多様性だからといってなにもかも受け入れるほどタフではなくて
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借りに行き積読してる図書館の本チラ見して 彼岸中日
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春風が 優しくほおをなでるから 彼の温もりは もう忘れよう
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白銀の 黄色一色 春はそこ 朝陽こぼれ メジロさえずる
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西陽差す 社史編纂室の ブラインド 埃の先の 背の焼けた本
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仏壇の蔭に身を寄す蜘蛛の子よ まわれ右する掃除機の先
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1番とくべつに なれなかった哀しみを 吹き飛ばして くれ春十番はるじゅうばん
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幕末の時代も生きた老木よ映した景色を伝えてほしい
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今朝もまたぼんやりな空に「また今度」と見送りきめたマザー牧場
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憧れは酒を友とし書を師とし晴耕雨読悠々自適
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覗き込む青白い顔ついてくる疾走中の夜の高速
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いたんだよ柳の下で真夜中に白い衣装で髪振り乱し
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夢で見た俺の死に顔そっくりだ鏡に映る目を閉じた顔
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朝の水溺れるほどに飲み干して溺れてそして戻ってきた身体
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くさや好き差別されても耐へぬいて 妻に隠れて独り味わふ
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旅の空 西陽射す 茜色 草の葉萌えず 道を急がず その影坐して 山の端霞む 
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炊きたてのご飯にのせたうにくらげ 着色料でも旨ければよし
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ほー法華経 千葉の田舎の工場の駐車場にて初鳴きを聞く
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誰彼も  待ち侘びたり  開花待ち   ほぼ比類なき 思はるる花               
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自分史をながなが語る男には あくびとともに哀しみ誘う
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これからの十年おもひ大きめの洗濯機買ふ春分のそら
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関越の 渋滞3km   通り抜け 着地点まで ストレスフリー祈る
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機嫌よく診察室の入口へ一分もせず吾子の絶叫
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地に根付き寒さも暑さもものとせず老木空を真っ直ぐ睨みし
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切っ掛けは俵万智の本 短歌をば詠みぬ 日増しに続く楽しさ
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菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
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はじめてのマッチングアプリ登録す無惨な恋を忘るるために
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親切も絆も義理も振り払い泡沫 Utakataの淵 万華揺らめく
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息切らし登った先の青空にぽっかり浮かぶ雲を追いかけ
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「元をとるためだよ」と朝四度目の風呂に入りてこの歌を詠む
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