香月董花
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心象をつくります 現代語の頭脚韻とリフレイン
作歌作業所 https://z.wikiwiki.jp/katka/topic/9

ふるさとはいずこ知らずも心にはそここことなく がびちょうの啼く
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白昼の路上に落ちて架空なる送電線上 影となる鳥
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舞い来てはまた舞い来ては黄立羽たてはつに乱れてたちまちに行く
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紅しじみ風の野の辺に吹きまぎれ草端にやすみ今日は居るらむ
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黄泉路より呼ぶ人あれば逆まきて平坂捲きて返す平坂
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ねじまいてこの路くらく訪ぬればほの火のもゆる底つ根の国 〈ねじ〉
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みな寄ればこの川狭し かはせみも水面みなもに鴨も子鷺さわぐも
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なげやりの眼路の雪にも留まるに群れ立つ鳥のまたたく間にも
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道ゆくに見れば雪風風立てば立ちゆくものをしばし舞い居る
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見あくるに見歩く空に星燃ゆる また街の火はまたたき昇る
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蟷螂は色は変われど街暮らし飽きにも飽きて何を待つらむ
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ひるひなか日に日にひよは鳴くほどにとりとめなきをまた懐かしむ
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差して待つ少女の傘に大人しく幼ないもとの身を寄すること
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秋雨の洗える朝の通りには後の寒さにさみしさもあり
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川上に風は向かえり風のに飛ぶとんぼらは風に向かえり
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舞いおれば蝶舞いおればおれんじの緋色の花の花のうてなに
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行き会えば会うと見る間に立ちゆきてしばしも留む微かの羽風〈オオスカシバ〉
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街の灯の暮れえぬ空に梁かけて赤色みっつ星もあざむく〈タワークレーン〉
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はからずは炎夏に雨のよるべなく線引きならぬそらを過ぎゆく
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やみくもに会えば当たるはやむを得ず夜道に虫は先も見ず飛ぶ
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こおろぎも試しだめしに鳴くころはおのれの音にためらうものか
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先々の予報によれば八月はなおも長らく真夏の続く
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川上に高足立ちてる鷺の差し足歩くそのたたずまい
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ひとすじの線路に沿って風走るうわべのそらにとんぼとどまる
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かねたたき叩くやみ間にたずねきくいらえを持てばともどもに
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雨音にまぎれて待つ間きれぎれに聴こえて遠く声を待つ虫
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かねたたき夜雨に叩く たちまちに雨音立てばしばしまた止む
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つゆほども先行き知れぬ気のままに精霊雨しょうりょうあめは日を延べてふる
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影深む街は夕さり暮れゆけば灯火に遠く形を留めむ
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八棟の光り輝く夏雲の十一階の影深む街
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