青井
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投稿数
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にじりよる試合のように手に汗をかきつつ言葉を紡ぐ片想い
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「東京にしかないお店なのそこは」やんわりしたたか母からの電話
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暑すぎて扇風機はもう使わないありがとうまた来年よろしく
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「あの人は、あれなのよ」「そう、あれなのよ」分からないけどきっと悪口
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腕の中にいるのが誰かなんてことどうでもいいや夜29時
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朝3時に歌舞伎町で待ちぼうけ食らっても君が好きだよ好きなんだよ
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森林のざわめきのした裸になり極楽の如き寝湯に浸かる
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マンジャロがいいのよという新しき友、私はもう少し頑張る
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後輩のわきまえのない振る舞いを来た道と思い、黙って見ている
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バーベキューなんかやらないなんてもう言ってられないやれなくなるから
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マックからドトールになりスタバ経てルノアールにてコーヒーを啜る
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手探りに枕元から見つけ出すぬるいいろはす二日酔いの日
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面倒くさい男の意地を出す前に、路上ゲロやめてもらっていいかな
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ごめんね、と一緒にタクシー乗ってれば帰って行けたのに前科者
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「1人で帰るからいい」という男、人の欲深さと愚かさを知るがいい
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渋谷から新宿までをタクシーで1人乗ったのは初めてと独り言
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スパークリングワインの泡もシャンパンの泡も弾けて散れば同じ
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「ラストオーダーになりましたお客さま」ウェイターの声低く優しく
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最高のフレンチ予約していてもドタキャンされれば泥を食むよう
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既読つくラインの通知、スマホ持つ手が攣りそうなほど待ち侘びる
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あの人を私のものにしたいんだ、AIに問うこともためらう
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「紫の匂いがする」と幼子が手にするラベンダーの芳香剤
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iPhoneじゃなかったからかな友達ができなかったの。独りのランチ
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何もせず伏していますがしっかりとわたしはいますしんでいません
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寂しさで潰れてしまいそうな夜、一晩猫をレンタルしたい
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「恋なんて泡沫だ」とか気取ってる。うそ、ごめん、むり。マジで泣きそう。
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「クリスマスはやっぱbacknumber」と再生する君、黙ってる僕
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失って初めて気づくと漫画にも描いていたのに知っていたのに
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「ミルで挽くコーヒーを飲む丁寧な暮らし」を望む前に掃除しろ
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火曜日に別れ話をしないでよ。せめて金曜日まで待てないの。
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