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別れとて黒・黒・黒に囲まれてもう還らない君の笑顔は
21
暑くなる予感の朝や紅ツツジ 花見の風邪の癒える間もなく
17
あんなにも有名なのに絵も知らず初めて会った今日ハナミズキ
11
週末のアイロン作業は捗りぬ 「ながら曲」にはボサノバが良し
14
湖畔へと漕ぐ君越しに空仰ぐ燕群れて此処へ戻る
9
割引をさせまいとの陰謀か 一向に開かぬエネオスアプリ
8
冬物の羽毛布団を一抱え 丸め押し込むコインランドリー
17
この頃は ついぞ見かけぬ カマドウマ 何処に消えたか でもホッとする
12
昨晩の おかずがまあまあ あったから 朝からガッツリ 天丼食べたった
6
「ただいま!」と母に抱きつく一年生 登校三日目 桜満開
29
仰ぎ見る帽子
攫
(
さら
)
われ花嵐歯抜けた前歯尊しとなす
10
色眼鏡外してごらんあの人は幸せそうに笑っているよ
14
原初の火 確かに皆にあったもの 再会は直ぐ 思慮の三歩目
5
原初の火 今に灯台の比喩を為し 消えかけた君の世界を照らす
6
4・5月に 長い連休 なき時代 お祭りに行き 広場で遊び
11
私はソメイヨシノと声上げる高速道路の
雑木
(
ぞうき
)
の中で
18
春
真中
(
まなか
)
昨日の雨から顔を変え 夏日迎える静かなる朝
8
雪吹雪 山嶺音なし 冬の夕暮 独りその影 雪の足跡 振り返り
5
ナッパ服袖とおしたる若き日よスーツ姿に制服を思う
11
草原に 寝てる俺には あたたかく 進む俺には 風は冷たい
5
雪吹雪 ゆらゆら揺れる かずら橋 凍つ風おろし 枯れ木は黙し 春を待つ間に 梅香る
4
入学を祝う鶯うららかに 揃いし蕾も春こそ奏で/蕾のような新入生を祝って
17
雨後の
夜半
(
よわ
)
雲を払ひし
温風
(
ぬるかぜ
)
に当たり 星影望む ベランダ
25
蒲公英の綿毛と蜂の舞う中で割られし鏡に笑むのは
誰
(
たれ
)
か
6
雨上がり 降り注ぐ
緑
(
あお
)
わが今日に いいことあるよと そっと告げくる
16
ラジオ体操 二百回達成の 賞状は たかが一枚 されど嬉しき
14
春の雨 思う存分吸い込んで 一斉に萠え立つ樹々の歓喜よ
17
この夏に生き残るため
吾
(
あ
)
の部屋にエアコンがくる次の木曜
13
寝室の窓から眺むモミジの樹 萌黄の若葉に 雨滴光りて
23
花のふる風情を犬も知るやらん木の下に伏し花を浴びをり
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