氷山
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362

詩のことばをつかえるようになりたいです

ともだちに耳を倒して上を向く このひとになでられてうれしい
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だいすち、と心の中の三歳がふぞろいな歯をむき出しにする
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お月さん、競争しやう。お日さんに見つかる前に床に就くのよ
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理に逆らつてゐる一日の始めは西に燃ゆる陽を見て
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帰るなりチョコをむさぼりあちこちでこぼしあふれる寝不足のゆび
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憂鬱な冬の正午はフレーバー・ティーの織りなす世界へ逃げろ
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よく冷えた地表を覆う暗闇の、まばゆい星のさきにいますか
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その先はないと知ってて生きている私のためにあなたへ語る
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あたまからくずれておちるこの身さえお母さんに育てられてゐた
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自分では作れない酸素をもらう あなたにもらう弱い生きもの
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ねむるのは死の練習か あのひとはそれが最期と知っていたのか
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運命じゃなかったんだね剥き出しの心臓を掴み合った不快さ
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何からも守ってくれると思ってたダウンを通して染み入る夜冷え
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返らない愛に怯えるわたくしを笑っているか十三夜月
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「みんなで食べよう!」と呼びかける菓子を貪るひとり歳ばかり取る
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ころころと肥りて落ちし銀杏をかわして風を裂く予鈴前
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欲深きこの身の猛き欲の深さよ 人生の解像度が下がる
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こころからほとばしる甘い執着がきみの重荷に成り果てし今日
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いける気がするこの日々は溶き卵でほどよくできるくらいの辛さ
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友だちにならいくらでも口をつく口説き文句が出てこないひと
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百本の薔薇の花束を捧げて駆け引きさえも崩れていく日
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うつくしい無辜のあなたをわたしなら蝶よりも花よりも愛すよ
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寒いだけで貴女と組んだ腕の間のあのぬくもりを思い出すのだ
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あの、花を、買いたくて、その、冷ややかな店主の眼差しにて敗走
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七割のみんなの助けがのっていた三割くらいのぼくの力に
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おそろしい時間でしたね、くわしくは存じませんが紅茶をどうぞ
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ときどきに恐ろしくなるこの口はわたしが第一志望だったか
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無力だと感じた胸のとげとげをそのまま渡してしまってごめん
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まだぬくい席に移ったきみたちが座りたければ座れるように
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桃色の風呂水にホースを投げれば とおい海から飛沫が返る
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