Utakata
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TORAKO
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日々の想いを三十一文字に・・・
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水張田に佇む鷺の美しさ心のなかで切るシャッター音
11
親鳥の留守に覗いた巣箱から大きな雛がはみだしており
13
うたた寝の脇腹につともたれおる猫の重みで母猫となる
17
朝歩きゆうべの夫の暴言を反芻しながら歩数踏む吾
15
すし詰めの巣箱に育ちぬ雛たちは巣立つ日いかに大空に舞ふ
11
役割で呼ばれることの荷を下ろし自分のままを生きたし今ぞ
18
午前五時われの目覚めの時知るや夜具に
入り込む
(
いりこむ
)
猫のぬくもり
15
ガザの民攻撃のがれ逃避行荷のてっぺんに乳母車見ゆ
12
雨上がり栗の花の香匂い立ち迷いこむらむ学び舎の森に
11
餌くわえ巣箱に戻る親鳥が折り返し発つ雲の晴れ間に
18
薫風がまばゆく光る木々揺らし青葉の祭り時は今ぞと
12
人気
(
ひとけ
)
なき地下のホームに流れおるBGMにふと涙などする
13
朝ごとに向こう鏡に懐かしき母の面影
六十路
(
むそじ
)
の我が
面
(
も
)
10
口論ののちに届きし母の日の濃い紫の花は沈黙
9
生家には大音量でテレビ見る童女のような叔母ひとりいぬ
8
故郷
(
ふるさと
)
の駅に降り立ち足早に近道を抜け生家につきぬ
9
ひさかたの御堂筋線せかせかと人混みぬうて
都会人
(
とかいびと
)
となる(里帰り)
9
いさかいの翌朝にいう「おはよう」に少し間がある
夫
(
つま
)
の「おはよう」
12
いさかいの翌朝にいう「おはよう」は一か八かの小さき
一歩
(
ひとほ
)
13
同じ時過ごせし
夫
(
つま
)
との思い出はひとりのものぞふたりではなく
12
「そばにいて…」やっと言いたる我に説く
夫
(
つま
)
の理屈が蓋をとじさす
9
折にふれ語りかけたき亡き友はライントークの最後尾にをり
21
眠れぬ夜逝きし友への懺悔の念病みたる時に会わざりしこと
12
秋日暮れ吾に届きぬ友の
訃
(
ふ
)
のラインの文字を何度も目で追ふ
7
父となりし息子の奏でるピアノの
音
(
ね
)
やさしき曲を子のために弾く
10
戯れて下校する子らその中に孫をみつけし薫風の午後
12
桜舞ふヴェランダで切るネコの爪ビルエヴァンスの流るる朝に
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