Utakata
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香月董花
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ほととぎす思いのそらに行きすぎて夜風を遠く音にきくとき
5
建て替えの工事は明けて立ち替わり軒端を覗くつばめ忙し
11
誰ぞ待つ街の通りに帰り来む隣どなりのつばめ睦まじ
10
あけがたの網戸に影は草の葉か夜風に寄するくさかげろうか
10
くまばちは
斥候
(
ものみ
)
くまなし この者は花ぬすびとかあくまで怪し
7
銀幕の空に一すじ吹き流れつばめの跡は
光斑
(
ひかり
)
の影か
8
いつからと聞くともなくてしじゅうから空の下なる屋根の上にも
10
物憂
(
ものう
)
にも午後の天気は聴くからに雨 雨 雨と止むに止まれず
10
花咲けば花を羨み 鳥の音と鳥の命に思い慰む
6
種いもの芽ぶきの夢もためらいも ひとつひとつに今は転がる
8
冬越しの破れたてはは立ちかねて
木
(
こ
)
の根にとまるほろほろの
翅
(
はね
)
7
冬になれば冬ごもりせむ春来れば春待ちわびて浮かぶ歌かた
6
いにしえのエルドのけもの 呼び声に
去
(
い
)
にてかえらむ その呼び声に〈妖女サイベルの呼び声〉
5
いつの日かいくさは絶えて阿修羅なる三面六臂もいのりに伏すや
10
いま来むと 待つよりほかは きかざりし 君のすがたの思いがけなさ
6
葉は落ちてあきらかなるは やどりぎの たまに見るこそ面白きかな
9
この頃は子ねずみひとつめずらしく しざりしざりに道を分けあう
8
辺塞の老のさきもり賽振れば 幕間のすきにささめ雪もる〈#寒の字禁止〉
8
待つ人は駆け足きたるつむじ風白線内に軽く息巻く
9
夕寂びの枯れのからすは 問うもなく訊ねもなくて その錆び声に
10
転輪の果てをたどりていつの日か朽葉に
埋
(
うず
)
み寝みいるかも
8
一服のいいを含めるたてまえに口端に上す小唄端唄も
8
虎や虎 いかなる御手のたわむれに
木
(
こ
)
の下闇に置きたるこの
仔
(
こ
)
8
虎よ虎 藪の闇間にまぎろいて その
驚異
(
おどろき
)
の現れなるか
7
傾げたる かしら巡らし かつ見れば はしぶとからす 斜にかまえる
10
ひらめいて道のおもてに留まるは またたく間にもありといわずやも
7
人波をひらめき寄するしじみ蝶 裏と返して石に混じるや
10
金木つけ金輪の箍の たがえせず吾が
守
(
も
)
る際も 人に逢はむか〈#金輪際 -「鉗着け」〉
5
ひよと鳴く可愛げなるも なくもなく 窓に待つねもしらねずの空
9
古びたる隣家は
破
(
や
)
りて 新しきマンション立たむ 日に日に立たむ
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