負けちゃった 三連敗か 日曜の 今日こそ特に 勝ってくれれば
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始業式明日とか信じられないし出会いに期待できないし泣く
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親友も先生も縁なくなって別れの季節の春が憎すぎる
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さみしさをチャペル・ローンで埋め立てる涙でマスカラ落としたくない
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「いつかまた」その『いつか』っていつ来るの?これが人生最後の別れ?
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手を振って永遠を告ぐわたしたち「さよなら」がはなむけの精一杯
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屈強な武士達まみえた合戦の寂しき影が風に変わりて
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体力を使い果たして墜ち消ゆる 雲雀は休む草葉の陰で
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標識の鳥はカメラを付けられて渡る空から我が町写す
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絶え間なく羽根と喉とを震わせて 宙に一点動かぬ雲雀
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夏の雨慌てて走り込むヒサシ思い出すのは出会いか別れ
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ミジンコが宙にたくさん舞っていてきれいだ今日も海底都市は
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すれ違いざまにつぶやかれたぼくを導く魔法の言葉「死ね、ゴミ」
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遠ざかる町がどうにも美しくそのとき町は故郷になった
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恋人と呼ぶには低すぎる湿度 それでも僕ら、繋がれている
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名物の茶碗を師から手渡され震える指で茶筅を回す
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お下がりをダサいと言われて馬鹿にされまあいいウチの方針だもの
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あんなにも 待ち望んでた 春の陽気 いざ来てみれば 影に逃げ込む
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持ち札のJOKERどうにか出来ないまま場を支配したつもりのプレイヤー
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ただいまと弾む父の声色は昇進のこと嬉しげな夜
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卯月来る されど何ゆえ 夜寒き 寝間着毛布 未だ冬なり
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もうすぐねおわかれだからあのときのなみだないしょだよもうふさん
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寂しげに机に肘つく横顔は君のいつもの顔と違った
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桜花散るその下歩く二人には哀しい影がまとわりつきて
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四月というマフラーを巻いて走っている 親も子も柴犬まで
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呑むごとに奥から壊れていくような気怠けだる気付きづき「老い」てふイノチ
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花見とか行くのもだるくなってきた代わりに食べる桜餅とか
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一万年あまり続いた縄文時代いまのこの世が仮想現実
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寝室のダブルベッドの ど真ん中 小柄なねこが堂々と寝る(おかあちゃんまってる)
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幼き日怖いと感じたあの歌 今はどこか遠くに行きたい
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