それでいい言うこと特に何もない二十歳の僕に伝える言葉
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風禿かぜかむろけふは雪夜を触れけど まろきたもとに匂ふ梅の
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神様の匂いの残るお布団を頂いているお雑煮にして
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大切な 君が生まれた 今日の日は 私の心 暖かくする
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寒風に 軒につるされ 大根の 揺れる動きが 癒しを誘う
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羽たちがみんな巣立っていきましてペラペラになるダウンジャケット
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ベランダで見上げる空は空だけはいちばんだから四十五年
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風が吹くバケツごみ箱けとばして私はこたつ一日炬燵
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情熱パッションは人並み以上と自負してる ごめんあそばせ丙午ひのえうまなの
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小寒の雨に庭木もとまどふや梢の雪やすべりおちける
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駆け込めど 片手にスマホ 残る手で 用足せますか 駅中トイレ
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俺の番人生ゲームサイコロを 振るようにして今日を引き受け
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子や婿の仕事始めに残された 我に今日から初場所来たり
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冷へし肌 包み温もる 露天風呂 夜空へ昇る 白き湯けむり
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夏、アイス 冬、缶しるこ ねだられる 娘と散歩 1歩進んで2歩下がる
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のど飴の個別包装剥けなくて咳こだまする映画館 闇
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刻々とつぎつぎ倒れ消されてく新たに駆け継ぐ命に託し
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白みゆく凍てる道行く車にはあからむ富士のあしたが乗りぬ
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連想を引き出す呪文 短歌の葉 頭に乗せて狸は詠ひ
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明らかの「ら」を抜き生まれた「あか」は和語 「赤」は「人 ×かけ 火」から生まれて
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オールディーズ聴かばはかど夕支度 湯気に隠るるバブルの昔日
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愚作でも 一日一首続ければ いつか秀作出ると信じ
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虚無僧こむそうは尺八吹いて托鉢す芸は祈りで修行の成果
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美しい 国にっぽんと いうけれど このまちのひと こころうるはし
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なんとなく 口にするのが 哀しくて さよならじゃなく バイバイと言う
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屍の周りに花を添える手の数だけきっと愛されていた
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バイソンの群れ荒れ狂う只中でその一頭と眼が合う刹那
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目の前に 行きたいビルが 見えるのに スマホのナビは 右へ1km
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逃げてゆく先々ですら生活は途切れず続く 寝息の陰で
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ただいまー おかえりーって 俺ひとり いただきますって ごちそうさまって
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