かつて吾を守った父を追い越して あたたかな昔洗う夕暮れ/老いた父へ
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天空の 宮殿の鳥 鶯は 春をつげむと 舞い降りて
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震災のあの日を胸に刻みつつ 祈りて閉じる今日のまなざし
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作文の一枚も見せずさよならした教師よ 満月を嫌えない教師よ ぼくの教師
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思い出の プロローグあり 住宅街 夕焼けのなか 鍋の湯気立つ
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初めての俳句は教師に鼻で笑われそれから俳句を愛することをやめた
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スマホさん 求めるものは 検索と 電話にメール で充分です
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時にぎゅむと掴みたくなる首をもつ君は親とか殴って後悔とかしますか
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遠き日に 思い描いた 夢多く 白髪混じりて「夢」夢となり
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幸せな湯気が並ぶ食卓のテレビに映る遠くの爆煙
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はや満開 多摩川河川敷 白く染めをる雪柳や 早春
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震災後 溝があらわに福島県 震災長者 主なき家
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西日射す 部屋の隅にて 泣く君の 髪に映ゆるは 明日への光
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風雪の深夜に真の自由あり(警邏の人を無視する場合)
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群青と 恋明かした道に 茜さす 窓に腰掛け 微笑む眼鏡
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「寒いからあたたかくして寝るんだよ」その言葉に包まっておやすみ
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すぐそこの春の気配をかき消してびゅんびゅん吹雪く冬のプライド
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ぼんやりと 車窓流れる雲見つめつ 春の夕暮れ 君待つ我が家へ
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背の丈が ぐんと伸びゆく孫たちの 幼さ残る笑顔に癒され
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図書館の カード探して 机開け 見つけたものは 黒羊駝きみとの自撮り
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もう桜咲いてしまうよ咲くんだよ咲くんだよあなたがいなくても
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阿佐ヶ谷のここ何処だろとテレビみるもう二十年行ってないのに
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WBC 生で試合観れずとも ドームの外で熱気分かち合う
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超法規的と聞くと思い浮かぶスーパー法規マンの白い歯
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ああのの!!!!えあっㅤとごㅤめいんやなㅤさすいいㅤまいせいんえ 先先どどううぞぞ あえㅤっじㅤゃそㅤのあㅤのつ 付付ききああっってて下下ささいい
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集合写真に見知らぬ顔ひとつ誰何なん貴方こいつは あ、おれかこれ
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用あると 見え透く手口 つかわれて 「あ、そう」とさらりと 背を向けてゆく
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春立てど体立だぬ午前五時真夜中の誘惑も役立たず
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寒風や「期間限定」につられて食む春色のアイスクリーム
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息子帰省 いそいそ始む ご飯作り われはやっぱり 甘き親かな
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