樹懶 じゅらい
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すぐにジャングルになろうとする庭と格闘しています。なので、花・樹木・月などの歌が殆どです。Amazonで
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墓前にて 迎え提灯 火を入れて 寄り来る蝶に 母かと問うた
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眠る猫 だんだん伸びて 長くなる とけてほどけて くてくてだらん
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西空の 雲金色こんじきに あやなして シャングリラ桃源郷への 地図垣間かいま見せ
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炎暑の街は 人気ひとけなく 百日紅さるすべり 花火のように 咲いていた
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通り雨 きれいさっぱり 流し去れ ほおずき苦し つぃと吐き出す  
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庭を掘る 海の余波なごりか 殻鮑からあわび 螺鈿らでんの虹で 土塊つちくれ飾る
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狐の嫁入り てんき雨 駆け出して 化かされついで 虹さがす
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争いは 絡まりあって ほどけない つる草ならば 美しいのに
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夜市う うつつと異界 滲みあう 迷わぬように 鬼灯ほおずき買って
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オレンジの 凌霄花のうぜんかずら 絡みつく 息つまるほど 濃密な夏
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笹船に 金平糖を ひとつ乗せ 銀河に着けば 星になるかも
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花火見るたび 考える これこそが 火薬の正しい 使いみち
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その色を なんと呼ぼうか 夏の海 自慢するよな トビウオの群れ
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相談に そっぽを向いて 鼻ならし 髭をなでつけ 尻尾をなめる
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遠雷に 醒めれば驟雨 うす紅き 午睡の合歓ねむよ 火蜥蜴ひとかげの夢
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ねむの花 ねむの葉の上 ふんわりと ねむの葉の下 光ふんわり
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葉影さす 昼寝のたたみ 「びわ」と云う 響きも旨し 風吹き抜ける
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日盛りの 緑したたる 蝉しぐれ 麦藁帽子に 青いリボンを
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