とんがらし油まみれの支那人に 魚の味など分かるものかは
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中国の観光客が減るのなら むしろ良かった旅も愉しや
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喫茶店 落ち葉降り落つ窓外そうがいを 見をれば冷めし舌焼くコーヒー
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庭園の 水面を泳ぐ水鳥の 広がる波紋初冬知らせをり 
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室生寺の風に包まれつつましく尼寺ゆえの温き強さよ
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愚痴の根の深きに伸びる裏庭の日陰の草と馴染む秋の日
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寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
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母船出えっさほいさと小舟旅いつかなれるか自由な帆舟
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野蛮さのなにゆえ消えぬ焦りこそ恫喝哀れ崩れゆく国
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散り散りの蛍を星夜に詠ったらアニメに被り没となりけり
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眠ることが怖くて薬を飲めなくてYouTubeをただぼんやり見てる
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「早いね」と話しかけると「早いね」と答える人のいる温かさ
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AIに解釈させるのイチ押しです理解は深いし被り防止で (楽曲の歌詞と被るパターンも)
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『私はね健康診断だと思う』認知症だと告げられる前は
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冷ややかに主治医の口から流れ出る『脳血管性認知症』
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幸せはきっと心を奪うから詠うだけなら一人がいいね
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誰しもが 古傷痛む 夜もある 朝は来るから 今はおやすみ
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ポッカレモン 胡椒をたっぷり 振りまして レモンだれにて 餃子召しませ
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影姿、門出を聞きて去り人の思ひ出せずにゆるる消えゆく
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大昔死んだ魚が燃やされてあなたの家のランプを灯す
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手に取った名も知れぬキャラのキーホルダー なんとなく君に似てる気がして
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仕事終え 帰りの車中 想い出す 貴女の笑顔 疲れも消える
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思うのも思われるのも塞ぎたく 己に夢中になるもできない
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雨あがり 空に浮かんだ 三日月が こちらを見つめ 明日へいざなう
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この時間人の体を使ってはものを食ってる奴が憑いてる
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医師免許の画像ファイルを添付せし履歴書の日付をまた更新す
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カーテンのすき間からいけしゃあしゃあと 差し込む西日とまどろむ私
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グラコロはコロコロコロっと転がって、冬が来たぞと知らせてくれる。
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暗闇のオフィスに光るパソコンでご褒美ポチって今日を終えるの
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こっちがいい あっちもいいねと 他愛なく 語って目覚めた もういないのに
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