山口学
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左手の指にちくんと蜂か虻ふり振ったがやましさ残る
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やれることすべてやったさ そうだろう? ぬるい湯船で手と足のばす
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大股で我を追い越す速足の人に追い付く次の信号
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アパートのガラスの向こう坂のうえ温室猫にまた会いに行く
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病院の友を作れる人じゃない我はしずかに呼び出しを待つ
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ぬばたまの黒い鳥には分からないゴミネットの名カラスいけいけ
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パスタ跳ねドットができた白シャツはつまんで水で洗い落とせよ
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二、三羽の水鳥みずとりやすむ池静か深い空虚に吾のみが立つ
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君と飲む土曜日の夜今ここで言ってしまうか一人で暮らすと
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王様が急場の国をご所望だ家来は策を練らねばならぬ
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ハムスターには頬袋ウチにあるのは冷蔵庫エサをためねば
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トーストは人の生き方ふわふわでもちもちだけがいいわけじゃない
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次の期の受注が見えぬ年度末トマトのパスタひたすらに喰う
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世の中が見えたときにはすでになし世界動かす意気も力も
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今日もまた足を踏まれることだけが世間とぽくのコミュニケーション
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何もかも管理対象房総の菜の花たちも人の心も
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大洋になぜ雨は降る塩のあじ薄めるためにH2Oえっちつーおー
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太陽に向かって進め冬散歩街路樹の影舗道に長く
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やせてきた白い石けん濡れているうちに重ねる赤い石けん
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佳き日にはぐるんと街を散歩して犬に吠えられ雪にも降られ
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丘越える風にはためく旗見える訪う先は老健施設
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零度ですエアコンが言う外気温まちのすべての暖房つけよ
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晴れわたる空を飛びゆく黒いはね海辺の道の年初めの日
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