朝顔の 朝に生まるる 露落ちて 花残れども 夕べに枯れるる 無常と言う 虚しさよ
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ツギハギの傷がほころび落ちてゆくアレは綿かなアレはわたしか
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ラベンダーに羽音を高く蜂が舞う 空気の澄んだ晴れ上がる朝
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よわい重ね 「鏡のうとまし」 と言う人を 思い出しつつ 髪梳かみすゆうべ
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ふきのとう身を寄せあってのびてゆき川原にそよぐこびとの団地
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花咲かせ ではされない いと淋し 花壇の場所を 変へてみようか
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昼休み 雨後の晴れ間の風涼し 公園の躑躅つつじ 光る雫
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雨に濡れ萎れ俯くツツジ花 父性本能やや疼きたり
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ラム肉のカレーライスを食べながら 「異邦人」などハミングしをり
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今晩はカレーライスの予告あり 土砂降りの中家路を急ぐ
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「ダブルチーズバーガーセット2つ ポテトLサイズに変更で」
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言わないことと言えないことは違うみたいよ 半分に切る冷凍ハンバーグ
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葬式がわが人生の初主役ワクワクしちゃう踊りだしそう
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血管を全部つなげる地球なんか一周もしない僕らの夜に
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激安な呑み屋のワンオペ店員に愛想がなくてちょっと嬉しい
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大リーグ 野茂イチローが 始発駅 後は順列 札束が舞い
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わたしたちではなくわたしでいたかった蟻の行列横切るバッタ
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LINEにて通信したきわれなるも オンデマンドなる きみの扱い
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緑と青呼び名にしきたりある国に トマトと青じその和クルス
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お電話ありがとうございます俺です俺を構成する42ガロンの憎しみ
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燦然と自らを疑わず 母が買いしピンクのガーベラ
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初夏つまむ君の箸先見つめをり セロリのあおさに気づく夕暮れ
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いっさいは過ぎていきます繰り返し目覚めるうちにもう朝顔が
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雨上がり 虹の掛かった 夕空に 願いをどうぞ お一ついかが?
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風呂掃除カビキラー足すカメムシのにおいこいつぁあ混ぜるなヤバい
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不等価な交換日記のせいにして日々の温度を覚えていてね
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届けられ 荷物に赤字で 天地無用  わかるような せないような
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腕を上げ翼が生える気がしてる 連休前の準備運動
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口笛の成り損ないは空へ舞い街を奏でる雨として落つ
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雨音で起きてまどろむ窓白し 届く子供の声は目覚まし
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