すれ違う 触れる離れる 繰り返し 男波おなみ女波めなみに いまは漂う
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幼子がいない我が家の節分は鬼豆抜きの手巻き寿司なり
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もうふさん いまのうちニャン ひとりじめ おとうちゃん きょう てれわーくなの
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おみかんを ひとつつまんで 甘くって 幸せ気分で 眠りにつけり
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鏡面率百パーセントの月夜でも見られる確率限りなくゼロ
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ほどなくも睡魔の襲うはずなれど夜明けといずれが先か論ずる
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けふの夢 帰らぬひとにて満席のバスに遅れて挨拶などし
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ブラックの苦味覚へし冬の来る 片方だけの揃ひのカップと
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夏の歌、浴びる北風重なりて黒を纏いしゼノの身で
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平和時に生きた己の無節操 ナショナリズムを止める者なし
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歯磨きを したかしないか 忘れれば 一回ぐらい どうでもいいか
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人生は 舞い上がる時 もなければ 墜落もない 低空飛行
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「これがいい」同じ顔したぬいぐるみ選ぶ楽しさネットにはなし
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肝心なあの人の心分からないネットでいくら調べてみても
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徒歩十五分 家路をゆるり歩む 街路樹の間に 白き寒月
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月曜の朝餉のおかずは目刺しなり 雑穀飯になめこの味噌汁
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満月が右上にゐる信号を左折でむかふ夜明けの世界
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だれと呑むなにを呑むかと如月のじゃんけんぽんが木魂する居間
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北陸の友をおもひて北陸の酒呑む夜のこころの旅路
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顔そむけゴミ出す人へ「おはよう」の苦さを連れて青空仰ぐ
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いつもならなんてことない夜なのに独りでいるのが耐えられなくて
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葉の奥に過日降りたる雪残り単色ビオラに一色足したり
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凛として 厳冬に咲く雪中花 凍てる大地に春を待てをり 
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同じ時間に目が覚める体内時計は健在だ 今日に感謝
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這ってでも見たい絵画はありますか。 共に向かいましょうパトラッシュ
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愛というインクで書かれているらしい二千字かけた百字のエッセイ
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微笑みや涙のわけを探したら…曖昧模糊を枕にごろ寝
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シュレディンガー方程式を解きながら短歌のことを考えている
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知らぬ間に接続されたwi-fiだけが覚えている女の家
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少なめの 雪が帳尻 を合わせて 大雪続き 倍返しかよ
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