潮干狩りみやげの貝は歓声と磯の思ひ出閉じ込めており
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夏が好き。そんな言葉をあなたから聞いた途端に雪の結晶
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骸骨が踊るよ踊るよ廃屋の破れ窓から差し込む月に
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躑躅花匂う盛りを過ぎてなお人の盛りを根津にまつ神
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ゴールデンウィーク無料のいいねにも行けぬ仕事よ二度寝遅刻だ
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晴れやかに奇跡が起きて祝砲を待つ病室の妻は難病
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国民の 審判下りたと 言うけれど 裏金問題 なにも進まず
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嫌なやつ許せないやつに罰下す汚れ仕事は神さまに任せて
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庭の隅 青々芽吹くミントの葉 プチ鬱の朝 元気をもらう
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救ってよ何度でもまた救ってよ 春に聴くのは「アストライド」
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亡き父が お前が来ると 風が吹くと 云った後また 逝ってしまう夢 / おはようございます🔅
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花菖蒲ショパンの調べに雨のふる 憂い麗し紫の花
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修学の旅に行かれぬ子に友が土産持ち来る やさしさの夜
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特売日珈琲チケット二冊買ふ 知る人来ない安らぎの場所
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どうしたらいいのかわからなくっても それでも一歩 この子の一歩
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眼に見えぬ 隙を突かれて 逃げ走る 己の弱さ 見せつけられる
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僕らが愛した渋谷という街は地名残してどこか遠くへ
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女子が好むモノすべて苦手なきみが重機好きなとこスキ
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スライサーでキャベツ千切りしたら欲望がふわふわ細長く
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フィロソフィアは当初「希哲学」と訳されしが「哲学」で普遍化、「愛知」の意なり
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多重露光で重ねられたUFOをさしずめ僕のタマシイとする
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大人びたキミは8つも年下で スカした俺を子どもにかえす
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人生の伴侶 あなたが当然におはようを言う今を忘れぬ
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死んでいた僕にいのちをくれたキミ 僕のいのちはキミに捧げる
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さらさらと嘘にまみれた文章を指から紡ぐ気遣いメール
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もう5月なのか5月は怖いんだ 息を止めて通り抜けよう
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長男が入院したら最年少 たくさん出来た憧れの兄
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上手く行くと呟いて 目をつむる 君は居ないが 朝を迎える
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キッチンでおかえりと言う妻なんて茶しぶに染まる湯呑みだろうね
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今年より 来年、さらに 再来年さらいねん もっと一日いちにち はやくなるのか
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