秋祭り 囃子の音に 飛び出した 飾り気のない 笑顔溢るる
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咲く花も 散る花もまた 同じ道 ただ今を生きる 風のまにまに
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ランドセル 彩り豊か 展示され 孫はピンクを 気に入り見つめ
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かごのなか かきりんごいも だんしょくいちば
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秋支度 まだ早いかと 収納す そこは晩夏の色
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ひむがしの空は やうやう明るくて ヤマダさん(教会の猫友達)自転車 無事帰れたか
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列島は 東西秋夏 気圧戦
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教会のキバナコスモス 雨に濡れ いとゆかしかな 写真は撮れねど
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君が死に 二人で話した 言葉らは 私ひとりの 記憶となりぬ
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怠慢を見て見ぬフリが忖度な職場は怪異の巣窟と化し
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寒いなと 明け方起きて 君を見る 毛布にくるまる ミノムシ見つけ
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初めての 街でいつもの コンビニへ 地域限定 商品見つけ
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戦にて散るは竹馬の友が為「おまんさあ気持ちはよう知っとるで」
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冷え込みぬ秋風を合図に開花 金木犀薫る遊歩道
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どこかしら 隙があるから 愛おしい コケる日もある 人間だもの
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きみと行く約束だった北海道旅のしおりのページをめくる/敦賀からフェリーで
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吾子たちが一緒でなければ泣いてるな 実家いえ無く母も居ぬ里帰り
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島影をふたつ浮かべて ふるさとの海は変わらずふところ深く /ただいま
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夕暮れにダージリン注ぐグラス越し今日の喧騒セピア色に溶ける
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家にいるこの福助は顔を上げ唇曲げてほくそ笑んでる
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「そういえばプロポーズされたんだよね」君は口紅塗り直しつつ
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大将へ 秋刀魚と焼酎 もてなしを 焼きと煮付け 乙なつまみで
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雲行きに一喜一憂しておりぬ台風進路左側にて
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雪虫のふわふわと舞う秋日和近くの山から冠雪便り
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恐竜に出会った頃の思い出は赤青ピンクに閉じ込められて
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愛しくて隙みて狙うキスの夜サッと交わした君は天使で
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この国の型変えるはいつの世も 外圧 インフレ 米騒動
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ゆびさきに 止まっておくれ むらさきの 小さな蝶よ お名前なあに
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眠るほど彷徨いながら膨らんで奏でるペンは手と足を得て
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亡き父の愛でし庭にはモンキチョウ 見に帰りしかシュウメイギクを
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