ついてきた嘘の数だけ林檎の木 僕の庭にはしずかに育つ
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気がつけば夕闇迫る繁華街 春風の気配今宵いざなう
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さらさらと新緑ゆらす初夏の風ちょっとひんやり春の名残か
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鏡面の如き水張田みはりだきらきらと夕陽いだきつ田植えを待てり
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薔薇詩ふ拓次に酔ひて瞼裏の 薔薇追ふ微睡み薔薇の季節に
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藤棚の ライトアップを 見つめつつ ホテルラウンジ 打合せ前 
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有用か その一点で 仕分けされ マッハ走行 ブレーキ欠いて
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風薫る 老犬抱へ 遊歩道 ふわり揺蕩たゆとふ 小手毬の白
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炊きたての白きお米の香ばしく 今宵も犬と飯を食ふらむ ※犬にはきちんと犬専用に用意した食事を与えています。
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喜寿ハピバ 思いっきりのサプライズ 生ある幸をかみしめし日よ
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五年経て 我が魂は 静けしや 憂い哀しみ 淋しさに堪え 海に誘われ 波と戯れ 影長くして 家路へたどるは
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涼やかな宵風よいかぜ受けて ひとつふたつ 星を数えつ ゆるりと家路へ
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家々に明かり灯りて夕餉ゆうげの香 漂う安らぎ 週末の宵
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生きていく意味を誰かに挿してほしい花瓶と僕に落陽が差す
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壁に当て 帰るボールを 捕って投げ よく見た景色 子どもの頃は
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鶯は 我が身の二倍も あるひなの 口にえさ入れ 我が子と疑わず
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沢山の パンジー並ぶ ドアの前 五人家族の 幸せ見えて 「すいません詠み直しました」
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歓声と悲鳴が同時に起こる我が家の阪神広島戦
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金色に ひこうき雲の 筋伸びて 一直線に 空を横切る
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悪いのは僕でいいからこの春を「ごめんね」という鍵で閉めきる
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満開になれば終わってしまうから六分のままで僕を待ってて
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流れてる プールの水は 絶えずして 元の水にあらず とは言えない
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今年初ラジオは夏日告ぐるなり それもよかろう冷奴食む
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僕がそこにいないなら 不幸せでいてね
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夏日来て漆黒の慈鳥庭に待つ凍った竹輪を土産に渡す
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鮮やかに 路彩りしツツジの群 寂しく朽ち落ち花殻となりぬ
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春風に撫ぜられ 空き地にて揺るる オレンジ色の ナガミヒナゲシ/ポピーの仲間
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憂鬱も紅茶に溶かし浮かべれば満ちる夕陽の色に染まらむ
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孫子らに癒されし日のありがたき 老いに疲れし日々のまた良き
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葉脈の裏ほど凛と清しけれ 背を貫くや 言の葉の裏
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