飲みすぎて記憶がないまま勢いで『天国行き』に乗ってたようだ
8
ゾクゾクと震えるほどの高揚があると仮定し布団をかぶる
10
冬晴れにいざなわれ行くドライブは ふくふく並ぶ茶畑眺めつ /信楽まで
23
カーテンを洗えば一皮剥けたごと明るくなった年末の日よ
27
この部屋の座椅子の窪みばあちゃんが生きてた証小さな重み
28
納豆にねぎを刻んでかき混ぜてご飯にのせる朝八時半
7
タレントの 誰々似だねと 喩えるの 良くも悪くも やめときなさい
7
差した日に 重い目開けて 手元見る 未送信の 『おやすみ』ひとつ
9
CDの音色懐かし レコードのデジャブなりしか コンポを鳴らす
15
熟れ熟れの柿にクリームチーズ添え ちょっとリッチな気分のデザート
20
あなたの目の前で死んでやる あなたの記憶にいつまでも残りたいから
4
鳥はみな 味を知るのか 手つかずのまま 枝でれゆく 渋柿か
22
友達に短歌してるとは言えたけど自由律とは言えてない
10
出会えたかもしれない人や未来を飛び越えて新鮮な足は遠く軽く
4
病む腸に助成は欠かせぬ申請書 放置5ヶ月・・更新ヤバし
16
白き画布に 向えば百鬼夜行する 未知のイメージ 徐々に現る
20
歌方に読んでいただく有り難さ こんな目覚めは予想もせずに
16
残す日はふつかとなりぬ宵まぐれ 〈後期〉への道 裾払いつつ
17
それなりに 一年過ぎし 及第点 自分のリズム 悪くはないと
23
良いでしょう あがた森魚を聴いてても 実家暮らしで年を越しても
8
お前それ本当に美味しいえび・かに・くるみ食べたことないだけだよ
6
微睡に あやされ鈍る 此の身体 凍月の空 ただ触れたくて
8
いくつかの残念集め掃き掃除 捨て場所のあてあるやなしかは
18
年末を 仕事納めで 締め括り 来年もまた 良き年であれ
14
古びた学舎の割れたガラスに映る私の目にこの街の栄華は続いて
7
トランプはかつらじゃないよ 色々と苦労してるとAIが言う
6
無茶振りに応えてくれる AIは 無茶振りさえも忘れてくれる
7
痩せたよね 確認しつつ 髪あらう 今年最後の 一大行事
21
惑星の 如何なるものより 愚かしや 地球在住 種別人間
9
対座するあなたを見てるだけだけど遥かな旅路歩いてきたのよ
13