鈴猫
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あの人の痛いと怖いと悲しいを食べ尽くしたい そして消えたい
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二日では伸ばした羽もすぐ折れる 何者でもない私に帰る
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明日の朝 起きて貴方に会いにゆく 「久しぶり」だけ携えてゆく
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もくもくと夏の気配を吸い込んで雲は大きく眩しく光る
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「よそゆきの笑顔って難しいですか?」「出ていなければ もうないですね」
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明日用の笑顔と気持ち準備して布団にもぐる 夢だったらな
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夕焼けを藍が優しく飲み込んで始まる夜を分かち合いたい
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「水の色は水色ですか」と問うている 朝日を弾く水面を見ている
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沈みゆく心に色があるのなら きっと深くて深い紺色
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欲しかった優しさの代わりみたいに詰め込んで飲み込んだマシュマロ
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「どこか遠くに行きたい」が目を覚ます 色んなものが育つ 春だね
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ため息が出るなら淡い幸福しあわせになってあの子に届いてほしい
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届かない 届かなかった指先が記憶になって もう 夏になる
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さよならが上手くなりたい 本当は泣いたら腫れるまぶたが嫌い
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目覚めても 世界の色は青くって 窓の向こうも眩しいだけで
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海辺から別れの匂いだけ連れて帰ったみたい 涙が痛い
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この夏の素敵を全て閉じ込めて 飲み干したいの クリームソーダ
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そういえば 世界は続くらしい、ので 今年は海で遊びませんか
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もう少し会える気がしていたけれど 梅雨きみを好きとは言わないけれど
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「ねぇ 明日 滅亡するって ほんとかな」 口実にして かけたい電話
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言い訳を探した 梅雨前線の行方不明は予測できずに
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駅前で弾き語りしていたあの子 君じゃなかった 明日も真夏日
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あの子とは違う私の不自由さ 買い物袋の重さにも似て
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哀しさが涙にならない時だけは詠ませてほしい 成仏してね
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「ばいばい」と軽やかに飛んでみたいの だって明日の7時が怖いの
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ネモフィラの花言葉だけ覚えてる 貴方を忘れたくはないのに
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歳をとるだけじゃ大人になれなくて 過去が眩しい29の初夏
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届かない 貴方の愛は軽やかに花の名前を教えてくれた
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(柏餅、食べ損ねた)と気がついて 21時を過ぎても初夏の香りで
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今夜はね 会えない人に会いたいと叫ぶ曲だけ飛ばしたいのよ
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