Utakata
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TORAKO
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日々の想いを三十一文字に・・・
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田の景色知らずに育ちし吾なれど海馬に在りて水張田に鷺
17
紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
21
急病の娘の家に向かう道不穏な夜を照らす満月
24
陽だまりにアンモナイトの型で寝るネコの
真中
(
まなか
)
にわが
面埋
(
もうず
)
めり
20
遠く見ゆ山膨らみて雨ごとに緑の絵の具塗り重ねゆく
18
川沿いに名残り桜と菜の花が二色で描くデクレッシェンド
16
卆寿越え「今年も見たり山桜」とゆらぎし文字の叔母からの文
19
泡立てのリズムで揺れるコック帽車窓から見ゆ調理師学校
21
思春期の憂い払いて青春の門出に立ちぬ
十八歳
(
じゅうはち
)
の
皇子
(
みこ
)
12
餌台の順番待ちのシジュウカラ向かいの枝で井戸端会議
20
大鍋にカレー仕込みて春休み孫ら食らひて鍋底笑ふ
18
ふきのとう湯がいて青く匂いたつ「ばっけ」の呼び名吾も馴染みて
13
春の宵
空薫
(
そらだき
)
のごと香しき匂ひ運びぬ梅の下風
11
鶯の初鳴き聞きてそういえば上着羽織らず朝のごみ捨て
18
寒緩み賑わう街に
時刻
(
とき(2:46)
)
くれば皆足止めて鎮魂祈れり
22
家ありし瓦礫の山に立ちつくす声なき吾に雪吹きつけぬ(2011.3.11を偲び)
19
雛飾り春の兆しを待つ庭の梅の蕾に啓蟄の雪
21
紅色の苺洗いて香りたちひとつ頬張る台所の春
23
雪やみて枯葉押しのけ顔を出す春を告げんとクロッカス見ゆ
27
寝支度の吾を追い越し部屋に入り布団の
真中
(
まなか
)
で吾を待つ猫
23
如月の雪の晴れ間に射す光近づく春のにほひ含みて
21
四十二になりし娘にその歳の吾を重ねて背中支えん
23
編みかけのセーター
解
(
ほ
)
どきつふと気づく静寂の中雪積もりをり
22
病める友送迎車より降ろされし車椅子の背小さくなりぬ
18
金網に巻き付いたまま種となりし寒風に耐ふ朝顔の蔓
22
旧友の重き病を知らせたる友の
夫
(
せ
)
からの寒中見舞い
26
松飾り新しき年
寿
(
ことほ
)
ぎて取りて始まる日常も良き
18
向かい合い聖夜のカフェでココア飲む夫婦となりぬ
長年
(
ながとせ
)
たちて
20
明けぬ
夜
(
よ
)
はないとはいえど暗き空やっと白みて冬の朝焼け
17
凍みわたる冬至の朝にみつけたる老木の枝に冬芽光るを(誕生日に)
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