Utakata
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TORAKO
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日々の想いを三十一文字に・・・
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来る年の悲喜こもごもを記さんとまだ真白きな日記帳買ひ
25
人生は良きものなりと思える日晴れた秋の日明るき月夜
20
草むらで大合唱の虫たちは短き秋を知りて鳴くやも
17
「異常なし」を確かめに行くクリニック心配性の病は治らず
17
またひとつ診察券が増えた夏酷暑の街を医者のはしごす
23
立秋すぎて朝な夕なの
清
(
すが
)
しさに暦に倣う
地球
(
ほし
)
に安堵す
18
それぞれが試練抱えて過ごす夜を
慮り
(
おもんぱか
)
て安けきと祈る
20
ほろ酔いの独りの夜半は吾の
霊
(
たま
)
が心のままに
出
(
い
)
で遊ぶ
刻
(
とき
)
17
文月の青田波打つ熱風にひょっこり顔出す鷺一羽いて
21
大相撲亡父に似たる観客に勝負の行方見のがす夕べ
23
日傘さし通学路行く
童女
(
わらべ
)
らは話はずみて女子会のごと
20
夏の夜ライン電話で集まれり各地に住まふ三姉妹いて
19
目覚めどき背中を撫でる母の手に包まれたきや赤子のように
21
轟音が聞こゆるような
コントレイル
(
ひこうき雲
)
太く残りて夏空眩し
24
主
(
あるじ
)
なき庭に咲きおる紫陽花の凛々しき青に故人偲びて
22
アオダモに掛けた巣箱に耳すませ漏れ来る音に生命知るらむ
19
水無月の晴れ間に夏の熱気沸き脱皮するごと衣脱ぎ捨て
15
窓を打つ雨粒見つむ
吾
(
わ
)
の胸の日々の煩ひ洗い流せよ
17
田の景色知らずに育ちし吾なれど海馬に在りて水張田に鷺
16
紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
20
急病の娘の家に向かう道不穏な夜を照らす満月
22
陽だまりにアンモナイトの型で寝るネコの
真中
(
まなか
)
にわが
面埋
(
もうず
)
めり
19
遠く見ゆ山膨らみて雨ごとに緑の絵の具塗り重ねゆく
17
川沿いに名残り桜と菜の花が二色で描くデクレッシェンド
14
卆寿越え「今年も見たり山桜」とゆらぎし文字の叔母からの文
17
泡立てのリズムで揺れるコック帽車窓から見ゆ調理師学校
20
思春期の憂い払いて青春の門出に立ちぬ
十八歳
(
じゅうはち
)
の
皇子
(
みこ
)
11
餌台の順番待ちのシジュウカラ向かいの枝で井戸端会議
18
大鍋にカレー仕込みて春休み孫ら食らひて鍋底笑ふ
17
ふきのとう湯がいて青く匂いたつ「ばっけ」の呼び名吾も馴染みて
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