とじてゆくひとつのみちをあきらめてふたたび空に前途を託す
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トトトトとリズム覚えしキミ専用の暗証番号打つ指
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タグはまだ外せてないよキミが昨日遊びの約束断ったから
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あの日から春が苦手になったまま 十年の時 長い、短い?
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ぐるぐると痛むお腹を温めて穴あけれない不幸を知った
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コロナ禍誕生日まで標準体重に戻すと決めたもう4年経つ
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やわらかな風をくれるきみ、時たまかくんとつぶやく。いいよ聞くよ。
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毎日を和ませてくれた十五年 金魚死にゆく 淋しいリビング
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生きのびた先の見慣れた青空にいつでも朝がやってくること
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世の為は自分の機嫌取る事と同義なのだと諭し続ける
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ストーブを付けては消すを繰り返し卯月尽日サクラ満開
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躑躅咲くあの寺この路地数あれど我は小庭の一木愛す
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愛してよ。52hzで歌ってる。誰か聞いてよ。助けに来てよ。
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お腹鳴り 生きてるな〜と 実感す 食べたいものを 迷える幸せ
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母の歌 トクイなリズムが 小憎らしい 「サインコサイン タ〜ンジェント♪」
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明日値上げ オリーブオイルをギリギリで 買い物メモに入れたよグッジョブ
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もういいの、私の恋は終わったの。 だからあなたの恋を聴かせて。
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苦くても貴方の想いを飲み込んだ あの日の約束忘れないから
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当たり前 ではない明日が あるのだと 分かっていても 忘れてしまう
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行き請うは 花の夜道の 濃い宴 明日の朝には ぼけたクマの目
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カーネーション 当日よりも格安と  笑顔で手渡す 無職の息子
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手のひらを重ね合わせて眠るとき私の心穏やかになる
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音楽はなにが好きなのときかれたときの最適解だけわからずにいる
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「半袖」で泣くきみに何も声がかけられず黙っているだけのぼく ※今井美樹/半袖
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ふたつぶのラピスラズリのピアスを求めこれを冬の反物とします
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みてくれを整えたとてわたしはわたしのまんま生きてそうして死ぬの
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「駅」がよく流された頃きみは何を考えてたろ 僕はあれから
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スクロール、タップで傷む指先に休暇を ご了承くださいね
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その日まで、いるわけないと思ってた。ピンクのYシャツ似合うおとこが。
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駒沢公園コマコーで遊んだら駄菓子屋へ 解散の合図はカレーの香り
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