紅色の モフモフ現る 晩秋が 夏日という 異常なうつつ
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死がいつもどうぞといって待っている無様な生を醒めた目で見て
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神聖な  お寺の坊主に  「アーメン」と 言うてしもたら  どうなってまうで
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時雨去り一気に注ぐ陽の光 青き椿の葉を艶めかせ
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氷雨やむ火灯し時の放水路 テールランプが赤く流れる
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タクシーのテールランプの赤色が川の流れの如くゆらめく
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ズキズキと痛む心を慰めて濁点二つ「好き」を忘れて
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吹く風は色付く木の葉舞い散らす 自然の営為 暮れて行く秋
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この思い忘れるために初めるの 抱きしめてくれない?最後の思い出
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冷え込めば冷え込むほどによく研いだ大鎌のごと光る三日月
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雪舞いし 夜半の名残りを 仕舞わしめ  春に華持て 君とまみえむ
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揺れる月 雪を踏み分け 灯し火の  夜半の太鼓は 山鹿流なり
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雪見酒 兄の羽織と 酌み交し  赤穂の塩の 涙酒かな
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さかずきに浮かぶ三日月眺めては懸けた想ひをグイと飲み干し
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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つらひとき 歌に本音を詠み 伏せり 涙を誰にも見せぬやうに
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夕日せきじつを 見ながらふいに 問うてみる わたしのみらい 霧立ち込める
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予約制来月末はいかがです?急患の意味分からない医師
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気圧かな?全部こいつのせいにするカード落とした頭の痛さも
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予約制なので他をあたってください 電話のあなた医療従事者
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沸騰を知らせるメロディー「愛の讃歌」古いくりやにピアフの調べ
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蒼穹そうきゅうを 見つめ続ける あのそらは 私を吸い込んでくれそうだから
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下手っぴに 余裕をあげる クルマ社会
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誰しもが 通る道だと 言う大人 でも子どもたちは まだ通ってへん
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脚くづし 裾の崩れに 匂ひ立ち  座るくびれが 我が目試さん
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人生の 節目に親が できること 情けないほど たかが知れてる
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赤や黄の 落ち葉を踏みて 冬になる そんな空気も 嫌いじゃなくて
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じぶんのこえ 無視して底に 流し込む 聞いてないふり いつもの日常
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夢のよな 上げ膳据え膳 夢のあと めっちゃ美味し ハンバーグつくろか
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夕暮は 心地良き風 眩しけれ  宵に嵐の 吹かぬものかは
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