上の部屋伝わるヒップホップ騒音で揺れる身体は下の部屋にも
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近眼が  老眼なれば  チャラされて 元の視力に  戻ればええのに
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西向きの窓に夕陽が落ちる頃、母のラパンが駐車する音
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赤と黄のポール路端に立ち並び 冬が来るよと指し示してる
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冬の日の景色と思い重なりてあと幾度かの紅葉散りゆく
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ラーメン屋 開店を待ち まだ眠い 午前3時に 列を成す人々     
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ひさびさに ずつき頭突きでおこされ かんどう感動よ 白いティラミス スプーンどこだ
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車には車幅の神様が乗ってて 「多分大丈夫」を叶えてくれる
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長野には風が吹いている千曲川を 流れるように風が吹いている @長野短歌
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冬寒夜 歯ブラシ一つの ワンルーム 銀の星と見ゆ 頬から落つ
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適当に運動会をやり過ごし代休こそがイベントだった
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飛んでいった貴方は願いを込めてとんだのか 夢も見れずにとんだのか
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巨大なる駅ターミナル冷える陽に老若男女分断される
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君が描く 仲間はずれのない話 見つけて渡す 黒のクレヨン
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くるくると回る落葉で気付くんだ風ってこんな姿なんだね
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我こそは 語られなかった物語 現れなかった 約束の人
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前足を「ワンちゃんの手」と云うあの子オトコの前だけ・・・そういうオンナ
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冷雨れいう止み 冷へ込みぬ朝 雪富士の さやかなる 冬隣ふゆどなりの丘上
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あのひとの 子を可愛がり 恨めしく  思うわが身の はしたなきかな
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くちもとに かかる火の粉を はらわいで  熱さのあじと 匂い眺めん 
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ふれてなお 燃える火の粉に 踊らされ  わが身の氷室 溶かし開かん
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何かしら 信ずることが あるらしい 人はそういう 存在らしい
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ただ生きて 死んでゆくのは 辛いもの 人間だから 納得いかぬ
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人生は 一人一人が 自らの 改善努め 聖くなる為
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キリストが 貧しい人に 教えたと 書いたらなぜか 訂正された
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健全で 幸福そうな 人を見て いじける気持ち なんだかわかる
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人々に 愛を伝える ことさえも 今じゃ犯罪 病気扱い
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真剣で 細かいことに 気を取られ 楽しみもなく 喜びもなく
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アレルギー 抑制剤が よく効いて 洟は止まるし えらい眠いわ
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忘れられ朽ち果てたのは理想郷手前の汚い街を守って
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