丹田に 力を込むと 文楽の 藤太夫叩く 腹帯の上 /茨木文楽豊竹藤太夫3月28日
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公園の 二股桜 咲き盛り ドッジボールの 球が飛び交う
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着付け後の 合わせ鏡に 映り込み いつもとちがう 君の横顔
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昼休み会話が弾み気がつけばあっという間に1時となった
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田園もわたしだけの秘密基地も ここで待ってて、さよならふるさと
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やわらかな春の光よ見ていてね 今からわたし幸せになるの
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あの頃と 別のカタチに なったけど 孫が手を振る 桜の下で
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渡されしロールサンドの誇らしく赤きリボンを春空に解く
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庭先で 土筆とふきのとうを摘む 後の手作業も  たんたん楽し
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掲げたる民族自決の正論は 常に戦の火種を孕む
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目に見えない感情だって見たいから犬のしっぽが生えますように
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白線がゴールラインになる人にお疲れ様とは誰も言わない
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窓からの陽射しは膝に熱を射て 開けっ放しで車ころがす
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戦争を語るときだけじんわりと涙を流す怖いじいちゃん
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風そよぎ背広の肩に舞ひ降りし 桜の花は払わずに行く
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タンポポの綿毛のように漂って俺の短歌よ誰かに根付け
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麻雀で要らない牌はどれなのか悩むみたいな部屋の断捨離
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ミルフィーユみたいに厚い辞書だけど言葉が好きだからおいしそう
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夕暮れに 二人で歩く 御堂筋 あわい灯りが 君の涙を 滲ませて、春
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淡い影 桜の間を すり抜けて 触れば消えて 春に溶けゆく
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紫と 黄金の混じる あわいには 黄昏どきの 夢か現の お題「あわい」
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この世には限りがあると諭されて今満開で咲き誇る
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普段なら歩きもしない堤防に我を誘ういざなう桜の力
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この世から逝ってしまった人達と桜の下でおしゃべりをする
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恨めしい 天気予報の 雨マーク 菓子器の中に 桜を見つけ
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指鳴らし令嬢みたいに微笑むと執事の君が差し出すチロル
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ひかり降る覚悟を決めて卯月へとヴァニラが溶けるように進まむ
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詠み歌の自費出版を夢みるも贈る相手がいないに気づき
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思い出す「さぞ重かろうお前さん」肩書を見る祖母のつぶやき
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うっすらと紅粉べにをぼかして微笑めば枝垂桜の妖艶なるかな
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