氷山
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詩のことばをつかえるようになりたいです

粛々と愛していかう ときどきはこんなうたでも辞書にしながら
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養分とガラスの破片をいっぺんに飲むようなあなたとの文通
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あなたには渡せないまま抱えてる段ボール箱の重みが増して
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フリーハグとはいうもののほんとうはあなたの胸にかえりたいだけ
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はじめてのおつかいをした幼子が座り込むときのように泣きたい
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「おまえなどいらない」という大木たいぼくのとなりに植える白いアイリス
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触れ合えば触れ合っただけ泥濘ぬかるみに足をとられる 人がわからぬ
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やさしさを装った牙の傷跡をもつわたくしもあなたを牙で
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返信をくれないきみの友愛をあの日のうたの中で待ってる
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あなたからもらったままでかがやいた死ぬまで生きるためのお守り
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どうぶつにならってその日ぐらしするはずなのにメモを手放せない
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他人ひととおしくらまんじゅうのできない子 ただひと押しでみんな倒れる
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ビギナーズラックのラック抜きをもう三年ばかり続けてゐる
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失った泣いてばかりの恋はもう泣いてばかりの愛にしていく
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美しく高くなくてもよくてただあなたのそばにいたかっただけ
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お互いを高嶺の花と思いあうただ草むらに咲いた二輪の
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たまに振り返ってほしいあなたへの愛という名のかたまりのぼく
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こんなにも虫なのはなぜ 何度でもをおびやかすトマトのへたよ
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満たんに充電された携帯をにぎる私の残量がない
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めったには会えなくなった冷蔵庫のなかでミルクが静かに腐る
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愛すにはよほどおかねもいるみたい きみへの熱をうばう冷媒
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まどろみのやうにかすんでままならぬままわたくしと居て、朧月
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記憶にもないあなたとのおそろいの手巾しゅきんがふくむ最期の息吹
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花火から落とした先できみどりの見物にんとふっと目が合う
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驚いたヒト科に息を吹かれてもただケツ向けているすいっちょん
4
唐突な花火の音に隣家から漏れる明かりもちらちら動く
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誰にでもおそるおそると触れ合って「へっぴり腰」の教科書にのる
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ぬいぐるみたちと毛布をわけあってページをめくるねむれないあさ
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清らかなあの子を抱きしめた腕をきれいに保っていたい春の日
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しょうもないものばかり見てねむれないのは心をちょっとすりむいたから
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