Utakata
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TORAKO
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日々の想いを三十一文字に・・・
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清き水澄みし空気につぶやきぬ「嗚呼みちのく…」と旅人のごと
10
朝まだき憂鬱の
壊
(
かい
)
がのしかかる押しのけて起く
逢魔ヶ刻
(
おうまがどき
)
よ
12
夏帰省母の待つ家近づきて
凌霄花
(
ノウゼンカズラ
)
笑いて咲きぬ
16
来客に音もたてずに消える猫毛溜まりだけが残る長椅子(再)
15
静寂の巣箱に気づく夏至の朝雛巣立ちぬる梅雨入りの日に
16
恋の歌を冷めた目で読むわれなれどほんとの恋を知らずきたやも
13
背の高さ競うよに咲く立葵色とりどりに夏空に映ゆ
16
来客に跡形もなく消え去りし猫の毛溜まりソファの隅に
12
水張田に佇む鷺の美しさ心のなかで切るシャッター音
11
親鳥の留守に覗いた巣箱から大きな雛がはみだしており
14
うたた寝の脇腹につともたれおる猫の重みで母猫となる
17
朝歩きゆうべの夫の暴言を反芻しながら歩数踏む吾
15
すし詰めの巣箱に育ちぬ雛たちは巣立つ日いかに大空に舞ふ
10
役割で呼ばれることの荷を下ろし自分のままを生きたし今ぞ
19
午前五時われの目覚めの時知るや夜具に
入り込む
(
いりこむ
)
猫のぬくもり
15
ガザの民攻撃のがれ逃避行荷のてっぺんに乳母車見ゆ
14
雨上がり栗の花の香匂い立ち迷いこむらむ学び舎の森に
11
餌くわえ巣箱に戻る親鳥が折り返し発つ雲の晴れ間に
19
薫風がまばゆく光る木々揺らし青葉の祭り時は今ぞと
12
人気
(
ひとけ
)
なき地下のホームに流れおるBGMにふと涙などする
14
朝ごとに向こう鏡に懐かしき母の面影
六十路
(
むそじ
)
の我が
面
(
も
)
10
口論ののちに届きし母の日の濃い紫の花は沈黙
10
生家には大音量でテレビ見る童女のような叔母ひとりいぬ
11
故郷
(
ふるさと
)
の駅に降り立ち足早に近道を抜け生家につきぬ
10
ひさかたの御堂筋線せかせかと人混みぬうて
都会人
(
とかいびと
)
となる(里帰り)
10
いさかいの翌朝にいう「おはよう」に少し間がある
夫
(
つま
)
の「おはよう」
14
いさかいの翌朝にいう「おはよう」は一か八かの小さき
一歩
(
ひとほ
)
14
同じ時過ごせし
夫
(
つま
)
との思い出はひとりのものぞふたりではなく
14
「そばにいて…」やっと言いたる我に説く
夫
(
つま
)
の理屈が蓋をとじさす
11
折にふれ語りかけたき亡き友はライントークの最後尾にをり
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