元彼と 別れたワケを 訊く俺に タネも仕掛けも ございませんと
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朝の縁 答えに触れぬ 問いばかり それでも重さ わずか移ろう
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面接本番 五体不満足 身に着けた 我見て笑う 五体満足
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水を掛け合った訳でもないけれど 海が濡らした 我が左袖
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郵便受け 手紙があるかドキドキする気持ちを僕等 忘れちゃった
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貴方といる 「美しさ」を『当たり前』にする度、そっと花が散る
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フランスの街の音も打つデ・ヴィルを貴女の右の手首へ捧ぐ
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二時の列「クジラ」のあとの「ラーメン」で決着つきて煮干しも薫る
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入り組んだ策略無しに僕はただ愛しき月を君と見たくて
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麺すする音にオーイと叫びまた食べるとハヒーと笑うインコ・ナナ
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新学期 友との会話 ふと香る ホワイトムスク 白いシャツ
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かぜ薬 カバンの中に ぶちまけた ひっくり返し くしゃみをひとつ
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明日来たる兄の寝床へ花冷えの深き夜しのぐ羽毛広げる
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マイナスの過去を改め明日の灯へ歩み重ねよ我は借り物
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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友に雪 乗せた墓へと菓子供え 幸の幻夢へ 文太郎 逝く 「孤高の人へ」
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蛍光灯光るプールで歌って踊りましょう誰かがくる前に
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見納めに城の桜を縁どりとシャッター押せる君の指先
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左右からライトの当たるキッチンに晒す吾の抱く影のさまざま
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この傷の痛みもこころと 同じよに 過ぎゆく時間が癒してくれる
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先を行く きみの腰に揺れる水筒 共に歩きし あの日の野辺に花
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うっかりと 寝過ごし着いた 終点で 時刻表見て ポカリひとくち
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水玉の間を指でなぞってく 水玉に触れたら地獄行き
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昨晩のぶんまで見よという月か今宵十六夜煌々として
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「週末が待ちどおしい」といふ感覚が何年ぶりかで蘇りけり
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濃い灰の雲の下行く鷺の白まっすぐに飛ぶ羽ばたかず飛ぶ
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この前は 更地だったと 思ったら あっという間に 家が立つ、はや
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春吹雪 桜もろとも あの人へ およばまほしき 我が想ひ
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キッチンのセンターライトに照らされて父の栄誉へ酒を汲む小夜
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夢の中 ぐらい良い夢 見たいもの ピンチ連発 寝ていられない
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