赤や黄の 落ち葉を踏みて 冬になる そんな空気も 嫌いじゃなくて
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じぶんのこえ 無視して底に 流し込む 聞いてないふり いつもの日常
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夢のよな 上げ膳据え膳 夢のあと めっちゃ美味し ハンバーグつくろか
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夕暮は 心地良き風 眩しけれ  宵に嵐の 吹かぬものかは
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一年の最後の月が近づいて心弾んだ昔懐かし
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受験まで 残りの日数 数えるも 時は戻らぬ 後悔なしに
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雨あがり 朱の混ざる灰 雲の端は  淡い緋走り 風はかがやき
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高笑い イヤホンケースの長男坊 暗くて狭くて怖かったけど
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ねむそうに ゆれてるねこを なでながら シリアルバーなど かじる夕暮れ
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少しだけ時間が経って手をふいにどけたらそれが最後になった
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過ぎ去れば  街も文化も  ほつれ寂び  それもいいねと  秋の夕暮れ
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何年も 憧れていた 眼内コンタクトアイシーエル 形状合わず 数分で散る
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晩秋の雨音きこゆ部屋にいて暖房付けてアイス舐めてる
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ただ生きた女を見なしたファムファタル 美しいわらの社会は回る
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置き配の荷物のように待つわたし きみの心の扉は閉じて
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母のもつ手提げ手に取り歩みゆく 振り返り見ゆ ちひさきたましひ
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露置きて 紅葉うつくし 雨上がり 南天の実の きらきらひかる
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足並みを揃えられなくなっちゃった私は今日もワルツを踊る
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かさぶたを剥がすみたいに思い出す江ノ島の海SHIROの香水
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「秘密だよ」好物を手に子に言うと、訳も知らずににっこり笑う
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駅前で 小さく足踏み してたキミ 俺のほっぺに 冷えた手をあて
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あかむ街路樹 眺むバス通り 通勤がてら 深秋しんしゅう感ず
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まどろみの夜ほころびゆく午前四時そっと犬と歩みゆくかな
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休日の 灰色空と ため息に 生姜はちみつ あたたか琥珀
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休み明け 待合室に 人多く インフルエンザ 猛威を振るう
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がんばって幸せなんだと感じた。新しい病名の書類と。
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躁鬱の自分といつか和解して、送りたいのは薄桃の薔薇
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花白く 展示の卓に 秋気吸い て鶴のごと 寒蘭立てり
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紅葉の袋田の滝ちょろちょろ流るここも水不足
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ありがとう今日も元気でいてくれて いびきも元気眠れませんよ
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