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母親に
抱
(
いだ
)
かれし子に
抱
(
いだ
)
かるる ぬいぐるみの丸い顔揺るる
25
人生で最後の春休みが終わり春の重みを背負うリュックだ、
24
風に靡く 洗いざらしの 洗濯物 負けじと白さ
競
(
せ
)
った雲一つ
6
暖をとる猫の重みの懐かしく 膝は空いてる 桜散る頃
18
サクとろのオムレツサンド食べてはふっ美味いと笑う君の愛しさ
23
殺してやるゼッタイにという落書きだけ錆びていないガード下公衆トイレ
5
ルビーレッドキウイの季節がやってきた 紅く紅く紅く あまき果実よ
20
真夜中に イタズラ叱った 次の朝 より念入りに ねこを撫でよう
26
またひとつ着ている服を薄くする桜青空六月の陽気
20
本当の春はここからと 葉桜をきっかけとする
緑
(
あおき
)
季節よ
7
この春は花より蕊のこころして落ちゆく
汀
(
みぎわ
)
水面の揺れて
12
街角でちらほらみえるポスターの 前職の笑顔やけに薄くて
5
バス停で待つ人に少し
笑
(
え
)
み残し 駅まで歩く1.8キロ
9
「高校生のうちに人生楽しみな」そんなこと言う人にならない
11
春の陽にはしゃぎ過ぎたような花びらが 開きし庭の赤いチューリップ
7
思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ
来
(
く
)
春の夜の月
9
ハムエッグ久々に食うハムエッグ気持ちいいほど
薄
(
うっす
)
いハムだ
21
腰掛けてふたりの手と手が出会うとき それは花びらのかたちをしていて
6
つがい鳩 仲睦まじく 微笑まし 南風吹くや 日温まりて 北帰りゆく
6
春風になれたとしたらこの声は あたしのこの手は届くのだろうか
5
日溜まりの テラスに留まる つがい鳩 その後ろ影 光り射す
9
早桜美しく咲き散るさまに 貴方を重ねてしまうのはなぜ
4
大好きな君の先生別園へ別れと出会い四度目の春
15
一人欠け一匹欠けてモザイクの 器に飾る四季の果物
10
黒き羽ゴミを見張って塀の上 話しかければ春の友達
18
ブロッコリーに おかかを混ぜて つゆをかけ 春の味する 朝の食卓
27
「おはよう」といつもの場所で言えたなら いつもの朝が始まるはずなのに
7
春の上飛行機雲と電線があやとりをなし蒼空ほぐす
10
うしろ髪 しなやかに揺れ 移り香漂い 艶めいて 君の影去り 春惜しむ
5
春の宵 霞かかりて 朧月 白陽射し 白一色 桜舞い散りて 水なき空に 白波ぞ立つ
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