君とゆく桜の階段抜けて空 耳そばだてて 孫はまぼろし
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法事でも 家族に会える 幸せは 格別でして ワクワク待つわれ
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戦って 憂き目に遭った 回数分 優しさ増した あったかいスープ
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さりげない友の言葉は宝物 ラーメン屋にて「いいこと言うね」
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自分から別れを告げた翌日はなぜかポテチが不味く感じる
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違和感は自分の声が1センチずれて聞こえる気づいてしまった
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柔らかく優しい君と離れるよ 温もりだけがそこにはあった
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邂逅を求めた街は何もない 近所のババアいつも小さい
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ペダルこぐ 青年ひとり 声弾む 見えぬ誰かと 繋がっている
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梅の木にミツバチの飛ぶのどけさよ雪国の春も近いでしょうか
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脳みそがないクラゲたち傷つきもしないのならばいっそ来世は
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深夜二時肩を落として灯を求む 冷蔵庫より小さき「おかえり」
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車窓より降りそそぐ陽は暖かし 春が手を差し伸べる如月
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沈丁花 不意に知らせて  春かおり 遥か居り
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雨水きて 春の入口 半歩待つ
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願いごと 一つ叶うなら 黒羊駝きみに逢いたい そんな奇跡を 絆を信じ
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両脇に 幼な子かかえる 細腕が かけるメダルは 何色だろう
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北窓のデンドロビウムに逞しき花芽みつけしふたつみつよつ
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衿を開け 雲一つない 道を行く 東の山は 少し霞みて
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まどぎわで ねこたちふたり ひっついて ひにゃたぼっこよ よいおひよりよ
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あと10点 ヤマザキ一瞬お休みし 春の三色あんぱんなど食む
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キリストは 嘲られても 驚かず 侮蔑されても 怒らなかった
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われならば腹掻っ捌き腸(はらわた)を引きずり出して投げて果てまし /『太平記』風に
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大勝利おさめた総理の演説は要所ようしょに「そうだ」のいの手も付く
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仏壇の 花を整え ふと気づく 心も同時に 整っている
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逃げ足を 早く素早く していれば 危険は回避 チャンスもドロー
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空間に 浮かぶ一つの 点だから 何も知らない 無限の宇宙
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空いた椅子 机を挟み 相対す 会いたい姿 縋る「せをはやみ」 
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キリストが 命を捨てて いなければ この世はただの 枯草の山
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勇ましい 声も大きい その人の 肩肘張りて 背中寂しき
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