美しい桜の下の人たちが汚いゴミをまわりに捨てる
7
君の行くところ 全部僕を道連れにしていって
3
「ごめんね」がコーラの泡に溶けなくて我が子の背中を追う帰り道
21
断ち切れず しまい込んでた過去への想い 衣類と一緒にスパッと断捨離
15
釣り人が チラホラ居てる 海岸で 見つけたのは あの日の欠片
10
君の詩を辞書に選んだあの夏にきっと私の恋が芽生えた
9
何にでもなれるし何でもある国でひとりの不在に錨を下ろす
10
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
13
安寧に 障りあること 隠す国 閉ざされたまま パンドラの箱
16
そのむかし自分で書いた天気図の線がむちゃくちゃ蛇行している
12
石投げて波紋。小石投げて波紋。伸びた影までズックで石けり
11
春の日のBL営業百合営業レターパックでいかなご送れ
5
高架下 電車の音に 掻き消され 送信取り消し 下書きのまま
10
雑草を抜く手に落ちる風の粒全身に落ち三途の川へ
6
海産を求め半刻ドライブし柳の芽吹き早緑みとむ
22
こたつ布団丸洗いして陽に晒す隣家の桜をめでつつ揺れる
21
あの日 着信履歴を 消去した ゆびさきでまた あなたにかける
6
のど自慢観てると日曜終わっちゃう後ろめたさと諦めの午後
13
掃除機の音にも屈せず 近づきぬ そろり 我が足元に愛猫
24
やわらかい皮と肉とにくるまれてそれでも軋む強情な骨
5
見回すが子供は見えずシャボン玉一つ現れて空へ昇った
15
初夏に聴く風の音色は水紋の泉に透けてそよぐゆらめき
12
ツツジ咲き藤棚香る坂道の青葉目にしむバス停通り
13
3.4年 連絡さえも とってない 人訪れて 柿ピーくれた謎
10
納豆の 辛子のような 気づかいを 持て余してる 冷蔵庫の中
10
旅先で 旅館の子どもと 知り合って 帰っちゃうの?と 聞く子にさよなら
16
真っ暗な 部屋に灯りを つけた時 テーブルの上 サヨナラの文字
5
いつまでも変わらぬ人でいてほしい 変わるならそう 気づかないよう
10
何かこう棲む星多分間違えて生きおるような自分呆れて
13
町内に独居老人あまたをり回覧板が安否を問ひぬ
18