水温む 水面にマガモ降り立ちて 藻屑ついばむ のどけき風景
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誰の手も 届かぬように しまい置く 櫛笥(くしげ)の中の 玉櫛の妹(いも)
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思ほえば 喜怒哀楽の 彼岸にて わななくわななく 触れし柔肌
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このハゲと 執ねく秘書を いたぶりし人 返り咲く ほとぼりさめて
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捏造も 隠蔽もして 憚らぬ 悪しき輩が 富を貪る  /二デック会計不正に思う
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起き抜けに 白髪見つけて 無辜の毛を 抜かで抜くべき 術を思案す
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エビのよに きゅっと丸まる 寝姿よ けさはさむいね 我が家のねこたち
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面倒を見ると言っていたのにね、水草揺れる金魚なき鉢
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書店での逢瀬重ねる春の夜 新潮文庫の天はギザギザ
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炊飯器は別れる時に譲ったよ。私よりお米が好きだったから。
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テレビでは悲しいニュースが流れてる。「悲しいね」って誰かと言いたい。
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車窓には鶯谷のホテルネオン 次は大宮 雪深き地へ
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ルテインや コンドロイチン 他人事ひとごとと 還暦過ぎて 我が事となり
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旅先で意気投合のあの人と一夜の恋が今プロポーズ
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側溝に 残れる雪や 散り花と 土を被りて 春を描けり
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移民には反対だけど俺の下の世話はだれがやってくれるのか
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コーヒーを淹れる数分 未来には内緒で僕を取り戻す場所
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沸騰を待つ数分を味方にし 未来を少し待たせておこう
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朝ラジオ 『ジャマイカ療法』教えたり 魔法のことば 『じゃ、まっ、いいか』
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霧のなか、光の粒をポケットに。夢の向こうも僕の生活
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生きづらさまったく感じていないなら人間やめて迷惑だから
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タコ口を 左右にクルクル 回したら 嬉しい変化が あるかもないかも
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山はまだ 寝起きのような 色をして 少しくしゃみを こらえている
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啓蟄に松のこも焼き英明も嫌われ虫かしょっちゅうフラれ
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早春の寒夜 窓外そうがい眺むれば 冴ゆる星空 オリオンは西へ
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義の人ぞ 誠の精神 正義なり 満身創痍で 守る臣民
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イチゼロの波の間に間に小舟ゆく情と涙の櫂に絆され
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ひもすがらネット揺蕩う老人の終の住処か雲井の空は
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青空にキリンの如くクレーン立つ データセンター積み上がる 雲
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人置いて 乾けば種子は 遠く飛び 湿れば草木 育ちたりゆく
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