十五年。あの日私は初めての、自分の部屋で震えていました。
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帰り道。鞄に酢イカと酒がある。デグーを見ながら晩酌するのさ。
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蒲公英の花咲く頃にアルパカきみ想う たんぽぽ咥えたきみが可愛くて
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五歳児のたたかいごっこに『ハッキング』『課金で強くなる』技があり
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自由へと向かう旅路で船に乗る 泳げないことをひた隠しながら
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明るめの歌が書けなくなったとて今を読む事それしかできぬ
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友達の誕プレ買ってうれしいな渡せる日までは生きていられる
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不足する労働力を補うは われらの世代の責務なのだろ
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「古希までは働きたい」と数多言う はあ、と溜め息ついた朝めし
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白鳥ものんびり者がいるらしい今朝も二三羽連れ立ち北へ
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人々を 不幸せにする ビジネスを するべからぬ  続くべからず
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春雨の マックでランチ 窓流れ 落ちる雨粒 目で追いながら
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キスしたる別れのきわに女へと 聖にも邪にもすみれの咲いて
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白い月 影も濃くなる 春先の 朝の寒さが 身に堪えたり
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弁当の色どりなどは気にしない長く続けるコツはそれだけ
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迎撃を 巧みにかわし 爆撃が 原発襲う 修羅の果てなり
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県知事が局長こんどうならば副知事は 副長ひじかた務め県民守る
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指さえも軽やかに舞う春装の笑う君の背伸びやかで在れ
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バス通りより消え去りぬ銀杏並木 淡々と進む建て替え工事
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あのひとの死体を皆で探す夢 何度死ねば気が済むのだろう
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ケンカして 「でも」と言い訳 見苦しさ 素直にあやまればいいのに
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まだ何も 踏まぬ足うら ふわふわと 雲の上む 母をみつめて
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原発にふるさと追われ民去りし荒野に芽吹く沈黙の郷 (3/11)
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白木蓮なごり雪の爪痕で 咲いた花も地に散らばる
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生きるとは何故生きるのか考えてまた考えてまだわからず
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街並みは 装い変えて暮らせども 消えぬ恐怖とあの日の空が
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聞こへ来る門出の歌はどれもみなシニア世代のをも励ます
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性分が災いしてか損ばかり それでもきっちりけりをつける
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出勤の迎への車に妻とのりランチの相談も楽しからずや
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うたかたと 知りて切なし この日々に 頬寄せられぬ 口辺のあわに
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