いつからか そばにいたって 別々べつべつの やること違えど 気持きもちは此処ここに【折句:磯部焼き】
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還暦を過ぎれば時間ときは滝のごと流れ落ち行く悩む間もなく
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時は流れ止まったままの心など非情なまでに置き去りにする
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夜が明けぬ 空に輝く 月と星 独り占めする 贅沢のようで
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眠くなる 凍える度に 痛む傷 「アンタはここで ふゆと死ぬのよ」
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雲行きと 干したお散歩着 見比べぬ 鍋の支度は だいたい完了(寒いですねー)
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子と孫は推しのライブに東京へ 吾は独り居の孫の顔見に
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日は差せど冷たき風の吹く朝は木々ざわめきて木の葉舞いくる
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みみっちくチマチマ節約した金で余計な物をアッサリ買ってる
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満たされぬ心インナーチャイルドが悲鳴あげている そして爆買い爆食またも
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一定の周期でやつてくるポケモンブームにふりまわされクリスマス
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朝君の泣き声聞けばもやもやとそれでも一歩下がり見守る
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ズボラ飯 近い将来 スプーンも 使わずカレーを 喉に流し込む
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ズボラ飯 レトルトカレーを 袋から スプーンで掬い 皿使用せず
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時はたち 街も変わりし この森も 変わらぬ物は なき心かな
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寄り添いて 思い駆けたる 我が心 一人行くより 共に生きん
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星空の 消えて紅 朝焼けに 想い馳せるは 変わりゆく日へ
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遊び場も 今となっては アスファルト 形変われど 友の面影
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移ろって 橙満ちる この帰路も 北風吹けば 影も細くて
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照君の 白腕チラリ 覗き見る 染まる耳見て 茜を聲へ
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ハーブティー シュガー溶かして 木の影絵 レモンも溶けて 今日は手を振る
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人生のピークは袖をちょびっと掴まれたときでした
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ふたりきり歩く時だけ足先が四分の三拍子を刻む
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恋愛について話す友人の言葉訳せぬ われ、土星人
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左手首 ちょっと痩せたと つと触れる ベーグルくらい たべてもいいよね
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月からの使者に怯えて待つように窓から雪が積もるのを見る
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冷へ込みぬ朝 待機す乗客らを見送る如 ホームドアに寒鴉かんあ
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明日には会えると思へば 旧友の揺れる面影 五十年目
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アレクサてふ友寄り添いて レコード盤なき二時間の ポール・モーリア
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北風の冬の朝には日が澄んで歌の言葉をほどいてくれる
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