君とならシャツのボタンの付けづらさも 知らずのまんまで居れたのに、なんて
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くだらない? 大いに結構 ありがたい 下り無き道 登り詰めよう
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言うとおり動いていたらなじられず 自分のことだけ削り落とされ
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ようやっと自分の道を取り戻す 舵取りしようと奮い立たせる
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お生憎 おいらは天下の ひねくれだ 罵るものとも 笑み突き合わす
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はらわたに焼けたハラミをブチ込んで心身満たし己を冷やす
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「いい子ねぇ」 言われ続けて 癒着した 仮面気づけば 剥がせなくなり/115首達成にちなんで
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まどろみて 名のあらばこそ よびとめむ せめて一夜の 夢で逢はばや
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またひとつひとつと刻む秒針をききながらまだ眠れない午前
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着ぶくれて 靴紐遠き 冬の朝
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雪国の厳しさ少しは知った今春の気配に浮かれもできず
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冬の暮れ 帰り道の香 街ビュッフェ
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失敗を数々刻み林檎剥く このひとときがすべて正解
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枝に刺す 落ち手袋の 蕾かな
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エリートの文字を消し去り夕闇に灯る我が家の窓こそが幸
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「いい後輩」「緑の枠線したしいともだち」それだけで 耐えられてたの、音沙汰ないね?
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街をゆく三人乗りの自転車の歌は変われど母ちゃんの歌
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西南の戦没者の碑はたからかに テニスボールに当てられてをり
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彼氏役 俺は自分を スイセンし 自惚れ強い ナルシストぶり
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コーヒーの吸い込む湯気の微粒子も君と過ごせばこその愛しさ
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今ひとつ、 気配りせよと 言う声に 己がやれよと 言うはかなわず
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調つき神社(浦和)名物うさぎの彫り物は ちょっとかわいく作り過ぎなり
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まっすぐに背筋伸ばして歩む時 わたしはわたしの王様となる
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過去形も三人称もいらないわ あなたがここにいてくれるから
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冷え込めど竹林はなお青く立ち 冬枯れのなか矜持保てり
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今はまだ偉くもないし一般のものだけど結果は藤原の性
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寒晴れや武蔵野線から見はるかす 筑波の山の二角ふたづのの峰
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豪雪に渇水などと裏腹さ さながら真冬の室内・戸外
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都心部を避けて廻るや武蔵野線 常盤木の杜 竹叢たかむらの青
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同じこと今夜も話す受話器越し 祖父はただ今二巡目生きる
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