母親にいだかれし子にいだかるる ぬいぐるみの丸い顔揺るる
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人生で最後の春休みが終わり春の重みを背負うリュックだ、
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風に靡く 洗いざらしの 洗濯物 負けじと白さ った雲一つ
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暖をとる猫の重みの懐かしく 膝は空いてる 桜散る頃
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サクとろのオムレツサンド食べてはふっ美味いと笑う君の愛しさ
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殺してやるゼッタイにという落書きだけ錆びていないガード下公衆トイレ
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ルビーレッドキウイの季節がやってきた 紅く紅く紅く あまき果実よ
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真夜中に イタズラ叱った 次の朝 より念入りに ねこを撫でよう
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またひとつ着ている服を薄くする桜青空六月の陽気
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本当の春はここからと 葉桜をきっかけとするあおき季節よ
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この春は花より蕊のこころして落ちゆくみぎわ水面の揺れて
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街角でちらほらみえるポスターの 前職の笑顔やけに薄くて
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バス停で待つ人に少しみ残し 駅まで歩く1.8キロ
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「高校生のうちに人生楽しみな」そんなこと言う人にならない
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春の陽にはしゃぎ過ぎたような花びらが 開きし庭の赤いチューリップ
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思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ春の夜の月
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ハムエッグ久々に食うハムエッグ気持ちいいほどうっすいハムだ
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腰掛けてふたりの手と手が出会うとき それは花びらのかたちをしていて
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つがい鳩 仲睦まじく 微笑まし 南風吹くや 日温まりて 北帰りゆく
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春風になれたとしたらこの声は あたしのこの手は届くのだろうか
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日溜まりの テラスに留まる つがい鳩 その後ろ影 光り射す
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早桜美しく咲き散るさまに 貴方を重ねてしまうのはなぜ
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大好きな君の先生別園へ別れと出会い四度目の春
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一人欠け一匹欠けてモザイクの 器に飾る四季の果物
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黒き羽ゴミを見張って塀の上 話しかければ春の友達
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ブロッコリーに おかかを混ぜて つゆをかけ 春の味する 朝の食卓
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「おはよう」といつもの場所で言えたなら いつもの朝が始まるはずなのに
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春の上飛行機雲と電線があやとりをなし蒼空ほぐす
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うしろ髪 しなやかに揺れ 移り香漂い 艶めいて 君の影去り 春惜しむ
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春の宵 霞かかりて  朧月  白陽射し 白一色 桜舞い散りて  水なき空に 白波ぞ立つ
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