人権の 教育受けた 大人らが ホイッスル吹き 静かにしろよ
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歳訊かれ 父はいるかと 訊かれても 耳が遠くて 会話にならず
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たまたまねぎをためしにひとつとってきて薄切りにして食えば美味なり
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半額のハマチの刺身を食べている私は半額?誰か答えて
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私がね手を上げるのはほんとでも嘘とも違うさよならなのよ
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暗闇の 静寂しじまの奥に 星たちが 瞬く空は 永久とこしえに続く
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結果待ち揺らぐ心を紛らせていつもと同じ笑み交わし合う
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君の声 波長に響く親知らず 抜いて解かれた僕への魔法
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何見てる?身をかがめては首傾ぐ君の優しさ橙色に染まる
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丁寧にひと櫛ひと櫛髪染めて 妻、老人会に週末デビュー
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逃げ逃げて此処まで来たり桜樹のもと 涙拭いし桜花はなの褥に
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世の人の知れることなく曙のひとつの星の天使の通過
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口ずさむ雨に唄えば水たまり私と音と月が揺らぐ
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霧雨の 山の端かかり 青葉映え 春陽射すや 色濃き青葉 白銀の玉溢れ
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話すまで三年かかりし尾張弁 今では我もその一員に
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風もなくまっすぐに降る雨に濡れ葉桜の色しっとり染まり
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ビルの森スーツが毛皮の猿の群れスウェット姿の僕は幽霊
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顔紅く吐く息白く千鳥足「何がめでたい」ぽつりと呟く
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誰しもが似ている傷を負いながら似ている夜を耐えているかも
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缶ビール君は優しい嫌なこと流してくれるでも行かなくちゃ
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心労が くれまでも 削り取る ちゆく我を 誰も見ないで…
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温む風 続く不幸に 心折れ へてしのげと 背を押す御霊妻と父
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アスパラの先っちょだけを噛じり喰う ごめんなさいと春に詫びつつ
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拙きも詠むは楽しき日々のうた いいね貰って心がおどる
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脳トレに始めし短歌うたは拙いが夫亡きあとの生きた証と
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たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
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ノコギリが要るなら貸してやるけれど付いた血糊は洗って返せ
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街路樹の枝に掛かりし ユニフォーム 持ち主待ちつ 東風こち揺蕩たゆと
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漬け樽をひっくり返すとまろび出た たくあんお前 まだ居たのかい
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夜風よかぜ香る 春の星粒 すくい取り 新しき星座 空にえがかむ
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