まだ眠る 藤花とうか見下ろし ひこうき雲 初夏の翼を 置いて消えゆく
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手をたたき鬼さんこちら育てしがいつの間にやら鬼は先行き
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宣ひし貧しきものぞ幸はひの証を問へよ楼閣王に
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赤っ恥晒して生きる我が身には 新芽青々 心ひいら
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最低だ降りたばかりの陸橋をミニスカ追ってまた昇る俺
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花は天よりぼんぼりとして降りる地はゆうたりと微笑んでいる
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三十一みそひとに込めれぬ想い溢れすぎ山に向かって相談してる
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いつもより 幾分早く 家を出る 話せるかもと 期待を胸に
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水温み駆け足でゆく白き砂ちいさき手をひく鼓動の伝ふ/妹との思い出
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霧雨の花はしとりと散りゆきて繋ぐ手解く「さよなら」もなく
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はなやかな長い旅路で見たものは図鑑にもない黄色い魚/折句・ハナミズキ
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賞味期限の中で目一杯踊ればきっと忘れないヒカリゴケ
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きみが今やっと笑ってくれたんだ嬉しいのにさ泣いちゃったよね
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鳩羽色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に ジャスミン笑み交わす
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ちょろちょろと おれのうしろを ついてくる こねこにあげる おにぎりちぎり
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亜麻色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に その影長く ジャスミン香る 乙女去りぬ
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亜麻色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に ジャスミン笑み交わす
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言語のなき猫の仕種しぐさに 憶測をしては ナレーション入るるつま
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生足のミニスカ娘に気を取られ 狸寝入りは薄目を開けて
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「帰ったら『だれかきた』って言われた」と昭和の父の乾いた笑い
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バグってた 商品∶梱包 対比率 簡素化努めた ことを称える 
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父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
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夏物の背広を羽織ってちょうど良し 少しひいやり心地よき朝
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目覚めると 隣に君の息 足元に寝てたはずなのに 寂しかったんだね
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朝まだ早し ひんやり風に首すくめ 薄手の上着襟立て歩く
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あお冴えしえんどう豆をともに剥く母の指先ふと見つめおり
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山吹の花をかはづと惜しむらむ春の終りの井手の里人
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花散りて 桜の枝先若葉萌ゆ 季節ときは巡りて新緑の風 
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出口まで「さんぽしましょ」と看護師の白き温き手 明日へ背を押す
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報道に 節度なければ パワハラで 数多あまたあるはず いわれなき傷
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