は募り 始発に乗りて 踏み出すは 夢の続きの 確かな一歩
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寒戻り 焦らし焦らされ待つ君に  届いた春の歓びひとしお
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仕事中癒されたくて増えてったテーブルの上アクスタずらり
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目で笑い心で暴言吐いているそんな大人にいつしかなった
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なんとなく残り二十歳と設定しさあてこれから何しようかな
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学研の付録に焦がれた鍵っ子の夢はち切れるアパートの二階
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面を脱ぎ試合のあとに配られた薬缶のカルピス薄くて美味い
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春がきたWBC大相撲 選抜楽しむ元気な老後
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窓越しの春の日差しを浴びながら背後に咲くは恋バナの花
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「あの件」と一行のみのメールには余白に語るにべもなし 恋
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畳む日を 名残惜しむや 空仰ぎ 時はいたづら 時は綾なし
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雪やこんこん あられやこんこん さっきからきみのマフラーくすぐったいな
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雨上がり気温上昇 もやの中 再び春へ一直線の朝
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ゆずりあい 言ってるヤツは ゆずらない ゆずってるとこ 見たことがない
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新選組二人の組長その眼光で新時代をどう見たのか
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食卓に ガラス細工の雛人形 ちらし寿司で 大人の雛まつり
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風は勝手にぬるくなり目の奥をよごされて歪む春の陽光
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揚げ麺に八宝菜をかけたもの 「皿うどん」とはたれが名付けし
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あちこちに 葬儀屋看板 目に留まり 死もまた日常の中にある
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忘れずにご苦労さんと呟けば迷惑メールひと休みかな
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サブスクのようだね、多分僕たちは 日々のくらしを課金にかへて
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薮睨む前髪越しに春北斗ポケットの中ぐうを握る
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幕末の鬼と風雲児酒酌み交わす そんな姿が浮かんで消える
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咲き初めし辛夷こぶしふるえる春寒に園より流るひな祭りの歌
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ひ孫見ず逝きし父の姿かたちなり 息子の背中 桃の節句に
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「思し召し 聞こし召し」 お布施は文化 新興宗教拝金主義
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広告の 桜 旅立ち おめでとう 明るき文言弥生に踊る
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格好つけ 苦きコーヒー飲み干した 十五の頃が甘く蘇へる
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志し半ばで散った志士たちの 望んだ明日が来たならば
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我歩く動かぬ車連なりて 見えた先には横転した車
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