袖から気 触れに振れ狂れ降れ雨よ この傘捨てて濡れて歩こう
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老人の昔話を受け流し、マックの値上げに思いをはせる。
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今日は、一つ、小さな嘘をついたから、まっすぐ前を見て帰ります。
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報われない努力の方が多いのだと知ったあの日から二十年経った
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この筒を覗くと世界がよく見える 長い筒抱えてどこ行こう
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鼻水や目が痒くない幸せを運動不足と引き換えの雨
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いいね欲しさで呟くやつは「彼女」を欲しがり、心に血も流れず。
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戦なき 世を願っても 逆の道 ひとの命は あなたの命
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尻の穴 舐められたいし 舐めたいだろ 俺はそうだぞ お前はどうだ
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知っている君の憎みを理解り得ぬ不器用だから世界にきれる
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卒業の朝に取り出した靴底に挟まっていた桜の花
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江ノ島でデカめの鳥に襲われて、指先までが私だったな
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不器用で 饒舌でもないけれど あなたの言葉はわたしを救う
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家族がねいっぱい世話になりましたヘルパーさんに感謝状なり
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寂しさに花を植えては毟り取る 本当は誰も口にはせずに
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正しさの答えを求めて首絞める あなたの名前 ジェーン・ドゥ
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ささやかな神様からの贈り物 糸は口から蚕のよふに
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バーテンに 夫婦と思われ リラックス 打ち合わせの夜 話弾んで
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桜咲く 春に、早いと友が言う 青い春だね 君が笑うと
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人形は早く仕舞ったはずなのに去年の今頃母に言われた
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節句の日生まれし君のまなざしは深海のヒカリ天空めざす
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返信も既読も期待してないさ余裕の態度も今日までかな
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のそのそとわらじ虫出で明後日あさっての啓蟄しらすや夫に捕わる
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こんなにも悲しくなるなら、最初から出会ってなければ……なんて思う夜
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作家との うち合わせする イヤリング 貴女の笑顔 満開になれ
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最南端 世界遺産に 魅了され 波の音聴き 心をほぐす
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さ、寒い。冬は去ったと思ったらちょっと待ったと春のドカ雪
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ワイパーは手を振りサヨナラ暗示する 霧雨の中の無言の二人
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いつ見ても 清流 せいりゅうにして三篠川みささがわ我が心にも派川はせんたま
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年度末 デスクの花瓶 桃の枝 満開願い 残業向かう
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