鳩羽色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に ジャスミン笑み交わす
7
ちょろちょろと おれのうしろを ついてくる こねこにあげる おにぎりちぎり
7
亜麻色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に その影長く ジャスミン香る 乙女去りぬ
4
亜麻色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に ジャスミン笑み交わす
4
言語のなき猫の仕種しぐさに 憶測をしては ナレーション入るるつま
21
生足のミニスカ娘に気を取られ 狸寝入りは薄目を開けて
17
「帰ったら『だれかきた』って言われた」と昭和の父の乾いた笑い
9
バグってた 商品∶梱包 対比率 簡素化努めた ことを称える 
7
父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
20
夏物の背広を羽織ってちょうど良し 少しひいやり心地よき朝
18
目覚めると 隣に君の息 足元に寝てたはずなのに 寂しかったんだね
18
朝まだ早し ひんやり風に首すくめ 薄手の上着襟立て歩く
16
あお冴えしえんどう豆をともに剥く母の指先ふと見つめおり
28
山吹の花をかはづと惜しむらむ春の終りの井手の里人
18
花散りて 桜の枝先若葉萌ゆ 季節ときは巡りて新緑の風 
18
出口まで「さんぽしましょ」と看護師の白き温き手 明日へ背を押す
29
報道に 節度なければ パワハラで 数多あまたあるはず いわれなき傷
11
夕焼けの 陽の矢射し  引いては寄せる 貝殻ひとつ 拾いてこぼれ 秋の夕暮れ
4
日の出前 空気の揺れと 鳥の声 住宅街は 気配に満ちて
17
最初から わたしのことを 狙ってた? 「確信犯」じゃん いや「愉快犯」
4
寝る前に 話したことを 振り返り ウケたところを 反芻して寝る
5
かんがえる なぜにんげんは かんがえる にんげんだけが なぜかんがえる
4
ポケットに賢治の詩集お守りに深夜は道の真ん中歩く
11
モノクロの 古き乙女の 写真から 初恋乗せた 荷馬車近づく
6
不慣れにて処置オーダーの入力を女孫めまごのやうなナースに教はる
6
心まで見詰め返して来るギリア愛する人に思い届けて
22
稀なりや心に燃ゆる蜃気楼やおら夢世にわが身いざなひ
21
今日くらい早めに眠れ、と愛犬の 気遣い受けて布団に入る /介助のために昨晩徹夜
21
カスミソウ優しく包み彩りの華々映ゆる春の晴れの日
32
初恋の寂しさ耐えて一日で萌えるカタクリ長き旅路へ
28