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知らない名前が君の口端から 零れる前に 喉を締めたい
1
春の陽が君を眩しく照らす時 私は日陰で腐り始めて
2
「頑張れ」と嘘をつくたび 喉元で 行かないでよと幼子が泣く
4
声のない 夜はあまりに 無機質で ただの
箱庭
(
はこ
)
にて 膝を抱える
3
今日が四月という壮大な嘘をつくのはきみとぼく以外のすべて
5
雨音に 鳩の鳴く声 混じりける 卯月の午後に 睡魔が襲う
27
鬱もまだ 治らぬうちに復学す すべて不本意 ネタ切れの春
4
散る花の夢に見るのはほんのりと空にひろがる雲になること
8
嘘みたいスルスルと飲むなめらかに飲み込む完全側臥位法/最後は水で
12
右脳だけ鬱が治ったりすんのかな バス待ちで焼ける香りなき肉
2
高校
(
まなびや
)
を
卒
(
で
)
て
三十年
(
みそとせ
)
も 我迷い 情けなくも 転職始める
6
原材料:嘘
100
%の君だから 好きなのかもね希望みたいで
2
姉ちゃんの声は涙で途切れたり『泣いた赤鬼』朗読しつつ
19
待ちに待つ解禁の日に大岩魚バラして一つ黒星を抱く
15
つえつえほ~ 個室の壁に杖掴む指で杖持つ誰かを待てり 「都内の個室にて」
12
ふきのとう、教えてしまえば僕だけの春が二人の景色にかわる
21
箱根路の高嶺へ消ゆる86を焦がれど我は愛でし軽トラ
17
この春を君に見せたくポケットに ふきのとう一つ隠し持ってる
28
三年前僕もあんなに「ふきのとう」だっただろうか泥を跳ねつつ
19
短刀を持ち追いすがる浮世絵を観る都美館のガラスのケース
8
温暖化対策石油使わないことだよ、知ってるやはり目の前
6
改心しマジメな短歌作ること誓約します。四月一日
12
上澄みのペラい味には興味ないキャラメルラテの本質はそこ
6
満開の桜川面に揺らめいて水に手を触れそろりそろりと
4
お気持ちを おかまいなしに たらたらと 思いつくまま リプしてきやがる
4
ライラック花屋に届けてもらったと喜ぶ父の声が弾んで
9
「雨降る」の予報に花見はサロンへと フルーツティーの差し入れ持って
13
あの歌のように離れた君想う遠く遠くと何度何度も
4
穏やかな待合室で衝撃の事件を喋る準備をしている
28
冬は冬が嫌い春には春が嫌い つまらない生活を捨てろ
5
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