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ファスナーで夢をこぼさぬようにして 眠るチケット起きて時間よ
9
桜花なり 僅か十七逝きし友
存え
(
ながら
)
し身は恥の多くて
10
※ 花祭り
(
)
雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
16
口語歌と 文語の歌と 一目見て 「位相語」の如く 違う語彙の差
14
「見せ消ち」を 読むは楽しも 定家書写 御物本なる 『更級日記』 /影印本
10
白妙の 懐紙に赤き 跡とどめ 唇を押す 指を反らせて
12
さみどりの 紡錘形の 莢の内 黒き実放つ 天竺の香(こう) /カルダモン原産地天竺
11
弁当と天国行きのチケットを鞄に詰める午前四時半
10
東京に負けた気がした帰り道何に負けたかわからないけど
12
「五分間」閉じ込めようか永遠にそう願うのは僕だけだった
14
深層の 心の傷を さぐるよに 鈴の余韻は 永くふるえて
28
夏来たる ぐんぐん伸びる たけのこや 季節彩る たけのこご飯 母の味 ほくほく匂い 笑み溢れ
6
一夜明け 明るい陽射し 降り注ぐ 雲ひとつない
灌仏
(
かんぶつ
)
会
(
え
)
の日
24
2
時間余の眠りにて飛んでイスタンブール目覚めれば晴天あさひ眩し
12
雨間
(
あまあゐ
)
の車道をば 通過す車 散りぬ
桜花
(
おうか
)
を 振り払はぬまま
29
新しき出会い求めて 目の前の扉開け 君は今飛び立たん /入学式の孫へ
15
まんじゅうがこわいギッシリ餡つつみ賞味期限がやたらと長い
11
クレームを言わない親が割を食う春の嵐が吹くクラス替え
15
後ろ髪 引かるる思ひ 花吹雪 田舎の町を 桜色に染む
7
卯月せば 冷たい朝に 遠々し 入学の日の 娘を
懐
(
おも
)
う
8
昼下がり幼稚園児の足音に揺れて応えるチューリップの赤
13
サイゼリヤ鶏のステーキ消え去りて残り香舞いちる花時の昼
29
宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
25
冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし
季節
(
とき
)
よ桜咲くなり
25
術もなくニュース見つめる白鳩の口に咥へし反戦ポスター
33
氷雨ふる年度初めの出勤の間際にあたふた手袋さがす
7
月ぞ知る 君待つ宵の儚さと僅かな逢瀬の愛おしきかな
20
黙々と釣り糸垂れる夫の傍で はしゃぐ吾子たち 過ぎし日の光景 /回顧
16
得意げに 釣った小アジを
捌
(
さば
)
く夫 台所になぞ 立つこと無いのに /回顧
18
岸壁の釣り人たちに 在りし日の夫重ねる 潮風うけつつ
21
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