水無月の 祓えの前に 投げ売りの 米価の底値 ありとひた待つ
13
勾玉の ごとくに曲がる うら成りの 胡瓜も食いぬ 水に冷やして
15
腹黒さ マンセル値なら 「0」ならん 作り笑いの 宰相の嘘
15
純心の行き着く先の選手たち気付いた時は権威に加担
9
出稽古を終えて静まる体育館 薬缶に結露 うすきカルピス
15
雨上がり 夜道を一人 逍遥しょうようす  ライトグリーン 蛍火ほたるび二つ  
10
梅雨の傘たためばざぶと落つる雨軒下の石しとどに濡れぬ
10
童心が 五月闇さつきやみにて おどり出す  ザーザーピチャピチャ ゴロピカドカン
10
倍速でみないですます段取りを組んでタイパと胸を張るべし
8
息吸えば肺まで湿っける雨の気はしんどいなぁのため息またつく
19
日常を 離れ味わう 温泉は 贅を尽くした サンクチュアリ
22
緑より みどりに近い 山々は  このながあめで なお青くなる
23
ゆっくりと アンモニャイトが 伸びをして また夢の中 ねこは寝子なり
27
立葵たちあおい 梅雨明け告げしお役あり てっぺん目指し咲き進みたり
21
正当な怒りに人は触れたとき謝る事も出来ずに黙る
10
空映す 心の水面みなも 揺れるほど 灰色は濃く 青は切なく
22
雨粒に 笑顔向けるは 初めてか 気持ち良いなと 梅雨空見上げ
11
首すじにひんやりと垂れ蛇は子と二千円にて写真おさまり
8
「志村さん家はゾウガメ飼ってるらしいわ」とゾウガメをみる夫人四人は
8
捕食とはDNAに組み込まれ頭から食う反撃おそれ
7
毒ありは噛んでから食う毒なしは締めてから食う蛇のそれぞれ
9
爬虫類に目覚めし吾子はウキウキとジャパンスネークセンターへゆく
8
週明けの雨が私を萎えさせて行方不明のヤル気スイッチ
14
恋愛はモーション盗み手を伸ばす野球の神はこれをパクった
6
しゃあないね惚れちゃったんだ歌声に音無き宙の奇跡だものね
8
訃報欄まず年齢を確かめて年下だったら勝った気がする/社会派ヒューマン短歌
9
削れゆく消しゴムの角熱を帯び君の名前が白く刻まる
22
雨さえも 味方につけて 連覇成す 人馬一体 走り抜けたり
11
水無月の半ばの朝の雨寒く冬の長袖シャツを纏いぬ
25
目薬を常備薬とす頃合いの黄昏かけた曇天の日や
13