吹きゆくはほのかな影のゆらめいてうつろう雲に浮かぶ霧色
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冬終わりもう忌避感もなくなれば母に聴かせる秋冬の童謡うた
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一生をかけてもえる地はわずか嘆きつつ見るストリートビュー
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黄砂去り涼しき北鎮桜舞う ひとり歩けし笑顔多き午後
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ウエスタン ハットにスマホ 杖曳の 見知らぬ人へ 誇り風舞う
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高原はなお裸木のまさる頃 牧場に幽か早緑さみどり萌ゆる
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今の世に未練はないが今はまだ苦しみ甘く地獄に行けぬ
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感性の合わぬ相手と会話する地獄の責より耐え難き苦痛
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現実を受け止められず左折した広がる原野に希望は見えず
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底辺に高さを掛けて2で割れば三角形の面積になる
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幸せと感じたことは遥か昔 肩で寛ぐ野生のミミズク
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蜘蛛の糸掴んで堕ちる夢を見た地にめり込んで朽ちるのもいい
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たらればに縋る毎日もう二度と 分岐できない過去にサヨナラ
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保身すら真面目と取られて息苦しい クズです私は、クズなんです、ただ
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サワガニが横に進んだ道なりを 前に進んで追いかけて行く
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線路沿い蠢く人と風景に風が吹き行く夏が始まる
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妻焼却証拠なければ逮捕せぬ 折り込み済みなら怖いこの事件やま
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新しき 「人気の歌」は 付き合いの 「いいね(♥)」除きし 進化形とや /「人気の歌」掲載基準
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小夜更けて 局(つぼね)訪ひ来し 亀虫の 後朝(きぬぎぬ)のごとく 去りし朝かな /亀虫の妻問婚
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とき過ぎて 傷みて萎む 山吹の 散らぬ哀れを 見て帰りけり /松尾大社
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著莪の花に 八重山吹の 花零れ 松尾大社の 春暮れんとす /松尾大社
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祝日か振替なのか何の日かわからぬままのシフト出勤
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ハンカチを 落としたキミに 声をかけ 振り向くキミは 俺も落とした
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甘え上手 セカンドハウスの我が家で  尾を振る君の  キュートな瞳
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自分とは思えぬ鏡に映る顔 昨日のお菓子で塩分過多だ
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休日の初日の車両は混雑 だっこをせがむ幼児おさなごの声
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思い出す過去の呼び声 生活を整えようね 呪いに近いな
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疱疹は「休みなさい」のサインかも昭和の空を思い出す朝
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あと一行 思いあぐねて 立てぬまま バスを一台 見送るベンチ
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あなたの名 舌で溶かしてくちびるにのせてわたしもマシュマロになる
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