Utakata
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香月董花
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待つ人は駆け足きたるつむじ風白線内に軽く息巻く
8
夕寂びの枯れのからすは 問うもなく訊ねもなくて その錆び声に
9
転輪の果てをたどりていつの日か朽葉に
埋
(
うず
)
み寝みいるかも
8
一服のいいを含めるたてまえに口端に上す小唄端唄も
7
虎や虎 いかなる御手のたわむれに
木
(
こ
)
の下闇に置きたるこの
仔
(
こ
)
8
虎よ虎 藪の闇間にまぎろいて その
驚異
(
おどろき
)
の現れなるか
7
傾げたる かしら巡らし かつ見れば はしぶとからす 斜にかまえる
10
ひらめいて道のおもてに留まるは またたく間にもありといわずやも
7
人波をひらめき寄するしじみ蝶 裏と返して石に混じるや
10
金木つけ金輪の箍の たがえせず吾が
守
(
も
)
る際も 人に逢はむか〈#金輪際 -「鉗着け」〉
5
ひよと鳴く可愛げなるも なくもなく 窓に待つねもしらねずの空
9
古びたる隣家は
破
(
や
)
りて 新しきマンション立たむ 日に日に立たむ
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いにしえに女王ありとは伝えたる塚も築きし そのかみひとは
7
いにしえの女王は失せぬ たわむれに小蛇も恋いし そのひとかみに
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こんぜんとかぼちゃも芋も大鍋のたぎつ市中にわれも混じらば
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この道のつつじの花は 時もなく いまをさつきと咲いて迷える
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靴先に舞い落つものは 枯れ色のそれと見る間に いなご舞い立つ
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遠き日の初恋なれば 人の名も顔も覚えず 処も知らず
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なにごとも上の空なるなりゆきに眺めも果てぬ秋のきぬ雲
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天体は
静寂
(
しじま
)
の空に恨まるる 風と夜とが争う街を
4
銀杏の降り落つ頃のこの通り 行きも難儀とかえりみる道
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天つ神 イリスの神の使いしてふみも留める夢の夜殿ぞ
10
ふわり行く傘の軽みに引かれつつ 降る降るばかり雨道を踏む
9
夜にとぶ蛾は星の灯に恋すれどあだに身を焼く数をも知らず
9
さだかにはしるべもなくてまよう日のうつるも知らずうつり気のまま
9
古人の詞書にも事のなき たれのたれにかこの恋歌は
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盗人の仏を彫りて堂に据え 功徳の跡も積みぞかさねる
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くるくると日に日をたどる いつの日に いつか色めく秋の日めくり
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寂しさの砂漠に迷うおおかみの 砂に足あと おお やわらかい
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おもてには表わさねども うらみつつ仲の止まじは 悩ましかりき
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