哥らしき 哥は詠めども よき哥ぞ 年経(ふ)るなべに 詠みかたき知る
10
そよ風に髪をふわりとなびかせて足取り軽き春の坂道
12
猫族に なき醜態と 竈猫(かまどねこ) 耳目を凝らす 夫婦喧嘩に /『吾輩は猫~』
11
早く寝て 明日に備えむ ガラス戸の 亀虫消えて 夜ぞくだちける
10
山ほどの 借金による 豊かさの 揺らぎてついに 武器に手を出す /武器輸出緩和
11
帰る雁 泣きしたたり 冴ゆる空    風吹き荒び 魂透き通して 静心
3
梅の木は 緑を増して 若々し 花を落として 自由を謳歌
15
他人が思い通りに動かぬと牙を剥ける奴になど負けぬ
5
夕焼けの 陽の矢射し 水際に 引いては寄せる貝殻ひとつ 拾いてこぼれ 独り戯れ 茜空
3
皐月晴れ飛行機雲が線を引く魚も追わぬ舟が一艘
7
七十路のプレイリストに流れくる🎵 だけど僕たち若者がいる
10
無花果いちじくの木がある家で育ったらつしか地軸・・・は禁忌を冒し (平屋の庭に)
13
フレッシュな 青きのする 校庭に 自動草取りラジコンカー
7
雨男レインマンと 並んで歩く 男との 狭間に見ゆる 傘の幻
6
微睡のゴルフ疲れや 黄砂飛ぶ 春の終わりは『東京砂漠』
11
水に火に追われし人の今朝の顔 覆う手に既に苦は刻まれし
11
情熱や夢や正義や何やかや 用量用法お守りください
8
川縁は 熊にとっての 生活路 この世は檻無き動物園 (※)エゴイズム=自己中心
9
生ゴミで肥料を作り 資源収集工夫して ゴミ袋減
9
野に還る耕作放棄畑には黄色が満ちるたんぽぽ群れて
17
枕花 百合の花粉が床に落つ花瓶の水はそのままの朝
10
かっくんと顔を真上に振り上げて錠剤を飲む 父のしぐさで
15
どこかしら気持ち良き風ただよいて昼日中そぞろ歩く楽し
20
目でもむ 創作懐石 ひと皿に なんと鮮やか 初夏の彩り
18
果てしなく 続くパレード 円周率 次は何かな いかなる未来
29
悔しきは己が心にありありと描けぬ内は何の役にも
12
透明な人間だって諦めて生きてきた のに きみと目が合う
12
うしろ髪 しなやかに揺れ 振り返り  香漂い しばし佇み  あおい春帰る
5
薄墨流し 山の端かすみ 朧月 桜散る野辺に 坐して酒酌み 春を惜しみて
4
一時か 後の己の 糧なのか 便利なものは 使い方ひとつ
14