樹懶 じゅらい
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すぐにジャングルになろうとする庭と格闘しています。なので、花・樹木・月などの歌が殆どです。Amazonで
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中天に上弦の月 寒い夜 半欠けの身であなたを想う
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先駆けて 水木やまゆみ赤くなり 栗は黄色に 北風の午後
27
軽快な小啄木鳥こげらのリズム 雉鳩きじばとはテノールで鳴く 「よい一日を」 ⑬完
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かしぎ 東の空はすみれ色 一夜話も そろそろしまい ⑫
25
木漏れ月 暗い地表に色を差し 一夜茸ひとよたけにも灯りが点る ⑪
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樫の木は 草地の際に その後背むこう 森に差し込む銀の月光 ⑩
27
どっしりとそびえ立つかし うろがある ふくろうんで目を光らせる ⑨
24
大丈夫 ふくろうは今日狩りをしない 自分の影に邪魔されるから ⑧
22
野ねずみは 冬の支度に忙しい 松ぼっくりや綿毛を集め ⑦
28
月冴えて 魔法の時間 草むらに水晶の露 ふくろうが鳴く ⑥
26
陽が沈み 合歓ねむ酢漿草かたばみ 葉をたたむ 森の草地の真上に月が ⑤
29
四十雀しじゅうからあいさつ交わし 尉鶲じょうびたき ぴょこりとお辞儀 「おやすみなさい」 ④
27
斜めが 森のてっぺん金に染め 松葉の香り 鳥たちの声 ③
29
聴かせてよ 月夜の森の物語 梢で眠る鳥たちのこと ②
27
悲しみも 黒いスーツも もうたくさん 柳よ柳 優しい歌を ①
27
しっとりと雨ににじんだ 街灯が 金木犀の夜を照らして
28
春の花 枯草の下 芽を出して 夏草の種豊かにこぼ
23
夕焼けに ランタナの花なおあかく あの日の空もこんなだっけか
19
友集う 涙もねじ伏せ 人生の 秋だからこそ穏やかな笑み
26
目印のけやきの大樹 その下で 背伸びして待つ 遠来の友
25
騒がしく あわただしくて懐かしい 駅の夢は、いつも哀しい
19
庭の隅 見つけたきみ花鋏はなばさみ 泥の深さに歳月想う
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薄曇り 夕焼け淡い薔薇色に 無人のやしろ あるじは雀
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やわらかく射し添う光 穏やかな溜息ためいきのよう 病葉わくらばが散る
26
雲の上 月の光に照らされて きっと一面 金銀の波
26
蜘蛛の巣に 朝露やどり輝いて 伝えたかしら? この世界が好き
24
めそめそと ぐずつく空に言い渡す 私の悲しみは私のものです
21
露天風呂 つかかってぞわり・・・ 墓地のきわ 崩れた土塀 彼岸花咲く : 野趣?が売りの宿 つぶれてませんように
19
晴れた空 金鶏草きんけいそうの茂みから ピーターラビット出てきそうな日
29
灰色の 空から落ちた黄色い実 ぎんなん丸い もうすぐ満月
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