かぶりつく大きなチキン美味しいと笑うあなたと幸福の味
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最早もう 靴とは認知 できぬほど 尖りに尖る ルブタンの鋲
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憧れの ハーマンミラーも 結局は 我には分からぬ 現代アート
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顔だけの 像横たわる 凡人の 我には分からぬ 現代アート
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痛みに色がついたらさぞ彩るでしょうね
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ジャケットの ポッケに何か 入ってる 一年越しの ホッカイロかな
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ひとなみに『元カノ』などと呼んでみる ただ懐かしき 幼馴染を/改
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民家からソナチネ聴こえ私には幸福などはそれで充分
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この世とは切れてしまうよ白々と線路伝いにすすきほの揺れ
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反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
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川辺りに 居並ぶ特級呪物あり 調べてみれば芸術作品
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ラテアートぐるぐるまぜてきみはきみを探しているんだろう 深淵
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ジハンピで コンポタひとつ買ったとて 悪くはあるまい いつも売り切れ(ただいま!😸)
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振り返ることなく静かに歩むふたり決意の別れ背中が語る夕暮れ
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さよならも告げずに遠く去る影が別の道へと音もなく散る お題・別
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日没とともに街におどりでる熱帯魚 沈むわたしを横目に/『ネオン街』
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くにぐにの いさかひあらむと おほき人 たがひにつどひ あきれむただひと
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毎日を 地層のように 積み重ね いつかは終わる 訓練試験
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クラシック 理路整然と 美しく ついていけない 気品の高さ
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ルービック キューブをいじる その手には インフルエンザ べったりかもよ
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歳とらば 生き方上手 かもしれず あきらめ上手 そうとも言える
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ふと壁を見た 12月のカレンダー そこに貼って 2年が経つらしい
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あらうれし 身は捨つれども たましひは  わが家にありて 君を忘れじ
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婆さんに 調子合せて 一仕事 爺は二人 仲は最悪
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風呂上がる 「先に入れ」と言った母は ソファーの幅で 既に眠れり
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長いこと 我慢してきた 効果かな わけもわからぬ 怒りも萎えて
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自転車を 忘れて歩く 帰り道 久しき友と 会い話すほど
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工場の スレート小屋の 反射にて 借り農園は 温室効果
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蛞蝓を 真似て落ちたシマトネリコ 潰さぬように 歩幅を変える
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地主殿 見事な紅葉 見せとくれ 金のかかった 庭に入りて
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