胡麻和えを作りし後のすり鉢に冷や飯擦り付けひとり頬張る/調理者特権✌
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いつかって言った途端に消えていく私がほんとにやりたいことが
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ひめゆりを 生きて残りし 先生に 駆け寄る児童の 手に不発弾
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「虹でてた?」知らない仕事してたから 次出るときはリマインドして
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初期化する 工場出荷時に戻す なんてできない 生きてゆくしか
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電車満ち あふれる群れは 鳥となり 行きつく先で 自由な青へ
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今の世に未練はないが今はまだ苦しみ甘く地獄に行けぬ
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春は好き暑くもなくて寒くなくガス電気代かからないから
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産休で職場を離れる同僚に ろくな言葉もかけてやれずに
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勝たぬよう「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」を繰り返し上る石段かげ踏まぬよう
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青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
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同人誌くる前に着く依頼文いつものことと斜めに読まん
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風が無く 波紋一つを求めるは ただ行く先を 欲するが故
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普段ではすることがない激怒して喚き散らして侮辱する夢
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柔らかな柳の緑つづく先こんもり辛夷の白の際立つ
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知ってるかい悪魔が編んだ歳時記じゃ夏の季語だよ腐乱屍体が
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ISO 認証取って人殺す機械を作れと母は言ったか。
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世の中は川の流るることながら水にくだくるいわも在りけり
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痛む歯を抜き去るべきか思案するチャーハン噛まず飲み込む昼餉
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幸せに季語はないよねストーブと桜とアイス、君の「おいしい」
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木漏れ日をバケツツールで塗りつぶす 二度とこんな日が来ませんように
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「そこにいて」バスの座席の直角に 母の背丸くゆるやかなK
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隣では別れ話をする男女。泣くなよ男、がんばれ男
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陽光や真夏日告ぐるアナウンサー 氷アリマス 書き文字躍る
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エンジンの 音を響かせ テラテラと 光耀き 空を横切る
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「いかないで」玉置浩二が叫んでる。吾がパフェを食む純喫茶にて
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幸せと感じたことは遥か昔 肩で寛ぐ野生のミミズク
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左手と右手の違い ペンを持つ方と子猫の背を撫でる方
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ひよどりの鳴くも変はる山裾は誰を惜しむか藤衣着る
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幸せを頬張る口にそそられて膨らむ頬を指先でつく
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