イライラが まん延してる この街で 優しさなんて 弱者の言い訳
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久方の友より届く 「元気か」と 添へられし静止画は錦秋きんしゅう
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亡き父の 後ろ姿に そっくりと 会うたび俺の 背をさする母
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夢に立つ 父のネクタイ 髑髏どくろ柄 無常?再生? 魔よけか決意?
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上野路を包む彩葉に歩を休め 絵に向かひゆく人波を追う
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誰でもいい おんぶにだっこ して欲しい そんなヤツらの 集まりが群れ
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南国は 都会まちで疲れし 吾癒やす 果てなく続く とうきび畑 
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赤と黄の 紅葉こうよう見つめ 秋の日は 自然が作る 景色を堪能
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マルチーズ社交広場に異変あり火の付き吠える大犬涼し
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夕闇に 青紫に火柱が 炎ゆらめく牡丹焚火かな 
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朝日浴び吊るした柿は耀けりさびしき家にときめきの色
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パンドラの箱から悪霊飛び去りて 最後に残ったものは「希望」と
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あの情熱も君の思いも北風に流される夏の残り火
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きみ逝くな いまわの際で あはせ肌 くちびる噛みて ただひとり燃ゆ
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おしえてね からだに蒼い砂満ちるきみのきれいな最期を見たいの/『砂時計』
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幼さは一年長く待ち遠しい老いては一年取り付く間もない
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二日間娘は音も沙汰もない好きなおかずをラインしたのに
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ラインには既読付かずに事件では?彼と旅行だったの忘れた
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プロ野球 シーズン終わり 引退に トレード然り いつも尊い  
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絶え間なく 嬉し涙が 流れ落つ いのち強けき しずく慶ぶ
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ひかりさす 天に届けと 口づけを  嬉し涙で 芽され慶ぶ
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人に見せられない足のあとも 自分だけは抱きしめて歩けられれば良い
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風呂沈み 明日すること 考えど  あのうたのここ こうが良いかな
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黄金の穂を垂れお辞儀するススキ 田畑を山へ連れ還る使者
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道の字の書き順誤りかまわずに筆圧強く辿り着く道 
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唇が梅花のようだ いたずらに 君のウインク、心がこぼれた
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懐かしき秋の記憶よ枯れ木道 落ち葉見つけてわざと踏みつく
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頑張れと言う勇気 頑張らなくていいと言う勇気
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ぬばたまの月夜のしづく背を待つと 我立ち濡れぬ月夜のしづく/なんちゃって本歌取り
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涙ぽとり 虹がかかると 意味がない 泥々溢れて 強くなる
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