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秋風にもの
恋
(
こほ
)
しくて闇の夜の行く先知らで
離
(
か
)
るる思ひ火
7
部屋干しのシーツが香り空気だけ模様替えして雨の日も良き
24
おさまらぬ腹の虫にぞ響きけるつくつく法師のなす音の波
5
紅の筆持つ指に止まりける
蜻蛉
(
あきづ
)
よ
跡訪
(
あとと
)
へ昔の人の
7
見る触る 作る嗅ぐ聞く 話し笑み 歩き知らねど 歌へ羽ばたく
14
ジョギングの人に抜かれどいつ日かの虹を胸灯に変えて歩まむ
13
片付けて 物を減らして 行きたいと 言い続けては 変わらぬ実家
14
茎に抱く水で猛暑を超ゆチュラカ砂漠の泉なる花が満つ
12
気まぐれに擦り寄り離れ掴めない心を我はゴーストと呼ぶ
13
何時までも話していたい友垣と時間が足りぬコスモスの町
20
暮るる帰路 星空覆ふ
雨催
(
あまもよ
)
ひ 鈴虫の
音
(
ね
)
の 止むしづけさや
19
虫の音と深夜ラジオを聞いていた十五の君は元気でいるかい?
8
夜来の雨 打たれ続けて寒々と 小枝震わす窓辺のモミジ
15
長月の雨にうたれて紫陽花は季節を忘れ朝顔泣いて
5
秋桜は秋の長雨ひと休み朝顔の花一日限り
4
癌センに透き通る人の影見えず何処にありや虚空を眺む
23
歌詠めど 浮かぶ言の葉乏しくて 創る楽しみ苦しみとなり
19
生まれ来る運命ならば鳶の身を選びたかった人間じゃなく
3
夜にくる痛みの波におびえつつ小さき波を願ふしかなく
5
夜の底が浅くなる時刻にコーヒーを甘くして飲むひとりで味わう
4
あれほどの激しき雷雨のすぎさりて「処暑」より「白露」へ季節うつろふ
5
あの人が素手でつかんだ心臓がぷるぷる震えて戸惑う夜更け
5
川沿いの カフェで雨音 聞きながら 打ち合わせする 憂鬱な午後
15
夫婦仲 改善したと 友LINE 十年越しの 笑顔の画像
16
箸ひとつ 箸ひとつとは 言ったけど レジ袋の中 絶対に見る
3
眠れないときは無理に寝ようとしない・・もう何日寝てないかな
4
君の愛に溺れたくて 夜独り闇に呑まれながら 体も瞳も濡らしちゃうの
2
多士まわる タージマハルに 多事廻り タジン鍋にて 多人迎えり
5
呼吸することを忘れて息を吸う呼吸するってむずかしい
6
初電話 「おやすみ」と吐いた君だけど つい漏らした照れバレてたよ
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