Utakata
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香月董花
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ひとすじの線路に沿って風走るうわべの
宙
(
そら
)
にとんぼとどまる
13
かねたたき叩くやみ間にたずねきく
応
(
いら
)
えを持てばともどもに
推
(
お
)
す
7
雨音にまぎれて待つ間きれぎれに聴こえて遠く声を待つ虫
11
かねたたき夜雨に叩く たちまちに雨音立てばしばしまた止む
7
つゆほども先行き知れぬ気のままに
精霊雨
(
しょうりょうあめ
)
は日を延べてふる
10
影深む街は夕さり暮れゆけば灯火に遠く形を留めむ
10
八棟の光り輝く夏雲の十一階の影深む街
8
百年も続く日照りはこの星も滅ぼすことにひとりでになる
8
風に乗る微かの雨はふくまでを睫毛の端に宿る間もなく
7
触れるとも触れぬともなく 唇にくすぐるほどにとどめゆく指
7
赤く濁る夏雲なびき狂い来れば真昼の街をまぼろしに見る
8
窓を打つ風ははたはた軒に垂る雫ほとほと いつしか止みぬ
8
アスファルト朝まで濡れて雨上がりひるほどまでの涼風通る
16
道ゆきて影さすものを見あげれば光に返るエナメルの翅
11
金網に留まるまでにはからすにも思うことあり おもむろに飛ぶ
10
風立てば風に逆らい風はらむ翼つばめの様々に飛ぶ
12
燃えまさる影のない道 網膜の動画の傷に川とんぼ飛ぶ
9
雲を呼び風が走れば雨となり跡立つ波の今は行くという
7
立ち騒ぎうつる
暇
(
いとま
)
の水かがみ ゆうべの雲はひとときに行く
10
ほの白く昔のわれは空蝉の葉裏に宿り羽となるまで
13
黒つやのてんとう虫は六月の
骸
(
むくろ
)
となりて地に落ちてあり
9
ためらいはこの手にふれてまたたくも来てはまた去る蛍いとおし
12
夏をまつ
木
(
こ
)
の根の闇に蝉の子は最後の夢を今日とむさぼる
11
日のうちは光のなかを浮き島の影から影と移りたたずむ
8
橋上の灯火の列はかがやいて眩く遠く暗闇を行く
11
川音とかじかはたえず流るるも鳴くとも何を思わなくとも
3
ゆく闇に影は見えねどゆき逢えばそれと知らるる幽霊蛍
11
もとの根も傾くばかり椋鳥の葉末もさわに騒ぎつつあり
7
雨の間を夜ゆく街のひややかに手びさし透かし光まばゆき
9
一日
(
いちじつ
)
の雨は一夜に流れ去り 群れ雲ゆきて 夜に雨ふる
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