追い焚きの概念のない浴槽で冷え切るまで潜り続けてる
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相対的な世界に在るからねじれた位置の彼らともどこかでーー・ー
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誰に何に縋ったって結局は 焼け石に水 雀の涙
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弁当の用意。入浴。メールチェック。  オリオン座は嫌に鮮明
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他人ひとの記憶 その日暮れほどの明るさ
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花は散り色は褪せどもそこにをり その花の名を誰ぞ覚えん
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思ひまなこににほふ 花細しはなぐわし 皆は過ぎ行き 名は宙を舞う
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静かな海を見つけた だれもいない理由を考えれば良かった
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痩せ我慢 半年したら 太ってた 太り我慢を すれば良かった
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窓の外視界を塞ぐ雪竦み景色復活もっと消えろよ
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凶器にもなれる心をひらがなの「愛」に変えてく「飛翔」の時間
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午前7時 心を慰める 夕日   見るまで待とう 見るまで待とう
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とりあえず 顔を洗って 出直した 舐めてんのかと 怒鳴られるなう
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忙しく買い物すらも面倒でネットスーパー試みてみる
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あの日々を 奇跡と知らず 過ぎし日よ 煮込みの鍋に 詫びごとを言う
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神様に背中を向けてでも君のことを見ていたい2月某日
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立春に 3月並みの 温度あり 暦通りに 春を感じた
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全人類、不幸になあれ! さもなくば、無垢なナイフがあのこを刺すの
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全人類、幸せであれ! さもなくば、巡り巡ってあのこが死ぬの
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ほんとうの 中に冗談をひとつまみ 実はわたしも、うそつきなんだ
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春立つ日きまりのような陽射し受けごみ収集車は給油を受ける
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「先輩へ」 色紙程度じゃ足りないわ 原稿用紙を用意しなくちゃ
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煮込み鍋湯気がゆっくりわたくしを人へと戻すボディバッテリー5
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嘘つきの ぼくが願うのは ひとつだけ ただあなただけ、真実でいて
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万華鏡 桃色柄は恋の筒かさり乱れて目くるめく酔ひ
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早咲きの桜の木の枝確かめて只名ばかりの立春と知る
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四十前まつりごとは分からぬが子の明日のため分かるふりする
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「ふくはうち楽しかった」と立春の今日も豆撒く春呼ぶように /吾子三歳
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自販機のペットボトルが水筒に名前を変える午後の仕事場
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「ほんとはね」きみの気持ちを知った夜やさしい言葉がわたしを包む
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