あちこちで 堂々流され 嘘くさい デジタル広告 日本大丈夫か…
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母さんをやめたい日には缶ビール一本買って星と話そう
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吐く息が白くなるのは魂が呼気に混じっているからだとか
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体温を計る7度2分である。平静な顔で実家に帰る
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一年の汚れ落とせば気も晴れて きっとこれが大掃除の意味 /完走しました
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かろうじて 新品ねこトイレ 設置して 今日の気力は 使い果たした
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年末感無いねと 呟き合いながら 寒椿咲く 道を帰るなり
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曲がり角 あの日の帰り あの人と ここで別れて 「またね」と言った
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鍵穴を 入れるのはもう この家は 最後になるな 少し切ない
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老いたるスマートフォンをのぞき見てヤフーの名前は八木山巨人
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私が好きな初音ミク AIが描いたドロドロの
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花占い 君のことを占うと 奇数の花を選んでしまう
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煩悩の鐘つく前に駆け込むは五時間待ちの田中貴金属/ネットで知りました、びっくり
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落ち込んだ 彼女のために 味噌汁を 入れられたので 今世こんせおやすみ
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青梅行き 乗ったことはないけれど、 会社ではないどこかへ連れてけ
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雨ならば 積もらないから降ってよしと 口では言うが やはり冷たい
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幾種もの野菜を刻み煮るうま煮味見の最初は雪ちゃんの里芋いも
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蛙くん井戸の桶から外界へ人の手すり抜け「さぁ冒険だ!」
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バス停のわき公孫樹イチョウ黄葉こうようは 今年見納め 今や切り株
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冬景色 白くかがやく 山々に 見慣れた里も雪化粧かな
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はじけたり 小晦こつごもりは 突然に 嬉し悲しき 孫晦まごつごもり
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いつまでも生きていないと鳩の群れ見つつ冬陽に定命思う
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ねこ用品 買い出しが先 にんげんは あとでよいのです また行くのです
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すき焼きに  ネギは入れるの  要らへんわ くだらんことを  どっちもどっち
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さいぼしを馬肉と知らず食べた今 競走馬のこと見る目変わるな
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生芋のもちもちを捨てらくせんと冷凍で煮しめの罪悪感
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混雑す 車内の空気 大荷物 目からも忙し 我は落ち着け 
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師走来る よわいまたひとつ 降り積みて 鏡に写りし 長き眉そっと
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あさっては きのふのやうな せうがつを むかへるらしき けふ、こつごもり
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中途半端な施しはまういりません指先だけが開いた手袋
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