(もうたぶん 愛してないのかもしれない) だまって鯵の 腹を破った 

心なき 断末魔から生まれてく そうだ「歌え」 と あなたが言った 

君なしで 生きていけって言うんなら あの日の卵を かえしてくれよ 

「目を覚ませ」 ? 悪いがそれは叶わない 閉じた瞳の なかにいる君 

〝正しさ〞を 投げつけてくれ 生きてゆくだけで苦しいこの化け物に 

酸素すら 息苦しくて あの日から そらのかなたへ 沈みたかった 

僕じゃない誰かのために純愛という香水はまとわれている 

紅い押し花の栞が挟まれたいくらか褪せた恋慕のページ 

一点の黒が真白き壁にあり自分の罪科ばかりを思う 

憂愁のロ短調から祝福のニ長調に転調した恋 

蒼空の6月の部屋は25℃ この世の季節ひと月ズレた? 

瞑想中チャクラの扉が開かれたエネルギーが表面を撫でる 

殺人鬼刺して捻ってくびりとる午前零時の血管神経 

〝生き延びろ〞 君がよこした知恵の実に 頭をぶつけて 死ねばよかった 

ふと見れば 空の只中駆け抜ける 時を教えた 紅の雲 

泣いてても傘を差してりゃ気づかれぬ今日だけ梅雨に感謝しなきゃな 

昼休み席で静かに読書する君の背中に木漏れ日が差す 

君にはさある日突然死んだって何か遺せるように生きたい 

抒情といふほどの情などなかりきと語れり 語るとは騙ること 

瑕瑾なくありたいせめて皮膚だけは 中身はすでにずたぼろなので 

祖父くれしオルゴール箱の蓋そっと開けて無音のトロイメライ 

ひとり分の影   そらが流れこむあなた分の空白  

秒で寝る昼の休みの隙間には軽量のハンモックが掛かる 

カーテンを開ければ緑の光射すあったんだなあこんな空間 

iPhoneのカメラの画質が恨めしいこんなに綺麗な星空なのに 

帰り道君の部活のユニフォーム見かけ思わず期待しちゃって 

せかいせん、って少年が砂浜に引く長い線を越えて海へと 

形あるものをつくろうとして積み上げた熱情のような雲が 

扇子出し扇ぎ笑ってお喋りし小さな嘘も畳んで仕舞う 

やわらかくつぼみほどいた紅い薔薇浅く目覚めて朝日を見てる