親しき友でも臓腑が薄寒きことある 互いの歩幅が異なるサイン
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春は別れにいい季節 いつか笑い合えたらそれでよし
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悲しくて別れの歌を口ずさむ 空腹はある 野菜を刻む
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春となり久しぶりにあつるバリカンの手応へのなき頭頂部寒し
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ヤマザキのボウルは二枚貰えるか五十点ほど今貯まってる
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はなれると心臓の端が欠けそうだ最後の鍵をつかむてのひら
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ぼんやりと光る「おやすみ」あなたから 夢の底までついてきて欲し
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母親の寝顔見るたび長生きをしてとポンコツ娘は願う
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幸せは多分気まぐれぐるぐると巡り巡ってあなたのもとへ
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「別れはいつも突然とは言うけれど」 涙で滲む よめない未来
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春先の衣替えはゆうるりと 朝はまだまだ冬物靴下
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缶ビール 飲み干すときの 見上げばな その瞬間ひとときが あればこそなり
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ポチポチと書籍を買いて積んでおく年度はじめの学びの意欲
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苦しみとふ概念を知らぬ愚かもの苦しまずして莫迦になりたし
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踏みしめる花の欠片を春の嵐過ぎし去りし朝の光に
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ジュースだけ 春始まった くらいだけ 飲まれて 駅の椅子の真ん中
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先週は月から迎えの船がきてもう会えないって言ってなかった?
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鈍色にびいろに染まりし空 仰ぎ見れば ビルの狭間はざまに 月浮かぶ街
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薄闇の光が暗くなる時の風冷たければ出ずる所なし
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紫と青と黄色の肌模様 打ち身の色を見透かし舐めて
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絵がかけてよかった 誰かの一日をあかるくできるマッチを擦る
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気がつけば到着予定時刻過ぎ春眠アラームを覚えず、と
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春の声 十三日を 振り返り 日々の機微が 大きなギフト
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腹を練り 日々への実践 中心へ 自我の統合 新の解放
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移動時間 眠気が襲い 時が過ぎ 起こる全ては 必然の事
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のこりキャベツ またザクザクと 鍋ポーション端数&端数で オリジナルブレンド
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まいたけを煮て食べたくて鍋未満 20℃以下の日そろそろ終わる
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プライドをキズつけられたとおっしゃられそれをお持ちとわかり恐縮
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春の風野火を煽りて山火事に何時もの景色無残な姿
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独りの時 漸く自分の色が肌に滲み出す 年々それが遅くなっている
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