寒き夜の口さびしさや起き出でて葛湯を作る少しかために
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このほかにいかなる道やありけむと思うに眠き春の宵かも
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言の葉を 紡ぎながらペダル漕ぎ ふと気がつくと見知らぬ小路
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食うものがなくなればまた買いに行く小石が立つるさざ波の如
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寝てはるか起きていはるか正身(そうじみ)はつくねんとして小春日の椅子
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老木の洞(うろ)が奏づる虎落笛(もがりぶえ)聴くかに遠し尺八の音
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濡れくすむ河津桜と梅を見て足元濡らして傘を濡らして
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人間は 作物作り 働いて 食っていくもの 基本の基本
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水ぬるむ水面に映りし 空の蒼 やがて川辺の桜も映し
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温暖化 かかってこいや 今年こそ 二期作やるぜ メロンとトマト
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春でしょ 出かけていいね みいちゃんが おんもに出たいと 泣いているから
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歌ならば中村三郎になぞらえん野見山朱鳥肺病みて死す /2月26日朱鳥(あすか)忌
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長話 むしろ嫌いな 人だから 気づかれぬよう いい人ぶって
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いつまでも 続くと思う ことなかれ 時が移りて 人も変わりて
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青い鳥 探しに行って 見つからず 家に戻れば 夕食時に
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アスファルト化粧直しの雨上がり北風戻る通院の朝
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刃なる言の葉のみで事足りぬ吾を消すには策は要せず
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執着を捨ててひらける湿槃の身身心脱落我が身よさらば
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打ち上げた青空に飛ぶ白い球ふんわり浮かぶ雲まで届け
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雨上がり ねこたちそれでも ねむくって うつらうつらと 春眠暁
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初物のデコポン悩んで やっぱ割る 熟し加減が すこし足りぬか
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スーパーに行くけど欲しいものはある?エンゲル係数アゲていこうぜ
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シャバいのがシマを作ってその中でしか価値がないことをしている
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工場は伊吹の山にいだかれて笑つてゐたよ我が青春を
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歯車となりて文句を云い友は回りつづける文句を云いて
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Imagineは五十五年もまへのうた叶はない夢だから錆びない
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朝食のタンパク質は牛乳と豆腐とチーズ歯ごたえが無い
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歌は唄うだけじゃないと知る春先 詠んだり編んだり踏みも刻みも
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さりげなく苔を纏った若桜 粋な着こなし春を誘って
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燻炭の雪土混じり消えかけの雪曇り空白鳥の声/景色
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