Utakata
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氷山
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詩のことばをつかえるようになりたいです
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満たんに充電された携帯をにぎる私の残量がない
9
めったには会えなくなった冷蔵庫のなかでミルクが静かに腐る
7
愛すにはよほどおかねもいるみたい きみへの熱をうばう冷媒
6
まどろみのやうにかすんでままならぬままわたくしと居て、朧月
6
記憶にもないあなたとのおそろいの
手巾
(
しゅきん
)
がふくむ最期の息吹
6
花火から落とした先できみどりの見物
虫
(
にん
)
とふっと目が合う
6
驚いたヒト科に息を吹かれてもただケツ向けているすいっちょん
5
唐突な花火の音に隣家から漏れる明かりもちらちら動く
7
誰にでもおそるおそると触れ合って「へっぴり腰」の教科書にのる
5
ぬいぐるみたちと毛布をわけあってページをめくるねむれない
夜
(
あさ
)
14
清らかなあの子を抱きしめた腕をきれいに保っていたい春の日
6
しょうもないものばかり見てねむれないのは心をちょっとすりむいたから
12
院生になってもどうやら私のままで資料の山の前にたたずむ
8
空の巣になった家から送られてくる食べ物の量が増えたな
9
あなたには許されていた。春の日のてもち無沙汰に握るゆびさき
9
遠くまできたね。ずいぶん−−そうか、もう、帰りのきっぷはいらないんだね
9
くるしいと思ったきみは背すじをのばせ 肺をつぶしているんじゃないか
8
春雷のとどろく新しい土地で人もほのかに電気を帯びる
5
星空を見たことのないストーブに最期の空を見せる二十時
12
手の冷えた友だちを
温
(
ぬく
)
めるためにあったかい手に生まれてきたよ
15
どうしても一緒にいたいあなたの前で「消えろ」のとこが歌えなかった
10
手荷物を持ちかえて差し伸べられた指先をつつみ込んでお別れ
9
雪解けてチャリも走れる小春日和の額に受ける風がやさしい
12
酔いどれのたわむれなんかじゃないのにきみを抱きしめる確信犯
6
高鳴ったあたしの胸もしらないで手紙と一緒にここを発ちなよ
6
まあ、そうね、考えてみて。あの人があの日おまえを許したわけを
6
こっそりと隠れるように盗み見るまだまっ暗い四時半の空
15
偶像というにはあまりに友だちすぎるきみはわたしのための恒星
7
その指が編んだアルバムを繰ればあなたのいない日々を暮らせる
9
思い出の中にはいつも君がいてわたしと同じ景色を見てる
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