氷山
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詩のことばをつかえるようになりたいです

外で泣かなくなっただけ 荷が重い人はだれでもおひざを濡らす
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死にたくてつまみ上げたさくらんぼが私の代わりに生きてるみたい
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わたくしの遠い祖先は魚だと思い出させる足裏の皮
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寄る波に何が潜んでいてもいい 冷たい指をそっと絡めた
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もうずっと孤独に漕いでいるつもりだったよ 二基に照らされるまで
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寝ころんで土曜の空気を吸い込めばこんなところにほくろがあった
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ちょっとした猶予みたいな夜だった むき出しの腕を撫でる涼しさ
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送られてゆく真夜中の国道の田んぼの上を月は走って
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少し微笑めばわたしのこの顔をわたしと認識しない相棒
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なにもかもキマダラカメムシに見える マジ許せない すべてが怖い
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自転車のサドルについたひとひらを無造作に振り払う貧しさ
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重だるい幕を開ければ花ばっかむやみに咲いてばかにしやがる
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「やったか」と言ったばかりに残党の不安がわたしの寝首をかいた
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すりきれたままの命とすりきれた弁当袋で季節をこえる
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コイン精米の明かりを恃みつつ消えたいくらいただ帰り途
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ひとりだけ住む人の手で丁寧にただ撫でられているカーペット
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最期だけ自分の声で泣くことを許されているガラスの欠片
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素の指でひろってあげる ガラスへのとむらいとしてひとつひとつを
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こなごなになって初めて空気にふれたダブルウォールの内側のぼく
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長押しで電源を切る親指がたしかに息の根を止めていた
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幸せの形を探して三千里 ちょっとうねったシャンプーボトル
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うかうかと生きているから知らない傷が腿に走ってわたしをそし
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水飲むとずっしり重くなる胃が好きだ 人ってただの筒と思えて
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大挙して空を渡ってゆく白い夏 地平の裏で来年を待つ
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子ども舌 苦味があっておいしいと言う人みんなうそつきとする
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見ず知らずグリルのなかに並べられ炎に向けてヒレを掲げる
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先生が答えを省いたあの午後にほんのりすりむいたままの胸
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手に入らないならなんで光ったのって言いたくもなるまばゆい瞳
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幸せは天日にあてたカーペット 秋のはじめの乾いた空気
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あんたってなかなかひどい奴だよね 高天原たかまがはらを向いてむくれる
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