Utakata
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多様性だからといってなにもかも受け入れるほどタフではなくて
16
借りに行き積読してる図書館の本チラ見して 彼岸中日
15
春風が 優しく
頬
(
ほお
)
をなでるから 彼の温もりは もう忘れよう
5
白銀の 黄色一色 春はそこ 朝陽こぼれ メジロさえずる
6
西陽差す 社史編纂室の ブラインド 埃の先の 背の焼けた本
5
仏壇の蔭に身を寄す蜘蛛の子よ まわれ右する掃除機の先
19
1番
(
とくべつ
)
に なれなかった哀しみを 吹き飛ばして くれ
春十番
(
はるじゅうばん
)
9
幕末の時代も生きた老木よ映した景色を伝えてほしい
9
今朝もまたぼんやりな空に「また今度」と見送りきめたマザー牧場
9
憧れは酒を友とし書を師とし晴耕雨読悠々自適
11
覗き込む青白い顔ついてくる疾走中の夜の高速
8
いたんだよ柳の下で真夜中に白い衣装で髪振り乱し
8
夢で見た俺の死に顔そっくりだ鏡に映る目を閉じた顔
8
朝の水溺れるほどに飲み干して溺れてそして戻ってきた身体
4
くさや好き差別されても耐へぬいて 妻に隠れて独り味わふ
15
旅の空 西陽射す 茜色 草の葉萌えず 道を急がず その影坐して 山の端霞む
5
炊きたてのご飯にのせたうにくらげ 着色料でも旨ければよし
11
ほー法華経 千葉の田舎の工場の駐車場にて初鳴きを聞く
20
誰彼も 待ち侘びたり 開花待ち ほぼ比類なき 思はるる花
7
自分史をながなが語る男には あくびとともに哀しみ誘う
13
これからの十年おもひ大きめの洗濯機買ふ春分のそら
18
関越の 渋滞
3
km 通り抜け 着地点まで ストレスフリー祈る
8
機嫌よく診察室の入口へ一分もせず吾子の絶叫
14
地に根付き寒さも暑さもものとせず老木空を真っ直ぐ睨みし
11
切っ掛けは俵万智の本 短歌をば詠みぬ 日増しに続く楽しさ
19
菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
28
はじめてのマッチングアプリ登録す無惨な恋を忘るるために
14
親切も絆も義理も振り払い
泡沫
(
Utakata
)
の淵 万華揺らめく
28
息切らし登った先の青空にぽっかり浮かぶ雲を追いかけ
12
「元をとるためだよ」と朝四度目の風呂に入りてこの歌を詠む
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