ランタンの  光に惹かれ  星流る  集まる虫の  音色ねいろ奏でり
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泥濘で転ぶ寸前手をついた 幹のカサカサ老木の年輪
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一時いっときの気の迷いでもいいじゃないおかげでわたしここで生きてる
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あの人が好きな絵を生で見た展覧会。よくわからんし、色々思い出した。
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ぼた雪の 椿枝垂れる 春の朝 雪の間に落つ くれない滲む
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冬の朝 寒梅枝垂れ 牡丹雪 独りゆく 雪の足跡 振り返り
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いにしえの醍醐の花見してみるも心の疼き癒されぬまま
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哲学の桜並木を歩む二人は言葉交わさず銀の館へ
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春寒し 香りこぼれる 枝垂れ梅 おぼろ月夜に 夜の影朧 
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あたためてようやく桜満開に二人で歩む哲学の道
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気がつけば戦争中を生きてゐて真綿で首は細くなりゆく
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濡れ残るアスファルト 傘綴づぬ帰路 雲間に覗く 上弦の月
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家一人 何もしないまま 夜になる いつも憂鬱
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ああ眠い まだ寝ていたい 5時半に おにぎり握った 私は偉い
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のどかなる 春の空にも 鋭角が ポラリスを射て 白鳥の矢よ
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人として生き恥晒すより潔く そう願うが出来ぬ恥
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年かさね連れ合い頼り並み歩く陰の長さも重なりゆけり
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梅辛夷桜山茱萸咲きますと言えば看護師楽しみと言い/訪問看護
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2注意3警戒4危険表示横目に行く雨後の早瀬は/白波立てて
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あのひとは 今頃何を する人ぞ ホーム画面に 赤丸探す
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テーブルに麦が生けらるランチ会 初にて噛みしむウクライナの味
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その武士ひとが好んで詠んだ月のうた 生きる強さと繊細なうた
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薄日射す うつむく姿清々し 野に咲きそむるカタクリの花
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一人寝る 広いベッドで 瞑想す つまんないだろな 妻亡き後は
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徒然に かの君想ひ 筆をとる 短歌に込める 言えずすきの二文字
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彼らの軌跡を辿る人達は何を考え何を思うのか
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洗濯機 まわし方さえ 知らなくて 電話越し母の 呆れ声聞く
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春の夜の 無音の中に ひとりぼち 嫌いな人さえ 恋しくなるよ
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遺骨なき二人の墓石に胸痛む 二人の絆永遠に続く
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待ちわびた 春の開花に 雨は降る 人生みたいと 言って欲しいか?
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