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通学の自転車の群れ見送ってはるか昔を思い出す朝
23
いつか来る別れを知らぬ顔をして みそ汁の湯気に家族は和む
36
足早に前を横切るキジ猫の耳にひとひら桜刻まれ
11
雪にさす
朝陽
(
あさひ
)
の色は 生成り色 忘却の
彼方
(
かなた
)
竹を編む人
31
何度でも思い出すから消えたって構わないとか言えないけどさ
3
今もなお
長々
(
ながなが
)
し夜に一人寝る
仮庵
(
かりほ
)
の上に雪はふりつつ
8
あー懐かし 幼き息子と 雪の原 転げ回ったり 笑い転げたり
8
終電を逃す友連れ 山茶花の散りぬ小径を
夜半
(
よわ
)
家路に就く
27
赤子皆生まれる
日時
(
とき
)
を選ぶのかならば選ぶは生きるそのもの
4
ひとり暮らし とっくに慣れた はずなのに あなたとの場所 ふと帰りたくなる
10
帰りたい施設の
義姉
(
あね
)
のこころ旅 まぼろしの地に毎日帰る
28
赤子皆生まれる日時選ぶのか人生初の選択なのか
13
わかるけど 辞めた会社の そばだから そんな理由で いい店なくす?
3
寒風の沁みるあかぎれ耐えてみよ 桜の便り今ここに届かむ
8
老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
19
早朝の コンビニ灯り 太陽の ごとく輝く 飴ひとつ買う
16
願いごと叶えず吹雪に佇みて涙の地蔵に雪はふりつむ
29
冬の夜は甘酒ミルクに和みたり良く眠れるの魔法信じつ
31
白米の 湯気に鰹節舞い踊る 鼻腔に満る醤油の香り
28
ありえない逆光で鳴る心拍が 愛とかの根拠になればいい
9
抱きあふはなくなりしこの年月を越えて息子の目はあたたかし
31
「だめな僕」という付箋を貼りすぎて心は糊でベタついている
32
守りたい、の「い」で拳を握りしめ 駄目な僕ごと未来へ放つ
21
僕たちの未来が朝を連れてくる落第点でも明日はくるよ
26
教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
28
恋よりも生活苦やら介護やら若さは強いと老いみておもう
29
老い花の恋はまことに見苦しい年老いた今恋も抱かぬ
22
歌の芽は夜に吹かれて記憶の灯ゆらり炎は歌と戯れ
27
彼女も角が取れもうそろそろ良い人と出会っても良いんじゃない
4
あなただけ! のつもりだったチョコレート その頃あなたはあのこに笑う
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