流れ星よ 悲しみ色の西の空 東の空では〈希望〉の待てり/『日曜日よりの使者』に敬意を表し
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カラタチの棘に刺されし傷ひとつ きみを失くせる心の真ん中
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ノー言えずガキ大将に竦みをりおろおろ見てる教室の陰 / 何処か似ている今の風
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食材が 少なくった 冷蔵庫 掃除決行 ここに誓う
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なんとなく 既に決まって いたような 朝ごはんに スフレケーキ 
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今朝はまだ鈍色の空 四月の日デイサービスに母送り出す
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春みちて街のまぶしき花に酔い庭に迷いしひなげしの君
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たんぽぽの綿毛の群れに立ち止まり犬は喜び転がり回る
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愛し人ある丘陵に 甘い蜜擦り込んで 暗き世は過ぎゆく
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しぶしぶと 残る雨見上げ 足とまる 行こか行くまいか 我が体操なり
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終日の雨に洗わる柿若葉 光沢増しをり初夏の風待ち
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いつもなら 遠くに聞こゆ鶯の 雨降る朝は声も沈みぬ 
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さえずりは 朝の音楽 ゴミ捨ての 縄張りあるのか 場所を違えて
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青々しき空の真珠よ アザミ咲く初夏待ちわびて穀雨とならむ
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怒り空雨が打ち付け風狂う木の下に立ち雷を待つ
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