TORAKO
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日々の想いを三十一文字に・・・

薄墨の三日月けむる秋の宵妖しい夜(よ)の香に幽体離脱す
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葬送の列に並びて柩(ひ)の中の安堵の顔に花を手向けむ
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秋の田の杭かけ干しの刈り穂らは雨に打たれて蓑被るごと
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朝霧に萩の紫鮮やかにゆうべの憂い涼風に消ゆ
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朝冷えに夜具たぐりよす窓辺よりきんもくせいの香ほのかに入りぬ
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秋桜(あきざくら)月明りさす花先をゆらす浜風潮騒聞こゆ
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南風(みなみかぜ)山の木々の葉翻し入道雲に映える青栗
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ペディキュアをとって現る褪せた爪サンダルの跡甲に残れり
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肩並べ夕餉の肴選びおる老夫婦いて日々是好日
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灯籠に宿りし御霊流れ行く暗き水面に月影揺れる
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夏の宵モヒート片手にヴェランダで打ち上げ花火音で楽しむ
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炎天にすっくと立ちぬネジバナの花先揺らし蝉しぐれ降る
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夕暮れにほろ酔いで聞くひぐらしに響鳴するごと梅雨の雷音
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夏風邪に臥せるわが目をみつめおるねこの口元にゃーと動けり
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清き水澄みし空気につぶやきぬ「嗚呼みちのく…」と旅人のごと
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朝まだき憂鬱の壊(かい)がのしかかる押しのけて起く逢魔ヶ刻(おうまがどき)よ
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夏帰省母の待つ家近づきて凌霄花(ノウゼンカズラ)笑いて咲きぬ
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来客に音もたてずに消える猫毛溜まりだけが残る長椅子(再)
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静寂の巣箱に気づく夏至の朝雛巣立ちぬる梅雨入りの日に
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恋の歌を冷めた目で読むわれなれどほんとの恋を知らずきたやも
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背の高さ競うよに咲く立葵色とりどりに夏空に映ゆ 
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来客に跡形もなく消え去りし猫の毛溜まりソファの隅に
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水張田に佇む鷺の美しさ心のなかで切るシャッター音
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親鳥の留守に覗いた巣箱から大きな雛がはみだしており
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うたた寝の脇腹につともたれおる猫の重みで母猫となる
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朝歩きゆうべの夫の暴言を反芻しながら歩数踏む吾
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すし詰めの巣箱に育ちぬ雛たちは巣立つ日いかに大空に舞ふ
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役割で呼ばれることの荷を下ろし自分のままを生きたし今ぞ
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午前五時われの目覚めの時知るや夜具に入り込む(いりこむ)猫のぬくもり
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ガザの民攻撃のがれ逃避行荷のてっぺんに乳母車見ゆ
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