食べたくて買ったものでも無理やりに 食べているとはどういうことだ
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医者でさえ手に負えぬ気鬱のやまひかな 春よどこかへ持ち去り給え
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おかあちゃん おきたら おみずをちょうだいな ちま猫ちゃんは ながれるおみず派
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入れ歯後は米はほとんど食ってないその間何を食ってたっけな
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恋愛のつぼみに肉を縫い付けて私は生きるそのような気がして
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吾子らみな あの日この日の 我を越え 父母ちちははとなる 感慨深さ
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なだらかな開花のような毎日に急に戻りし束の間の冬
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ほらあれだ この間のあれどうなった あああれはねと 妻とは通じ
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深みとはどういうアレで出るものか誰かこっそり教えて欲しい
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悪よのう 米買い占めて騰がり待つ 令和の越後屋お前は誰だ
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咲き誇り青空隠す桜花今だけのこといまだけのこと
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雨の日もレインコートで歩いたね ひたすら眠る老犬愛し
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米騒動みずほのくにの名も虚し 御救米おすくいまいも焼け石に水
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白鳥の鋭角 とびのスパイラル 窮理きゅうりをさとす 春の空なり
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遠足の日に 雨が降り ゆううつな気分で登校した 水曜日
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天井を見上げる視界を遮ったきみのまぶたの星々、くちづけ
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備蓄米放出しても高止まり『おむすび』よりも『あんぱん』が売れ
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退職し思うことあり何事もただひたすらに素直が大事
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寄せ書きの皆の言葉に謝しつつも残す事績に何ら悔いなし
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入社時に買った電卓四十年 役割終えて共に帰宅す
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ほこり舞う一日ついたちの昼四畳半 放り込まれた独身寮、社会(四十年前)
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平板なる日常詠むはがたしくもその有り難さ知る齢になりけり
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本当にやる気があるのかこの春は このままじゃまた夏に食われる
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あこがれは相聞歌だときづく春けふの桜も雨に打たれて
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席替えは工場にもあり置き場所が変わる納品新年度かな
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けふの愚痴受け止めきれず受け流す豆食みながら首だけうごき
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雨に散る桜のひとひら切り株にひらり舞いきて木の霊れいを慰む
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常思ふ 吾が人生の終い方 肩肘張らずたおやかであれ 
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真夜中に起きて不安に襲われる こうして一生騙し騙しだ
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思い出に画質があるなら粗くても いいから数で騙してみせて
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