窓向こう結露でかすむその真中雪に埋もれる一輪があり
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紅茶飲む予定が カフェオレ淹れました まあ良いでせう 今日もいい天気
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フィクションとノンフィクションの境目を探らないでね醒めちゃうでしょう
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ちま猫ちゃん まふらーさんを そうちゃくよ いやニャよかんが おびょいんかなぁ
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たいそう体操を するとき ねこがあしもとに ふまないように きをつけニャイと
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ひさびさに インスタ時間に 目が覚めた まずは白湯など 一杯飲んで
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やさしいと優しくないの僕がいて、やさしいだけの僕でありたい
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死にたいと 口ずさむ割には 寝て食べて ああ生きたいんだ と冬の朝
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朝園の発表会ゆき午後第九コンサート聴き夜はカラオケ
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死にたいと 漏らした君は 不死身でしょ 比喩だと思ってた ほんとなんだね
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「またゆれた」と顔を見合はす老い二人。そこへ雷さらに吹雪も
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ほほ笑みは 生後三日の が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
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散りし跡 細き葉伸びて 春を待つ 舞台降りし彼岸花の冬
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血流して 瞼を開く リストカット ごめんね、どうして泣いているの
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駅前の イルミネーション 見とれつつ 子らの笑顔に 平和を感じ
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朝焼が 雲に映って 赤くなる 苺綿菓子 部下が笑って
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偶然さ 同じ軒下雨宿り やまない雨はないらしいけど
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落葉らくようのごとく言の葉降ってこい 短歌うたの種なき 硬き頭に
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百数えるまで猫の瞳のようなドアノブを睨まなければいけないからお風呂きらい
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わりきれば あまりもとめず うつせみの かけひきもなし 『知足』演算
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新聞の暮らしの作文音読す五回つかへた自分の声聞く
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ぼんやりと 車窓に映る三日月が 盃に似し師走の街で 
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街流る 聖夜の奏 数多く 耳に こだま す「♪最後のHoly Night」/♫杉山清貴
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強いひと 嫌うあなたが好いていた わたしの弱さ 早く捨てたい
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夢を見た 笑い合ってたわたしたち なんにもなかったみたいな顔で
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あの頃は『女の子たち』と呼んでいた五十年後の君たちに会う
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風吹かぬ 墨の夜空に しんしんと  軋む足音 ひとり楽しむ
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犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
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シビヤだなぁ「待った」は認めてくれないの? 時は宇宙のタイムキーパー
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君の顔 忘れる前に 描こうか 埃に沈む 安いイーゼル
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