鈴猫
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投稿数
601
もう少し会える気がしていたけれど 梅雨きみを好きとは言わないけれど
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「ねぇ 明日 滅亡するって ほんとかな」 口実にして かけたい電話
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言い訳を探した 梅雨前線の行方不明は予測できずに
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駅前で弾き語りしていたあの子 君じゃなかった 明日も真夏日
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あの子とは違う私の不自由さ 買い物袋の重さにも似て
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哀しさが涙にならない時だけは詠ませてほしい 成仏してね
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「ばいばい」と軽やかに飛んでみたいの だって明日の7時が怖いの
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ネモフィラの花言葉だけ覚えてる 貴方を忘れたくはないのに
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歳をとるだけじゃ大人になれなくて 過去が眩しい29の初夏
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届かない 貴方の愛は軽やかに花の名前を教えてくれた
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(柏餅、食べ損ねた)と気がついて 21時を過ぎても初夏の香りで
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今夜はね 会えない人に会いたいと叫ぶ曲だけ飛ばしたいのよ
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「悲しみ」はいつも知らない顔をして急に訪ねてくる奴なんだ
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しばらくは泣かずに生きてゆく 明日も悲しい歌を寝る前に聴く
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さよならの温度を測る まだ少し君の香りと面影がある
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新しい悲しみをまた受け止めて 泣けるくらいが幸せかもね
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物分りいい振りできぬ夜もある 溢れる涙見せつけながら
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あなたを愛した季節が終わりゆく 私だけが大人になれずに
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「さよなら」を伝える時の声色を練習したい雨音の中
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イヤホンを半分こして聴いていた曲の言葉が刺さる夜明けに
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悲しみが深い夜にしか紡げない 優しい言葉の青いきらめき
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思い出の足跡を消しゆく君の覚悟を一つ 飲み込めたなら
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悲しくて別れの歌を口ずさむ 空腹はある 野菜を刻む
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「別れはいつも突然とは言うけれど」 涙で滲む よめない未来
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ゆっくりと目覚めて丸く閉じこもる 明日には桜も散るというのに
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ため息でごまかしている 本当は駆ける電車に触れてみたいの
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指先の冷たさが寂しさに変わる 君に会えない夜を数える
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くだらない嘘なんかつけるわけないよ 君のえくぼが愛しいとかさ
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しごとだけ がんばってても つまらない ばにらあいすは かぜにきかない
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僕はもうあの日の柔い靴擦れと肩の力みを思い出せない
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