問ひし間にこぼるる想ひ一文字を書き留めてまし今日の夕暮れ
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デパートの香水売り場通り過ぎ甘き苦しの思い出が舞う
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花満ちて 光を連れて 卯月立つ
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「よかった」と 「よかったね」との 微妙な差 「ね」に言われるの 他人事ひとごとと/偏った感性です、悪しからず
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オイルとは地球に流れる血液だ人はドラキュラ生き血を啜り
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星はみな消えてしまうと知りながらそれでもオリオンになると母は
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「すげー好きなんです!マジで!ヤバいんです!」全部飲み込み、会釈を交わす。
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たづねきて胸に芽吹きし一枝ひとえだを 春の夕焼ゆふやけ そっと染めゆく
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想い出は儚く散りぬ花吹雪 青葉が照らす反対車線
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ご貴殿を パスタ担当 大臣に 任命します 任期無期限
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差し出すを躊躇われるはボロボロの エコバッグ見て「お入れしますか?」
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言の葉は霞の向かふに隠るとも 同じ夕映ゆふばえ心に留めむ
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薄れてく 君との記憶 あの春の 朝の片隅 ずれゆくばかり
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枝垂れ梅 香こぼれる 春月夜 酒酌み交わし 花の宴  
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ドンドコドン 父の部屋からビートが漏れる 絶対寝落ちだ 彼は白寿
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バッグ抱えデイの窓辺貼り付く義母に くるり背を向け気づかぬ振りを
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「そのままでいいと思うよ」そうやって僕じゃないほう選ぶんですね
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セピア色の異人館での思い出は「写ルンです」のフィルムの中に
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今世では私じゃ届かぬ幸せをあなたが掴みとること祈って
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今はただ詠めぬ想ひを胸に問ひ 言の葉たづぬ春の夕焼け
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甘きもの心欲するままに食み翌朝の面凹面鏡か
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店先に早も飛び交ふつばくらめ 去年こぞのお宿の手入れせわしや
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せせらぎの 葦の葉戦ぐ 夏終わる   暮れなずみ 秋風立ちて から涙 
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白鷺は 羽だけ持ちて 生き抜きぬ 軽やかなるや 空を優雅に
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新生活 心と身体からだが 揺れる時  どうかいたわり 過ぎて下さい  
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公園のニ樹の桜は咲きほこり毎日花見心潤う/二階の窓から見える
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淡い地に野の花そよぐ紋様の羽織ながれる春のそよ風
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1Kの狭い部屋には収まらぬ強い物欲われを支配す
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欲しいもの挙げ連ねたら切りがなし 人の欲とはおそろしきかな
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ゆっくりを瞬きをして慰めてくれるか照明店の黒猫
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