眼裏まなうらに浮かぶ何かに呼びかける帰ること無い返事を待って
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施設での義姉あねの暮らしも一年にスマホの画像に「私じゃない」と
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ゆっくりと 二十数えて 温まる 気づけば二十 超えて幾年
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パソコンの天寿を確認せしあとのハードディスクとメモリは形見
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ぱらぱらと雫は頬に傘以外のものならぜんぶ持っているのに
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後輩に 可愛いだけじゃ ダメですと 言われたけれど 我可愛いの?
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じゃんけんぽん あっち向いてホイ じゃんけんぽん あっち向いてホイ はい僕の勝ち
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来年は 手作りチョコに するからね そんなことより そばにいてよね
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丸まった背 いっぱいに陽を浴び まどろむ君 束の間の春 明日は春寒
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梅の香をマスクをさげて深く吸う 鼻炎の吾に油断をさせる
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今もなお時を刻めり腕時計 手にとる朝に早春の風
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考えず生きることだけ教えられその日が来たら切り捨てられる
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弟は確かな手つきで淀みなく描く弟みたいな図形を
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枝垂れ梅のトンネル抜けて吹く風は戻りし寒さと芳香乗せて /梅林にて
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日常はデジャヴをループ時間の輪 鍵は誰かの輪のなか周り
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右利きで黒髪ショートでかわいくて 愛想振り撒く君が怖い / まんじゅうこわい
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今日の蒼瞳羊駝きみ ご機嫌斜め 目も合わず 触れ合い出来ず 虚しく帰る
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白鷺が 凛々しく立ちて 月曜を 労うように 明るく照らし 
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ゴッホ展に娘も誘い予約する たのしみを待つことの幸せ
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細月ほそつきのやみ夜にもがく人を見て 病まず我がじく持とうと想う
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消していく過去も記憶も思い出も すべて初めて赤ちゃんセンサー
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ふとふ 二文字ふたもじの中に 綺羅星きらぼしと 風と泉と 夜櫻よざくら
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東大卒すごい人だと休む俺いつかは俺もと戦う息子
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会議漬け ランチを食べる 時間なく 隙間時間に 食すトースト
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五時間目船漕ぐ君の肩つつく 期間限定僕の特権
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よる独りたわむれ歌を書きおけばそでのうちよりかすむ妻
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退社後のバス停 濡れたアスファルト ベンチのしずく 通り雨の跡
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酒片手にネイルケアーのリール見て時を弄する幸せが在る
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後悔先に立たずとか。今になり知る君の救難信号。
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暮れ急ぐ空のひかりを惜しみつつ 鴨と並びて影を重ねむ
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