Utakata
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香月董花
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音にのみ聞きし
都市
(
みやこ
)
は 年ふりて 遠きたよりにたびをかさねる
9
日もすがら 形にかたどり 日も
経
(
ふ
)
れば ここにこうして 器となりぬ
5
遥か見てなお果ても見ず 先ゆくに幸あり ここはいと良きところ〈古事記 天孫降臨〉
7
遠くよりとどく響きは たえまなき 車の行き来 うたたまどろむ
7
そとに来て 囁き そっとくりかえす 栗色かみの ふたりの子ども
7
ひとたびも落つる一葉は ふたたびは帰ることなき もとの葉むらに
10
系統の枝をいろどる末の葉に 幾千劫の隔てをぞ知る
7
音響に残す未完は 遅れ来て溶暗のあと 満ちて溶けゆく
7
すずの音のふるえる翅を触るるとき 胸に痛しや おののきてやむ
11
街の灯は そらの雲にも恋すれば よるも見るべし べからざるとや
5
病みいては 数えるふしもやむなくて 節々といい 端々という
5
復讐の味も知ったる髑髏杯 月にそそぐも 今はさびしき
6
月みれば心さいなむ夜な夜なに 王の悩みはいとどまされる
5
輪舞せる月下の宴を蹴散らすは あれが蹄よ 狂喜のぬしよ
6
月の夜の孤独な僧のまぼろしは 聖母まりやのみちびきと見ゆ
7
尾根道で おれと月とが会ったとき やつめ 怒って追ってきおった
8
さえわたる菩薩の光明あまねきて幾千億を一夜に照らす
9
ヘカテーの神の鏡は乙女子の恋する人をかくあらわさん
4
あれ武蔵 二刀流とは何ごとぞ 小次郎討ったも騙しと聞くぞ
7
宮島は御とぐいせりと 音に聞くからすの子らも聞きて伝えむ
6
ふれずとも 割れなば割れて 散るものを ふしぎのままに わだかまるもの
13
雨のあと あきあかねきて 見あかねど みずの浅きは あだとならずや
11
この島にかつてきたるは誰やらん 緑の縁の ここな十字は
7
はんみゃうは ねこの一種と聞きけれど 人待ちがおを言うにゃあらむ〈ハンミョウ〉
4
砂とかげ 風の走りきて 影と消ゆ みちばしり見ゆ 見よ、あれがそれだ〈ミチバシリ〉
6
葉の上の玻璃の細工と見あやまる翅はあかがね 肌えはあかね〈ミヤマアカネ〉
9
雨のひに傘まで置いてく陰謀論 意味不明なり 意味不明なり
7
おもかげは思いのほかの年々に偲ぶ心はまことのことと
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あおぎあおぎ 待つ宵 心さわがしく 夏の名残りもなお蒸し暑し〈アオマツムシ〉
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