tamara
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雑踏の中で光になりかけたのはあなたのせいよ

少し喋りすぎて「5月ですから」と君が結べば季節は巡って
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夜の中央道には蜜の垂れた蜂の巣があるから気をつけて
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GWのジブリに思い出を乗せてどこまでも下る坂は優しくて
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無数の縁が楽譜になって奏でる詩は終わりの時を夢見て
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生きていく沢山の花を抱えて歩いていく砂場の裸足に
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かがやきし琥珀の糖のひとときを 終はりは問はじただ在りしこと
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ラジオ体操のスタンプを押すあなたが眩しい千夜一夜
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散る花を忘るるゆゑに節ごとにまたよろこぶは人のあはれさ
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アイス棒の傾きに溶けてく時間があってほら春はあけぼの
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にぎってるものを離して生きてると吠えるああわたしは
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賞味期限の中で目一杯踊ればきっと忘れないヒカリゴケ
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このごろはうつろふ季節も恐れねど 日々に花添ふ君がゐるゆゑ
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暗夜行路も桜並木も越えてイチョウの葉をつけるあなたに向かへ
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黒ずんだミゾレの足跡を遠い日の雪が隠してくれますように
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風呂場の蓋の上にはあなたじゃないと塞がらない傷があって
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自分が歩いてる今を踏む今今今 パスワード忘れてしまうカラ
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苔の森をオレンジの幕が閉じれば街の灯りを補うような星々
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夏が一枚白飛びして軒下で醜く沈黙してると近所の黒川さん
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雪化粧のビニール傘さして自宅までの帰り道 思い出はレイトショーに
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目が慣れてきた人たちから少しずつ閉まる1ピースの光でした
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新しい靴で立春の地下道走れば落ちてる梅味のハッピーターン
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てんやでラバーソウルのジャズ流れて戻る電話越しの虫歯
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草原で春風がレジャーシートを突き抜けて今日は小さな祝祭日
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宇宙にレモンを絞ったので今日は星がよく見えることでしょう
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YSLのシャツを着て俯いて笑う君に横切るかつて見た鹿の群れ
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薄氷の上を運命線を掴んで歩けば遠くで法螺貝が鳴り響く朝
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髪に宿る月日が目を合わせなくても同じ酢豚をつつく箸は向き
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2切れの紅鮭がウネウネのコンクリートジャングルを祈るように泳いで
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あげた花を枯らさないあなたとの間に流れる音量よこのままで
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黒鍵の栞が奏でる最終楽章 仕舞われた棚に音は残って
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