吐く呻きが静かに夜に溶けていくマックの袋ぶら下げる道
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すべて世は黄昏たそかれの中 おちてゆく言の葉に游ぶ音の葉に游ぶ
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幽霊になれたら部屋が汚れない それは絶対いいと思うね
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ギガバイト際どい所攻めているイメージキャラが青い猫ロボ
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君のそのポケットに入れた涙ひとつそっと見ている夜の街灯
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見ていない火事を思い出す 住めない家をストリートビューでなぞる
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文が止まり、時間が進む 夜の音は僕の上を通るらしい
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うるうると見つめる君は満ち潮で瞳のままに影を重ねて
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結ばれて いく年重ね 深くなり 孫と笑いし 君と記念日
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アスファルトの坂を登る ケルンのピアノを耳に駆け足
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十月の半ばになっても悩んでる半袖のシャツ仕舞っていいのか
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毎日のように面会に来てた人 もう来なくなり秋の訪れ
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床ずれの感覚すらも分からない この人は今何を感じる
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この薬飲みたくないと言っている いつかの自分と思い接する
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猫的な人とは反りが合いやすい犬っぽい人は序列が好きね
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自爆して消えたライトが蘇る!チャリの振動マッサージかな
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ひとときは厚みを増していた雲の薄れて夕陽が滲み出てくる
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溶け残る角砂糖こそ甘かりし夜更けてそこに灯る思い出
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階段を下りてるはずがのぼってて 出逢えちゃったね、ぼくら 空中
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スライムを 作りし孫達 我が家来て 黄色とピンク 手のひら乗せて
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一日を 大事に思い 日日並かがなべて がんばるあなたに  はなまるあげる
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赤色が似合うと言われた パーソナルカラー 当たり前じゃん、推しのメンカラ
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ダイエット 小鳥の餌と冷麦茶 プリン片手に母の笑み
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空っぽの牛乳パックが並ぶ床 なるほど「気分無調整」だね
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三度なり三度の薬飲む母に繰り返すごと願いはひとつ
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両脇にカボチャをかかえ猿走る 田舎の秋の運動会は 
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「アマゾンでこれたのむわ」と母の声 九十七はまだまだ生きる
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あれこれと些末の用事詰め込んで 一日早し七十代は
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母はの われは息子の 心配す いくつになっても 親の愛情 /「澄様」お気持ちわかります
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夏の日に届いた葉書手に一枚 返事をせずに秋は来にけり
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