Utakata
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TORAKO
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日々の想いを三十一文字に・・・
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夏の夜ライン電話で集まれり各地に住まふ三姉妹いて
12
店頭に売れ残りおり備蓄米もしや皆様米倉持つや
10
目覚めどき背中を撫でる母の手に包まれたきや赤子のように
19
轟音が聞こゆるような
コントレイル
(
ひこうき雲
)
太く残りて夏空眩し
24
主
(
あるじ
)
なき家に咲きおる紫陽花の凛々しき青に故人偲びて
20
アオダモに掛けた巣箱に耳すませ漏れ来る音に生命知るらむ
18
水無月の晴れ間に夏の熱気沸き脱皮するごと衣脱ぎ捨て
14
窓を打つ雨粒見つむ
吾
(
わ
)
の胸の日々の煩ひ洗い流せよ
16
田の景色知らずに育ちし吾なれど海馬に在りて水張田に鷺
15
紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
19
急病の娘の家に向かう道不穏な夜を照らす満月
22
陽だまりにアンモナイトの型で寝るネコの
真中
(
まなか
)
にわが
面埋
(
もうず
)
めり
18
遠く見ゆ山膨らみて雨ごとに緑の絵の具塗り重ねゆく
17
川沿いに名残り桜と菜の花が二色で描くデクレッシェンド
15
卆寿越え「今年も見たり山桜」とゆらぎし文字の叔母からの文
18
泡立てのリズムで揺れるコック帽車窓から見ゆ調理師学校
20
思春期の憂い払いて青春の門出に立ちぬ
十八歳
(
じゅうはち
)
の
皇子
(
みこ
)
11
餌台の順番待ちのシジュウカラ向かいの枝で井戸端会議
19
大鍋にカレー仕込みて春休み孫ら食らひて鍋底笑ふ
17
ふきのとう湯がいて青く匂いたつ「ばっけ」の呼び名馴染みて久し
12
春の宵
空薫
(
そらだき
)
のごと香しき匂ひ運びぬ梅の下風
11
鶯の初鳴き聞きてそういえば上着羽織らず朝のごみ捨て
17
寒緩み賑わう街に
時刻
(
とき(2:46)
)
くれば皆足止めて鎮魂祈れり
21
家ありし瓦礫の山に立ちつくす声なき吾に雪吹きつけぬ(2011.3.11を偲び)
18
雛飾り春の兆しを待つ庭の梅の蕾に啓蟄の雪
20
紅色の苺洗いて香りたちひとつ頬張る台所の春
22
雪やみて枯葉押しのけ顔を出す春を告げんとクロッカス見ゆ
26
寝支度の吾を追い越し部屋に入り布団の
真中
(
まなか
)
で吾を待つ猫
22
如月の雪の晴れ間に射す光近づく春のにほひ含みて
20
四十二になりし娘にその歳の吾を重ねて背中支えん
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